"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
シーズン開幕の代償 [オサムシ]
昨年の今頃はゴミムシの新規ポイント探しというか、湿地探しに走り回っていました。
結局、1~2か所よさそうな場所を見つけられたものの、トラップ採集もしないままシーズン終了に。
今季は湿地探しはしないとしたらどうするか、GoogleMapを睨みながらかなり悩んだ挙句。
湿地探しではなく、オサホリポイントの新規開拓をしようと決めたのですが。

なぜか水生昆虫を採っているし。
11月19日、天気は良いものの気温は低そうだったので、最近買ったジャケットをテストしました。
そのために珍しく高速道路を利用し、目指すは東総方面。
湾岸千葉から東関道に乗り、成田を過ぎて大栄ICで降りました。
装備の購入はすっかりワークマン+ばかりになっていますが、防寒防風性能は上々でした。
カトリ市の中部に大きな谷津田があり、航空写真だとその大部分が休耕田に見えたのです。
しばらく広域農道を走り、目的地として仮設定したランドマークを過ぎたもののアプローチが不明。
一旦停車して地図を確認すると、通り過ぎていたけれど、Uターンせずに現在地から進入しても行けそう。
右折して民家を過ぎ、普通の農道に入ると、いきなり視界が開けました。
しかも、右手には護岸していない用水路と休耕田が見えたので急きょ偵察開始。

ゴイサギの若鳥がいたのですが写真撮影は拒否。
念のため水網も持ってきていたので、何かいたらガサガサしようと思いましたが水の中に虫影なし。
水辺にはモンシロ、キチョウ、ベニシジミとオオアオイトトンボとこの子が観察できました。

訳あってこのトンボはまた後で登場します。

特に収獲はないまま、本来の目的地である、小崖がありそうな谷津田へ移動。
野生の勘でベニシジミ号を停めたのはこんな場所。

まずは細い方の谷津へ歩いて入ってみました。
林縁の細い農道をしばらく歩くと、斜面林の根周りの下にわずかに土壁がありました。
しゃがんで頭を突っ込むようにして、久しぶりにバチツルをちょこちょこと振り下ろす。
土の固さと湿気がなかなか良かったので、コツコツと掘っていたら、かすかに「プッ」という音がした。
お久しぶりです。

何頭かの集団でしたが、そのまま放屁、違う、放置して先へ進みました。

他にもほんのちょっとした小崖はあり、試掘しましたが出るのはミイデラだけ。
とうとう谷津の一番奥まで辿り着いてしまったけれど、板が敷かれた脇道があったので入ってみた。

するとその先には溜池が。

デコイがいくつか浮かんでいたので、水鳥を呼ぶためじゃないかと思います。
水の中を覗きながら一周しましたが、ここにも水生昆虫の影はありませんでした。
でも、池の奥の水源と思われる湧水を覗き込んでいたらガサガサしてみたくなり。

携帯の水網で端っこの水草の下を掬うと、出てきたのが扉の子たちでした。

普通はお腹を上にして浮いているので背中は見えないのですが、鞘翅の模様は変異があるようで。
ここの個体群のチームデザインはなかなかシャープ。

大きさも個体差があるようですが、このチームは全員大柄で、体長約14mmの最大サイズのようでした。
デカくてカッコイイので、何頭かお連れしました。

ベニシジミ号へ引き返す途中、やっぱり小崖が気になったので、掘り残したところを再度試掘。
すると、出てくれました。 お久しぶり。

シーズン開幕ということならメスも出ろと念じつつ、カニ歩きしながら掘り続けるも狭いのですぐに終了。
見逃した土壁がないか、手前の方も丹念に見ながら戻りましたが、とうとうベニシジミ号に到着。
場所を変えることにしました。

大きい方の谷津へ突入すべく、その入口付近まではなんとか辿り着きました。

左手には林内へ続いていく道があり、まずはそっちの様子を見に歩いて行きました。
しかし林縁の斜面の土はどこもふかふか。
林内には入りませんでしたが崖はなさそうだったので踵を返し、ベニシジミ号まで戻りました。
と、すぐ目の前の林縁に朽木が転がっていたのでトントンしてみたら。 お久しぶり。

アオゴミ臭を嗅ぐと、シーズンインの実感がさらに高まります。
右手の奥の谷津へ入るべく、ベニシジミ号に乗りましたが、農道は農家の敷地へ繋がっていました。
そこを突っ切って行くのは憚られたので、少し引き返して、休耕田の迂回ルートがないか探すことに。

