"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
空白を埋めろ Chal.10 [オサムシ]
このところ発行間隔が空いていますが隔週刊にしたわけではありません。
季節柄記事ネタが少ないとはいえ、それが理由ではなく、ちょっと考えがあってのことです。
ともかくシリーズの続きです。
通算10編目。
久しぶりに南房へも行ってきました。
2月18日、今回のターゲットエリアはソデガウラ。
ルイスオサは掘ったことがありますが、アオオサコレクションの空白エリアなのです。
袖ヶ浦市は内房の市原市と木更津市に挟まれた山間部がほとんどない小さな自治体。
オサホリポイントはキサラヅよりも少ないと思われますが何とか見つけたい。
そう思い、GoogleMapとにらめっこすること小一時間。
ない。谷津田や谷戸がない。
あっても開け過ぎていたり、ソーラー発電所へ続く谷地だったり。
それでも二か所(二本)の細い谷戸を目的地と定めました。
いつものR16を南下し、久しぶりにR297大多喜街道で内陸へ。
馬立から東へ向かい、峠を越えて南下していると、左手眼下に小さな谷津田が見えました。
まだ市原エリアでしたが0.5秒考えて緊急停止。
Uターンして細くて急な坂道を降りていきました。
それは農家の敷地へと続くアプローチのようでしたが、途中で下流へ向かう砂利道へ突入。
そこはとても景色のいい、小さな小さな谷戸でした。
しかも小崖もあり。
しかし、土はかなり乾燥していて、かつ指標虫も出てこない。
下流側に向けて掘れる箇所は断続的に続いていましたが、30分ほど掘って出たのは親分一頭のみ。
明るい陽射しを受けて輝くタンポポを眺めて離脱しました。
出発してソデガウラに入るとすぐ、左手に堰が見えました。
その向こうに小崖らしきものが見えたので、またしても寄り道。
堰はスルーして谷戸の奥が見えるところまで進むと、見たことがある景色でした。
一度訪れたことがあったような気が。
行き止まりの小崖でゴミムシがいくつか出た記憶がありますが、歩いて行ってみるとやはりそうでした。
さらに土の乾燥が進んでいる印象で、少し試掘してみたけれど、まったく何もでませんでした。
さて、いよいよ目星を付けた場所へ。
ランドマークが何もなかったので一度通り過ぎてしまったけれど、二度目のアプローチで現着。
細い谷戸沿いのガタゴト道に入った途端、林縁側に崖が続いているのがわかりました。
いきなり期待感が高まり、さっそく試掘すると、ここの土もがっちり乾燥していました。
崖は断続的に現れるので、ベニシジミ号でちょっと進んでは試掘、進んでは試掘の繰り返し。
休耕田は湿地化していて、ゴミムシはたくさんいそうなのに・・いない理由はおそらく。
しかしオサムシどころかゴミムシやゴモクムシさえ出ない。
撮影するものがないので写真もない。
ここから先は道のぬかるみ具合が激しくなったので歩いて進みました。
ところが掘れそうな崖もなくなり、とうとう進行困難な景色になりました。
細くて長い谷戸というか湿地ですが、もう期待感は0%になっていたので撤退。
ちょっと寄り道しすぎたこともあり、ここでもうお昼になっていました。
ソデガウラでもう一か所突入したかったのですが、カモガワに行きたいので進路は南へ。
その行きたかったの場所が扉の写真で、過去に何度か紹介した南房の某所。
アカオサムシの産地で、約一年前にも訪れたのですが想定外にボウズでした。(その記事はこちら)
ただその時は3月で、暖かい日が続いていたので、やや遅かったかもしれないと思ったのです。
今回は大丈夫だろうと、ダム湖の奥の秘密の場所へ。
ベニシジミ号をとめて、いざ出陣。
ポイント周辺の様子も土質も変わってなくて安心しましたが・・またしても何も出ない。
指標虫すら出ない。しばらく掘り続けて、マルガタゴミの仲間が一つ出ただけ。(写真撮らず)
愕然としつつも、こうなったらさらに奥のとっておきの場所も攻めてみることに。
ボウソウ名物の素掘り隧道に突入。
ところがそこもダメでした。
ガッカリ項垂れ、何かに引き寄せられるように、さらにもう一本隧道を抜けていきました。
しかしそこに崖はありませんでした。
