"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
空白を埋めろ ~再開編~ [オサムシ]
今年の2月は全国的に記録的な暖かさでした。
チバでも20℃を越える日もあったのですが、その後は気温が急降下し、また真冬に戻りました。
なのでオサムシたちも起き出すことはないですが、気は急いてチャレンジしてきました。
まだ本調子ではないけれど。
埋まったみたいです。
2月28日、向かうは難関エリアの東総。
ボウソウの東の果ては銚子ですが、その西側の旭市、匝瑳市、香取郡を東総としています。
東総は高速を使ってもあまり効率が上がらないので、ひたすら下道を辿っていきます。
なので東総は距離の割にとても遠いエリアという印象が強い。
今回チャレンジしたのは、過去に何度も完封負けを喫している難関のトウノショウ町。
その町は全体が平坦で谷津田が少ないのが難関たる要因。
でも一か所だけ未踏の大きな谷津田があり、そこに隣接する貯水池を目指しました。
2時間以上かかって辿り着いたらお昼近くになっていましたが、数キロ圏内にコンビニすらなかった。
むろんラーメン屋もないので、旭市にある食堂まで戻って焼肉定食を食べました。
貯水池を起点にして、手のひらのように広がっている谷津。
一番東側の谷津田からローラーを開始しましたが、それぞれが比較的広い。
崖を探してトコトコとトレースしていくも、まったくありません。
隣の二本目に突入。
畜産施設の裏手に人工の高い崖が見えましたが、谷津田沿いにはやはり見当たりません。
最下流まで来ると貯水池の反対岸に出た。
水鳥の姿もない寂しい風景で、池の沿岸にも崖らしいものは見えませんでした。
三本目に突入して中流に差し掛かったところで、田んぼの脇によくある人工の小崖がありました。
農機具や資材の置き場を作るために林縁を削ったものだと思います。
人工でも古ければ虫が入る可能性はあるので、やっとバチツルを出して掘りましたが何も出ず。
トレースを再開し、上流付近まで来たところで記念写真。
晴天で気温も高かったけれど、風が強くて暖かいとは感じませんでした。
と、近くまで行かないと気が付かなったと思われる崖が。
人工ではないようでしたが、見るからに乾燥しています。
それでもトライするしかない。
指標虫とは言えないけれど、たくさん出てきたのは小型のジガバチの仲間とこの虫たち。
期待は持てないと思いつつも掘り続けると、固い土の亀裂の中からぽつっと顔を出したのは。
ちょっと珍しいゴミムシですが、何度も紹介しているとおり、東総ではごく普通種。
これも数年前までは普通種でしたが、滅多に出なくなりました。
せっかくなのでお連れしました。
三本目で見つけた崖は結局これだけでした。
四本目は上流から突入し、下流に向けてローラーしていると、崖ではないけれど支線を見つけました。
丘というか林の中へと続くアプローチですが、コンチューターの針が振れたので入ってみることに。
細い坂道には籾殻がまいてあったので作業路なのか、奥に畑か何かがあるのかなと。
坂を上った先は陽の当らない暗い林道で、その林縁に崖を見つけ、コンチューターの針が振り切れた。
期待が高まりますが土質がどうか。
試掘すると、やや砂交じりでしたが湿気のある赤土で、固さもよさそう。
下部から慎重に掘っていき、頭の高さをちょっと越えた箇所から出たのは。
最初は前胸部分しか見えなかったので、センチコガネかと思いましたが。
こいつも指標虫のことがあるんだよなぁ、とつぶやきながら周辺を探ると正しい指標虫が出た。
俄然、期待ボルテージが上がりますが、もう手が届く範囲は掘り尽くしてしまった。
ところが、頭上にいかにも塩梅の良さそうな土壁が見えている。
手をいっぱいに伸ばし、慎重に狙いを定め、力を加減してバチツルを振ると。
メゾネットタイプの部屋を掘り当てた。
ペアだったら最高なのにと思いましたが、そこまでツキはなく姉妹でした。
それでも空白が埋まった喜びをひとり噛みしめました。
とはいえ、やっぱりオスがほしい。
隣接する崖に移りましたが、そこは掘れる箇所がごく限られていました。
それでもラッキーなことに掘り当てることができたのが扉の写真の個体でした。
