"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
コンパストンボ [探虫行]
前記事のとおり、ムシの日はトンボの日でした。
今回もほぼトンボ記事です。
どうしても、モートンイトトンボの成熟状況と、キイトトンボの発生状況を確認したかったから。
結果は本編に記載しますが、最近ドハマリのこの子たちにも会えました。

モノサシではなくコンパスという感じでしょうか。
前回と打って変わって寝つきもよく、早朝に目が覚めてしまうこともなく定時に起床しました。
なので、この日(6月10日)も下道はとても空いていたものの、現地着は9時半。
前回とは別のルートで森の奥の池へ向かいました。

池の入口で出迎えてくれたのはカミキリムシでした。

水面でまず目に付いたのは、やはりクロスジギンでしたが、今回はイトトンボ目当てなので無視。
でもこの子はスルーできません。

水面は朝のパトロール中のクロイトトンボやオオイトトンボのオスたちで賑やかですが一旦スルー。
ともかく、まずはモートンイトトンボを見つけたいと思い、池の畔に目を凝らしながら歩きました。
しかしザンネンながら見つからないまま池の奥まで来たので、池の水面を振り返ると。
なぜか同じ目線の虫が杭の先にとまっていました。
君もトンボ観察?

と、まだ水面デビュー前の個体が足元に。

未成熟の方が黒いとも言えるなあと思いながら、下草の中をそっと覗いていると、やっといました。

これで勇気が湧いてきたので、慎重に周囲を探して行きます。
やっぱり一目はアジアイトトンボに見えますが、少し熟した子がいました。

撮影していると、突然目にもとまらぬ敏捷さでエサを捕えました。

もぐもぐタイムをしばらく観察したあと、場所を変えようと立ち上がりかけたとき、コンチュータが反応。
隣りの池からの接続箇所の水草の上にいたのが扉の写真のカップルです。
岸から少し離れていて、アングルをとれなかったので、イチかバチか少し動いてくれるのを待ちました。
ちょっと動いてくれた態勢がVサインだったのですが、このあとメスは産卵態勢になりました。

液晶画面が見えないアングルのため、ノーファインダーでかつピントも運任せでした。
メスにしかピントが合っていませんが主役ということで。
池の入口へ戻りつつ、またモートンを探しましたが見つけることができませんでした。
池を後にするとき、見送ってくれたのもカミキリムシ。


この森もボウソウ特有の岩山に囲まれていて、こんな隧道というか穴もあります。

これを抜けると隣の森へ行けるので、そちらも少し回ってみました。
ごく小さな湿原があるので期待していたのですが、あいにくトンボの姿は皆無でした。
すごすごと森の入口まで引き返しつつ、途中の細流沿いでもモートン探し。
モノサシとクロイトとオオイトは観察できましたが、他はシオカラトンボがいたくらい。
ゲートのすぐ手前でも見送りがありました。

今回はやけにカミキリムシたちと出くわすなぁと思いつつ一人作戦会議。
お昼も過ぎていたので、駐車場の隅っこのベンチに腰を下ろして、休憩がてらお弁当タイムとしました。
予定どおり次はキイトトンボの確認に行こうと決めたとき、黄色い視線を感じました。
すぐ目の前にあった、木の置物のようなものにとまっていたのです。

どこにでもいるカミキリですが、記念にお連れしました。

次はキイトトンボのポイントへ。
もうそろそろ出ていてほしいと思っていたのですが、結果的には観察できませんでした。
その代わりにモートンイトトンボたちを多数確認できました。
特にメスの成熟過程を観察できたので記録しておきます。

ここから色が薄くなり、緑色がかっていくのでしょう、少し成熟した個体。

次に胴体の上部が褐色を帯びてきます。

そして成熟すると緑色が濃くなり、褐色とのコントラストが鮮やかに。

つまり上記はすべて別個体ということです。
オスも撮りたくて水辺や草むら近辺をしばらく探したけれど見つけられず。
まだ巡回ポイントが複数あるのであきらめて移動することに。