隧道はさらにもう一本あるのですが、初訪の時から内部が水没しているためそれ以上は進めず。
呆然として体の力が抜けながらも、とてもお腹が空いたのでいつもの店へ向けて出発。
黙って席に座って待っていると、マスターが本日のスペシャルを出してくれました。
「十年ぶりくらいに作ったからショウガとニンニク入れるの忘れちゃったけど大丈夫?」
とマスターが言ったけど、その分あっさりしていて、ラー油とゴマ油の香りが高くて味に締まりがある。
落ち込んでいた気分も快復し、思わずスープを飲み干してしまったほど。
後半戦は外房の空白エリアを回って帰るつもりでしたが、悔しいのでソデガウラに取って返すことに。
鴨川無料道路を登り、久留里街道をひたすら北上し、途中R410を経由して戻りました。
もう一か所行こうとした場所に向かいながらも、ちょっと入ってみたくなる怪しい道を見つけてしまった。
期待が持てそうになかったらすぐに引き返そうと思いながら坂を登って行くと・・
崖はないものの、杉林の中を通る荒れた細い林道になり、手作業で杉を伐採した広場が現れ・・
引き返す判断ができないまま、ガタゴト道をしばらく進むと、半舗装のT字路にぶつかりました。
ここは一体どこかなと、一旦停車してスマホの地図で確認していたら、目の前に崖があるじゃないか。
もうかなり陽も傾きかけていたので、急いでバチツルを取り出して試掘開始しました。
粘土質で湿度も高く、いい感触だと思いながら掘り続けますが、何も出ない。
でもポツポツとではあるけれどコムカデなどの指標虫は出る。
熟睡中のこんなのも出る。
ゴミムシは全く出ないのだけれど、もうここが最後だと、諦めずに掘り続けていると突然。
うわっソデガウララベルだ!と俄かに喜んだのですが、何か雰囲気が違う。
本命ではないけれど、うれしい収獲でした。
というのも、帰宅後に日本オサムシ図説で確認すると、クロナガの分布域の県内最南端と思われたから。
そう、ソデガウラより南には分布していないとされているのです。
現場では泥まみれだったのでブロマイドを。(まだ土が落ちきっていませんが)
北総などではクロナガは極普通種なのでブロマイドなんて撮るのははじめてかも。
とにかく、これはオスも出さねばとバチツルを振る腕に力が入りました。
いよいよ陽も傾いてきたので回転スピードも上がりましたが、出たのは親分だけでした。
日没まではまだ30分ほどありましたが、もう一匹誤爆したところで試合終了としました。
クロナガオサムシがいればアオオサもいる可能性が高いと思います。
また、途中通りがかった杉林の中にトラップを仕掛ければイケるとも思いますが・・
ボウズは逃れたものの、シーズン中にもう一度トライしたい。
実は今日リトライしてきました。
そして空白を埋めるミッションを果たせました。
ちょっとした偶然もあったのですが、詳しくは別途記事にするつもりです。
今日の湯加減
季節柄記事ネタが少ないとはいえ、それが理由ではなく、ちょっと考えがあってのことです。
ともかくシリーズの続きです。
通算10編目。
久しぶりに南房へも行ってきました。
2月18日、今回のターゲットエリアはソデガウラ。
ルイスオサは掘ったことがありますが、アオオサコレクションの空白エリアなのです。
袖ヶ浦市は内房の市原市と木更津市に挟まれた山間部がほとんどない小さな自治体。
オサホリポイントはキサラヅよりも少ないと思われますが何とか見つけたい。
そう思い、GoogleMapとにらめっこすること小一時間。
ない。谷津田や谷戸がない。
あっても開け過ぎていたり、ソーラー発電所へ続く谷地だったり。
それでも二か所(二本)の細い谷戸を目的地と定めました。
いつものR16を南下し、久しぶりにR297大多喜街道で内陸へ。
馬立から東へ向かい、峠を越えて南下していると、左手眼下に小さな谷津田が見えました。
まだ市原エリアでしたが0.5秒考えて緊急停止。
Uターンして細くて急な坂道を降りていきました。
それは農家の敷地へと続くアプローチのようでしたが、途中で下流へ向かう砂利道へ突入。
そこはとても景色のいい、小さな小さな谷戸でした。
しかも小崖もあり。
しかし、土はかなり乾燥していて、かつ指標虫も出てこない。
