"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ボウソウ一周してぶちかませ ~前編~ [探虫行]
7月下旬にプチ遠征というか、ボウソウ半島を一周してきました。
前記事と同様、炎暑の中でしたがトリッカーズで爆走。
今回はいくつかのターゲットを設定して、それらの各ポイントを巡りました。
これはそのターゲットの中の一種。
昨年も同じ場所を訪れたのですが見つからなかった虫。
昨年6月に一泊で「ボウソウ横断」しましたが、一周なので行程はもちろんそれよりもハード。
7月28日の朝、トリッカーズの相棒Hくんとの待ち合わせ場所へ向けてまっしぐら。
予定時刻ぴったりに集合し、さっそく2台で出発。
今回は内房から房総半島南端を経由して外房まで海岸線を反時計回りに巡って外房へ。
そして外房からは東から西へ半島を横断するというルート。
まずはR127を南下し、鋸南町方面へ。
昨年8月下旬に一人で訪れた場所へ再トライということで、着いたのはこんな様子の磯。
海水浴に来た家族連れを横目に、岩場をゆっくり静かにチェックしていきます。
前回も書いたと思いますが、磯はフナムシも多くいて、遠目ではフナムシの子にそっくりで紛らわしい。
大きさ、形、色が似ているフナムシノイズに惑わされますが、歩き方が違うので見分けられます。
しばらく進み、尾根を越えるように岩の向こうへと降りたとき、コンチューターが反応。
そっとにじり寄って、ターゲットであることが確認できたので、Hくんに「いたよー!」と呼んだ。
最初に見つけた個体は波しぶきがかかるような、水際ぎりぎりの岩の上にいました。
まずはその写真を撮ろうと、静かに近寄ったのですが、ふわっと音もなく舞い上がってしまいました。
しかし、周りに目を凝らすと、他にも何頭かいて、何度かトライした末にやっと撮れました。
交尾中のペアもいたので是非撮りたいと、さらに慎重に近づいたものの、あえなく分かれてしまいました。
ならばと、採集モードにチェンジ。
長い網は振れないのでお散歩ネットでしたが、かぶせても岩が平らではないので隙間から逃げられる。
しばらく二人で格闘し、やっと捕まえました。
Hくんも無事つかまえ、「こんちゃんのコンチューターすごい!」と喜んでくれました。
ところが、とうとう周辺の子たちを散らしてしまったようで、まったく見当たらなくなった。
舞い上がったと同時に風にあおられて、磯に接している原っぱに飛ばされたかもと、移動してみました。
しかし、原っぱを二人でトレースしても見つけられず。
崖の縁に膝間づき、戻ってこないかとしばらく磯を見下ろしていましたが、コンチューターは反応せず。
家族連れから見ると、何をしているのか皆目見当もつかないナゾの二人組だったと思います。
でも時間もないし、一応採れたから第一ミッションはクリアということにし、岩場を後にしました。
ただ、南側に砂浜が隣接しているので、念のために確認してみようということで移動してみると。
なんと、岩場よりも個体数が多かった。
しかも地面が平らなので採りやすい。
二人でいくつか追加できましたが、こちらもとうとう散らしてしまったようで、その内姿が消えました。
まだまだ残ミッション多数なので、未練はタラタラだけどねと言いながらバイクへ向かう二人でした。
さらに内房をR127で南下。
予定ではというか、時間が許せばもう一か所、海浜性昆虫を探しに行きたかったのですが。
すでにかなり時間がおしていたので、一気にボウソウ南端付近までワープ。(途中給油と給水はした)
この海岸では海浜性昆虫ではなく、ある南方系昆虫を見つけたかったのですが・・
二人で1時間近く探しまくって、見つかったのはたくさんのバッタとたくさんのカメムシたちだけ。
これは海浜性のようで、”モモ”というよりも、前肢が太くて特徴的なカメムシ。
結局ターゲット虫は見つけることができませんでした。
ただ、海岸にはこんな池というか水溜まりにトンボたちが群れていて、とてもスルーはできません。
まず目に付いたのは派手なやつ。
小さな水溜まりなのに個体数が多く、縄張り争いが激しくて、オスが止まっているのは一瞬だけ。
そんなバトルをよそに、メスは池を遠巻きにして休んでいました。
水面を眺めていると、ハイゲンやコマツモなどの水生昆虫がたくさんいるのも分かりました。
さらに目を凝らすとイトトンボたちも。
もう本命は忘れ、腰を据えて観察開始。 じっと目を凝らしているとメスも発見。
同じく未熟個体ですが、これは別種。