次はイトトンボ目当てではなく、キサラヅのヘビロテポイントのトラップ回収へ。
結果としては目ぼしい収獲はなく、というか、またしてもトラップはほとんど抜き去られていました。
ベイトなしでセットしても、落ちた虫たちがベイトになってしまうのでしょう。
(マスタードオイルの結界もここの獣たちにはあまり効果がないみたい)
ただ、一つだけ初見の虫が掛かっていました。
動きが俊敏なので一旦捕獲してから撮影。

耕作放棄地の原っぱにはベニシジミが多数いて、彼らの色彩変異も観察できました。
これは春型っぽい子。

これはちょっとスレていますが夏型っぽい子。(前翅のオレンジ部分が小さくなり色も薄い)

この子は夏型。

ベニシジミ(春型)号へ引き返すべく、あぜ道を歩いていると(一目でわかる)不審者を発見。
急いでいたので証拠写真のみ。

もう一か所、トラップ回収して次のポイントへ。

一つ山を越えてキミツ方面へ南下。
前回寄るのをやめたポイントへ向かいました。
そこにはトンボ池があるのですが、一旦そこを通り過ぎてさらに奥の様子を見に山の中へ。
谷津田というより、ごく浅い谷の田んぼに沿った細い山道を数キロ進むと見通しのきく圃場が。

さらに少し進むとこんな看板が。
どうやらこの谷にはホタルがいるようです。

看板の奥の芦原の様子を見ましたが、トンボの姿は皆無だったので引き返すことに。
トンボ池も静かでした。

何の木か忘れてしまいましたが、バラルリツツハムシとこのハムシが湧いているだけでした。

どうやらトンボ池にトンボはいないようでしたので、池の奥へと進入。
反対側の畔に樹液が出るクヌギがあるのです。
昆虫酒場クヌギ亭は営業中でしたが、客はスズメバチが多くてクワガタは来店していません。
その代わり、この常連は団体さんでした。

お気に入りの虫なのでブロマイド撮影を。

後半はトンボパトロールにならず、むしろ不思議とカミキリムシたちに縁のある一日でした。
お連れしたキイロトラカミキリがフィルムケースの中でモデルポーズをしていたのでブロマイド撮影。

ちょっと弱っていたのか微動だにしませんでした。
昨日の湯加減
今回もほぼトンボ記事です。
どうしても、モートンイトトンボの成熟状況と、キイトトンボの発生状況を確認したかったから。
結果は本編に記載しますが、最近ドハマリのこの子たちにも会えました。

モノサシトンボ ♂ (モノサシトンボ科)
モノサシではなくコンパスという感じでしょうか。
前回と打って変わって寝つきもよく、早朝に目が覚めてしまうこともなく定時に起床しました。
なので、この日(6月10日)も下道はとても空いていたものの、現地着は9時半。
前回とは別のルートで森の奥の池へ向かいました。

池の入口で出迎えてくれたのはカミキリムシでした。

シラホシカミキリ (カミキリムシ科)
水面でまず目に付いたのは、やはりクロスジギンでしたが、今回はイトトンボ目当てなので無視。
でもこの子はスルーできません。

モノサシトンボ ♀ (モノサシトンボ科)
水面は朝のパトロール中のクロイトトンボやオオイトトンボのオスたちで賑やかですが一旦スルー。
ともかく、まずはモートンイトトンボを見つけたいと思い、池の畔に目を凝らしながら歩きました。
しかしザンネンながら見つからないまま池の奥まで来たので、池の水面を振り返ると。
なぜか同じ目線の虫が杭の先にとまっていました。
君もトンボ観察?

キマワリ (ゴミムシダマシ科)
と、まだ水面デビュー前の個体が足元に。

クロイトトンボ ♂ 未成熟 (イトトンボ科)
未成熟の方が黒いとも言えるなあと思いながら、下草の中をそっと覗いていると、やっといました。

モートンイトトンボ ♀ 未成熟 (イトトンボ科)
これで勇気が湧いてきたので、慎重に周囲を探して行きます。
やっぱり一目はアジアイトトンボに見えますが、少し熟した子がいました。

同上
撮影していると、突然目にもとまらぬ敏捷さでエサを捕えました。

同上
もぐもぐタイムをしばらく観察したあと、場所を変えようと立ち上がりかけたとき、コンチュータが反応。
隣りの池からの接続箇所の水草の上にいたのが扉の写真のカップルです。
岸から少し離れていて、アングルをとれなかったので、イチかバチか少し動いてくれるのを待ちました。
ちょっと動いてくれた態勢がVサインだったのですが、このあとメスは産卵態勢になりました。

