"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
トンボは続くよどこまでも [トンボ]
今年の五月はトンボにはまっています。
ところで、西日本では梅雨入りが早く、5月16日までに東海地方までが梅雨入りしてしまいました。
九州北部から東海地方までは、平年より3週間も早かったということ。
近畿地方・四国地方に至っては、統計史上最も早い梅雨入りでした。(東海地方は史上2番目)
関東地方は待ったがかかり、平年並みの来月上旬になる見込みとのこと。
以上、備忘ログでした。
例によって詳しくは本編にて。
GWの余韻の中の5月8日、昨シーズン巡ったエリアの様子を見に行きたくなりました。
向かったのは、昨年ハラビロトンボに出逢ってお気に入りとなった外房のムツザワ町。
新規ポイントを開拓しようと、例によってGoogleMapを眺めていて、気になる池を見つけたのです。
ムツザワ町までは下道でも1時間半ほどで、高速で南房へ行くのと同じくらい。
その池は県道からちょっとだけ入った山の中にぽつんとあったのですが、ヘラブナの釣り堀でした。
即座にUターンし県道まで戻り、周りをよく見渡せば、そこら中が池沼だということに気が付く。
即座にベニシジミ号を降り、装備を整えてあぜ道に突入してすぐ出迎えてくれたのはハラビロトンボ。
でも、カメラを向けることすらできないまま見失ってしまいました。
きっと別の個体もいるだろうと、周囲をチェックするも見つけられず。
幸先悪いなと落ち込んでいたところにこの子を見つけられて機嫌が直りました。
半熟の個体なのだと思いますが、色合いがツタンカーメンのマスクを彷彿とさせます。
逃げられてもまだ飛ぶ力が弱いので、ちょっと付きまとい、いいアングルになるのを待ちました。
十分に気分を持ち直せて揚々と先へ歩を進めると、すぐにまたコンチューターの針が振り切れました。
今度はトンボではありません。
目の高さよりやや上の、何の木だったか忘れてしまいましたが、葉の上にいてくれました。
ちょっと興奮していたのに、なぜか飛ばれてもいいやと、冷めた気分で落ち着いて撮影できました。
捕獲もできてしまった。
こうして見ると、アオイトトンボの緑色ととてもよく似た色合いと光沢です。
林縁を歩いていると、そのまま山の中へと続く道になりました。
農作業用でもなさそうな、獣道に近い草ぼうぼうの小道でワクワクしてきます。
と、左手に開けた耕作放棄地の藪の方へ何かが舞い降りました。
ちょっと遠かったので、ズームレンズの出番です。
カメラを出すまで飛び立たないでと念じながら、バッグから一眼レフを取り出しました。
名前にはヤマが付きますが、チバでは山だけではなく、里にもいるサナエトンボです。
その先は小道の方も藪に近くなってきたものの、それほど苦も無く歩けました。
しかしほどなく行き止まり、というかこの井戸に通じる道だったということが判明。
間欠的に水音がしていたので実動中ですが、こんな池沼の多い所にも井戸があるんだと思いつつ退却。
来た道を戻っていると、また半熟個体が出現。
メスも未熟のうちは緑色の金属光沢がツタンカーメン。
これは何の花か、ぽつぽつと林縁に咲いていましたが、訪問者は少なくてこの子くらい。
そういえばハムシもこれから旬です。
ヤマサナエがいたところの耕作放棄地の中へ入ってみました。
外縁の細い用水路に沿って探虫していると、ヤブムラサキの葉の上にさっそくハムシを発見。
この仲間は危険を察知するとまさにカメのように甲羅(鞘翅)の下に頭・触角・足を隠しますが。
この子は食べることに夢中だったので、しばらくその様子を観察できた。
