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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

ボウソウ演習林 [探虫行]

もう五月。

四月はその時節を感じる(探虫する)こともままならないうちに過ぎてしまいました。

何とかヒマなしの状態でしたが、以前からこの日は予定を空けておいた。

あとは天気がどうなるかということでしたが。

曇ってはいたものの大丈夫でした。

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ニワハンミョウ ♂ (オサムシ科)


虫たちにも出会えたし。

4月26日は年に一度の東大千葉演習林の公開日でした。

ずっと前から参加したかったのですが、毎年4月の平日のためなかなか都合がつかず。

今回ついに入ることができました。

いつものルート(R16~うぐいすライン)で上総牛久まで南下して、牛久からはK81清澄養老ライン。

この前ベニシジミ号の記念撮影をした、小湊鉄道沿いの菜の花畑より南に行くのは久しぶりでした。

老川から筒森までR465を経由して、K81に入りなおすと道幅は以前と変わらず1.5車線に。

まだ新車に慣れていないし慣らし運転なので、ゆっくり安全運転でしたが約2時間で目的地に到着。

清澄寺の入口に東大千葉演習林の作業所があり、その前にある駐車場はすでにほぼ満車。

この日のスタート地点に近い方の(砂利敷きの)駐車場まで戻って、隅っこに停車しました。

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途中のコンビニで買ったコーヒーを飲みながら小休止したらいざ出発。

林道の入口には関係者の方がいて見送ってくれました。

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しばらくは普段も通行できる”関東ふれあいの道”(ボウソウだけではなく関東各地にあります)。

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数百メートル歩くと、コンクリート舗装の少し開けた場所がありました。

そこで出迎えてくれたのが扉の写真の子たちでした。

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ニワハンミョウ ♀ (オサムシ科)


他の参加者たちに追い抜かれながらも、地面に這いつくばって観察・撮影していました。

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名前の付いている地点には、マイルストーン的に看板が置いてありました。

ここはその名の通り、カシやツガの原生林があるようです。

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1マイル地点には砂利が敷かれた広場がありました。

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そこを過ぎて間もなく、後ろから何かが飛んできて、顔のすぐ右をかすめて追い抜いていきました。

コンチューターの針が振り切れたと同時に、脊髄反射的に帽子を脱いで駆け出してしまった。

前を歩いていた人を追い抜く瞬間には不審に思われてしまいましたが、そんなことは気にしない。

後を追っていくと道がゆるく左にカーブしたところで見失ってしまいました。

正面は林で、その中に入ってしまったかとがっかり。

しかし、カーブに沿って少し歩を進めると、地面に着地していました。

狂喜しつつもまた這いつくばって撮影開始。

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オオセンチコガネ ♀ (センチコガネ科)


追い抜いて行く参加者たちの視線が背中に刺さりましたが、想定外の出会いのうれしさにしばし満悦。

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同上


ここで会えるとは思っていませんでした。

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舞台の出演者は次々と現れてくれました。

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ハンミョウ ♀ (オサムシ科)


ボウソウでは前出のニワハンミョウと入れ替わって現れる印象があるので、ちょっと早いなと思いました。

そんなことを考えながら歩を進めていると、思わずビクッとする光景が前方に見えました。

赤いやつが横切っていくではありませんか。

アカオサムシと呼ばれる、アオオサムシの南房総亜種です。

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この日二度目の精髄反射。

どうか静止してくれと心の中で叫びながら四つん這いで後を追いましたが、願いは聞いてもらえず。

草の中に入ったときに一瞬だけ静止してくれましたが、ピントは合いませんでした。

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アオオサムシ ♀(オサムシ科)


次の瞬間、草の中へと消えていきました。

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嬉しさと残念さが胸の中で渦巻きつつ、さらに歩いていると、また春の風物詩的な虫が現れてくれました。

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ヒメツチハンミョウ ♀ (ツチハンミョウ科)


実は真冬の夜中でも活動する虫なのですが、春のうららの日中によく活動するので観察することが多い。

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次の案内看板は番所跡。

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ボウソウは江戸時代、木材の伐採も盛んだったようで、その番所もあったようです。

まもなく小倉松森線との分岐が現れました。

左へ行くと鴨川方面へと下って行くはずです。

その分岐地点の開けた場所にはまたこの虫が。

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ハンミョウ ♂ (オサムシ科)


複数頭を観察できたということは、この場所は発生が早いのかもしれません。

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ここからはマイルストーンの列挙。

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いくつもある沢に名前が付いているようです。

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亀の沢を過ぎて間もなく、右手の視界が開けました。

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伐採と植林の試験をしているのでしょうか。

そして東ノ沢ゲートに辿り着きました。

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ここから先が普段は入れない演習林の敷地です。

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5km地点で二つ目の分岐が現れましたが、GoogleMapにも出ていないのでどこに行くのか不明。

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そこから10分ほど歩くと、再び右手が開けて見晴らし台のような場所がありました。

