"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
丹沢山行 [日記]
前記事に”来週がまた激動になる予定”と書きましたが、それは山行の計画があったからです。
しかもRDB調査に同行させてもらうというチャンス。
ボウソウで山の中に入ることは日常茶飯事ですが、山登りやトレッキングは滅多にしない。
標高差もかなりあるのでちょっと不安もありました。
山行の前日の11月20日、Tさんのアトリエに行き、飼育実験の経過観察をしました。
その様子の撮影取材もあったのですが、そのときに顔を出したのが扉の写真。
越冬部屋を作って寝ていたところを起こしてしまいました。
さてその翌日。目指すは丹沢。天気は上々。
秦野ビジターセンターの先の民営駐車場に車を停めていざ出陣。
今回はTさんとその助手のEさんのRDB調査に同行させてもらいます。
もう、この二人は今年になって30回以上も塔ノ岳に登り、周辺の昆虫調査をしているのです。
山頂までは5.4キロとのことですが、登頂が目的ではありません。
でもここから1200メートルほど登っていきます。
途中にいくつか茶屋がありますが、休日しか開いていないので立ち寄りはしないし休憩もなし。
でも見晴らしぐらいは撮影しておきましょう。
遠く相模湾も望めたのですが写真ではきびしいですね。
そのすぐ先の山道は広いけれど大きな岩がゴロゴロしたやや急な坂。
そこを過ぎると尾根に出て、歩きながらこの場所の植生や樹木の生え方について講義を聴きながら進行。
そこから30分ほど歩くと二つ目の茶屋。
昔はこんなところまで馬で上がってきたのでしょうか。
ここもスルーしましたが、その少し先で水分補給しつつ景色を眺望。
右奥の台形の山が三ノ塔。中央は行者ヶ岳だったかな?
約30分歩くごとに茶屋があるような感じでしたが、ここも営業は土日のみだそう。
ここから次の茶屋までの間が長い急登でした。
丸太の段が敷設されていますが段差が大きい。(写真では伝わらないと思いますが)
そのおかげでかなり標高を稼ぎました。
心臓破りの坂をやっとこ登りきると四つ目の茶屋というか小屋。(ここもCLOSED)
さすがに息が切れたので小休止。
東南の方角は湘南の街並みというか市街地が広がり、下界とのコントラストがくっきりと。
西南の方角は小田原の先に真鶴半島が小さく見えました。
ここまで風も殆どなく、上着なしでも汗をかくほどでしたが、ここからはジャンバーを羽織って再出発。
というほどでもなく、10分ほどで目的地である尾根の分岐に到着。
左手に見える小さなピークは大丸(おおまる)というのだそうです。(その先に小丸もある)
この看板のとおり、この一帯は特別保護地区です。
なので、一般は登山道から外れて林内に入ってはいけません。
が、許可証(腕章)を付けて調査開始です。
今回は半月ほど前に設置した各種トラップの回収作業がメインのようでした。
急な谷というか沢を下りながらカップの中身を確認しながら回収していきます。
滑落しそうな傾斜なんですが、これも写真では伝わらないですね。
何個か回収したとき、下にいたEさんが「あ、これ!」と叫びながら短い枝を持ってきました。
それにくっついていたのはなんと。
地表を歩いているのはとても珍しいし、25mmもあろうかという大きな個体でTさんもびっくり。
でもこの沢の個体は大きいのだそうです。(ひょっとしてオオガロアムシ?)
