"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
瓢虫沢と斑猫沢 [探虫行]
展示用のハンミョウを手に入れるべく、もう一度ボウソウしてきました。
前回の3月末から2週間経ったので、さすがにお出ましになっているはずだと踏んで。
それと、今年の春は短いと踏んでいるので、ボウソウのスプ・エフェたちに逢えることも期待して。
果たして採ることはできました。
ただ、満足する結果ではありませんでした。
4月10日。ここの処、暖房器具が恋しくなる日々のチバです。
だからというよりも、むしろブルーマーチの余韻が嫋々としていて、朝起きられませんでした。
遅めの出発でしたが、前回みたいに混んではなさそうだったので下道でトコトコと。
裏道も使わず、R16~R127という最短ルートで内房をひたすら南へ。
まずは前回訪れなかった、というか忘れていたポイントへ。
そうだ、あそこにもいるじゃないかと、前回ボウズで帰ってきてから思い出したのです。
”瓢虫沢”と名付けたその場所は、房総半島のヒザあたり。
山間の小さな集落を抜け、さらに軽トラも通れないような道をしばらく進んでたどり着く場所。
画面の奥に入っていくのではありませんが、ここから先はベニシジミ号でもキビシイ登山道。
いつもこの原っぱに停めて、小流沿いに歩いていくのですが、ピークだとここら辺から現れるのです。
なのでゆっくりと、下を向いて歩こう作戦。
廃道になって久しいようで、落ち葉はもちろん、折れ枝も放置されています。
つまり、平坦な場所を好むハンミョウたちにとって環境はあまりよくない。
落石と折れ枝が積み重なっているマウンドのような障害物があり、その周りはちょうど陽だまりに。
こちら側からその向こうを見ると、ムラサキシジミとテングチョウが日向ぼっこをしていました。
彼らを撮ろうとマウンドを踏み越えた時。第一村人ならぬ、第一ハンミョウを発見。
採集が目的ですが、まずは証拠写真を撮らなければと、カメラを出してテレコンを装着。
飛ぶな飛ぶなと呟きながら、膝を曲げつつ腕を伸ばし、にじり寄って撮ったのが扉の写真でした。
撮影できたので、いざ捕獲と、今度は網を出し、そっと被せようとしたら、ふわりと飛び去られた。
山側の崖の中腹まで飛んで行ったので、あきらめるしかありませんでした。
とはいえ発生していたことにほっとして先へ進みましたが、第二村人がいない。
とうとう倒木で行き止まりになっているところまで来てしまった。
最初に訪れたときからこんな状態。
ここまでほぼ日陰だったし、いないのも当然と言えば当然なので陽だまりへ引き返すことに。
そしたら(同一個体がどうかは不明ですが)またいました。
お立ち台(木)の上で、あまりに良いポーズをしていたので、網をかぶせる前にまた撮影。
このあと網をかぶせたのですが、取り込みに失敗してまた逃げられました。
ただ、今度は着地したところを見逃さずに捕獲に成功。
しかし、他の個体が現れず、追加ができませんでした。
ならばと瓢虫沢の中心部である、沢沿いの平坦な林へ移動。
陽も当たっているし、きっと居てくれると思い、意気揚々と入っていきました。
すぐにニワハンミョウを見つけたので安心したのに、本命は全然いない。
ジクザクに歩いて2周しましたが、第二ニワハンミョウすらいない。
さすがにちょっと焦ってきました。
しばし思案した結果、さっきの陽だまりで待ち伏せすることに。
ムラサキシジミやテングチョウもどこかへ行ってしまったようですが、この場所は人気なのでしょう。
こんな子や。
こんな子を観察しながらひたすら待っていました。
前回のパトロールのときにメスを発掘しましたが、オスは触角がとても長いので判別できます。
さて、粘った甲斐があって他の個体が現れてくれました。
目の高さの崖の岩の上に止まってくれた子。
沢の方へ飛んで行った個体を追いかけて斜面をずり降りていたら、目前にもふもふのスプ・エフェが。
考え事でもしていたのか、レンズが触れそうなほどの接写をさせてくれました。
結局、ここでは4頭採集することができました。
ところで、かなり粘ってしまい、もうとっくにお昼を過ぎていたので河岸を変えることに。
瓢虫沢に出ていたから、ここももう出ているだろうと高をくくって訪れたのはボウソウマチュピチュ。
ところがなんと、ナミハンミョウはいませんでした。
