"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ボウソウ五目パトロール [探虫行]
また少し時計を巻き戻します。
6月、7月とパトロールし、8月に3度目のボウソウをしてきました。
今回もパトロール対象にトンボも含まれていますが、他にもいくつかターゲットが。
目的の一つはこの子の再同定。
ひょっとしたらと思ったのですが・・
前日に急に思い立って朝から内房方面へまっしぐら。
8月20日の朝、ナビに設定した目的地は某海水浴場。
朝から海水浴客が多くいるのは意外でしたが、昼間は暑すぎて居られないということかもと納得。
こちらが用事があるのは、海水浴場に隣接する砂浜。
ここにとある海浜性昆虫がいるということで探しに来たのですが・・
物件依存ではないのでとっかかりがなくて途方に暮れました。
とにかくローラーしていくしかなくて、砂を睨みながら右に左にと彷徨う。
手ぶらなので、傍から見たら落とし物を探しているようだろうなと思いながら。
時々地面からふわっと舞い上がるやつがいて紛らわしい。
しょうがないから写真撮ってやるかと近づくとすぐ逃げるので憎らしくもある。
小さな川の河口まで辿り着いたところでUターンし、往路より少し陸側をローラーしてみました。
しかし、とうとうベニシジミ号まで戻ってきてしまい、今度は海水浴場の反対側を探索することに。
こっちの浜はさらに広かった。
結局、写真の左奥に写っている岬のところまで行って戻ってきたのですが収獲なしでした。
ところが面白いことに、こちらの浜はバッタが少なく、たまたまペアを見つけたくらい。
約2時間、朝から暑い砂浜を歩き続け、すでにプチ熱中症状態でしたが、水分補給して次へと出発。
今度は一転、山の中を目指していたのですが、ちょっと気まぐれで少し道をはずれて道草を。
(実は浜を出発するときにMapを見ていて気になった場所があったので)
そこは山の中としては比較的大きな堰だと思ったのですが、実際は水がほとんどなかった。
この夏は雨が少なかったのでさもありきとはいうものの、柵で囲われていてまったく近づけない。
Mapでは、堰の奥へと山道が続いていたのにゲートが設置されていて入れない。
産廃の最終処分場とのことでした・・
ゴルフ場だらけのボウソウは、さらに産廃施設とメガソーラーだらけになりつつあります。
それでも山道の入口付近の地面には、この子たちが群れていて、少し心が和みました。
オスメスの見分け方は肩先に白紋があるかないか。(あるのがオスで、アゴの色で見分けるよりも簡単)
寄り道はあっさり終了して再出発。
次の目的地へとベニシジミ号を走らせていると、道路と並行して眼下に蛇行して流れる小川が見えた。
間もなく、降りられそうなアプローチがあったので、急きょ道草その2。
川の傍までは近づけなかったものの、上流方向へしばらく進むと、意外や「この先行き止まり」の表示。
そこには公民館があって、その前が広場のようになっていたので、ベニシジミ号を停めて散策することに。
行き止まりがどうなっているのか確認したかっただけでしたが、そこには地元の方がいらっしゃいました。
しばらくこちらに気が付かなかったようで、10メートルくらいまで近寄れました。(鈍感とも言える)
はっと目が合った途端、あわてることもなく藪の中へと入って行きました。
ただ、奇しくもこの広場もこの子たちの活動の場だったのです。
前出のオスと見比べると、肩に白紋がないのが分かると思います。
公民館の傍らに小さな貯水施設があったけれどトンボの姿はなし。先を急ぎました。
本来の目的地はここ。
ボウソウのほぼ真ん中、国道からそう離れてはいないけれど、小さな部落の奥にある廃道の入口。
何か特定の虫のポイントということではないけれど、たまに来たくなる場所なのです。
その大きな理由は、ここにある小さな尾根にモミの巨木が林立しているから。
さっそく尾根に突入しようとすると、避暑中の方々がいらっしゃいました。
まだ赤くなりきっていないようで、下界に降りるまで木陰で休みながらも笑い顔?