下流側に向けて掘れる箇所は断続的に続いていましたが、30分ほど掘って出たのは親分一頭のみ。
明るい陽射しを受けて輝くタンポポを眺めて離脱しました。
出発してソデガウラに入るとすぐ、左手に堰が見えました。
その向こうに小崖らしきものが見えたので、またしても寄り道。
堰はスルーして谷戸の奥が見えるところまで進むと、見たことがある景色でした。
一度訪れたことがあったような気が。
行き止まりの小崖でゴミムシがいくつか出た記憶がありますが、歩いて行ってみるとやはりそうでした。
さらに土の乾燥が進んでいる印象で、少し試掘してみたけれど、まったく何もでませんでした。
さて、いよいよ目星を付けた場所へ。
ランドマークが何もなかったので一度通り過ぎてしまったけれど、二度目のアプローチで現着。
細い谷戸沿いのガタゴト道に入った途端、林縁側に崖が続いているのがわかりました。
いきなり期待感が高まり、さっそく試掘すると、ここの土もがっちり乾燥していました。
崖は断続的に現れるので、ベニシジミ号でちょっと進んでは試掘、進んでは試掘の繰り返し。
休耕田は湿地化していて、ゴミムシはたくさんいそうなのに・・いない理由はおそらく。
しかしオサムシどころかゴミムシやゴモクムシさえ出ない。
撮影するものがないので写真もない。
ここから先は道のぬかるみ具合が激しくなったので歩いて進みました。
ところが掘れそうな崖もなくなり、とうとう進行困難な景色になりました。
細くて長い谷戸というか湿地ですが、もう期待感は0%になっていたので撤退。
ちょっと寄り道しすぎたこともあり、ここでもうお昼になっていました。
ソデガウラでもう一か所突入したかったのですが、カモガワに行きたいので進路は南へ。
その行きたかったの場所が扉の写真で、過去に何度か紹介した南房の某所。
アカオサムシの産地で、約一年前にも訪れたのですが想定外にボウズでした。(その記事はこちら)
ただその時は3月で、暖かい日が続いていたので、やや遅かったかもしれないと思ったのです。
今回は大丈夫だろうと、ダム湖の奥の秘密の場所へ。
ベニシジミ号をとめて、いざ出陣。
ポイント周辺の様子も土質も変わってなくて安心しましたが・・またしても何も出ない。
指標虫すら出ない。しばらく掘り続けて、マルガタゴミの仲間が一つ出ただけ。(写真撮らず)
愕然としつつも、こうなったらさらに奥のとっておきの場所も攻めてみることに。
ボウソウ名物の素掘り隧道に突入。
ところがそこもダメでした。
ガッカリ項垂れ、何かに引き寄せられるように、さらにもう一本隧道を抜けていきました。
しかしそこに崖はありませんでした。
隧道はさらにもう一本あるのですが、初訪の時から内部が水没しているためそれ以上は進めず。
呆然として体の力が抜けながらも、とてもお腹が空いたのでいつもの店へ向けて出発。
黙って席に座って待っていると、マスターが本日のスペシャルを出してくれました。
麻婆麺
「十年ぶりくらいに作ったからショウガとニンニク入れるの忘れちゃったけど大丈夫?」
とマスターが言ったけど、その分あっさりしていて、ラー油とゴマ油の香りが高くて味に締まりがある。
落ち込んでいた気分も快復し、思わずスープを飲み干してしまったほど。
後半戦は外房の空白エリアを回って帰るつもりでしたが、悔しいのでソデガウラに取って返すことに。
鴨川無料道路を登り、久留里街道をひたすら北上し、途中R410を経由して戻りました。
もう一か所行こうとした場所に向かいながらも、ちょっと入ってみたくなる怪しい道を見つけてしまった。
期待が持てそうになかったらすぐに引き返そうと思いながら坂を登って行くと・・
崖はないものの、杉林の中を通る荒れた細い林道になり、手作業で杉を伐採した広場が現れ・・
引き返す判断ができないまま、ガタゴト道をしばらく進むと、半舗装のT字路にぶつかりました。
ここは一体どこかなと、一旦停車してスマホの地図で確認していたら、目の前に崖があるじゃないか。
もうかなり陽も傾きかけていたので、急いでバチツルを取り出して試掘開始しました。
粘土質で湿度も高く、いい感触だと思いながら掘り続けますが、何も出ない。
でもポツポツとではあるけれどコムカデなどの指標虫は出る。
