"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
Nature Photo Walk [観察会]
久しぶりに撮影会に参加してきました。
もちろんモデルはヒトではなくて昆虫。
環境調査や自然観察会などの企画・運営会社の主催で、今回は昆虫観察・撮影がテーマ。
講師は昆虫写真家でトンボ図鑑や、ヤゴ、ハムシ、タマムシのハンドブックも出版されている尾園暁さん。
特に著書「日本のトンボ」はこのブログでも大事なリファレンスとして愛用しています。
6月17日、前日三重遠征から帰ってきたばかりで多少疲れが残っていたものの、体調はすこぶる良好。
天気も上々で暑い一日になりそうでした。
一応ナビに目的地設定したのですが、実はこの日から本格的にスマホのナビを使ってみることに。
(今まで使っていたナビの液晶画面がへたってきて地図も古くなってきたため)
スマホのナビは地図が常に最新というのが便利。
ただ設定がまだ慣れていなくて、ルート設定がうまくいかない。
首都高だけは使わないルートにしたいのですが、できないのでお江戸を抜けるまでナビを無視しました。
湾岸線(下道)をひた走り、お台場を過ぎ、羽田方面に行ってはいけないと大井の方へ方向転換。
多摩川に沿って登戸方面へ行くことを想定していたのですが、ナビは環七を北上しろという。
結局、R246も越えて世田谷通りを走るルートを案内されました。(湾岸経由は不正解だった)
狛江からやっと多摩川沿いの道に出られましたが、早めに出発したのに予定よりちょっと遅れ気味。
稲城ICから中央道に乗って八王子JCTまでワープし、高尾山ICで降りました。
高速が空いていたので、高尾山の南麓にある会場には集合時刻の30分前に到着。
里山公園の中にある谷戸が今回の活動場所です。
参加者は10名ほど、それぞれの荷物を木陰に敷いたシートにデポジットしていると。
誰かが手乗りのスズメガを持ってきました。
主催者と講師の挨拶のあと、みんなで自己紹介をしてさっそく撮影開始。
とすぐ目の前、荷物を置いた木陰の葉の上で食事中のトンボを見つけました。
獲物はカゲロウのようでしたが、あっという間に完食してました。
ニホンカワトンボと見分けるのがむずかしいので、手っ取り早く尾園さんにどちらなのか確認。
時間が前後しますが、ビオトープの奥の林の中の小流にはオスもいました。
森の奥にも行ってみたいのですが、今回は単独行動はせずに講師と付かず離れずで勉強します。
写真の撮り方はもちろん、トンボを中心に生態の特徴も教えてもらいました。
木道が設えてあるビオトープの人工池には何種類ものトンボがいるそうです。
一番よく目立ったのが、水面すれすれを素早く行き交うやつで、なかなかとまってくれない。
これは午後になってから、木道に腹ばいになり、さらに手を目一杯伸ばして撮った産卵中のペア。
望遠レンズは持ってこなかったので、池の真ん中にいるトンボの撮影は困難。
そういう時はさっさとあきらめて撮りやすい個体を探すのがいいとの話。(その通りだと納得)
この子は木道の近くにとまっていたのでTGでも撮影できました。
実践的な講習会ともいえますが、虫たちを前にすると、みなさん夢中でカメラを向ける。
羽化して間もない子たちはじっとしているので近寄りやすい。
テネラルだと同定がちょっとむずかしいので、これも教えてもらって確認しました。
都合よく近くにオスもいたので、彼らはみんなの撮影モデルに。
これは尾園さんもここでは見かけない種だったようで見つけて喜んでいました。
あいにくメスは観察できませんでしたが、フォットジェニックなのでみんなにモテモテでした。
一番奥の池の縁を歩いていると、近くにいた尾園さんがかぶっていた帽子を地面に投げました。
何をしているのかと近づいてみると、帽子の中から取り出したのは。
このトンボは、実は谷戸へと歩いている途中の川沿いに群れていたのですが、近づかせてくれなかった。
午前中は奥の池にたくさんいたものの遠くて撮れず、陽が高くなるにつれて姿が見えなくなっていました。
林縁を歩いていると、梢の中で休んでいる個体を見つけ、やっと撮影できました。
気温が高くなり過ぎたので日陰に避難したのでしょう。
トンボ以外も撮影対象から除外することはありません。
ゲンゴロウ類は見つけられませんでしたが、アメンボ以外でたくさんいたのはこの子たち。
蝶はウラギンやイチモンジとミヤカラらしき姿も見ましたがモデルにはなってくれず。
昼食休憩していたときに近くの梢にゼフがいてくれました。