オスもアオモンとの区別がむずかしい。
さらに、アオモの上にはシロヘリも歩いていました。(これは岸に上がってきたところ)
他にもハチが水を飲みに来たりして種多様性が高く、一日いてもいいような場所でした。(暑いけど)
しかし、またしても長居をしてしまったので先を急がなければ。
次も海岸ですがそう遠くなく、しかもピンポイントなのですんなり目的地到着。
ところが着いた瞬間に嫌な予感がしました。
昨年8月にも訪れたときは観察できたのですが・・
食草の花は咲いていました。
しかし、この群落には食痕がまったくといっていいほどない。(昨年もなかった)
その虫がいるのは別の群落なのです。
ところがその群落だけ、どうした訳かすっかり刈られてしまっていたのです。
わずかに刈り残されたハマゴウ。
移動能力が極端に低いと思われるその虫は、ハマゴウと一緒に消失した可能性が高いと思います。
かなりショックというか、なぜ一部だけごっそり刈られたのか不思議でしたが気を取り直して次へ。
想定ではカモガワ辺りでお昼でしたが、もうすでに午後二時を過ぎてたので白浜エリアでピットイン。
二人で担々麺を食べ、たっぷり水分補給してリスタート。
ルーミス狙いのオプションもカットして、南房を後にして外房を目指しました。
途中、コンビニにピットインしてアイスを買ってクールダウン&水分補給。
それから勝浦~御宿~大原を経由しながら一気に北上し、いすみのポイントにたどり着きました。
ここは先日ロケハンした場所。つまりトラップを仕掛けるのですが、もうすっかり黄昏てしまった。
昼間はこんな感じの干潟です。(ロケハンしたときの写真)
休憩するヒマもなく、急いでトラップを仕掛けました。
そして実はもう一か所、いや二か所仕掛けたいと思っていたので、急いで次の場所へ。
これもロケハンした日の写真ですが、そこは海浜ではなくて里山の中の小さな谷地。
着いたときすでに暗闇が迫っていたので、またまた大急ぎで作業開始。
しかしヘッドライトを持ってくるのを忘れたので、たった数個設置したところで日没サスペンデッド。
予定ではもう一か所、こんな川岸にも仕掛けたかったのですが、それはまたいつかということに。
翌日の成果を祈りつつ、トリッカーズは田園地帯を戻りながら、大原の宿へと向かいました。
一日中酷暑ではありましたが、南房総は海風が涼しくて、走っている間はむしろ快適と言えるほど。
(砂浜の上の暑さは辛かったけれど)
夜、宿の周辺の街灯巡りをしてみましたが、ほとんど収獲なし。
灯火に飛来しているのは小型のガばかりで、その数も多くはないし、中型以上のガや甲虫がいない。
月齢は宵月だけどきれいに見える星空を見上げながら、うすら恐ろしい気持ちになっていました。
宿は素泊まりだったので、どこかで食事をと思ったのですが、コンビニで買出ししようということになり。
宿の最寄りのセブンに着いて、ベニシジミ号を降りたら、リアキャリアに無賃乗車の虫が乗ってた。
なんとこの子、宿まで付いてきました。
昨日の湯加減
前記事と同様、炎暑の中でしたがトリッカーズで爆走。
今回はいくつかのターゲットを設定して、それらの各ポイントを巡りました。
これはそのターゲットの中の一種。
昨年も同じ場所を訪れたのですが見つからなかった虫。
昨年6月に一泊で「ボウソウ横断」しましたが、一周なので行程はもちろんそれよりもハード。
7月28日の朝、トリッカーズの相棒Hくんとの待ち合わせ場所へ向けてまっしぐら。
予定時刻ぴったりに集合し、さっそく2台で出発。
今回は内房から房総半島南端を経由して外房まで海岸線を反時計回りに巡って外房へ。
そして外房からは東から西へ半島を横断するというルート。
まずはR127を南下し、鋸南町方面へ。
昨年8月下旬に一人で訪れた場所へ再トライということで、着いたのはこんな様子の磯。
海水浴に来た家族連れを横目に、岩場をゆっくり静かにチェックしていきます。
前回も書いたと思いますが、磯はフナムシも多くいて、遠目ではフナムシの子にそっくりで紛らわしい。
大きさ、形、色が似ているフナムシノイズに惑わされますが、歩き方が違うので見分けられます。
しばらく進み、尾根を越えるように岩の向こうへと降りたとき、コンチューターが反応。
そっとにじり寄って、ターゲットであることが確認できたので、Hくんに「いたよー!」と呼んだ。
最初に見つけた個体は波しぶきがかかるような、水際ぎりぎりの岩の上にいました。
まずはその写真を撮ろうと、静かに近寄ったのですが、ふわっと音もなく舞い上がってしまいました。