土中にいる虫を確認するために、石の下の土砂をふるいにかけて採取もしてました。
隣の沢に移動して一旦荷物をデポジット。
FIT(フライト・インターセプト・トラップ)の回収も。
飛んでいる虫が透明の板にぶつかって下の容器の中に落ちるという仕掛け。
もう少し土を採取するためにTさんは沢の下へ降りていきました。
その間、朽木くずしをしてみてくれとの命を受けました。
渡された根掘りでいざ対決。
こういう朽ちた倒木がいくつかあり、いかにもマイマイが出そうなのですが、未採集とのこと。
しばらくすると出たのはオサムシではありませんでした。
15分一本勝負でしたが、ザンネンながら課題はクリアできませんでした。
回収や採取作業は終了したのであとは下山するだけですが、せっかくなので山頂まで行きたいと頼み。
身支度を整えてアタック開始。
分岐から0.6キロという表示だったので軽く考えていたのですが・・
こんな階段は序の口で。
心臓破りの坂に近い急登が長く続きました。(体感的には0.6キロではなく6キロ)
そしてついに登頂。
山頂部はガスっていて風も強くて三人で記念写真を一枚撮って早々に撤収。
下る際、土も入っているため20kgオーバーと思しきリュックを背負わせてもらいました。
足を一段踏み下ろすたびに膝に伝わる衝撃は今まで経験したことがありませんでした。
ボディーブローならぬレッグブローのようなダメージで花立山荘でギブアップ。
そのあとは身軽になったものの、下りの歩き方がヘタクソのようで二人に後れをとりはじめました。
まあムリするのは禁物と、上りでは立ち止まって観察しなかった花を撮ったり。
林の向こうに垣間見える紅葉を愛でながらゆっくり降りました。
それでも途中から腰が痛くなりはじめ、見晴茶屋で待っててくれた二人と合流したときにはヘトヘト。
しばし休憩してなんとか下山すると、下界はとてもいい天気でした。
塔ノ岳さん、また来るよ。
朽木くずしで一つだけ、何かの幼虫も出ました。
持って帰って羽化させてみてくださいとのことで、持ち帰って飼育ケースにセットしました。
オニクワだったらいいのになぁ・・
今日の湯加減
しかもRDB調査に同行させてもらうというチャンス。
ボウソウで山の中に入ることは日常茶飯事ですが、山登りやトレッキングは滅多にしない。
オオセンチコガネ ♀ (センチコガネ科)
標高差もかなりあるのでちょっと不安もありました。
山行の前日の11月20日、Tさんのアトリエに行き、飼育実験の経過観察をしました。
その様子の撮影取材もあったのですが、そのときに顔を出したのが扉の写真。
越冬部屋を作って寝ていたところを起こしてしまいました。
さてその翌日。目指すは丹沢。天気は上々。
秦野ビジターセンターの先の民営駐車場に車を停めていざ出陣。
今回はTさんとその助手のEさんのRDB調査に同行させてもらいます。
もう、この二人は今年になって30回以上も塔ノ岳に登り、周辺の昆虫調査をしているのです。
山頂までは5.4キロとのことですが、登頂が目的ではありません。
でもここから1200メートルほど登っていきます。
途中にいくつか茶屋がありますが、休日しか開いていないので立ち寄りはしないし休憩もなし。
見晴茶屋
でも見晴らしぐらいは撮影しておきましょう。
遠く相模湾も望めたのですが写真ではきびしいですね。
そのすぐ先の山道は広いけれど大きな岩がゴロゴロしたやや急な坂。
そこを過ぎると尾根に出て、歩きながらこの場所の植生や樹木の生え方について講義を聴きながら進行。
そこから30分ほど歩くと二つ目の茶屋。
昔はこんなところまで馬で上がってきたのでしょうか。
駒止茶屋
ここもスルーしましたが、その少し先で水分補給しつつ景色を眺望。
右奥の台形の山が三ノ塔。中央は行者ヶ岳だったかな?
約30分歩くごとに茶屋があるような感じでしたが、ここも営業は土日のみだそう。
堀山の家
ここから次の茶屋までの間が長い急登でした。
丸太の段が敷設されていますが段差が大きい。(写真では伝わらないと思いますが)
そのおかげでかなり標高を稼ぎました。
心臓破りの坂をやっとこ登りきると四つ目の茶屋というか小屋。(ここもCLOSED)
花立山荘
さすがに息が切れたので小休止。
東南の方角は湘南の街並みというか市街地が広がり、下界とのコントラストがくっきりと。
西南の方角は小田原の先に真鶴半島が小さく見えました。
ここまで風も殆どなく、上着なしでも汗をかくほどでしたが、ここからはジャンバーを羽織って再出発。
というほどでもなく、10分ほどで目的地である尾根の分岐に到着。
金冷し
左手に見える小さなピークは大丸(おおまる)というのだそうです。(その先に小丸もある)
この看板のとおり、この一帯は特別保護地区です。
なので、一般は登山道から外れて林内に入ってはいけません。
が、許可証(腕章)を付けて調査開始です。
今回は半月ほど前に設置した各種トラップの回収作業がメインのようでした。
急な谷というか沢を下りながらカップの中身を確認しながら回収していきます。
滑落しそうな傾斜なんですが、これも写真では伝わらないですね。
何個か回収したとき、下にいたEさんが「あ、これ!」と叫びながら短い枝を持ってきました。
それにくっついていたのはなんと。
ガロアムシ ♀ (ガロアムシ科)
地表を歩いているのはとても珍しいし、25mmもあろうかという大きな個体でTさんもびっくり。
でもこの沢の個体は大きいのだそうです。(ひょっとしてオオガロアムシ?)