水辺の確認に行く途中の地面に、またこの子が挨拶しに出て来てくれただけ。
もう時間がないので、今回は登山道の様子は見ずにすごすごと再出発。
生息ポイントに前回はなかったユンボが停めてあったのが気になりました。
ちょっと遅くなりましたが、前回と同じルートでカモガワへ一直線。
まんぼうに着いたときは2時前。
でも前回と違って、お客さんがいなかったのでよかった。(ちょうどハケたところとのことでした)
「今日は収獲あった?」
「やっと採れたけど、たったのこれだけ」
マスターも見慣れている虫なので、とくに感想もなく厨房へ消えていきました。
そして出てきた本日のスペシャル麺はこれ。
前回のピリ辛の炒め挽肉が乗っている ”ピリ辛チャーシューメン(春はこれだぜ)” の進化版。
焦がしネギの香ばしさとうま味が主役で、トッピングされた芥子菜の香りがアクセント。
題して、”ピリ辛ネギチャーシューメン(カモガワの春)”。
ところで、ちょっと麺の歯ごたえが変わったような気がしたのでマスターに聞いてみると。
来客数に波があるので、少し日持ちがする麺に改良したとのこと。
多加水麺はツルツル感があって喉越しがいいのだけど、日持ちに難があるのだそう。
なので、少し加水度合いを下げて無駄が出ないようにしたということ。
でも、逆に歯ごたえが少し出てシコシコ感が増し、これはこれでまったく問題なし。
100点満点で150点でした。
一応成果はあったので満足したというわけではないけれど、何だかちょっとまったりしてしまい。
お客さんもいなかったので、コーヒーをいただきながらマスターとしばらく世間話。
気が付いたら3時になってたのであわてて出発。
追加を狙いに行ったのは”斑猫沢”という、これも勝手に名付けたハンミョウの聖地。
30分ほどで着いたのですが、陽が陰ってきたので急いで森の中へ。
ここもピークなら道すがら発見できるのですが、ハンミョウどころか虫影がない。
沢も陽射しが届かなくなっていて、寂しさと静けさが充満していました。
コンチューターの針も倒れたまま、固まっていましたが、せっかくなので沢の奥へ突入してみました。
そう、実は斑猫沢の先へは入ったことがなかったのです。
散策路は当然ズタズタに寸断された状態で、渡渉して沢の左右を辿っていくと分岐点に。
誰の役に立つこともない廃れた標識が立っていました。
ただ、分岐の右手は第二斑猫沢と呼びたくなるような、岩盤を浸すような沢でした。
ハンミョウたちはおそらく、また冷え込むことを感じ取って、満を持しているのだろうと思います。
これはまた様子を見に来る価値がありそうだと思えた景色を確認して引き返すことにしました。
ただ、真っすぐは帰らず東へ進み、勝浦のとあるポイントの様子を見てから家路に。
そのエリアのキャンプ場は空きサイトがほとんどないほど混んでいました。
この数日前のこと。
リビングの絨毯の上をこんな子が歩いていました。(もう少しで踏んじゃうところでした)
この虫の今年の初見がまさか自宅になるとは思いもよらなかった。
前日や当日にフィールドワークしたわけでもない。
侵入経路不明。
今日の湯加減
前回の3月末から2週間経ったので、さすがにお出ましになっているはずだと踏んで。
それと、今年の春は短いと踏んでいるので、ボウソウのスプ・エフェたちに逢えることも期待して。
果たして採ることはできました。
ただ、満足する結果ではありませんでした。
4月10日。ここの処、暖房器具が恋しくなる日々のチバです。
だからというよりも、むしろブルーマーチの余韻が嫋々としていて、朝起きられませんでした。
遅めの出発でしたが、前回みたいに混んではなさそうだったので下道でトコトコと。
裏道も使わず、R16~R127という最短ルートで内房をひたすら南へ。
まずは前回訪れなかった、というか忘れていたポイントへ。
そうだ、あそこにもいるじゃないかと、前回ボウズで帰ってきてから思い出したのです。
”瓢虫沢”と名付けたその場所は、房総半島のヒザあたり。
山間の小さな集落を抜け、さらに軽トラも通れないような道をしばらく進んでたどり着く場所。
画面の奥に入っていくのではありませんが、ここから先はベニシジミ号でもキビシイ登山道。
いつもこの原っぱに停めて、小流沿いに歩いていくのですが、ピークだとここら辺から現れるのです。
