"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
チバルイスチャレンジ その弐 [オサムシ]
前々記事のオマケで書きましたが、2月11日に再チャレンジしてきました。
主旨は、ルイスオサムシがチバ市まで分布している可能性に挑むこと。
つまり、チバラベルを得ること、ひょっとしたらまだ採集記録がないかもしれないし。(未確認)
今年のチバは記録的な早さの春一番が吹き、この日も暖かくもやや荒れた天気でした。(詳細後述)
この風景はチバ市です。
なるべく緯度の低い場所が分布の可能性も高いと思われるので、チバ市の南端を目指します。
ただ、前回のスタート地点よりも東のエリア、つまり大網白里市側からアプローチすることに。
そこはたまに訪れる昭和の森の裏口の、ちょうど道路を挟んで反対側でした。
こんなところから入れるんだと思いつつ、民家の間の狭い道を入ると間もなく公園の入口が。
こんなところに公園があったんだと、様子を見に行くと意外にもかなり広い。
「水の郷公園」というぐらいですから、元は貯水池か調整池だったのではと思われます。
さて、GoogleMapで確認した、チバ市南端の里地はここからもう少し南下したこんな場所。
ベニシジミ号を降りて、さっそく谷津田の奥へと突入します。
すぐに荒れた耕作放棄地になりましたが、あまり良い様子ではない。
こんな表示もあるし。
林縁に設置されていたワナ。
まさに地雷を踏むかもしれないと、どういう仕掛けになっているか確認したい衝動を抑えました。
ということで隣の谷津田へ移動。
さっきよりかなり大きく広いので、チバ市の田園風景を撮ろうとベニシジミ号を田んぼの中にとめて。
遠景で記念撮影。
ところが次の瞬間、強風にあおられて、哀れベニシジミ号は徐にこちら側へ・・倒れました・・
幸いあぜ道の土がとても柔らかかったので、ハンドルが曲がることもなくエンジンもかかりました。
(ショートレバーにしておいてよかった)
谷津田の両側に崖はなかったので、奥から丘の上へ登って行く道に入ってみることにしました。
その坂道の途中が切通になっていたのですが、とりあえずスルーして登りきってみる。
そこに広がっていたのが扉の写真の畑地だったのですが、これは記憶に新しい風景でした。
振り返ると、左が登ってきた道。右は前回来た時、猟場の林を抜けてきた道です。
なるほどここに出てくるのかと合点し、左の道を戻り、スルーした切通へ。
かなり長いし、土のコンディションはいいものの、いかんせん道が舗装され、側溝まであるのが残念。
でも、物は試しと試掘してみると。
すぐに出ました。オヤブンが。
そこはまるでスジアオ集合団地の様相で、掘れば掘るほど次々に出てくるので都度埋め戻す。
この個体はちょっと面白い出方をしました。
基本的にバチツルは垂直に振り下ろしますが、たまたま斜めに振ったらそこに斜めに入っていた。
縦に振り下ろした筋と、一本だけ斜めの筋が分かるかと。
よくクラッシュしなかったものだし、よく入っている角度に合わせて振ったものだと。
このまま埋め戻すのは難しかったので、別の穴に引越してもらいました。
オヤブンばかり出すのも忍びないので、ここは見切りをつけて坂の下の別の崖へ。
ほんの隙間のような小崖だったものの、谷津田の奥だったので期待しましたが、出たのはこの子だけ。
足元には春の兆し。
別の場所へ移動することにしました。
切通から南へ進むと、杉林の丘に沿ってモハラ市とチバ市の境の道が伸びています。
前回も通った道ですが、途中に一か所、時間に余裕がなくてスルーした場所があるのです。
市境の道から林の中へと入れる所が一つだけ。
どうやら一面だけ田んぼがあるようです。
恐る恐る足を踏み入れてみると、すぐ左手に丘の上へと登る急な土の階段が。
ちょっと気になりましたが、一旦スルーして田んぼまで行ってみると、なんと崖が出現。
ほぼ垂直で高さは4~5メートル。胸の高さくらいのところが少し平らなので、まずはそこへ登る。
すると露出した土壁の隙間に何かがいる。(まだ掘っていません)
女王アリは微動だにしないのでちょっと気になりましたが、何もせずそっとしておきました。
それよりも崖に取り付きます。
足場がないため最上部を掘るのはムリなので、手を伸ばして届く範囲で上の方から試掘しました。
しかし、見かけよりも土が柔らかく、しばらく掘っても指標虫すら出てこない。
崖の左端まできて、これはダメかなと思いつつ、目の高さの位置にバチツルを振り下ろした時。
うわっ出た!