小さな尾根に沿って立つモミの木を一本一本見上げながら登って行くと視界が開けました。
山影は石射太郎山~高宕山だと思います。(ボウソウではとても高い300m級の山)
尾根の端には御神木といえるような一段と太いモミの木がどっしりと屹立していました。
その梢を色んな方向から見上げることしばし。
引き返しながらそれぞれの木も見上げて行きましたが、結局待ち人(虫)は現れず。
廃道の入口まで戻ってきたところで、山道に突入しようか迷いましたが時間に余裕がなく断念。
でもちょっとだけ周辺をうろうろしてみました。
すると、すぐ近くのクヌギの老木の幹にママタマが。
産卵していたようでしたが、こちらに気が付き飛び去ってしまいました。
それからどこへ向かったかというと、R410を一気に南下してカモガワへ。
都市部は酷暑でもカモガワは気温が2~3度低くて風も熱を含んでいないのでストレスなし。
それはともかく、久しぶりにまんぼうへ行きたかったのです。
お昼時なのに珍しくお客さんがいなかったので、マスターがスペシャル麺を作ってくれました。
野菜はすべて自家栽培のオーガニックという冷やし担々麺でした。
食べ終わる頃、お客さんが来始めたのでマスターに暇乞いをして、もう一つの目的地へ向かいました。
そこは8月の記事『ボウソウ一周してぶちかませ』で書いた、偶然見つけたトンボ池。
なぜ再訪したかったかというと、その時観察した、扉の写真のトンボの同定の確認をしたかったから。
そのためにちゃんと同定ポイントが確認できる写真を撮りました。
ポイントは眼後紋の形と肩の黒条ですが、セスジイトではないことが判定できました。
産卵中のペアも多数いたので、来年も観察できそうです。
その後に向かったのは、ここも同記事で紹介した、かなり心配なというかショックだった場所。
工事説明の看板を確認したところ、やはり太陽光発電施設のようでした。
しかもおそらくこの場所はおそらく制御施設で、パネル自体は周辺の開けた場所になるのではと。
つまり、湿地化した広い耕作放棄地、つまり希少なイトトンボたちの楽園・・
もう一度そっちの方へも行ってみました。
今回はそのつもりで長靴も持ってきていたので、湿地の奥の方まで突入。
モートンはシーズン終了で仕方がないですが、キイトの姿も見られませんでした。(ちょっと不安)
唯一観察できたイトトンボはこの子たちだけ。
幸いメスも見つけられました。
アジアイトは出現期が長く、ボウソウでは4月から10月頃まで見られます。
前述のとおり、ボウソウは希少な生き物たちの住処を破壊する開発が続いています。
沈んだ気持ちのままでしたが最後に、上の記事の日にパスしたトンボ池に立ち寄りました。
残念ながらシーズン終了したようで、そこでもモートンやモノサシの姿は見られませんでしたが。
池の畔でしばらくじっと水面を見つめていると、遠くにいた一頭が近寄ってきてくれました。
そして、ブーンという羽音とともに、帽子の上に何かが止まったのが分かりました。
ノーファインダーで何度かシャッターを押してみましたが、フレームアウトして写っておらず。
と、すぐ近くにひっくり返っていたボートの上に舞い降りてくれました。
また来いよと近寄ってきてくれたのか・・
7月に衝動的にオオクワッチのメイティングをしてしまったことを書きましたが。
里帰りしたお嫁さんはしっかり成果を残してくれました。
さっそく菌糸瓶を仕入れに行かなくちゃと行きつけの昆虫店に行ったら臨時休業でしかも3連休。
しばし仮住まいしてもらい、やっと今日、個室に入居となりました。
お父ちゃんを超える子よ出てきておくれ。
昨日の湯加減
6月、7月とパトロールし、8月に3度目のボウソウをしてきました。
今回もパトロール対象にトンボも含まれていますが、他にもいくつかターゲットが。
目的の一つはこの子の再同定。
ひょっとしたらと思ったのですが・・
前日に急に思い立って朝から内房方面へまっしぐら。
8月20日の朝、ナビに設定した目的地は某海水浴場。
朝から海水浴客が多くいるのは意外でしたが、昼間は暑すぎて居られないということかもと納得。
こちらが用事があるのは、海水浴場に隣接する砂浜。
ここにとある海浜性昆虫がいるということで探しに来たのですが・・
物件依存ではないのでとっかかりがなくて途方に暮れました。
とにかくローラーしていくしかなくて、砂を睨みながら右に左にと彷徨う。
手ぶらなので、傍から見たら落とし物を探しているようだろうなと思いながら。
時々地面からふわっと舞い上がるやつがいて紛らわしい。
しょうがないから写真撮ってやるかと近づくとすぐ逃げるので憎らしくもある。
ヤマトマダラバッタ (バッタ科)
小さな川の河口まで辿り着いたところでUターンし、往路より少し陸側をローラーしてみました。
しかし、とうとうベニシジミ号まで戻ってきてしまい、今度は海水浴場の反対側を探索することに。