午後は(所持率が高いので)TGを使っての撮影指導もありました。
例のゴーストについても聞いてみたら、”TGの仕様”でどうしようもないとのこと。
やはりフレーミングで回避するしかないみたい。こんな風に。
HFでよく見かけるヒゲナガハナノミより少し大きくて細長い。
林縁のカラムシにいたこの虫を尾園さんは”タモリ虫”と呼んでいた。
キョンシー虫とよく呼ばれるけれど、とにかく人面カミキリということでしょうね。
ところで、実は一眼レフの貸し出しもあったので、OMD-EM1をお借りして撮影もしていました。
(レンズは自前のマクロを使用)
以下はEM1で撮影したものですが、かなりの枚数撮影したのにあまりの歩留まりの低さに愕然。
でもTGと比べて解像感はもとより、発色の違いに驚きました。
とくに色の違いが顕著だったのはこれ。
日影だったからではないようで、摂食中だったカワトンボはこんな感じ。
日向ではやはり解像感がぐっと違います。
これは飛翔シーンを撮る練習での被写体、一旦舞い上がって戻ってくる瞬間を狙ったのですが。
穂が柔らかでしなるため、戻ってきたときの位置が変わってしまい、フレームアウト気味ばかり。
シャッタータイミングが合わず、結局うまく撮れませんでしたが勉強にはなりました。
最後にフォトジェニックな子をお口直しで。
明暗さがはげしいシチュエーションで、TGだと露出が合いませんでしたが、EM1だとこのとおり。
(扉の写真とは画角違い)
虫撮りについて、色々疑問に思っていたことが確認できたり、合点がいくことも数々あったり。
尾園さんにも会えたし、期せずして何人かの虫仲間とも再会でき、楽しく充実した一日となりました。
帰路は素直に甲州街道で新宿を目指し、皇居~銀座~晴海と都心を突っ切って湾岸線というルートで。
最後の休憩時に木陰の葉の上にいた人面蛾。(同定に苦労しました・・)
絵本に出てくるようなネコにも見えるし、こんな顔したサルもいたような・・・何に見えますか?
今日の湯加減
もちろんモデルはヒトではなくて昆虫。
環境調査や自然観察会などの企画・運営会社の主催で、今回は昆虫観察・撮影がテーマ。
講師は昆虫写真家でトンボ図鑑や、ヤゴ、ハムシ、タマムシのハンドブックも出版されている尾園暁さん。
特に著書「日本のトンボ」はこのブログでも大事なリファレンスとして愛用しています。
6月17日、前日三重遠征から帰ってきたばかりで多少疲れが残っていたものの、体調はすこぶる良好。
天気も上々で暑い一日になりそうでした。
一応ナビに目的地設定したのですが、実はこの日から本格的にスマホのナビを使ってみることに。
(今まで使っていたナビの液晶画面がへたってきて地図も古くなってきたため)
スマホのナビは地図が常に最新というのが便利。
ただ設定がまだ慣れていなくて、ルート設定がうまくいかない。
首都高だけは使わないルートにしたいのですが、できないのでお江戸を抜けるまでナビを無視しました。
湾岸線(下道)をひた走り、お台場を過ぎ、羽田方面に行ってはいけないと大井の方へ方向転換。
多摩川に沿って登戸方面へ行くことを想定していたのですが、ナビは環七を北上しろという。
結局、R246も越えて世田谷通りを走るルートを案内されました。(湾岸経由は不正解だった)
狛江からやっと多摩川沿いの道に出られましたが、早めに出発したのに予定よりちょっと遅れ気味。
稲城ICから中央道に乗って八王子JCTまでワープし、高尾山ICで降りました。
高速が空いていたので、高尾山の南麓にある会場には集合時刻の30分前に到着。
里山公園の中にある谷戸が今回の活動場所です。
参加者は10名ほど、それぞれの荷物を木陰に敷いたシートにデポジットしていると。
誰かが手乗りのスズメガを持ってきました。
ベニスズメ (スズメガ科)
主催者と講師の挨拶のあと、みんなで自己紹介をしてさっそく撮影開始。
とすぐ目の前、荷物を置いた木陰の葉の上で食事中のトンボを見つけました。
アサヒナカワトンボ ♀ (カワトンボ科)
獲物はカゲロウのようでしたが、あっという間に完食してました。
ニホンカワトンボと見分けるのがむずかしいので、手っ取り早く尾園さんにどちらなのか確認。
時間が前後しますが、ビオトープの奥の林の中の小流にはオスもいました。
同上 ♂
森の奥にも行ってみたいのですが、今回は単独行動はせずに講師と付かず離れずで勉強します。
写真の撮り方はもちろん、トンボを中心に生態の特徴も教えてもらいました。
木道が設えてあるビオトープの人工池には何種類ものトンボがいるそうです。
一番よく目立ったのが、水面すれすれを素早く行き交うやつで、なかなかとまってくれない。
クロイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
これは午後になってから、木道に腹ばいになり、さらに手を目一杯伸ばして撮った産卵中のペア。
同上 ペア
望遠レンズは持ってこなかったので、池の真ん中にいるトンボの撮影は困難。
そういう時はさっさとあきらめて撮りやすい個体を探すのがいいとの話。(その通りだと納得)
この子は木道の近くにとまっていたのでTGでも撮影できました。
ショウジョウトンボ ♂ (トンボ科)
実践的な講習会ともいえますが、虫たちを前にすると、みなさん夢中でカメラを向ける。
羽化して間もない子たちはじっとしているので近寄りやすい。
オオアオイトトンボ ♀ (アオイトトンボ科)
テネラルだと同定がちょっとむずかしいので、これも教えてもらって確認しました。
都合よく近くにオスもいたので、彼らはみんなの撮影モデルに。
同上 ♂
これは尾園さんもここでは見かけない種だったようで見つけて喜んでいました。
モノサシトンボ ♂ (モノサシトンボ科)
あいにくメスは観察できませんでしたが、フォットジェニックなのでみんなにモテモテでした。
一番奥の池の縁を歩いていると、近くにいた尾園さんがかぶっていた帽子を地面に投げました。
何をしているのかと近づいてみると、帽子の中から取り出したのは。
コサナエ (サナエトンボ科)
このトンボは、実は谷戸へと歩いている途中の川沿いに群れていたのですが、近づかせてくれなかった。
午前中は奥の池にたくさんいたものの遠くて撮れず、陽が高くなるにつれて姿が見えなくなっていました。
林縁を歩いていると、梢の中で休んでいる個体を見つけ、やっと撮影できました。
ホソミイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
気温が高くなり過ぎたので日陰に避難したのでしょう。
トンボ以外も撮影対象から除外することはありません。
ゲンゴロウ類は見つけられませんでしたが、アメンボ以外でたくさんいたのはこの子たち。
マツモムシ (マツモムシ科)
蝶はウラギンやイチモンジとミヤカラらしき姿も見ましたがモデルにはなってくれず。
昼食休憩していたときに近くの梢にゼフがいてくれました。
アカシジミ (シジミチョウ科)
午後は(所持率が高いので)TGを使っての撮影指導もありました。
例のゴーストについても聞いてみたら、”TGの仕様”でどうしようもないとのこと。
やはりフレーミングで回避するしかないみたい。こんな風に。
エダヒゲナガハナノミ ♂ (ナガハナノミ科)
HFでよく見かけるヒゲナガハナノミより少し大きくて細長い。
林縁のカラムシにいたこの虫を尾園さんは”タモリ虫”と呼んでいた。
ラミーカミキリ (カミキリムシ科)
キョンシー虫とよく呼ばれるけれど、とにかく人面カミキリということでしょうね。
ところで、実は一眼レフの貸し出しもあったので、OMD-EM1をお借りして撮影もしていました。
(レンズは自前のマクロを使用)
以下はEM1で撮影したものですが、かなりの枚数撮影したのにあまりの歩留まりの低さに愕然。
でもTGと比べて解像感はもとより、発色の違いに驚きました。
とくに色の違いが顕著だったのはこれ。
ベニスズメ
日影だったからではないようで、摂食中だったカワトンボはこんな感じ。
アサヒナカワトンボ ♀
日向ではやはり解像感がぐっと違います。
同上 ♂
これは飛翔シーンを撮る練習での被写体、一旦舞い上がって戻ってくる瞬間を狙ったのですが。
ショウジョウトンボ ♂
穂が柔らかでしなるため、戻ってきたときの位置が変わってしまい、フレームアウト気味ばかり。
シャッタータイミングが合わず、結局うまく撮れませんでしたが勉強にはなりました。
最後にフォトジェニックな子をお口直しで。
明暗さがはげしいシチュエーションで、TGだと露出が合いませんでしたが、EM1だとこのとおり。
(扉の写真とは画角違い)
モノサシトンボ ♂
虫撮りについて、色々疑問に思っていたことが確認できたり、合点がいくことも数々あったり。
尾園さんにも会えたし、期せずして何人かの虫仲間とも再会でき、楽しく充実した一日となりました。
帰路は素直に甲州街道で新宿を目指し、皇居~銀座~晴海と都心を突っ切って湾岸線というルートで。
オマケ
最後の休憩時に木陰の葉の上にいた人面蛾。(同定に苦労しました・・)
ニワトコドクガ (ドクガ科)
絵本に出てくるようなネコにも見えるし、こんな顔したサルもいたような・・・何に見えますか?