ボウソウの原生林が眺望できます。

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ゴールまではあと1km。

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ボウソウ名物の素掘りの隧道が現れました。

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この少し手前から、この地域固有のキヨスミミツバツツジが咲いていたのですが、どの木も高い位置。

TGでは撮るのがむずかしかったので眺めるだけとなりました。

ウツギは花盛りでした。

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ウノハナの花びらを盛大に散らせていたのはハナバチたち。

ブンブンブン♪ ハチが飛ぶ♪

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マルハナバチの仲間


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出発して約2時間、目的地に辿り着きました。

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正式名は「東京大学大学院 農学生命科学研究科附属 科学の森教育研究センター千葉演習林 郷台作業所」

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長い・・

林だけではなく、実験農地もあり、郷台畑と呼ばれているようです。

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奥には旧宿舎の建屋が残っていて、休憩所として開放されていました。

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20人ほどの参加者たちが各々寛いでいました。

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せっかくなので建物の中にあがらせてもらい、お弁当を食べながらしばし休憩。

ただ実は、帰り道ミッションがあったので、休憩もそこそこに出発しました。

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隧道を抜けてひたすら黙々と歩いて行きました。

東ノ沢ゲートを過ぎたところで幸運にも待望の再会ができました。

今度は路上で静止していたので、慌てず騒がず這いつくばってにじり寄る。

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アオオサムシ ♂ (オサムシ科)


撮影しているとすぐ目の前にもう一匹、別の虫がいるのに気が付いた。

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ノコギリヒラタカメムシ (ヒラタカメムシ科)


さらに少し進むと、軽ワゴンのが停車して、運転手と帰る途中の参加者がお喋りしていました。

車をよけて通り過ぎてすぐ、路上に見つけたのは。

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この後、もう一つアカオサの轢死体と、オオセンチの轢死体もありました。

それだけ虫影も濃いということだけど、車が通る山道を採集禁止にするのはいかがなものかと思いました。

まあそれでも、思いのほか色々な虫たちと出会えた楽しいトレッキングとなりました。




オマケ


実は前日にヨツガイドウの某所にトラップを仕掛けていて、それを回収するミッションがありました。

成果は上々でした。

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アオオサムシ ♂ (オサムシ科)


こうして見比べると、南房総亜種がアカオサムシと呼ばれるのも納得します。

ヨツカイドウの森の中には黄色いスプエフェもぽつぽつ咲いていて、トラップの目印にしていました。

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キンラン


記事にしようかと思っていましたが、時間がなくて割愛します。




今日の湯加減

足はその後、ほんとにちょっとずつ、一日単位ではわからないくらいですが恢復中です。
でも、ダッシュや思いっきり踏ん張ることができないまま。
処方された漢方薬は飲んでいますが自分の治癒力を信じるしかないようです。
ところで新相棒の紹介もまだですが、せっかくなのでちゃんと写真が撮れたらということで。
お楽しみに。



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コメント 6

高和です。

オサにも関心が向き、ある程度の色が集まりだした頃、採集会に持参したところ、高和さん残念、それ全部アオオサ、と言われました。いまは、色のバリエーションとして楽しめますが。ウツギの花、ハナカミキリが大勢集まりますよね。足のリハ、あせらずなまけず、根気よく!
by 高和です。 (2024-05-05 08:43) 

いろは

こんにちは^^
足の具合も段々と良い方向へと向かっているようで
良かったです♪
ハンミョウも色々と種類があるのですね。
普通のハンミョウの美しさに魅了されます。

お話は別の事なのですが、先日庭でカナヘビの交尾を見て驚きました。何の塊かと近づいて見ると...
一応写真に収めて置きました^^
by いろは (2024-05-05 17:23) 

kon(昆)

>高和です。さん
ありがとうございます。とにかく歩くことでリハビリしています。
アオオサはまさにカラバリをみるのが醍醐味だと思います♪

>いろはさん
カナヘビだんごになっていたのでしょうね
(ブログにはあげられなかったのですね・・^^)

by kon(昆) (2024-05-07 20:21) 

響

ハンミョウの仲間3種をその日に見れるって凄い。
隧道もいいなー。
by (2024-05-07 21:42) 

sakamono

ヒメツチハンミョウというのですか。青銅のようなメタリックな輝きが美しい。頭が巨大なアリのように見えます^^;。先日、この写真のような紫色のセンチコガネを初めて見られて、感動しました。新相棒の紹介も、楽しみにしています。
by sakamono (2024-05-11 14:17) 

kon(昆)

>響さん
ヒメツチハンミョウは別の科ですが会えてよかったです
この隧道は一年に一度だけ通れるという意味では貴重でした^^

>sakamonoさん
ヒメツチハンミョウの輝きは内蔵する毒素ゆえかも^^
センチコガネの色変異はおもしろいですが変異の理由は不明ですね・・
by kon(昆) (2024-05-11 17:56) 

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