しかし、周りに目を凝らすと、他にも何頭かいて、何度かトライした末にやっと撮れました。
シロヘリハンミョウ ♂ (オサムシ科)
交尾中のペアもいたので是非撮りたいと、さらに慎重に近づいたものの、あえなく分かれてしまいました。
ならばと、採集モードにチェンジ。
長い網は振れないのでお散歩ネットでしたが、かぶせても岩が平らではないので隙間から逃げられる。
同上
しばらく二人で格闘し、やっと捕まえました。
同上 ♀
Hくんも無事つかまえ、「こんちゃんのコンチューターすごい!」と喜んでくれました。
ところが、とうとう周辺の子たちを散らしてしまったようで、まったく見当たらなくなった。
舞い上がったと同時に風にあおられて、磯に接している原っぱに飛ばされたかもと、移動してみました。
しかし、原っぱを二人でトレースしても見つけられず。
崖の縁に膝間づき、戻ってこないかとしばらく磯を見下ろしていましたが、コンチューターは反応せず。
家族連れから見ると、何をしているのか皆目見当もつかないナゾの二人組だったと思います。
でも時間もないし、一応採れたから第一ミッションはクリアということにし、岩場を後にしました。
ただ、南側に砂浜が隣接しているので、念のために確認してみようということで移動してみると。
なんと、岩場よりも個体数が多かった。
しかも地面が平らなので採りやすい。
同上 ♂
二人でいくつか追加できましたが、こちらもとうとう散らしてしまったようで、その内姿が消えました。
まだまだ残ミッション多数なので、未練はタラタラだけどねと言いながらバイクへ向かう二人でした。
キイロトラカミキリ号とベニシジミ号
さらに内房をR127で南下。
予定ではというか、時間が許せばもう一か所、海浜性昆虫を探しに行きたかったのですが。
すでにかなり時間がおしていたので、一気にボウソウ南端付近までワープ。(途中給油と給水はした)
この海岸では海浜性昆虫ではなく、ある南方系昆虫を見つけたかったのですが・・
二人で1時間近く探しまくって、見つかったのはたくさんのバッタとたくさんのカメムシたちだけ。
ヒナバッタ (バッタ科)
これは海浜性のようで、”モモ”というよりも、前肢が太くて特徴的なカメムシ。
モモブトトビイロサシガメ 幼虫(サシガメ科)
結局ターゲット虫は見つけることができませんでした。
ただ、海岸にはこんな池というか水溜まりにトンボたちが群れていて、とてもスルーはできません。
まず目に付いたのは派手なやつ。
ショウジョウトンボ ♂ (トンボ科)
小さな水溜まりなのに個体数が多く、縄張り争いが激しくて、オスが止まっているのは一瞬だけ。
そんなバトルをよそに、メスは池を遠巻きにして休んでいました。
同上 ♀
水面を眺めていると、ハイゲンやコマツモなどの水生昆虫がたくさんいるのも分かりました。
さらに目を凝らすとイトトンボたちも。
アオモンイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
もう本命は忘れ、腰を据えて観察開始。 じっと目を凝らしているとメスも発見。
同上 ♀ (未熟)
同じく未熟個体ですが、これは別種。
アジアイトトンボ ♀ (未熟)(イトトンボ科)
オスもアオモンとの区別がむずかしい。
同上 ♂
さらに、アオモの上にはシロヘリも歩いていました。(これは岸に上がってきたところ)
シロヘリハンミョウ (オサムシ科)
他にもハチが水を飲みに来たりして種多様性が高く、一日いてもいいような場所でした。(暑いけど)
しかし、またしても長居をしてしまったので先を急がなければ。
次も海岸ですがそう遠くなく、しかもピンポイントなのですんなり目的地到着。
ところが着いた瞬間に嫌な予感がしました。
昨年8月にも訪れたときは観察できたのですが・・
食草の花は咲いていました。
ハマゴウ
しかし、この群落には食痕がまったくといっていいほどない。(昨年もなかった)
その虫がいるのは別の群落なのです。
ところがその群落だけ、どうした訳かすっかり刈られてしまっていたのです。
わずかに刈り残されたハマゴウ。
移動能力が極端に低いと思われるその虫は、ハマゴウと一緒に消失した可能性が高いと思います。
かなりショックというか、なぜ一部だけごっそり刈られたのか不思議でしたが気を取り直して次へ。
想定ではカモガワ辺りでお昼でしたが、もうすでに午後二時を過ぎてたので白浜エリアでピットイン。
二人で担々麺を食べ、たっぷり水分補給してリスタート。