そこにはヒトのおやつもぶら下がっていたのでおいしくいただきました。
残念ながら水路沿いには他に目ぼしい虫は見当たらず、ベニシジミ号をとめた所まで戻ってきました。
池を眺めていたらこの子を見つけました。
眺めていた池は、実は蓮田でした。(探虫をはじめたときに収穫作業をしている人がいて分かった)
これはトンボがいるに違いないと、蓮田の縁まで来てすぐに見つけたのが扉の子でした。
ヤンマやサナエに比べると小さいながらも、潔いまでの黒さの風情がいいトンボです。
ちょっと後を追って、TGでにじり寄りました。
腹部の両側に黄色い部分がありますが、これは黄色い紋ではなく、黒化する前の地の色だと思います。
黒化して終わりではなく、オスはさらにお化粧直しをします。
ちょっと分かりにくいかもしれないので、この翌日にチバ市内で撮影した個体を。
このように、仕上げに青くパウダリングして完成。
男前です。
お昼時になったからか、収穫している人影がなくなったので、蓮田の土手を歩いてみることに。
するとすぐ、池の縁の水面ぎりぎりを音もなく飛ぶイトトンボを見つけました。
複数頭いるのですが、こちらの存在を感知しているのか、なかなか止まってくれません。
岸から少し離れた蓮の葉の上で休んでいる個体を望遠で撮影するも、ちょっと遠くて誰か分からない。
やっとTGにテレコン付けて撮れる距離にいる子を見つけました。
現場ではアオモンイトトンボだと思っていたのですが、後で他のアングルの写真をじっくり見た結果。
と同定します。
アオモンと明らかに違うのは腹部8節の背面に黒い模様があること。
クロイトと明らかに違うのは後頭条(眼の上の青紋をつなぐ条紋)があること。
産卵中のペアもいたのですが、遠くて証拠写真を撮っただけ。
あとはホソミオツネントンボがいましたが、これも証拠写真だけ撮って先へ進みました。
蓮田の奥にも耕作放棄地があり、その外縁の様子も見てみました。
ここでもさっきのハムシが食事中だったので、気付かれる前に顔を撮影。
ここには複数頭いました。
他に目立ったのは唯一この子たち。
阪神タイガースの応援団のようでした。
そんなところで踵を返してベニシジミ号へ戻りつつ、ハラビロトンボのメスを撮ってないと気付いた。
あまりここで時間を費やしても、と迷いながらも、もう一度蓮田の土手を通っていくことに。
すると、虫神様に願いが通じたようで、蓮田に着いてすぐ、土手の上の草に見つけてしまいました。
そういえば、この子もタイガースカラーだなと思いつつ、今度もTGでにじり寄る。
これで思い遺すことなく蓮田を離脱することができました。
さて、お昼を過ぎてお腹も減ってきたけれど、このエリアの飲食店情報は未収集。
GoogleMapでこれから向かう方向に何かないかと検索しましたが、数キロ内にはまったくなし。
少し広い範囲で見ると、4~5キロ戻ったところに一軒あったので、とりあえずそこへ向けてゴー。
ところが着いてみると、看板には「うなぎ・てんぷら」の文字が。
そんな時間はないので、即座に却下して近くのコンビニでおにぎりとお茶を買いました。
来た道を戻り、さっきの蓮田を過ぎると、ほどなくまた道路沿いに堰を見つけたのでピットイン。
土手から水面を見ると、ウシガエルのオタマたちが一斉に潜っていくのが見えました。
朽木に腰かけておにぎりを食べ、探虫することもなく再出発しようと立ち上がると。
ベニシジミ号のそばに車が一台とまり、おば(あ)さんが二人降りてきました。
身支度を整えていると、一人のおば(あ)さんが「何してるの?」と。
「お弁当食べてました」
「どっから来たの?」
「チバから来ました」
と、二人とも鎌を持っているのが分かったので。
「何を採りに来たのですか?」