こっちの浜はさらに広かった。
結局、写真の左奥に写っている岬のところまで行って戻ってきたのですが収獲なしでした。
ところが面白いことに、こちらの浜はバッタが少なく、たまたまペアを見つけたくらい。
同上 ペア
約2時間、朝から暑い砂浜を歩き続け、すでにプチ熱中症状態でしたが、水分補給して次へと出発。
今度は一転、山の中を目指していたのですが、ちょっと気まぐれで少し道をはずれて道草を。
(実は浜を出発するときにMapを見ていて気になった場所があったので)
そこは山の中としては比較的大きな堰だと思ったのですが、実際は水がほとんどなかった。
この夏は雨が少なかったのでさもありきとはいうものの、柵で囲われていてまったく近づけない。
Mapでは、堰の奥へと山道が続いていたのにゲートが設置されていて入れない。
産廃の最終処分場とのことでした・・
ゴルフ場だらけのボウソウは、さらに産廃施設とメガソーラーだらけになりつつあります。
それでも山道の入口付近の地面には、この子たちが群れていて、少し心が和みました。
ハンミョウ ♂ (オサムシ科)
オスメスの見分け方は肩先に白紋があるかないか。(あるのがオスで、アゴの色で見分けるよりも簡単)
寄り道はあっさり終了して再出発。
次の目的地へとベニシジミ号を走らせていると、道路と並行して眼下に蛇行して流れる小川が見えた。
間もなく、降りられそうなアプローチがあったので、急きょ道草その2。
川の傍までは近づけなかったものの、上流方向へしばらく進むと、意外や「この先行き止まり」の表示。
そこには公民館があって、その前が広場のようになっていたので、ベニシジミ号を停めて散策することに。
行き止まりがどうなっているのか確認したかっただけでしたが、そこには地元の方がいらっしゃいました。
アナグマ
しばらくこちらに気が付かなかったようで、10メートルくらいまで近寄れました。(鈍感とも言える)
はっと目が合った途端、あわてることもなく藪の中へと入って行きました。
ただ、奇しくもこの広場もこの子たちの活動の場だったのです。
ハンミョウ ♀ (オサムシ科)
前出のオスと見比べると、肩に白紋がないのが分かると思います。
公民館の傍らに小さな貯水施設があったけれどトンボの姿はなし。先を急ぎました。
本来の目的地はここ。
ボウソウのほぼ真ん中、国道からそう離れてはいないけれど、小さな部落の奥にある廃道の入口。
何か特定の虫のポイントということではないけれど、たまに来たくなる場所なのです。
その大きな理由は、ここにある小さな尾根にモミの巨木が林立しているから。
さっそく尾根に突入しようとすると、避暑中の方々がいらっしゃいました。
まだ赤くなりきっていないようで、下界に降りるまで木陰で休みながらも笑い顔?
アキアカネ ♂ (トンボ科)
小さな尾根に沿って立つモミの木を一本一本見上げながら登って行くと視界が開けました。
山影は石射太郎山~高宕山だと思います。(ボウソウではとても高い300m級の山)
尾根の端には御神木といえるような一段と太いモミの木がどっしりと屹立していました。
その梢を色んな方向から見上げることしばし。
引き返しながらそれぞれの木も見上げて行きましたが、結局待ち人(虫)は現れず。
廃道の入口まで戻ってきたところで、山道に突入しようか迷いましたが時間に余裕がなく断念。
でもちょっとだけ周辺をうろうろしてみました。
すると、すぐ近くのクヌギの老木の幹にママタマが。
タマムシ ♀ (タマムシ科)
産卵していたようでしたが、こちらに気が付き飛び去ってしまいました。
それからどこへ向かったかというと、R410を一気に南下してカモガワへ。
都市部は酷暑でもカモガワは気温が2~3度低くて風も熱を含んでいないのでストレスなし。
それはともかく、久しぶりにまんぼうへ行きたかったのです。
お昼時なのに珍しくお客さんがいなかったので、マスターがスペシャル麺を作ってくれました。
野菜はすべて自家栽培のオーガニックという冷やし担々麺でした。
食べ終わる頃、お客さんが来始めたのでマスターに暇乞いをして、もう一つの目的地へ向かいました。
そこは8月の記事『ボウソウ一周してぶちかませ』で書いた、偶然見つけたトンボ池。
なぜ再訪したかったかというと、その時観察した、扉の写真のトンボの同定の確認をしたかったから。
そのためにちゃんと同定ポイントが確認できる写真を撮りました。
オオイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
ポイントは眼後紋の形と肩の黒条ですが、セスジイトではないことが判定できました。
産卵中のペアも多数いたので、来年も観察できそうです。
同上 ペア
その後に向かったのは、ここも同記事で紹介した、かなり心配なというかショックだった場所。