2ペアになることを期待して丁寧に探していきましたが、とうとう掘り尽くした。
落穂ひろいや掘り残しも確認して、ベニシジミ号へと戻りました。
3個体それぞれ色が違いました。
下流へ向けて再出発すると、すぐにまた林縁に縦長の崖に出くわしましたが乾燥していて何も出ず。
最下流の手前で、また人工の小崖を発見。
塩梅は悪くなかったけれど本命は出ず。
でもちょっとうれしいゴミムシが出てくれた。
前出のアトワアオゴミムシに似ていますが、こちらは体長が15mmを越えます。
その後5本目の指に突入するも崖は見つからず。
帰り道に別の谷津田の一部に突入するも、途中で見込みなしと判断して撤収しました。
東総は陽が短いうちはなかなか行く気にならないのですが、とにかく来た甲斐がありました。
香取屋で食べた定食。
オニオンスライスとワカメのサラダが高得点でした。
今日の湯加減
チバでも20℃を越える日もあったのですが、その後は気温が急降下し、また真冬に戻りました。
なのでオサムシたちも起き出すことはないですが、気は急いてチャレンジしてきました。
まだ本調子ではないけれど。
埋まったみたいです。
2月28日、向かうは難関エリアの東総。
ボウソウの東の果ては銚子ですが、その西側の旭市、匝瑳市、香取郡を東総としています。
東総は高速を使ってもあまり効率が上がらないので、ひたすら下道を辿っていきます。
なので東総は距離の割にとても遠いエリアという印象が強い。
今回チャレンジしたのは、過去に何度も完封負けを喫している難関のトウノショウ町。
その町は全体が平坦で谷津田が少ないのが難関たる要因。
でも一か所だけ未踏の大きな谷津田があり、そこに隣接する貯水池を目指しました。
2時間以上かかって辿り着いたらお昼近くになっていましたが、数キロ圏内にコンビニすらなかった。
むろんラーメン屋もないので、旭市にある食堂まで戻って焼肉定食を食べました。
貯水池を起点にして、手のひらのように広がっている谷津。
一番東側の谷津田からローラーを開始しましたが、それぞれが比較的広い。
崖を探してトコトコとトレースしていくも、まったくありません。
隣の二本目に突入。
畜産施設の裏手に人工の高い崖が見えましたが、谷津田沿いにはやはり見当たりません。
最下流まで来ると貯水池の反対岸に出た。
水鳥の姿もない寂しい風景で、池の沿岸にも崖らしいものは見えませんでした。
三本目に突入して中流に差し掛かったところで、田んぼの脇によくある人工の小崖がありました。
農機具や資材の置き場を作るために林縁を削ったものだと思います。
人工でも古ければ虫が入る可能性はあるので、やっとバチツルを出して掘りましたが何も出ず。
トレースを再開し、上流付近まで来たところで記念写真。
晴天で気温も高かったけれど、風が強くて暖かいとは感じませんでした。
と、近くまで行かないと気が付かなったと思われる崖が。
人工ではないようでしたが、見るからに乾燥しています。
それでもトライするしかない。
指標虫とは言えないけれど、たくさん出てきたのは小型のジガバチの仲間とこの虫たち。
ウリハムシ (ハムシ科)
期待は持てないと思いつつも掘り続けると、固い土の亀裂の中からぽつっと顔を出したのは。
オオキベリアオゴミムシ ♂ (オサムシ科)
ちょっと珍しいゴミムシですが、何度も紹介しているとおり、東総ではごく普通種。
これも数年前までは普通種でしたが、滅多に出なくなりました。
アトワアオゴミムシ (オサムシ科)
せっかくなのでお連れしました。
三本目で見つけた崖は結局これだけでした。
四本目は上流から突入し、下流に向けてローラーしていると、崖ではないけれど支線を見つけました。
丘というか林の中へと続くアプローチですが、コンチューターの針が振れたので入ってみることに。
細い坂道には籾殻がまいてあったので作業路なのか、奥に畑か何かがあるのかなと。
坂を上った先は陽の当らない暗い林道で、その林縁に崖を見つけ、コンチューターの針が振り切れた。
期待が高まりますが土質がどうか。
試掘すると、やや砂交じりでしたが湿気のある赤土で、固さもよさそう。
下部から慎重に掘っていき、頭の高さをちょっと越えた箇所から出たのは。