「ワラビとゼンマイ、でももうないかもね」
すると、もう一人の方が「あ、あった、ちょこっとあるね」
「へー、まだあるんですね」
この後、今度近くに娯楽施設ができるという最新情報を教えてもらい、堰を後にしました。
次に向かったのもMapで見つけた池。
丘の上にあって、かなり大きそうでしたが、そこへのアプローチはこんな様子でした。
牧場の中にあるんだなと早合点してしまい、別の池を目指すことに。(実際は違っていました)
と、足元を誰かが走っていくので、ちょっと待ってと先回りして職務質問。
多分アトボシアオゴミムシだと思いますが、車道を渡るときは気を付けるように注意しておきました。
次の池は明らかにアプローチ不能でした。
水面に浮かぶカルガモを眺めていると、さっきの牧場の奥で草を刈っているトラクターが見えました。
エサの干し草にするのかな、こういうまさに牧歌的な風景はつい眺めてしまいます。
池には降りられなかったのですが、背後の丘の上へ続く道があったので登ってみることに。
登ってみて分かったのは、その道が牧場へのアプローチだったということ。
ただ、この牧場は廃業したようで、廃墟になりかけていました。
ちょっと気が引けたのですが、こんな(元)牧草地が広がっているし。
こんな花も咲いていたので、ベニシジミ号を降りてちょっと様子をうかがうことにしました。
立ち入り禁止の表示はなく、敷地内は産業廃棄物置き場になっているようでした。
なので早々に立ち去ろうと思ったのですが、敷地の先に広がる(元)牧場をしばらく展望。
と、足元に転がっていた朽木にコンチューターが反応。
幸運にも2頭目に逢えた。
これも後でMapを確認して分かったのですが、牧場の奥の森の向こうには、最初の蓮田があるのです。
実は、ここは隣の町なのだけれど、ミドリカミキリは同じエリアに生息していたということ。
とにかく寄り道した甲斐がありました。
次に向かった池も未踏のエリアにあって、周辺の様子もまったく不明。
谷津田に囲まれた、まるで小島のような森の中にありますが、Mapではアプローチが表示されない。
森の外側の田んぼにはたどり着いたので、右手に森を見ながら時計回りに走ってみることに。
半周ほどして、少し通りやすそうな畦道があったので、森へ向けて田んぼを横切っていきました。
森にぶつかったところは、小さな空き地のような露地。
これは、あれがいるのではと、ベニシジミ号を降りて地面をローラーしていくと・・いました。
と、そこへ軽トラが一台通りがかり、開いた窓からおじさんが「釣り?」と声をかけてきたので。
「いや、釣りじゃないんです」(虫探しですとは言いませんでした)
「あっそう、釣りじゃないんだ」
じゃあ何なのと聞かれることはなく、軽トラは行ってしまいました。
釣りかと聞かれたということは、釣り客が来るのでしょうし、きっと池への道があるということ。
そう信じて、少し歩くと森の中へ続く小道を発見。
これはきっと池へ行けるはずだと進んでいくと、見込んだとおり100mほどでゴール。
堰ではなく自然の池のようで、岸辺は今いるところしかなさそうでした。
ところで、森への道すがら、草むらや林の中をアゲハたちが舞っているのが見えていました。
池の岸辺にはアザミがたくさん咲いていて、チョウのたまり場に。
見ていると次々とアゲハたちがやってきます。
ここで一番大きくて美麗だったのはこの子。
吸蜜に夢中で、すぐそばに立っているのにまったく無視。
しばらく一人観蝶会をしていましたが、ざんねんながらトンボの姿は見られませんでした。
池を後にして森を出たところでアマガエルがお見送り。
撤収の身支度を整えていて、ふとベニシジミ号の横の石を見ると、ここにもお見送りが。