しかし、谷津を反対側へ横切ったところで道は途絶え、上流への突入は困難でした。
仕方なく用水路沿いに引き返していると、水底の泥が少し動いたのがわかりました。
縁にうんこ座りして水中を注視していると、すぐ左手の水面に黒い影が浮いていました。

食べるのに夢中なので、近寄っても逃げませんでしたが、さすがにカメラを寄せると潜ります。
でも、周囲に何匹もいるようで、しばらくするとまた食べに浮かんでくる。

食べられているはアキアカネですが、食べていたのはこの子たち。

普通種ですが、ボウソウの行動範囲では減っているように思うので、たくさん見られてよかった。
それに、敏感な水生昆虫はなかなか生態写真が撮れないので幸運でした。

お昼も過ぎたし、ちょっと用事もあったのでこの辺で撤収しようと一旦考えたものの。
やっぱりメスに未練がありました。
最初の谷津へ戻ろうかとも思いましたが、場所がなさそうだったので、どうするか悩んだ結果。
さっきのアオゴミの分岐まで戻ることに。

林の中へ続く獣道のような細いルートがあったのでそこへ突入。
しかし間もなく行き止まりで、すごすごと引き返していると、藪の隙間から林の奥に茶色い景色が。

急な斜面でしたが、段丘の縁の下に赤土が少し露出して小崖になっている。
ちょっと躊躇しつつも、開幕戦ということで、いざ突撃。
ボルダリングのごとく、斜面に生えた木の幹を掴みながらよじ登り、土壁に取りつきました。
左手で木の根を握って体を支え、右手でバチツルを振るいますが、見た目よりも壁は固い。
砂も交じっているけどカチカチで、手が届く範囲は叩いたものの、指標虫すら出ず。
と、右方向に少し湿気があるのか、黒い土の部分が見えました。
滑落しないように木の根を辿って近づき、ここぞと見込んだところを叩くと・・ビンゴ。

しかし残念ながらオス。
かえってメスを出したい気持ちが高まってしまったので、さらに横移動しながらトントン。
またぽろっと出たので今度こそはと思いきや。

またもやオスでガックリと項垂れた時、掴んでいた根がボッキリ。
反射的に足を踏ん張った瞬間、腰に大電流が走りました。
幸い、踏ん張った先に細い木の幹があったので滑落はしませんでしたが、試合は棄権せざるを得ず。
お尻を突いてずりずりと斜面を降りました。

ベニシジミ号に乗ることはできました。
跨ることさえできれば、上半身の重さは腕で支えられるので、運転は問題なし。(過去に経験済み)
むしろ降りるのにちょっと苦労します。(バイクから横に落ちるように降りる)
なのでお昼を食べに店に寄ることはできず、腹ペコのまま真っすぐ帰宅。
前記事を書いたあと、お風呂でゆっくり腰を温め、ロキソニンテープを貼ってとっとと寝ました。
マツモムシらしい写真を掲載しておきます。
前脚と中脚の先を水面に付け、後脚のオールを水中で広げるポーズは、”フォルム”としても美しい。

昆虫館でも展示しようかな。
今日の湯加減
結局、1~2か所よさそうな場所を見つけられたものの、トラップ採集もしないままシーズン終了に。
今季は湿地探しはしないとしたらどうするか、GoogleMapを睨みながらかなり悩んだ挙句。
湿地探しではなく、オサホリポイントの新規開拓をしようと決めたのですが。

なぜか水生昆虫を採っているし。
11月19日、天気は良いものの気温は低そうだったので、最近買ったジャケットをテストしました。
そのために珍しく高速道路を利用し、目指すは東総方面。
湾岸千葉から東関道に乗り、成田を過ぎて大栄ICで降りました。
装備の購入はすっかりワークマン+ばかりになっていますが、防寒防風性能は上々でした。
カトリ市の中部に大きな谷津田があり、航空写真だとその大部分が休耕田に見えたのです。
しばらく広域農道を走り、目的地として仮設定したランドマークを過ぎたもののアプローチが不明。
一旦停車して地図を確認すると、通り過ぎていたけれど、Uターンせずに現在地から進入しても行けそう。
右折して民家を過ぎ、普通の農道に入ると、いきなり視界が開けました。
しかも、右手には護岸していない用水路と休耕田が見えたので急きょ偵察開始。

ゴイサギの若鳥がいたのですが写真撮影は拒否。
念のため水網も持ってきていたので、何かいたらガサガサしようと思いましたが水の中に虫影なし。
水辺にはモンシロ、キチョウ、ベニシジミとオオアオイトトンボとこの子が観察できました。