今日の湯加減
夏至も過ぎましたが今年のチバは、というか今年の梅雨は蒸し暑さがきびしくない。
チバはまだ30℃を超えた日がないし、雨もさほど降らない。
おかげでエアコンはおろか、扇風機のスイッチすら入れていませんが、これがむしろ普通なのか。
毎年の異常気象続きで、”異常”が”通常”になってしまい、感覚がおかしくなっているのか。
とにかく虫屋にとっては、梅雨寒や冷夏よりは”普通”の夏を歓迎するところ。
さて、どうなるのかしら・・
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
アメンボは、川崎北部の自宅で、最近殆ど見なくなりました。細々と流れていた小さな川も、とうの昔にコンクリートの蓋をされたりして、水生昆虫は激減してしまいました^^;
by アヨアン・イゴカー (2023-06-26 00:41)
こんにちは^^
ベニスズメ、綺麗な紅色ですね。
我が家も以前はよくスズメガの幼虫がつきましたが、最近は見なくなりました。
クロイトトンボ、綺麗ですね♪
いよいよ、イトトンボの季節がやって来ましたね。
これから見せて頂くのが楽しみです。
アカシジミ、会えるようで会えない蝶です^^
by いろは (2023-06-26 14:53)
高尾山の辺りに里山公園なんていうところがあるのですね。
よさそうなところです。ベニスズメ、緑色にうっすら紅がかかっていて
とてもキレイです。最後の真っ白なニワトコドクガも。
確かに、ネコっぽく見えます。
by sakamono (2023-06-27 07:15)
トンボの季節ですね。日本を代表する昆虫だけあって、昨今あまり使われなくなった言葉が和名になっていたりします。早苗、猩々、茜、あ、物指もそうか。ダンチの人工池は年とともに住み着く種類がにぎやかです。
by 高和です。 (2023-06-27 19:50)
トンボいっぱいですね。
スズメガも立派。
ラミーカミキリはわたしも撮りましたが
背中はやっぱり顔に見えます。
by 響 (2023-06-27 20:40)
>アヨアン・イゴカーさん
水溜まりにもいるアメンボがいないというのは驚きですね。
しかし何処でも虫はどんどん減っています・・
>いろはさん
スズメガも少なくなりましたね。
トンボはまさに環境指標生物ですので減ってほしくないです。
生息確認もしています。
>sakamonoさん
この公園はまだ整備中なのだそうです。
一眼レフを借りたおかげでベニスズメの色が出せました。
ネコガは他の参加者たちも注目していました笑
>高和です。さん
それだけトンボは身近なそして生活に関係する虫だったのでしょう。
そちらの池は多様性が増えているようで何よりです。
>響さん
実はヤンマも数種いたのですが、マクロで撮るのはきびしかった。
ラミーは人面カミキリですね笑
ただ微妙に顔が違うのが面白い。
by kon(昆) (2023-06-27 22:11)
トンボは写真がベストですね!
小さなイトトンボなどは目で見るよりも美しいと思います。
でもなかなか思うようにポーズを取ってくれないのが難点。
昆虫の生態理解だけでなく、撮影技術的なものも含め、とても奥が深そうな分野と感じました。
by 山健父 (2023-06-30 04:52)
>山健父さん
おっしゃるとおり、小さくて繊細な昆虫は、生で観察するよりも写真でじっくり見るほうがいいですね。
そのためにはクリアな写真を撮らなければなりませんが・・^^;
TGがへたってきたこともあり、一眼も駆使しなくてはと考え中です。
前記事のコメントへの返信)
海浜性昆虫のように環境条件がきびしく、かつ局所的に分布している場合は採集圧の影響が大きくなりますね。
逆に特定外来生物などの駆除は、リソース競合する在来種の減少を食い止める効果があると思います。
by kon(昆) (2023-06-30 19:31)