アプローチの仕方は分かったので、また様子を見に来ようと思います。
さあ(かなり長い記事になりましたが)最後に向かったのは、昨シーズン開拓した溜池エリア。
イスミには池がたくさんありますが、選んだのはこの小さな池。
オオフサモが繁茂していて、ブラックバスもいて、釣り客も来るのですがトンボはいるのです。
池の縁に沿ってゆっくりと歩いていると、まず現れたのはいきなり難問。
半熟なので同定がむずかしいのですが、この写真で後頭条がないことが分かります。
この子は最近お馴染みなので簡単。
カラムシの葉の上に同じ色の子がいました。
こちらもお馴染みのペア。
対岸の岸辺も歩いて半周し、隣にある空き地に入り、この子たちがいることを確認。
翅の先端の隙間からお腹の色がちょっと見えていました。
ここにはまだまだいるという期待から二周目に突入。
この子はさっきと同一人物ではないと思いますが。
ベニシジミ号カラーのお馴染みの子も見つけました。
最後に引っ掛け問題のように現れたのがこの子でした。
見比べると分かりやすいですね。
俄かに曇ってきてしまったし、あまり遅くなりたくなかったためこれにて打ち止め。
池を離れようとした時に見かけたのは大きな女王様。
結局、この日観察したトンボは、シオカラトンボやシオヤトンボなども合わせると10種以上。
フルコースで楽しめました。
本編でも紹介しましたが、この翌日、チバ市内の某所にハラビロトンボがいるという情報が。
しっぽを振りながら教えてもらった谷津田のポイントへ行ってみるとすぐに見つけられたのでした。
メスも。
タンデムのペアも、産卵シーンも観察できたのですが、写真はうまく撮れず。
その代わりといっては何ですが、久しぶりにこんな子を間近で見ることができました。
ケラはコオロギの仲間で飛ぶこともできます。
今日の湯加減
ところで、西日本では梅雨入りが早く、5月16日までに東海地方までが梅雨入りしてしまいました。
九州北部から東海地方までは、平年より3週間も早かったということ。
近畿地方・四国地方に至っては、統計史上最も早い梅雨入りでした。(東海地方は史上2番目)
関東地方は待ったがかかり、平年並みの来月上旬になる見込みとのこと。
以上、備忘ログでした。
例によって詳しくは本編にて。
GWの余韻の中の5月8日、昨シーズン巡ったエリアの様子を見に行きたくなりました。
向かったのは、昨年ハラビロトンボに出逢ってお気に入りとなった外房のムツザワ町。
新規ポイントを開拓しようと、例によってGoogleMapを眺めていて、気になる池を見つけたのです。
ムツザワ町までは下道でも1時間半ほどで、高速で南房へ行くのと同じくらい。
その池は県道からちょっとだけ入った山の中にぽつんとあったのですが、ヘラブナの釣り堀でした。
即座にUターンし県道まで戻り、周りをよく見渡せば、そこら中が池沼だということに気が付く。
即座にベニシジミ号を降り、装備を整えてあぜ道に突入してすぐ出迎えてくれたのはハラビロトンボ。
でも、カメラを向けることすらできないまま見失ってしまいました。
きっと別の個体もいるだろうと、周囲をチェックするも見つけられず。
幸先悪いなと落ち込んでいたところにこの子を見つけられて機嫌が直りました。
アオイトトンボ ♀(アオイトトンボ科)
半熟の個体なのだと思いますが、色合いがツタンカーメンのマスクを彷彿とさせます。
逃げられてもまだ飛ぶ力が弱いので、ちょっと付きまとい、いいアングルになるのを待ちました。
同上
十分に気分を持ち直せて揚々と先へ歩を進めると、すぐにまたコンチューターの針が振り切れました。
今度はトンボではありません。