工事説明の看板を確認したところ、やはり太陽光発電施設のようでした。
しかもおそらくこの場所はおそらく制御施設で、パネル自体は周辺の開けた場所になるのではと。
つまり、湿地化した広い耕作放棄地、つまり希少なイトトンボたちの楽園・・
もう一度そっちの方へも行ってみました。
今回はそのつもりで長靴も持ってきていたので、湿地の奥の方まで突入。
モートンはシーズン終了で仕方がないですが、キイトの姿も見られませんでした。(ちょっと不安)
唯一観察できたイトトンボはこの子たちだけ。
アジアイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
幸いメスも見つけられました。
同上 ♀
アジアイトは出現期が長く、ボウソウでは4月から10月頃まで見られます。
前述のとおり、ボウソウは希少な生き物たちの住処を破壊する開発が続いています。
沈んだ気持ちのままでしたが最後に、上の記事の日にパスしたトンボ池に立ち寄りました。
残念ながらシーズン終了したようで、そこでもモートンやモノサシの姿は見られませんでしたが。
池の畔でしばらくじっと水面を見つめていると、遠くにいた一頭が近寄ってきてくれました。
クロイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
そして、ブーンという羽音とともに、帽子の上に何かが止まったのが分かりました。
ノーファインダーで何度かシャッターを押してみましたが、フレームアウトして写っておらず。
と、すぐ近くにひっくり返っていたボートの上に舞い降りてくれました。
コオニヤンマ ♂(サナエトンボ科)
また来いよと近寄ってきてくれたのか・・
オマケ
7月に衝動的にオオクワッチのメイティングをしてしまったことを書きましたが。
里帰りしたお嫁さんはしっかり成果を残してくれました。
オオクワガタ 幼虫
さっそく菌糸瓶を仕入れに行かなくちゃと行きつけの昆虫店に行ったら臨時休業でしかも3連休。
しばし仮住まいしてもらい、やっと今日、個室に入居となりました。
お父ちゃんを超える子よ出てきておくれ。
昨日の湯加減
台風13号は数日前の進路予想がかなりはずれて静岡に上陸・・前に熱低になりました。
それでも300キロ以上も進路予想がはずれるというのは近年珍しいと思います。
ともあれ列島に近づく前に大雨を降らせる台風で、チバも中房から外房に水害をもたらしました。
本編のトンボサンクチュアリも中房エリアだし、いすみのトンボ池は外房エリア。
心配だなぁ・・
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
おお!可愛いオオクワガタの幼虫ちゃんがたくさん♪♪
我が家のカブトムシの幼虫、大きくなってきました。
成虫の芒種くんは今日も生きてます。長生きしてほしい!
by リュカ (2023-09-10 09:51)
こんにちは^^
ハンミョウは見た事がなくて、会いたい虫です。
タマムシは幼い頃、母に教わってタンスの中に大切にしまっていました。昔は着物が増えると言われていたようです^^
その後、全く見かける事なく今に至っています。
大好きな虫なのです。
イトトンボは種類によっては10月まで見られるのですね。
by いろは (2023-09-10 18:24)
むしブロのトンボたちを心配しながら、台風情報にチャンネルを合わせていました。環境の無事を祈るや切!
先ほどは自宅近くのマテバシイでムラサキツバメに会いました。ネットは振りませんでした。
by 高和です。 (2023-09-10 21:07)
>リュカさん
昆虫館の幼虫受け入れは限界に達しました^^;
クワガタもまた飼育しませんか?^^
>いろはさん
ハンミョウもタマムシも子供の頃は近くの里山にいましたね・・
タマムシは都市部でもクヌギやエノキがあれば見られるかもしれません。
イトトンボは越冬する種もいます♪
>高和です。さん
トンボサンクチュアリは開発にやられ、今年は自然災害にやられ、とても心配です。
そうでなくても全国的に虫が減少しているのも心配ですが・・
by kon(昆) (2023-09-10 21:56)
アジアイトトンボ ♂ の目の玉が、つぶらでかわいく見えます^^;。
アナグマもとぼけた飄々とした様子がかわいい。
アナグマってこんな動物だったのですね。名前は聞いたことが
ありますが、写真などで見る機会がありませんでした。
by sakamono (2023-09-14 10:28)
>sakamonoさん
アジアイトの目玉は特徴的で面白いと思います♪
アナグマは絵本「わすれられないおくりもの」で有名ですが、意外に動物園にいないので実体は身近ではないかもしれませんね。
by kon(昆) (2023-09-14 21:18)