モノサシトンボ ペア (モノサシトンボ科)
液晶画面が見えないアングルのため、ノーファインダーでかつピントも運任せでした。
メスにしかピントが合っていませんが主役ということで。
池の入口へ戻りつつ、またモートンを探しましたが見つけることができませんでした。
池を後にするとき、見送ってくれたのもカミキリムシ。

ヤホシカミキリ (カミキリムシ科)

この森もボウソウ特有の岩山に囲まれていて、こんな隧道というか穴もあります。

これを抜けると隣の森へ行けるので、そちらも少し回ってみました。
ごく小さな湿原があるので期待していたのですが、あいにくトンボの姿は皆無でした。
すごすごと森の入口まで引き返しつつ、途中の細流沿いでもモートン探し。
モノサシとクロイトとオオイトは観察できましたが、他はシオカラトンボがいたくらい。
ゲートのすぐ手前でも見送りがありました。

ラミーカミキリ (カミキリムシ科)
今回はやけにカミキリムシたちと出くわすなぁと思いつつ一人作戦会議。
お昼も過ぎていたので、駐車場の隅っこのベンチに腰を下ろして、休憩がてらお弁当タイムとしました。
予定どおり次はキイトトンボの確認に行こうと決めたとき、黄色い視線を感じました。
すぐ目の前にあった、木の置物のようなものにとまっていたのです。

キイロトラカミキリ (カミキリムシ科)
どこにでもいるカミキリですが、記念にお連れしました。

次はキイトトンボのポイントへ。
もうそろそろ出ていてほしいと思っていたのですが、結果的には観察できませんでした。
その代わりにモートンイトトンボたちを多数確認できました。
特にメスの成熟過程を観察できたので記録しておきます。

モートンイトトンボ ♀ 未成熟 (イトトンボ科)
ここから色が薄くなり、緑色がかっていくのでしょう、少し成熟した個体。

同上
次に胴体の上部が褐色を帯びてきます。

同上
そして成熟すると緑色が濃くなり、褐色とのコントラストが鮮やかに。

同上 成熟個体
つまり上記はすべて別個体ということです。
オスも撮りたくて水辺や草むら近辺をしばらく探したけれど見つけられず。
まだ巡回ポイントが複数あるのであきらめて移動することに。

次はイトトンボ目当てではなく、キサラヅのヘビロテポイントのトラップ回収へ。
結果としては目ぼしい収獲はなく、というか、またしてもトラップはほとんど抜き去られていました。
ベイトなしでセットしても、落ちた虫たちがベイトになってしまうのでしょう。
(マスタードオイルの結界もここの獣たちにはあまり効果がないみたい)
ただ、一つだけ初見の虫が掛かっていました。
動きが俊敏なので一旦捕獲してから撮影。

オオハネカクシ (ハネカクシ科)
耕作放棄地の原っぱにはベニシジミが多数いて、彼らの色彩変異も観察できました。
これは春型っぽい子。

ベニシジミ (シジミチョウ科)
これはちょっとスレていますが夏型っぽい子。(前翅のオレンジ部分が小さくなり色も薄い)

同上
この子は夏型。

同上
ベニシジミ(春型)号へ引き返すべく、あぜ道を歩いていると(一目でわかる)不審者を発見。
急いでいたので証拠写真のみ。

アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
もう一か所、トラップ回収して次のポイントへ。

一つ山を越えてキミツ方面へ南下。
前回寄るのをやめたポイントへ向かいました。
そこにはトンボ池があるのですが、一旦そこを通り過ぎてさらに奥の様子を見に山の中へ。
谷津田というより、ごく浅い谷の田んぼに沿った細い山道を数キロ進むと見通しのきく圃場が。

