"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
Dead Dune [探虫行]
6月になったら遠征したい場所がありました。
しかし、タイミング悪く台風が発生・北上してきてしまい、あきらめていたのですが。
予報よりもスピードが上がり、6月4日から5日の間は台風一過の晴れ間になりそうと判断。
その後すぐ梅雨入りしそうなのでこのチャンスを逃すわけにはいかないと遠征決行しました。
夜間観察です。
前日のうちに台風は日本の東に通り過ぎ、6月4日は風もなく、天気は上々でした。
(西日本を中心に線状降水帯が発生した地域は大雨による被害が多発しましたが)
しかも虫の日。高まる期待感を抑えきれないまま、東京駅に向かったのですが。
前日買ったチケットが間違っていることに気が付いた。
静岡へ行くのですが、新幹線の降車駅が一つ手前の駅になっている。
幸い本来乗りたかった新幹線の発車まで時間に余裕があったので、東京駅の窓口で変更してもらおうと。
ところが当日券売り場は外国人観光客などで長蛇の列。
途中で並ぶの止めて自由席で行こうかとも思いましたが、無事に変更できて予定の列車に乗れました。
無事、集合場所の駅に集合時間前に到着し、予定通りピックアップしてもらいました。
現地着は午後2時頃でした。
ここの砂浜の様子は、昨年訪れたときと特に変わった様子はないようでした。
その際と同様、海浜性昆虫を探しにきたのですが、まずは漂着物のチェック。
チバの浜と違って流木や海藻は大量。でもペットボトルや漁具などのゴミはほとんどない。
これは色々出てくるだろうと思いきや。
次々と物件をひっくり返していくも、静かなものでした。トビムシもあまりいない。
やっと現れた第一村人はこの方。
前胸まで黒化している個体はちょっと珍しいと思いますが、芥の中へ潜って行くのを見送りました。
ハネカクシやゾウムシの仲間も出てこないので、どうしたことかと思いつつも丸太や板もひっくり返す。
ちょっと派手なのがようやく出た。
北海道の浜でお目にかかったのは緑がかったやつですが、ここの子は磨いた銅製器のようでした。
次に現れたのはかなり意外な人。
もちろん海浜性の昆虫ではありませんが、冬に流木崩しをしていると時々幼虫が出てきます。
つまり、卵や幼虫が入っている枝木が折れて流れ着き、生き延びて羽化したのでしょう。
その後も特筆すべき地元の方はお出ましにならず。
ただ同行者が観察したいと希望していたこの子はやっと一つ見つけました。
以前も書いたと思いますが、この虫はウルトラ怪獣の”ツインテール”にそっくりですね。
いや、おそらくツインテールのモチーフになったのだと思います。
ルッキングによる探虫は終了とし、いくつかトラップを設置して宿へ向かいました。
浜辺を歩き回って汗もかいたので、シャワーを浴びて少し休憩し、早目の夕食を済ませて夜の部へ。
昼間と同じ浜へ向かいました。
この日は偶然満月。雲があったのであまり明るくはなかったものの、雲が途切れると真ん丸お月様が。
砂浜へと向かう途中、林の中を歩いていると、踏まずに歩くことがむずかしいほどのゴミダマがいました。
その中に、やっと見つけることができた、期待していたのが扉の写真の虫で、何か食べていたのです。
食べていたのは意外にもダンゴムシでした。
ここではたくさん観察できるはずだし、トラップにもかかると思ったのですが一応お連れしました。
ゴミダマやハサミムシは観察できたものの、結局、夜間ルッキングでも特に成果はありませんでした。
翌朝、まさに朝飯前に活動開始。トラップ回収に向かいました。
ゴミダマは多いとは思いましたが、うじゃうじゃ入っていたのは。
ダンゴムシだけというのが変な感じでしたが、ゴミダマもぽつぽつと。
本命はおろか、オサムシモドキも一匹も入っていない。
あまりに意外な状況に呆然とするばかり。
一つだけ抜かれたトラップもあり、攻撃を受けた形跡もありました。
おそらくカラスアタックだと思います。
しかし、ダンゴムシ以外の虫だけついばんだとは考えにくい。
昨年9月に訪れた際は、オサムシモドキは多数観察・採集できたし、ゴミダマも大量に入りました。
つまり、ハサミムシなども含めて(ダンゴムシ以外の)海浜性昆虫たちが減少したのだと。
前回ボウズだったとき、杞憂であってくれと思ったのですが、どうやらそうではなかったよう。