目の高さよりやや上の、何の木だったか忘れてしまいましたが、葉の上にいてくれました。
ミドリカミキリ (カミキリムシ科)
ちょっと興奮していたのに、なぜか飛ばれてもいいやと、冷めた気分で落ち着いて撮影できました。
捕獲もできてしまった。
こうして見ると、アオイトトンボの緑色ととてもよく似た色合いと光沢です。
林縁を歩いていると、そのまま山の中へと続く道になりました。
農作業用でもなさそうな、獣道に近い草ぼうぼうの小道でワクワクしてきます。
と、左手に開けた耕作放棄地の藪の方へ何かが舞い降りました。
ちょっと遠かったので、ズームレンズの出番です。
カメラを出すまで飛び立たないでと念じながら、バッグから一眼レフを取り出しました。
ヤマサナエ (サナエトンボ科)
名前にはヤマが付きますが、チバでは山だけではなく、里にもいるサナエトンボです。
その先は小道の方も藪に近くなってきたものの、それほど苦も無く歩けました。
しかしほどなく行き止まり、というかこの井戸に通じる道だったということが判明。
間欠的に水音がしていたので実動中ですが、こんな池沼の多い所にも井戸があるんだと思いつつ退却。
来た道を戻っていると、また半熟個体が出現。
ニホンカワトンボ ♀ (カワトンボ科)
メスも未熟のうちは緑色の金属光沢がツタンカーメン。
これは何の花か、ぽつぽつと林縁に咲いていましたが、訪問者は少なくてこの子くらい。
クロウリハムシ (ハムシ科)
そういえばハムシもこれから旬です。
ヤマサナエがいたところの耕作放棄地の中へ入ってみました。
外縁の細い用水路に沿って探虫していると、ヤブムラサキの葉の上にさっそくハムシを発見。
イチモンジカメノコハムシ (ハムシ科)
この仲間は危険を察知するとまさにカメのように甲羅(鞘翅)の下に頭・触角・足を隠しますが。
この子は食べることに夢中だったので、しばらくその様子を観察できた。
そこにはヒトのおやつもぶら下がっていたのでおいしくいただきました。
残念ながら水路沿いには他に目ぼしい虫は見当たらず、ベニシジミ号をとめた所まで戻ってきました。
池を眺めていたらこの子を見つけました。
シラホシカミキリ (カミキリムシ科)
眺めていた池は、実は蓮田でした。(探虫をはじめたときに収穫作業をしている人がいて分かった)
これはトンボがいるに違いないと、蓮田の縁まで来てすぐに見つけたのが扉の子でした。
ハラビロトンボ ♂ (トンボ科)
ヤンマやサナエに比べると小さいながらも、潔いまでの黒さの風情がいいトンボです。
ちょっと後を追って、TGでにじり寄りました。
同上
腹部の両側に黄色い部分がありますが、これは黄色い紋ではなく、黒化する前の地の色だと思います。
黒化して終わりではなく、オスはさらにお化粧直しをします。
同上
ちょっと分かりにくいかもしれないので、この翌日にチバ市内で撮影した個体を。
このように、仕上げに青くパウダリングして完成。
同上
男前です。
お昼時になったからか、収穫している人影がなくなったので、蓮田の土手を歩いてみることに。
するとすぐ、池の縁の水面ぎりぎりを音もなく飛ぶイトトンボを見つけました。
複数頭いるのですが、こちらの存在を感知しているのか、なかなか止まってくれません。
岸から少し離れた蓮の葉の上で休んでいる個体を望遠で撮影するも、ちょっと遠くて誰か分からない。
やっとTGにテレコン付けて撮れる距離にいる子を見つけました。
現場ではアオモンイトトンボだと思っていたのですが、後で他のアングルの写真をじっくり見た結果。
オオイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
と同定します。
アオモンと明らかに違うのは腹部8節の背面に黒い模様があること。