アキアカネ ♂ (トンボ科)
訳あってこのトンボはまた後で登場します。

特に収獲はないまま、本来の目的地である、小崖がありそうな谷津田へ移動。
野生の勘でベニシジミ号を停めたのはこんな場所。

まずは細い方の谷津へ歩いて入ってみました。
林縁の細い農道をしばらく歩くと、斜面林の根周りの下にわずかに土壁がありました。
しゃがんで頭を突っ込むようにして、久しぶりにバチツルをちょこちょこと振り下ろす。
土の固さと湿気がなかなか良かったので、コツコツと掘っていたら、かすかに「プッ」という音がした。
お久しぶりです。

ミイデラゴミムシ (オサムシ科)
何頭かの集団でしたが、そのまま放屁、違う、放置して先へ進みました。

他にもほんのちょっとした小崖はあり、試掘しましたが出るのはミイデラだけ。
とうとう谷津の一番奥まで辿り着いてしまったけれど、板が敷かれた脇道があったので入ってみた。

するとその先には溜池が。

デコイがいくつか浮かんでいたので、水鳥を呼ぶためじゃないかと思います。
水の中を覗きながら一周しましたが、ここにも水生昆虫の影はありませんでした。
でも、池の奥の水源と思われる湧水を覗き込んでいたらガサガサしてみたくなり。

携帯の水網で端っこの水草の下を掬うと、出てきたのが扉の子たちでした。

マツモムシ (マツモムシ科)
普通はお腹を上にして浮いているので背中は見えないのですが、鞘翅の模様は変異があるようで。
ここの個体群のチームデザインはなかなかシャープ。

同上
大きさも個体差があるようですが、このチームは全員大柄で、体長約14mmの最大サイズのようでした。
デカくてカッコイイので、何頭かお連れしました。

ベニシジミ号へ引き返す途中、やっぱり小崖が気になったので、掘り残したところを再度試掘。
すると、出てくれました。 お久しぶり。

アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
シーズン開幕ということならメスも出ろと念じつつ、カニ歩きしながら掘り続けるも狭いのですぐに終了。
見逃した土壁がないか、手前の方も丹念に見ながら戻りましたが、とうとうベニシジミ号に到着。
場所を変えることにしました。

大きい方の谷津へ突入すべく、その入口付近まではなんとか辿り着きました。

左手には林内へ続いていく道があり、まずはそっちの様子を見に歩いて行きました。
しかし林縁の斜面の土はどこもふかふか。
林内には入りませんでしたが崖はなさそうだったので踵を返し、ベニシジミ号まで戻りました。
と、すぐ目の前の林縁に朽木が転がっていたのでトントンしてみたら。 お久しぶり。

アオゴミムシ (オサムシ科)
アオゴミ臭を嗅ぐと、シーズンインの実感がさらに高まります。
右手の奥の谷津へ入るべく、ベニシジミ号に乗りましたが、農道は農家の敷地へ繋がっていました。
そこを突っ切って行くのは憚られたので、少し引き返して、休耕田の迂回ルートがないか探すことに。

しかし、谷津を反対側へ横切ったところで道は途絶え、上流への突入は困難でした。
仕方なく用水路沿いに引き返していると、水底の泥が少し動いたのがわかりました。
縁にうんこ座りして水中を注視していると、すぐ左手の水面に黒い影が浮いていました。

食べるのに夢中なので、近寄っても逃げませんでしたが、さすがにカメラを寄せると潜ります。
でも、周囲に何匹もいるようで、しばらくするとまた食べに浮かんでくる。

食べられているはアキアカネですが、食べていたのはこの子たち。

ヒメゲンゴロウ (ゲンゴロウ科)
普通種ですが、ボウソウの行動範囲では減っているように思うので、たくさん見られてよかった。
それに、敏感な水生昆虫はなかなか生態写真が撮れないので幸運でした。

お昼も過ぎたし、ちょっと用事もあったのでこの辺で撤収しようと一旦考えたものの。
やっぱりメスに未練がありました。
最初の谷津へ戻ろうかとも思いましたが、場所がなさそうだったので、どうするか悩んだ結果。
さっきのアオゴミの分岐まで戻ることに。