なのでゆっくりと、下を向いて歩こう作戦。
廃道になって久しいようで、落ち葉はもちろん、折れ枝も放置されています。
つまり、平坦な場所を好むハンミョウたちにとって環境はあまりよくない。
落石と折れ枝が積み重なっているマウンドのような障害物があり、その周りはちょうど陽だまりに。
こちら側からその向こうを見ると、ムラサキシジミとテングチョウが日向ぼっこをしていました。
彼らを撮ろうとマウンドを踏み越えた時。第一村人ならぬ、第一ハンミョウを発見。
採集が目的ですが、まずは証拠写真を撮らなければと、カメラを出してテレコンを装着。
ハンミョウ (オサムシ科)
飛ぶな飛ぶなと呟きながら、膝を曲げつつ腕を伸ばし、にじり寄って撮ったのが扉の写真でした。
撮影できたので、いざ捕獲と、今度は網を出し、そっと被せようとしたら、ふわりと飛び去られた。
山側の崖の中腹まで飛んで行ったので、あきらめるしかありませんでした。
とはいえ発生していたことにほっとして先へ進みましたが、第二村人がいない。
とうとう倒木で行き止まりになっているところまで来てしまった。
最初に訪れたときからこんな状態。
ここまでほぼ日陰だったし、いないのも当然と言えば当然なので陽だまりへ引き返すことに。
そしたら(同一個体がどうかは不明ですが)またいました。
お立ち台(木)の上で、あまりに良いポーズをしていたので、網をかぶせる前にまた撮影。
同上
このあと網をかぶせたのですが、取り込みに失敗してまた逃げられました。
ただ、今度は着地したところを見逃さずに捕獲に成功。
しかし、他の個体が現れず、追加ができませんでした。
ならばと瓢虫沢の中心部である、沢沿いの平坦な林へ移動。
陽も当たっているし、きっと居てくれると思い、意気揚々と入っていきました。
すぐにニワハンミョウを見つけたので安心したのに、本命は全然いない。
ジクザクに歩いて2周しましたが、第二ニワハンミョウすらいない。
さすがにちょっと焦ってきました。
しばし思案した結果、さっきの陽だまりで待ち伏せすることに。
ムラサキシジミやテングチョウもどこかへ行ってしまったようですが、この場所は人気なのでしょう。
こんな子や。
ニホンアマガエル
こんな子を観察しながらひたすら待っていました。
ニッポンヒゲナガハナバチ ♂(ミツバチ科)
前回のパトロールのときにメスを発掘しましたが、オスは触角がとても長いので判別できます。
さて、粘った甲斐があって他の個体が現れてくれました。
目の高さの崖の岩の上に止まってくれた子。
ハンミョウ (オサムシ科)
沢の方へ飛んで行った個体を追いかけて斜面をずり降りていたら、目前にもふもふのスプ・エフェが。
考え事でもしていたのか、レンズが触れそうなほどの接写をさせてくれました。
ビロウドツリアブ (ツリアブ科)
結局、ここでは4頭採集することができました。
ところで、かなり粘ってしまい、もうとっくにお昼を過ぎていたので河岸を変えることに。
瓢虫沢に出ていたから、ここももう出ているだろうと高をくくって訪れたのはボウソウマチュピチュ。
ところがなんと、ナミハンミョウはいませんでした。
水辺の確認に行く途中の地面に、またこの子が挨拶しに出て来てくれただけ。
ニワハンミョウ (オサムシ科)
もう時間がないので、今回は登山道の様子は見ずにすごすごと再出発。
生息ポイントに前回はなかったユンボが停めてあったのが気になりました。
ちょっと遅くなりましたが、前回と同じルートでカモガワへ一直線。
まんぼうに着いたときは2時前。
でも前回と違って、お客さんがいなかったのでよかった。(ちょうどハケたところとのことでした)
「今日は収獲あった?」
「やっと採れたけど、たったのこれだけ」
マスターも見慣れている虫なので、とくに感想もなく厨房へ消えていきました。
そして出てきた本日のスペシャル麺はこれ。
前回のピリ辛の炒め挽肉が乗っている ”ピリ辛チャーシューメン(春はこれだぜ)” の進化版。
焦がしネギの香ばしさとうま味が主役で、トッピングされた芥子菜の香りがアクセント。
題して、”ピリ辛ネギチャーシューメン(カモガワの春)”。
ところで、ちょっと麺の歯ごたえが変わったような気がしたのでマスターに聞いてみると。
来客数に波があるので、少し日持ちがする麺に改良したとのこと。
多加水麺はツルツル感があって喉越しがいいのだけど、日持ちに難があるのだそう。
