SSブログ

"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

とある虫探し遠征 ~番外編~ [探虫行]

先日の探虫遠征の本編はないまま、番外編を先に書いておきます。

場所は東海地方の某所。

場面は夜の砂浜。

海岸林と砂浜の境目に淡いピンクの花がぽつぽつと咲いていました。

ユリに似ていますが、ヒガンバナの仲間だと思います。

TG20230701_013.jpg

サフランモドキ ? インドハマユウ?


でも花を撮ろうとしたのではなく虫がいるのです。

7月1日、東京駅から東海道新幹線に乗って一路西へ。

待ち合わせ場所の最寄り駅に着いたのは午後5時半。

ホテルのロビーで合流して打合せをし、一旦チェックインして身支度をしてからロケ車で出発。

現地の協力者である虫屋さんと合流し、まだ日没には時間があるので食事をしながら再度打合せ。

時間調整できたので、いざ現地へ。

実は最前より現地の天気が心配だったのですが、ここまでの道中、雨粒は落ちてきませんでした。

ところが、現地に着いた途端、小雨がぱらぱらと。

でも雨雲レーダーを確認してみると、幸い通り雨のよう。

そうでなくても雨天決行の覚悟だったので、頭にはヘッドランプ、手には懐中電灯で探虫開始。

渚からは少し離れた、海浜性の植物が生えている砂浜と、さらに陸側の松林の縁をローラーします。

砂の上を目を凝らして歩いていると、地面すれすれを音もなくゆっくり飛ぶ豆粒のような虫が。

花はコマツヨイグサくらいしか見当たらなかったのですが、林縁で目立ったのが扉の写真。

よく見ると中に豆粒がいたのです。

TG20230701_015.jpg

チビサクラコガネ ♂(コガネムシ科)


全国に広く分布していて、チバにもいると思いますが、夜行性のためなかなか見られない。

TG20230701_012.jpg

同上


飛び回っているのはほとんどオスだそうです。

scarabe.gif


海浜性昆虫の代表的な種の一つはスナゴミムシダマシの仲間。

この浜にいたのはチバでは見かけないやつでした。
(というよりも手元の図鑑には載っていない種で、今回ご協力いただいた地元のAさんに教えてもらった)

TG20230701_006.jpg

オオスナゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)


多数ではありませんでしたが、其処此処で観察できました。

せっかくなので、地面だけではなく、樹の幹や倒木も見ていくとこんなのも。

TG20230701_003.jpg

ユミアシオオゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)


普通種ですがこれもチバではなかなかいないのでじっくり観察したいところ。

でもそういう場合ではないから地面ローラーを続けました。

そして約1時間半後、ついにターゲットを発見したのでした。

生態を撮影することが目的のため、捕獲はできず。

さりとて逃げられては元も子もないから、見失わないよう凝視しながら撮影スタッフを大声で呼びました。

それから数時間かけて撮影し、無事ミッションを果たせましたが、追加発見はゼロ。

結果的に雨にも降られず、大変にラッキーだったと思います。(ヒヤヒヤものだったとも言う)

詳細はまたいずれ投稿しますので、当日の様子はここまで。

翌朝の写真ですが、現地はこんな感じの浜でした。

TG20230702_002.jpg


またいつかゆっくり訪れたい。

scarabe.gif


前回と前々回の遠征は、予想外の結果に愕然とし、帰り道どこにも寄る気がおこりませんでした。

でも今回は朝の活動もせずに済んだこともあって時間に余裕あり。

せっかくなのでギフまで足を伸ばしました。

ただ、目的は虫採りでも探索でもなく、虫屋の聖地巡礼。

TG20230702_017.jpg


岐阜駅からバスで20分くらい。通称”名和昆”。

TG20230702_008.jpg


虫屋の聖地でもあるし、ギフチョウの聖地でもあります。

TG20230702_015.jpg


もちろん、蝶だけではなく、世界の代表的な昆虫、珍虫・奇虫の標本が展示されています。

TG20230702_012.jpg


2階には壁一面モルフォ蝶の展示もありました。

TG20230702_013.jpg

scarabe.gif


館内の展示を見ながらチャレンジするクイズラリーもやってみました。
(最後に答え合わせができて全問正解できてた)

幸い混んでなかったこともあり、ゆっくりじっくり見て回れました。

このあとナゴヤまで戻り、お昼を食べようとしたら、名鉄百貨店のレストラン街は激混み。

予定の新幹線に乗り遅れたのですが、さらに寄り道をしてチバに帰りました。
(そのお話はまた次回)




オマケ


本編で”大きな”ゴミムシダマシを紹介したので、さらにもう一種。

先月、はじめての場所(武蔵野のとある公園)で採集会を開催したときの収獲虫。
(特別に許可を得て採集しました)

TG20230629_022.jpg

ヒメオビオオキノコムシ と オオナガニジゴミムシダマシ


後者だけアップで。

TG20230629_016.jpg

オオナガニジゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)


体長約12mm。普通のナガニジゴミムシダマシより二回りくらい大きくてカッコイイ♪




今日の湯加減

この遠征以来、ちょっと忙しくて探虫に行けません。
それはともかく、チバはまだ梅雨明けしませんが、セミが一斉に鳴き始めました。
一斉にというのは、ニイニイゼミとミンミンゼミとアブラゼミの3種がほぼ同時にという意味で。
一日も間を空けずに初鳴きを聞きました。
これはこれでとても変な感じ。



nice!(8)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 8

コメント 3

高和です。

ミッション達成と名和昆クイズ満点獲得おめでとうございます。このごろのセミは違和感だらけ。高和には、ニイニイで梅雨が開けアブラで夏休み、ツクヅクで宿題に追われる(笑)。ミンミンなぞそもそもレアでした。シャアシャアなんていう新顔も。ナガサキ、ツマグロ…ここはどこ?わたしはだれ?状態です。
by 高和です。 (2023-07-16 06:29) 

sakamono

夜の砂浜で発見したターゲットは何か、乞うご期待という感じですね^^;。
チビサクラコガネなんて、かわいくてキレイな名前です。
オオナガニジゴミムシダマシの背中の丸いのは、模様でしょうか。
光が輪になって写り込んでいるのではなく?
by sakamono (2023-07-18 10:46) 

kon(昆)

>高和です。さん
ここ十年で、少なくともセミ風物詩は様変わりしましたね。
もう日本列島は温帯ではなく亜熱帯ですからね。

>sakamonoさん
かなり勿体をつけてしまって申し訳ないですがこうご期待^^
白い丸い輪はLEDリングライトの反射です。
by kon(昆) (2023-07-18 23:08) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

そろそろ帰ろう ~ぜふのムシブロ~ - にほんブログ村