クロイトと明らかに違うのは後頭条(眼の上の青紋をつなぐ条紋)があること。
産卵中のペアもいたのですが、遠くて証拠写真を撮っただけ。
あとはホソミオツネントンボがいましたが、これも証拠写真だけ撮って先へ進みました。
蓮田の奥にも耕作放棄地があり、その外縁の様子も見てみました。
ここでもさっきのハムシが食事中だったので、気付かれる前に顔を撮影。
イチモンジカメノコハムシ (ハムシ科)
ここには複数頭いました。
同上
他に目立ったのは唯一この子たち。
キイロシギアブの仲間 (シギアブ科)
阪神タイガースの応援団のようでした。
そんなところで踵を返してベニシジミ号へ戻りつつ、ハラビロトンボのメスを撮ってないと気付いた。
あまりここで時間を費やしても、と迷いながらも、もう一度蓮田の土手を通っていくことに。
すると、虫神様に願いが通じたようで、蓮田に着いてすぐ、土手の上の草に見つけてしまいました。
ハラビロトンボ ♀ (トンボ科)
そういえば、この子もタイガースカラーだなと思いつつ、今度もTGでにじり寄る。
同上
これで思い遺すことなく蓮田を離脱することができました。
さて、お昼を過ぎてお腹も減ってきたけれど、このエリアの飲食店情報は未収集。
GoogleMapでこれから向かう方向に何かないかと検索しましたが、数キロ内にはまったくなし。
少し広い範囲で見ると、4~5キロ戻ったところに一軒あったので、とりあえずそこへ向けてゴー。
ところが着いてみると、看板には「うなぎ・てんぷら」の文字が。
そんな時間はないので、即座に却下して近くのコンビニでおにぎりとお茶を買いました。
来た道を戻り、さっきの蓮田を過ぎると、ほどなくまた道路沿いに堰を見つけたのでピットイン。
土手から水面を見ると、ウシガエルのオタマたちが一斉に潜っていくのが見えました。
朽木に腰かけておにぎりを食べ、探虫することもなく再出発しようと立ち上がると。
ベニシジミ号のそばに車が一台とまり、おば(あ)さんが二人降りてきました。
身支度を整えていると、一人のおば(あ)さんが「何してるの?」と。
「お弁当食べてました」
「どっから来たの?」
「チバから来ました」
と、二人とも鎌を持っているのが分かったので。
「何を採りに来たのですか?」
「ワラビとゼンマイ、でももうないかもね」
すると、もう一人の方が「あ、あった、ちょこっとあるね」
「へー、まだあるんですね」
この後、今度近くに娯楽施設ができるという最新情報を教えてもらい、堰を後にしました。
次に向かったのもMapで見つけた池。
丘の上にあって、かなり大きそうでしたが、そこへのアプローチはこんな様子でした。
牧場の中にあるんだなと早合点してしまい、別の池を目指すことに。(実際は違っていました)
と、足元を誰かが走っていくので、ちょっと待ってと先回りして職務質問。
多分アトボシアオゴミムシだと思いますが、車道を渡るときは気を付けるように注意しておきました。
次の池は明らかにアプローチ不能でした。
水面に浮かぶカルガモを眺めていると、さっきの牧場の奥で草を刈っているトラクターが見えました。
エサの干し草にするのかな、こういうまさに牧歌的な風景はつい眺めてしまいます。
池には降りられなかったのですが、背後の丘の上へ続く道があったので登ってみることに。
登ってみて分かったのは、その道が牧場へのアプローチだったということ。
ただ、この牧場は廃業したようで、廃墟になりかけていました。
ちょっと気が引けたのですが、こんな(元)牧草地が広がっているし。
こんな花も咲いていたので、ベニシジミ号を降りてちょっと様子をうかがうことにしました。
セイヨウマツムシソウ ?