土中にいる虫を確認するために、石の下の土砂をふるいにかけて採取もしてました。
隣の沢に移動して一旦荷物をデポジット。
FIT(フライト・インターセプト・トラップ)の回収も。
飛んでいる虫が透明の板にぶつかって下の容器の中に落ちるという仕掛け。
もう少し土を採取するためにTさんは沢の下へ降りていきました。
その間、朽木くずしをしてみてくれとの命を受けました。
渡された根掘りでいざ対決。
こういう朽ちた倒木がいくつかあり、いかにもマイマイが出そうなのですが、未採集とのこと。
しばらくすると出たのはオサムシではありませんでした。
クロマルハナバチ ♀ (ミツバチ科)
15分一本勝負でしたが、ザンネンながら課題はクリアできませんでした。
回収や採取作業は終了したのであとは下山するだけですが、せっかくなので山頂まで行きたいと頼み。
身支度を整えてアタック開始。
分岐から0.6キロという表示だったので軽く考えていたのですが・・
こんな階段は序の口で。
心臓破りの坂に近い急登が長く続きました。(体感的には0.6キロではなく6キロ)
そしてついに登頂。
山頂部はガスっていて風も強くて三人で記念写真を一枚撮って早々に撤収。
下る際、土も入っているため20kgオーバーと思しきリュックを背負わせてもらいました。
足を一段踏み下ろすたびに膝に伝わる衝撃は今まで経験したことがありませんでした。
ボディーブローならぬレッグブローのようなダメージで花立山荘でギブアップ。
そのあとは身軽になったものの、下りの歩き方がヘタクソのようで二人に後れをとりはじめました。
まあムリするのは禁物と、上りでは立ち止まって観察しなかった花を撮ったり。
ツルリンドウ
林の向こうに垣間見える紅葉を愛でながらゆっくり降りました。
それでも途中から腰が痛くなりはじめ、見晴茶屋で待っててくれた二人と合流したときにはヘトヘト。
しばし休憩してなんとか下山すると、下界はとてもいい天気でした。
塔ノ岳さん、また来るよ。
オマケ
朽木くずしで一つだけ、何かの幼虫も出ました。
持って帰って羽化させてみてくださいとのことで、持ち帰って飼育ケースにセットしました。
オニクワだったらいいのになぁ・・
今日の湯加減
チバは先週から引き続き気温がゆるんでいるのでまだストーブは点けていません。
しかし、実は今日から東北方面へ遠征しているので予約投稿です。
今回は虫仲間四人での旅。予定通りなら、今頃は東北の某所に投宿しています。
クマちゃんが恐ろしいので、山奥には行かず、なるべく標高の低い場所を探虫するつもりです。
ちょっと天気が心配なんですが、採れればいいんです・・
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
丹沢は登山口の標高が低いので、いきなりはキツいですよ。腰に来ませんでしたか?
ガロアムシさん、お初にお目にかかります。F会のOさんがハンドルに使っていて、存在は存じておりますが、お姿は初めて見ました。
東北遠征、キタカブリによろしく!
by 高和です。 (2023-11-26 04:31)
当たり前ですが九州とは違う
山の雰囲気です。
落葉が進む風景もいいですね。
そんな中でも虫たちはちゃんと居るものですね。
by 響 (2023-11-26 20:56)
>高和です。さん
下りがヘタで、腰に来る歩き方をしているようです。
ガロアムシの幼虫は以前アップしたと思います。
>響さん
地方それぞれの山容がありますよね。
標高によって落ち葉が変わる様も楽しみました♪
虫たちはいつも、どこかで、サバイバルしてます^^
by kon(昆) (2023-11-28 19:38)
紫色の金属的な輝き、美しい冒頭の写真です。
30分歩くごとに茶屋があるのは、利用者が多いということなのかな。
手作り感のある個性的な建物もありますね。
20Kgを背負って下山!? かなりハードだったのではないでしょうか^^;。
by sakamono (2023-11-29 18:15)
>sakamonoさん
土日は多いようで土日のみ営業の小屋ばかりでした。
(山頂の小屋は営業していました)
20kgの荷物は素人にはムリでしたね^^;
by kon(昆) (2023-11-30 22:48)