さらに少し進むとこんな看板が。
どうやらこの谷にはホタルがいるようです。

看板の奥の芦原の様子を見ましたが、トンボの姿は皆無だったので引き返すことに。
トンボ池も静かでした。

何の木か忘れてしまいましたが、バラルリツツハムシとこのハムシが湧いているだけでした。

キボシツツハムシ (ハムシ科)
どうやらトンボ池にトンボはいないようでしたので、池の奥へと進入。
反対側の畔に樹液が出るクヌギがあるのです。
昆虫酒場クヌギ亭は営業中でしたが、客はスズメバチが多くてクワガタは来店していません。
その代わり、この常連は団体さんでした。

ヨツボシケシキスイ (ケシキスイ科)
お気に入りの虫なのでブロマイド撮影を。

同上 ♂
後半はトンボパトロールにならず、むしろ不思議とカミキリムシたちに縁のある一日でした。
オマケ
お連れしたキイロトラカミキリがフィルムケースの中でモデルポーズをしていたのでブロマイド撮影。

ちょっと弱っていたのか微動だにしませんでした。
昨日の湯加減
今週末は遠征中につき予約投稿です。
最近の記事内容のとおり、トンボとゴミムシに熱中しています。
関東地方とくに内陸部は猛暑と発雷に注意する必要があるようですが。
むしろボウソウは30℃前後で過ごしやすそうだという予報。
とはいえ熱中症には注意して行ってきます。
ムシ熱中症は予防も対処もできませんが・・
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
>落ちた虫たちがベイトになってしまう
そういうことも多いのでしょうね。
先日、やや大きいムカデが居ました。刺されるといけないので殺して地面に置いておきました。すぐさま、ダンゴムシが集まってきてお食事会をしていました。枯葉や野菜の腐ったものを食べるのかと思っていましたので、ちょっと驚きました。翌日みたら、ムカデ様は跡形もなく、姿が見えませんでした^^;
by アヨアン・イゴカー (2022-06-25 23:11)
今年は始まりから変でしたね。沖縄が明ける前に関東は梅雨入りしてしまいました。中休みとはとても思えない猛暑の6月下旬、末期のドカ雨と信州のポイントへの路も気がかりです。
ベニシジミは春夏混在のご様子、ゼフさんの愛車には冬型も加わるのかな?装備のネットが熊手に変わったら「冬型」(笑)。
ところで、遠征の成果は?
by 高和です。 (2022-06-26 09:06)
こんにちは^^
コンパストンボ?新しいトンボかと思いましたら...
成る程です^^
ラミーカミキリは絵になりますね。惹きつけられます。
キイロトラカミキリは初めてです。名前はそのままですね。
ベニシジミも春と夏では随分違うのですね。
イトトンボは今覚えようと必死に拝見しています。
でも難しいです^^
by いろは (2022-06-26 16:21)
>アヨアン・イゴカーさん
ダンゴムシたちは掃除屋ですね。
草食というよりむしろ肉食かもしれません。
>高和です。さん
ベニシジミ号はあくまで”春型”です。
でも模様替えできるといいですね^^
遠征の成果はまた追々・・
>いろはさん
ラミーカミキリは過去に何度も記事化したくらい目ぼしい虫ですね。
イトトンボの同定は上級コースですね♪
by ぜふ (2022-06-27 21:13)
ラミー以外はなかなか目にしないカミキリばかりです。
いいなー、出会ってみたいです。
by 響 (2022-06-28 11:36)
イトトンボにもいろんな種類がいるんでやすね!
あと、今気がついたんでやすが、イトトンボって、全部の脚が、すごく前のほうにまとまって付いているんでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-06-30 08:52)
私もコンパストンボという種類のトンボがいるのかと思ってしまいました^^;。
それにしても、1枚目の写真、すごいですね。これ、交尾をしているのですよね。
オスの方は、細い胴体に力を入れて、メスにつかまっている感じなのでしょうか。
by sakamono (2022-06-30 21:22)
>響さん
カミキリムシは種を狙って見つけるには熟練が必要ですね。
でも何かを見つけることはできると思います!
>ぼんぼちぼちぼちさん
それは飛んでいる獲物を捕らえるためです。
六本の脚でカゴのようになるのです。
>sakamonoさん
交尾はもう終わっていますが連結は続けている状態です。
つかまるというよりも、メスの頭の上に乗っているという感じですかね^^
by ぜふ (2022-07-01 23:03)