林の中へ続く獣道のような細いルートがあったのでそこへ突入。
しかし間もなく行き止まりで、すごすごと引き返していると、藪の隙間から林の奥に茶色い景色が。

急な斜面でしたが、段丘の縁の下に赤土が少し露出して小崖になっている。
ちょっと躊躇しつつも、開幕戦ということで、いざ突撃。
ボルダリングのごとく、斜面に生えた木の幹を掴みながらよじ登り、土壁に取りつきました。
左手で木の根を握って体を支え、右手でバチツルを振るいますが、見た目よりも壁は固い。
砂も交じっているけどカチカチで、手が届く範囲は叩いたものの、指標虫すら出ず。
と、右方向に少し湿気があるのか、黒い土の部分が見えました。
滑落しないように木の根を辿って近づき、ここぞと見込んだところを叩くと・・ビンゴ。

アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
しかし残念ながらオス。
かえってメスを出したい気持ちが高まってしまったので、さらに横移動しながらトントン。
またぽろっと出たので今度こそはと思いきや。

同上
またもやオスでガックリと項垂れた時、掴んでいた根がボッキリ。
反射的に足を踏ん張った瞬間、腰に大電流が走りました。
幸い、踏ん張った先に細い木の幹があったので滑落はしませんでしたが、試合は棄権せざるを得ず。
お尻を突いてずりずりと斜面を降りました。

ベニシジミ号に乗ることはできました。
跨ることさえできれば、上半身の重さは腕で支えられるので、運転は問題なし。(過去に経験済み)
むしろ降りるのにちょっと苦労します。(バイクから横に落ちるように降りる)
なのでお昼を食べに店に寄ることはできず、腹ペコのまま真っすぐ帰宅。
前記事を書いたあと、お風呂でゆっくり腰を温め、ロキソニンテープを貼ってとっとと寝ました。
オマケ
マツモムシらしい写真を掲載しておきます。
前脚と中脚の先を水面に付け、後脚のオールを水中で広げるポーズは、”フォルム”としても美しい。

昆虫館でも展示しようかな。
今日の湯加減
整形外科を受診した際に医者から「何をしていて痛めたのですか?」と質問されました。
オサホリしていてと答えると説明が大変なので「土壁を登っていてバランスを崩しました」と返答。
「仕事だったのですか?」
「いえ、仕事ではなく趣味です」
「ロッククライミングをされていたということですね?」
「いえ、クライミングではなく、崖地をよじ登っていて」
説明しづらいことを察知してくれたようで、それ以上は何も聞かれませんでした。
火山噴火の一週間以上前から予兆はあり、ロキソテープも貼って動作も気を付けていたというのに。
崖を前にすると、急に楽観的になってしまうというのは我ながらあきれます。
爆発前にストーブを出して、いつでも使えるようにしていたのがせめてもの救いでした。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんにちは^^
マツモムシは何となくセミのような感じの虫と思ってしまいました。
ゲンゴロウムシはトンボを食べるのですか...
本当に滑落しなくて良かったですね。
引き続きお大事になさってください。
by いろは (2022-11-27 17:26)
ゲンゴロウ、久しく見たことがないな、
食欲旺盛で、逞しい
なんとか、帰宅できてよかったですね、でも腰もですが、走行中の緊張感は相当では、養生してください
by engrid (2022-11-28 11:10)
食物連鎖の実態を、目の当たりにしやした!
by ぼんぼちぼちぼち (2022-11-28 13:07)
>いろはさん
大きくはセミの仲間で正解です。
セミと違って肉食ですが^^
>engridさん
ヒメゲンたちにとっては大きなごちそうだったでしょうね。
運転自体は問題ないのですが、超安全運転で帰りました^^;
>ぼんぼちぼちぼちさん
トンボも肉食ですけど小昆虫がいないとゲンゴロウたちも困ります。
底辺が短いとピラミッド自体が小さくなりますね。
by ぜふ (2022-11-28 21:18)
扉の写真の子、スゴい。初見ではてっきりゼフさんが新調したジャケットの背中だと思いました(笑)。
ヒメゲンのお食事は咀嚼ですか?それとも、溶かして舐める?
by 高和です。 (2022-11-29 11:37)
マツモムシのフォルム、美しいですね。一番後ろの足が、頭の前まで
出るんですね。頭と背中の模様もおもしろい。
思わぬ動作をした時に、唐突に腰痛が顔を出すのですよね。
私も経験で分かります^^;。お大事にしてください。
by sakamono (2022-12-01 15:29)
>高和です。さん
ライダースジャケットのデザインとしてもグッドだと思います。
ゲンゴロウ類はみな同じなのではないでしょうか。
>sakamonoさん
最初の一漕ぎをするために頭の方へ上げているのだと思います。
腰痛火山の噴火は些細な事がトリガーとなりますね。クシャミとか・・
トイレの水洗レバーも気を付けるのですが、あっと思ったときは後の祭りですよね^^;
by ぜふ (2022-12-02 22:02)