最初は前胸部分しか見えなかったので、センチコガネかと思いましたが。
クロシデムシ (シデムシ科)
こいつも指標虫のことがあるんだよなぁ、とつぶやきながら周辺を探ると正しい指標虫が出た。
アトボシアオゴミムシ (オサムシ科)
俄然、期待ボルテージが上がりますが、もう手が届く範囲は掘り尽くしてしまった。
ところが、頭上にいかにも塩梅の良さそうな土壁が見えている。
手をいっぱいに伸ばし、慎重に狙いを定め、力を加減してバチツルを振ると。
メゾネットタイプの部屋を掘り当てた。
アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
ペアだったら最高なのにと思いましたが、そこまでツキはなく姉妹でした。
それでも空白が埋まった喜びをひとり噛みしめました。
とはいえ、やっぱりオスがほしい。
隣接する崖に移りましたが、そこは掘れる箇所がごく限られていました。
それでもラッキーなことに掘り当てることができたのが扉の写真の個体でした。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
2ペアになることを期待して丁寧に探していきましたが、とうとう掘り尽くした。
落穂ひろいや掘り残しも確認して、ベニシジミ号へと戻りました。
3個体それぞれ色が違いました。
下流へ向けて再出発すると、すぐにまた林縁に縦長の崖に出くわしましたが乾燥していて何も出ず。
最下流の手前で、また人工の小崖を発見。
塩梅は悪くなかったけれど本命は出ず。
でもちょっとうれしいゴミムシが出てくれた。
オオアトボシアオゴミムシ (オサムシ科)
前出のアトワアオゴミムシに似ていますが、こちらは体長が15mmを越えます。
その後5本目の指に突入するも崖は見つからず。
帰り道に別の谷津田の一部に突入するも、途中で見込みなしと判断して撤収しました。
東総は陽が短いうちはなかなか行く気にならないのですが、とにかく来た甲斐がありました。
オマケ
香取屋で食べた定食。
オニオンスライスとワカメのサラダが高得点でした。
今日の湯加減
年末追い込み編で”元気なうちは精々活動するべし”と書いたことが予言のようでした。
でも何とかオサホリが再開できて心底ほっとしています。
ただし、実はまだ完治には至ってなくて、まったく本調子ではありません。
このままオサホリシーズンが終わってしまうんだろうな・・
あ、この予言は当たりませんように。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんにちは^^
本命(指標虫)が見つけられて良かったですね♪
しかも雄、雌ともに連れて帰る事が出来て、好い日になりましたね^^
by いろは (2024-03-10 17:59)
ミッション コンプリート おめでとうございます。だいぶピースが埋まってきたんじゃないですか?♀と♂が揃って達成ですか?それとも片方だけの記録もOKですか?
by 高和です。 (2024-03-10 19:48)
>いろはさん
指標虫は本命ではありませんが、とにかくペアが獲得できてよかったです♪
>高和です。さん
だいぶ埋まってきたとは思いますが、チャレンジできないエリアもあるので完全制覇はもはや不可能ですね
by kon(昆) (2024-03-11 22:04)
冒頭のアップの写真が迫力です。輝いていますね。
今年は暖冬だと思っていましたが、2月は記録的な暖かさ
だったのですね。今はもう、だいぶ春らしくなってきました。
by sakamono (2024-03-14 07:10)
>sakamonoさん
と思ったらまた冬に逆戻りしましたね・・
しかも三寒四温という感じでもないような激変で。
この輝きが残るように大事に標本にします
by kon(昆) (2024-03-20 08:26)
ガッチガチの粘土質か火山の岩だらけの地質のこちらでは
なかなか掘れる場所がないです。
掘れば何かに当たる良い場所ですね。
by 響 (2024-03-20 20:37)
>響さん
基本的には関東ローム層ですが南房は岩だらけになります
東総は別の意味できびしい・・
by kon(昆) (2024-03-23 12:38)