本命のオオヒョウタンは絶滅してしまったと思われます。
環境はそれほど変化していないことから、減少した原因は採集圧だと思われます。
なぜなら、夥しい数のトラップ設置跡が確認されたことと、回収漏れのプラカップもあったから。
それらは拾っておきましたが、色々な意味で悲しい気持ちになりました。
どこかでひっそり生き延びていてほしいと願いつつも、同行者たちと車に乗り現場を後にしました。
虫ではないけどじっとして動かないカニがいました。
甲羅の幅は3センチほど。東北地方以南の浜に棲息するようで、マッチ棒のような目が特徴です。
今日の湯加減
しかし、タイミング悪く台風が発生・北上してきてしまい、あきらめていたのですが。
予報よりもスピードが上がり、6月4日から5日の間は台風一過の晴れ間になりそうと判断。
その後すぐ梅雨入りしそうなのでこのチャンスを逃すわけにはいかないと遠征決行しました。
夜間観察です。
前日のうちに台風は日本の東に通り過ぎ、6月4日は風もなく、天気は上々でした。
(西日本を中心に線状降水帯が発生した地域は大雨による被害が多発しましたが)
しかも虫の日。高まる期待感を抑えきれないまま、東京駅に向かったのですが。
前日買ったチケットが間違っていることに気が付いた。
静岡へ行くのですが、新幹線の降車駅が一つ手前の駅になっている。
幸い本来乗りたかった新幹線の発車まで時間に余裕があったので、東京駅の窓口で変更してもらおうと。
ところが当日券売り場は外国人観光客などで長蛇の列。
途中で並ぶの止めて自由席で行こうかとも思いましたが、無事に変更できて予定の列車に乗れました。
無事、集合場所の駅に集合時間前に到着し、予定通りピックアップしてもらいました。
現地着は午後2時頃でした。
ここの砂浜の様子は、昨年訪れたときと特に変わった様子はないようでした。
その際と同様、海浜性昆虫を探しにきたのですが、まずは漂着物のチェック。
チバの浜と違って流木や海藻は大量。でもペットボトルや漁具などのゴミはほとんどない。
これは色々出てくるだろうと思いきや。
次々と物件をひっくり返していくも、静かなものでした。トビムシもあまりいない。
やっと現れた第一村人はこの方。
セアカヒラタゴミムシ (オサムシ科)
前胸まで黒化している個体はちょっと珍しいと思いますが、芥の中へ潜って行くのを見送りました。
ハネカクシやゾウムシの仲間も出てこないので、どうしたことかと思いつつも丸太や板もひっくり返す。
ちょっと派手なのがようやく出た。
マルガタゴミムシの仲間 (オサムシ科)
北海道の浜でお目にかかったのは緑がかったやつですが、ここの子は磨いた銅製器のようでした。
次に現れたのはかなり意外な人。
コクワガタ ♂ (クワガタムシ科)
もちろん海浜性の昆虫ではありませんが、冬に流木崩しをしていると時々幼虫が出てきます。
つまり、卵や幼虫が入っている枝木が折れて流れ着き、生き延びて羽化したのでしょう。
その後も特筆すべき地元の方はお出ましにならず。
ただ同行者が観察したいと希望していたこの子はやっと一つ見つけました。
オオハサミムシ (オオハサミムシ科)
以前も書いたと思いますが、この虫はウルトラ怪獣の”ツインテール”にそっくりですね。
いや、おそらくツインテールのモチーフになったのだと思います。
ルッキングによる探虫は終了とし、いくつかトラップを設置して宿へ向かいました。
浜辺を歩き回って汗もかいたので、シャワーを浴びて少し休憩し、早目の夕食を済ませて夜の部へ。
昼間と同じ浜へ向かいました。
この日は偶然満月。雲があったのであまり明るくはなかったものの、雲が途切れると真ん丸お月様が。
砂浜へと向かう途中、林の中を歩いていると、踏まずに歩くことがむずかしいほどのゴミダマがいました。
その中に、やっと見つけることができた、期待していたのが扉の写真の虫で、何か食べていたのです。
食べていたのは意外にもダンゴムシでした。
オサムシモドキ (オサムシ科)
ここではたくさん観察できるはずだし、トラップにもかかると思ったのですが一応お連れしました。
ゴミダマやハサミムシは観察できたものの、結局、夜間ルッキングでも特に成果はありませんでした。
翌朝、まさに朝飯前に活動開始。トラップ回収に向かいました。
ゴミダマは多いとは思いましたが、うじゃうじゃ入っていたのは。
ダンゴムシ
ダンゴムシだけというのが変な感じでしたが、ゴミダマもぽつぽつと。
カクスナゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
本命はおろか、オサムシモドキも一匹も入っていない。
あまりに意外な状況に呆然とするばかり。
一つだけ抜かれたトラップもあり、攻撃を受けた形跡もありました。
おそらくカラスアタックだと思います。
しかし、ダンゴムシ以外の虫だけついばんだとは考えにくい。
昨年9月に訪れた際は、オサムシモドキは多数観察・採集できたし、ゴミダマも大量に入りました。
つまり、ハサミムシなども含めて(ダンゴムシ以外の)海浜性昆虫たちが減少したのだと。
前回ボウズだったとき、杞憂であってくれと思ったのですが、どうやらそうではなかったよう。
本命のオオヒョウタンは絶滅してしまったと思われます。
環境はそれほど変化していないことから、減少した原因は採集圧だと思われます。
なぜなら、夥しい数のトラップ設置跡が確認されたことと、回収漏れのプラカップもあったから。
それらは拾っておきましたが、色々な意味で悲しい気持ちになりました。
どこかでひっそり生き延びていてほしいと願いつつも、同行者たちと車に乗り現場を後にしました。
オマケ
虫ではないけどじっとして動かないカニがいました。
スナガニ
甲羅の幅は3センチほど。東北地方以南の浜に棲息するようで、マッチ棒のような目が特徴です。
今日の湯加減
昨年の記事に「本命に会えなかったことがザンネンというかシンパイなので再訪はしたい」と。
書いた悪い予感が当たってしまいました。
「女将さんの心づくしの料理も必ずや」とも書いたけれど、宿はまだ営業していてそれは叶いました。
しかし実は急きょ今週、リベンジ遠征をしてきました。
ここはもう絶滅してしまった可能性大と判断して別の場所(県)へ。
そこも実績地であったし、さらに地元の方の現地情報も仕入れて意気揚々だったのですが・・
なんと二連敗。
でもまだあきらめていません。次の作戦を考え中です。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ダンゴムシがうじゃうじゃ...砂浜にこんなにたくさんダンゴムシが
いるのは意外でした。それを食べる虫たちもいるのですね。
海を照らす月夜の写真、とてもよい風情です。
by sakamono (2023-06-19 18:18)
明日は夏至。冬至までの向こう半年、日々昼が短くなる憂鬱と付き合うのも、気分がしんどい。とは言うものの、来シーズンに向け、素振りを始める高和です。さて最近、産地消滅の理由は「採集圧」以外にもあることを知りました。動物の食害だそうです。高和にとって衝撃だったのは入笠山のヒメギフ。いまや、地面が茶色一色だとか。後にも先にもただ一度、U氏に案内していただき一家三人で10頭以上をネットインしました。長女が小学生でしたから、もう30数年前になるんですね。今回のターゲット、反転攻勢の凱歌をお待ちしています。
by 高和です。 (2023-06-20 19:55)
>sakamonoさん
たくさんいるのに悪食のカラスは好んで食べないというのが意外です。
月齢はさまざまな生き物の行動に影響するとは思いますがさて・・
>高和です。さん
まだ3か月は昼が長いと思えば気が楽かと。
ヒメギフを食害するのが何者か興味がありますが、
そもそも採集禁止になったらどうしようもないですね。
by kon(昆) (2023-06-21 22:57)
下手人はシカみたいです。ヒメギフそのものを、というより食草を食べちゃうらしい。
by 高和です。 (2023-06-21 23:32)
採集愛好家からすれば耳の痛い話です。
環境が保全されていれば、人間如きの採集で捕りつくされることはないと思っていましたが、そもそも生息域が狭まる中、採集圧が高いと流石に厳しいというところでしょうか?
矛盾する話ですが、昨今外来種を減らす活動が盛んで、よくYouTubeでも出てたりしますが、「人間如きの採集で捕りつくされることはない」ということならば、「そんなものは無駄な行為」、とはなってしまいますね。実際、採集による根絶は不可能とは思いますが、放置よりはマシなのでしょうか??
「根絶は不可能」であれば「永遠に駆除行為は可能」ということにもなりますが(汗)
(そのうち飽きられますかね)
by 山健父 (2023-06-30 05:05)