熟睡中のこんなのも出る。
ニホントカゲ Sleep
ゴミムシは全く出ないのだけれど、もうここが最後だと、諦めずに掘り続けていると突然。
(写真上部に出ています)
うわっソデガウララベルだ!と俄かに喜んだのですが、何か雰囲気が違う。
クロナガオサムシ ♀(オサムシ科)
本命ではないけれど、うれしい収獲でした。
というのも、帰宅後に日本オサムシ図説で確認すると、クロナガの分布域の県内最南端と思われたから。
そう、ソデガウラより南には分布していないとされているのです。
現場では泥まみれだったのでブロマイドを。(まだ土が落ちきっていませんが)
同上
北総などではクロナガは極普通種なのでブロマイドなんて撮るのははじめてかも。
とにかく、これはオスも出さねばとバチツルを振る腕に力が入りました。
いよいよ陽も傾いてきたので回転スピードも上がりましたが、出たのは親分だけでした。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
日没まではまだ30分ほどありましたが、もう一匹誤爆したところで試合終了としました。
ニホントカゲ Awake
クロナガオサムシがいればアオオサもいる可能性が高いと思います。
また、途中通りがかった杉林の中にトラップを仕掛ければイケるとも思いますが・・
ボウズは逃れたものの、シーズン中にもう一度トライしたい。
オマケ
実は今日リトライしてきました。
そして空白を埋めるミッションを果たせました。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
ちょっとした偶然もあったのですが、詳しくは別途記事にするつもりです。
今日の湯加減
今日というか今週は色々ありました。
うれしい同窓会とかあまりうれしくない誕生日とか。
事務処理にも追われて忙しかったのですが、ちゃんとオサホリも行きました。
オマケのとおり、リベンジも果たせて、ホッとしています。
今シーズンあと何回チャレンジできるか分かりませんが、環境劣化との競争の様相。
焦る。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
新年齢になっての初記録、おめでとうございます。ボウズ回避できてよかった、よかった!高和もホームゲレンデの調査を開始します。
by 高和です (2023-02-26 08:51)
お誕生日おめでとうございます♪
あまり嬉しく無い?そうですが^^
まだまだお若いのですから、そう仰らずに。
by いろは (2023-02-26 15:23)
>高和ですさん
年齢は関係ないですが年々虫が少なくなるのにキョウフを感じます・・
>いろはさん
どうしてご存知なんでしょう??
”お若く”はありませんが気持ちは大事ですね^^
by kon(昆) (2023-02-26 23:54)
追伸です。
いつの間にか「ゼフの」から「こんの」にかわりましたね。ステージが進んだんですか?それとも・・
by 高和です。 (2023-02-27 03:09)
凄いトンネルだ。
お宝を掘る小崖はトカゲの寝床でもあったのですね。
by 響 (2023-03-01 21:50)
クロナガオサムシ、ブロマイドの写真では、つや消しの黒みたいな、
渋い色合いですね。麻婆麺の、ラー油とゴマ油の香り、というところに
すごく惹かれます^^;。
by sakamono (2023-03-01 22:30)
ニホントカゲさん、目をつむっていると、こういう感じになるのでやすね。
まぶた、白いんでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2023-03-02 11:03)
>高和です。さん
年明けから変わっていますが、ステージとは・・
>響さん
廃道と化しているのがいいところです。
トカゲは吉兆でもありますね^^
>sakamonoさん
まさにマットで渋い装いです。
麻婆麺は飲み物でしたね^^
>ぼんぼちぼちぼちさん
ぐっすり眠ってましたね。アニメチックかも。
眼を開けないうちに埋め戻しておきました。
by kon(昆) (2023-03-02 21:41)