立ち入り禁止の表示はなく、敷地内は産業廃棄物置き場になっているようでした。
なので早々に立ち去ろうと思ったのですが、敷地の先に広がる(元)牧場をしばらく展望。
と、足元に転がっていた朽木にコンチューターが反応。
幸運にも2頭目に逢えた。
ミドリカミキリ (カミキリムシ科)
これも後でMapを確認して分かったのですが、牧場の奥の森の向こうには、最初の蓮田があるのです。
実は、ここは隣の町なのだけれど、ミドリカミキリは同じエリアに生息していたということ。
とにかく寄り道した甲斐がありました。
次に向かった池も未踏のエリアにあって、周辺の様子もまったく不明。
谷津田に囲まれた、まるで小島のような森の中にありますが、Mapではアプローチが表示されない。
森の外側の田んぼにはたどり着いたので、右手に森を見ながら時計回りに走ってみることに。
半周ほどして、少し通りやすそうな畦道があったので、森へ向けて田んぼを横切っていきました。
森にぶつかったところは、小さな空き地のような露地。
これは、あれがいるのではと、ベニシジミ号を降りて地面をローラーしていくと・・いました。
ニワハンミョウ (オサムシ科)
と、そこへ軽トラが一台通りがかり、開いた窓からおじさんが「釣り?」と声をかけてきたので。
「いや、釣りじゃないんです」(虫探しですとは言いませんでした)
「あっそう、釣りじゃないんだ」
じゃあ何なのと聞かれることはなく、軽トラは行ってしまいました。
釣りかと聞かれたということは、釣り客が来るのでしょうし、きっと池への道があるということ。
そう信じて、少し歩くと森の中へ続く小道を発見。
これはきっと池へ行けるはずだと進んでいくと、見込んだとおり100mほどでゴール。
堰ではなく自然の池のようで、岸辺は今いるところしかなさそうでした。
ところで、森への道すがら、草むらや林の中をアゲハたちが舞っているのが見えていました。
池の岸辺にはアザミがたくさん咲いていて、チョウのたまり場に。
見ていると次々とアゲハたちがやってきます。
ここで一番大きくて美麗だったのはこの子。
モンキアゲハ (アゲハチョウ科)
吸蜜に夢中で、すぐそばに立っているのにまったく無視。
ジャコウアゲハ (アゲハチョウ科)
しばらく一人観蝶会をしていましたが、ざんねんながらトンボの姿は見られませんでした。
池を後にして森を出たところでアマガエルがお見送り。
撤収の身支度を整えていて、ふとベニシジミ号の横の石を見ると、ここにもお見送りが。
スジコガシラゴミムシダマシ (ハムシダマシ科)
アプローチの仕方は分かったので、また様子を見に来ようと思います。
さあ(かなり長い記事になりましたが)最後に向かったのは、昨シーズン開拓した溜池エリア。
イスミには池がたくさんありますが、選んだのはこの小さな池。
オオフサモが繁茂していて、ブラックバスもいて、釣り客も来るのですがトンボはいるのです。
池の縁に沿ってゆっくりと歩いていると、まず現れたのはいきなり難問。
クロイトトンボ ♂(イトトンボ科)
半熟なので同定がむずかしいのですが、この写真で後頭条がないことが分かります。
同上
この子は最近お馴染みなので簡単。
アオモンイトトンボ (イトトンボ科)
カラムシの葉の上に同じ色の子がいました。
ラミーカミキリ (カミキリムシ科)
こちらもお馴染みのペア。
ホソミオツネントンボ ペア (アオイトトンボ科)
対岸の岸辺も歩いて半周し、隣にある空き地に入り、この子たちがいることを確認。
翅の先端の隙間からお腹の色がちょっと見えていました。
ニワハンミョウ (オサムシ科)
ここにはまだまだいるという期待から二周目に突入。
この子はさっきと同一人物ではないと思いますが。
クロイトトンボ ♂(イトトンボ科)
ベニシジミ号カラーのお馴染みの子も見つけました。
アオモンイトトンボ ♀ 未成熟 (イトトンボ科)
最後に引っ掛け問題のように現れたのがこの子でした。
見比べると分かりやすいですね。