なので、少し加水度合いを下げて無駄が出ないようにしたということ。
でも、逆に歯ごたえが少し出てシコシコ感が増し、これはこれでまったく問題なし。
100点満点で150点でした。
一応成果はあったので満足したというわけではないけれど、何だかちょっとまったりしてしまい。
お客さんもいなかったので、コーヒーをいただきながらマスターとしばらく世間話。
気が付いたら3時になってたのであわてて出発。
追加を狙いに行ったのは”斑猫沢”という、これも勝手に名付けたハンミョウの聖地。
30分ほどで着いたのですが、陽が陰ってきたので急いで森の中へ。
ここもピークなら道すがら発見できるのですが、ハンミョウどころか虫影がない。
沢も陽射しが届かなくなっていて、寂しさと静けさが充満していました。
コンチューターの針も倒れたまま、固まっていましたが、せっかくなので沢の奥へ突入してみました。
そう、実は斑猫沢の先へは入ったことがなかったのです。
散策路は当然ズタズタに寸断された状態で、渡渉して沢の左右を辿っていくと分岐点に。
誰の役に立つこともない廃れた標識が立っていました。
ただ、分岐の右手は第二斑猫沢と呼びたくなるような、岩盤を浸すような沢でした。
ハンミョウたちはおそらく、また冷え込むことを感じ取って、満を持しているのだろうと思います。
これはまた様子を見に来る価値がありそうだと思えた景色を確認して引き返すことにしました。
ただ、真っすぐは帰らず東へ進み、勝浦のとあるポイントの様子を見てから家路に。
そのエリアのキャンプ場は空きサイトがほとんどないほど混んでいました。
オマケ
この数日前のこと。
リビングの絨毯の上をこんな子が歩いていました。(もう少しで踏んじゃうところでした)
イタドリハムシ (ハムシ科)
この虫の今年の初見がまさか自宅になるとは思いもよらなかった。
前日や当日にフィールドワークしたわけでもない。
侵入経路不明。
今日の湯加減
また明日から昆虫館は臨時休館することになりました。
採集会や標本教室のイベントは定員を少なくして募集していますが毎回満員御礼です。
明日は閉館しつつも教室だけ開催します。もちろん換気など可能な限りの対策を施して。
子供たちの興味と熱意に応えるべく、スタッフもモチベーションを維持して踏ん張っています。
つまり、子供も大人も真剣なんです。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ゼフさん、ハンミョウに出会えてよろしゅうございました。斑猫沢、良さそうな環境ですね。うらやましい限りです。
緊急事態宣言発出下、昆虫館での対応ご苦労様です。小生も2シーズン続けて春型のミヤマカラスとの逢瀬を諦めることにします。
by 高和です。 (2021-04-27 16:37)
ハンミョウ、タマムシ並みに綺麗でやすね!
ハンミョウにもいろんな種類がいるのでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-04-28 21:28)
>高和です。さん
ハンミョウの発現については安心できないので、もう少し様子を確認しなくてはと思っています。
昆虫館が再開できるような状況に早くなってほしいです。
>ぼんぼちぼちぼちさん
どちらも日本人らしくない美麗さですね^^
ハンミョウの仲間は国内に15種類ほどいます。
by ぜふ (2021-04-28 23:21)
やっぱりハンミョウは美しいですね。そしていかつい顔^^;。
第二斑猫沢と呼びたくなるような沢もいいですね。
こういう場所も、とても好きです。
あ、あとビロウドツリアブもやっぱりかわいい。
マンガみたいな形って思います^^;。
by sakamono (2021-04-29 17:26)
軽トラも入れない道はバイクの独断場ですね。
美しいハンミョウと追いかけっこ楽しそう。
顔は悪顔ですけど。
by 響 (2021-05-01 13:44)
>sakamonoさん
第二斑猫沢は今シーズンどこかで再訪するつもりです。またレポします。
ビロツリはアニメチックですね^^
>響さん
そう、軽量バイクかオフ車の能力が発揮されます♪
狙った獲物が採れるとうれしいですね、釣りと同じで。
顔はともかく^^
by ぜふ (2021-05-01 16:38)