ルーミス狙いのオプションもカットして、南房を後にして外房を目指しました。
途中、コンビニにピットインしてアイスを買ってクールダウン&水分補給。
それから勝浦~御宿~大原を経由しながら一気に北上し、いすみのポイントにたどり着きました。
ここは先日ロケハンした場所。つまりトラップを仕掛けるのですが、もうすっかり黄昏てしまった。
昼間はこんな感じの干潟です。(ロケハンしたときの写真)
休憩するヒマもなく、急いでトラップを仕掛けました。
そして実はもう一か所、いや二か所仕掛けたいと思っていたので、急いで次の場所へ。
これもロケハンした日の写真ですが、そこは海浜ではなくて里山の中の小さな谷地。
着いたときすでに暗闇が迫っていたので、またまた大急ぎで作業開始。
しかしヘッドライトを持ってくるのを忘れたので、たった数個設置したところで日没サスペンデッド。
予定ではもう一か所、こんな川岸にも仕掛けたかったのですが、それはまたいつかということに。
翌日の成果を祈りつつ、トリッカーズは田園地帯を戻りながら、大原の宿へと向かいました。
一日中酷暑ではありましたが、南房総は海風が涼しくて、走っている間はむしろ快適と言えるほど。
(砂浜の上の暑さは辛かったけれど)
夜、宿の周辺の街灯巡りをしてみましたが、ほとんど収獲なし。
灯火に飛来しているのは小型のガばかりで、その数も多くはないし、中型以上のガや甲虫がいない。
月齢は宵月だけどきれいに見える星空を見上げながら、うすら恐ろしい気持ちになっていました。
オマケ
宿は素泊まりだったので、どこかで食事をと思ったのですが、コンビニで買出ししようということになり。
宿の最寄りのセブンに着いて、ベニシジミ号を降りたら、リアキャリアに無賃乗車の虫が乗ってた。
ショウリョウバッタ ♀ (バッタ科)
なんとこの子、宿まで付いてきました。
昨日の湯加減
その後も酷暑が続くチバです。(全国各地ですが)
週明れはやや気温が下がり、雨も降る予報ですが、それは台風の影響によるもののよう。
過ぎればまた炎暑が戻ってくるかもしれません。
とにかく猛暑、大雨、洪水、強風、降雹・・気象がすべて激しすぎますね。
もはや”異常”が”通常”になりつつある気がします。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
お盆休み、レンタカーを借りて千葉方面に行ってみようか〜って言ってます^^
まだどの辺に行くかは考え中です。台風の影響がないといいな。
by リュカ (2023-08-06 08:46)
海浜性昆虫ってカテゴリー、このブログで知りました。潮気と虫、頭の中でなかなか結びつきません。
私ごとですが、先月一週間ほど入院しました。ナースの扱いは完璧な「高齢者」の括りでした。その中に一人、虫好きな娘がいて、虫の話題で大いに盛り上がりました。
by 高和です。 (2023-08-06 09:06)
モモブトトビイロサシガメ
前脚だけが太いと言うのは、マッチョみたいでおもしろい昆虫ですね。カマキリの鎌のように、何か特別な用途があるのでしょうか?
by アヨアン・イゴカー (2023-08-06 09:12)
>リュカさん
むしろ南の方が涼しいですよ(過ごしやすいという意味ですが)♪
南房総でなくても鴨川や勝浦あたりでも。
>高和です。さん
ウミアメンボのように海水に住むのもいますからね。
ナースと虫談義できてよかったですね♪
まさに”怪我の功名”?^^
>アヨアン・イゴカーさん
やはり獲物をとらえるのに役立つのでしょうね。
ちなみにタガメやタイコウチもカメムシの仲間です。
by kon(昆) (2023-08-06 11:27)
海岸の水たまりでテンションの上がる様子が、伝わってくるようです。
「もう本命は忘れ、腰を据えて観察開始」のところとか。
楽しそうです^^;。
真っ赤なショウジョウトンボ、美しいですね。
by sakamono (2023-08-10 09:05)
海岸にもハンミョウがいるのですね。
ワサワサ逃げるフナムシにビビリますが
紛れていないか探してみます。
by 響 (2023-08-11 09:35)
>sakamonoさん
望外の場面に出くわすと我を忘れますね。
熱に浮かされていた可能性もありますが^^;
ショウジョウトンボが暑さを象徴してくれているようでした。
>響さん
九州にも分布しているはずです。
フナムシノイズキャンセラーを発動させてください^^
by kon(昆) (2023-08-11 22:04)