アジアイトトンボ ♀ 未熟 (イトトンボ科)
俄かに曇ってきてしまったし、あまり遅くなりたくなかったためこれにて打ち止め。
池を離れようとした時に見かけたのは大きな女王様。
クロオオアリ (アリ科)
結局、この日観察したトンボは、シオカラトンボやシオヤトンボなども合わせると10種以上。
フルコースで楽しめました。
帰り道に通りがかった池
オマケ
本編でも紹介しましたが、この翌日、チバ市内の某所にハラビロトンボがいるという情報が。
しっぽを振りながら教えてもらった谷津田のポイントへ行ってみるとすぐに見つけられたのでした。
メスも。
ハラビロトンボ ♀ (トンボ科)
タンデムのペアも、産卵シーンも観察できたのですが、写真はうまく撮れず。
その代わりといっては何ですが、久しぶりにこんな子を間近で見ることができました。
ケラ (ケラ科)
ケラはコオロギの仲間で飛ぶこともできます。
今日の湯加減
今日は用事があってFWできませんでしたが、ある講座を受講するために外出はしました。
そしたらまあ、道路(R14)の混んでいたこと。行き(昼頃)も帰り(夕方)も。
五十日でもないし、何かの特異日でもないと思いますが・・
ところで、残念なメモも残しておきます。
テンリュウの幼虫たち(4頭)がとうとう全滅してしまいました。
3齢にもなってくれませんでした。がんばってミミズを採ってきてあげていたのに・・
一方昨夜、胡坐をかいてパソコンを操作していたら、急に足の甲がくすぐったい。
羽化して菌糸瓶の通気口を食い破って脱出したオオクワガタちゃんでした。
少なくともクワガタには嫌われない匂いだということが判明してよかった。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ツタンカーメンの輝き、美しいです、ご無沙汰してます、でも訪れるたびに、自然の営み、虫たちの暮らしぶりとか、興味深くて、ゆっくりお写真眺めてます
by engrid (2021-05-30 21:01)
トンボ命の今のゼフさんには申し訳ありませんか、今回はなんといっても「ミドリカミキリ」さんが素晴らしい。高和の憧れの君でございます。
そのつぎはサナエトンボさんです。大学ノートの裏表紙、いや、懐かしい?
by 高和です。 (2021-05-31 19:55)
>engridさん
ご愛読ありがとうございます。
虫屋の日常に興味をもっていただくことが何よりです。
>高和です。さん
ミドリカミキリは予想外でしたね。しかも二匹目のなんとやらも♪
サナエちゃん?よくわかりません^^
by ぜふ (2021-06-01 23:00)
今日はショウジョウトンボとすれ違いました。
深いオレンジ色が初々しいヨカニセでした。杉並区の蚕糸の森の池です。
この時期赤いトンボというと、ショウジョウトンボ(イトトンボは除く)ぐらいしか思い浮かびません。武蔵野のヤンマ池ではまだシオカラトンボしかお会いしておりません。そろそろ真打ちの出番が待ち遠しい高和でした。
by 高和です。 (2021-06-02 19:48)
ハラビロトンボは、ちょっとずんぐりした特徴的な形をしているから、
もし私がこれを見られたら、名前が分かりそうです。先日、たまたま見かけたクロウリハムシは分かりました^^;。昔、GW中に山の中へキイチゴ摘みに行ったコトを思い出しました。
by sakamono (2021-06-03 21:04)
>高和です。さん
そちらはトンボの多様性がちょっと低いのでしょうか。
鹿児島ならベニトンボの可能性もあるんですけどね・・
>sakamonoさん
ハラビロトンボは覚えやすいトンボですね。
キイチゴ色ともいえるかも^^
by ぜふ (2021-06-04 22:43)
イトトンボ、写真に撮ると最高に綺麗ですね!
似た種類がここまで沢山いると、同定が難し過ぎです(汗)
奥が深いですね。
by 山健父 (2021-06-15 06:51)