この顔はゴミムシじゃない。本命のルイスだ。
と一瞬息を呑んだのですが・・ちょっとでかいな・・
でもこれは正にチバ市ラベルのアオオサの低緯度記録。(これより南のポイントはないと思います)
これはこれでとてもうれしい収獲。
手の届く範囲はだいたい試掘しつくしたので掘り方やめ。
結局アオオサの他には特に何も出ず、さっきの細くて急な崖道に突撃してみることに。
所々足がかりの杭が打ってあり、明らかに人工の道だということはわかるけどロープがほしいほど急。
途中に崖がないかどうか見落とさないようにして、登りきってみるとそこは。
送電線の鉄塔でした。
メンテナンス用の通路だったということです。
でも鉄塔の周りも特にポイントはなく、林の中の藪へ突入する気も起きず早々に撤収。
降りる途中、田んぼの反対側に目をやると、下からは見えなかった土肌が見てとれました。
さっきの崖の倍以上、10メートル級の高さの崖でした。
これはトライする価値があるかもと、田んぼの奥の水路を伝い、藪をくぐり崖の下へ到着。
どうやら崩落した崖で、下の方の土は固まってなくて柔らかい。
少し上の方の地肌が出ているところはどうだろうと、急な崖面を中腹まで登りました。
どうかなとバチツルを振り下ろすと、これがまた柔らかい。
これはだめだ・・と思ったら。
出ちゃった。
しかもオスでした。
これもこれでとてもうれしい収獲。
まだまだ掘れる箇所はありましたが、幸いペアになったので打ち止めとしました。
来シーズンにでもまたゆっくり試掘に来ようと思います。
アオオサの記録を作ったので帰ろうかと思いましたが、もうひと踏ん張りすることに。
林の中へは入りませんでしたが、さっきの鉄塔の反対側の様子を確認しようと。
先の分岐点まで戻り、猟場の林を抜けた先を東へ行く道を辿ったところが前々記事のオマケの畑地。
畑を囲むようにしてある林の一角にこんなものが。
何だろうと思って近寄ってみたら、養蜂の巣箱でした。(しかも活動しているミツバチがいました)
畑を突っ切って進むと藪で行き止まり。その向こうにはさっきの鉄塔が見えました。
というわけで、チバルイスはなかなか難しそうだということが分かりました。
3回目のチバルイスチャレンジがあるかどうかは・・可能性があるとすれば10メートル崖かな。
チバ市最南端アオオサムシをお連れしてからの写真を。
オスはアオオサらしい緑色で、メスはチバ県北部分布群らしい褐色が濃い個体でした。
今日の湯加減
主旨は、ルイスオサムシがチバ市まで分布している可能性に挑むこと。
つまり、チバラベルを得ること、ひょっとしたらまだ採集記録がないかもしれないし。(未確認)
今年のチバは記録的な早さの春一番が吹き、この日も暖かくもやや荒れた天気でした。(詳細後述)
この風景はチバ市です。
なるべく緯度の低い場所が分布の可能性も高いと思われるので、チバ市の南端を目指します。
ただ、前回のスタート地点よりも東のエリア、つまり大網白里市側からアプローチすることに。
そこはたまに訪れる昭和の森の裏口の、ちょうど道路を挟んで反対側でした。
こんなところから入れるんだと思いつつ、民家の間の狭い道を入ると間もなく公園の入口が。
こんなところに公園があったんだと、様子を見に行くと意外にもかなり広い。
「水の郷公園」というぐらいですから、元は貯水池か調整池だったのではと思われます。
さて、GoogleMapで確認した、チバ市南端の里地はここからもう少し南下したこんな場所。
ベニシジミ号を降りて、さっそく谷津田の奥へと突入します。
すぐに荒れた耕作放棄地になりましたが、あまり良い様子ではない。
こんな表示もあるし。
林縁に設置されていたワナ。
まさに地雷を踏むかもしれないと、どういう仕掛けになっているか確認したい衝動を抑えました。
ということで隣の谷津田へ移動。
さっきよりかなり大きく広いので、チバ市の田園風景を撮ろうとベニシジミ号を田んぼの中にとめて。
遠景で記念撮影。
ところが次の瞬間、強風にあおられて、哀れベニシジミ号は徐にこちら側へ・・倒れました・・
幸いあぜ道の土がとても柔らかかったので、ハンドルが曲がることもなくエンジンもかかりました。
(ショートレバーにしておいてよかった)
谷津田の両側に崖はなかったので、奥から丘の上へ登って行く道に入ってみることにしました。
その坂道の途中が切通になっていたのですが、とりあえずスルーして登りきってみる。
そこに広がっていたのが扉の写真の畑地だったのですが、これは記憶に新しい風景でした。
振り返ると、左が登ってきた道。右は前回来た時、猟場の林を抜けてきた道です。
なるほどここに出てくるのかと合点し、左の道を戻り、スルーした切通へ。
かなり長いし、土のコンディションはいいものの、いかんせん道が舗装され、側溝まであるのが残念。
でも、物は試しと試掘してみると。
すぐに出ました。オヤブンが。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
そこはまるでスジアオ集合団地の様相で、掘れば掘るほど次々に出てくるので都度埋め戻す。
この個体はちょっと面白い出方をしました。
基本的にバチツルは垂直に振り下ろしますが、たまたま斜めに振ったらそこに斜めに入っていた。
縦に振り下ろした筋と、一本だけ斜めの筋が分かるかと。
よくクラッシュしなかったものだし、よく入っている角度に合わせて振ったものだと。
同上
このまま埋め戻すのは難しかったので、別の穴に引越してもらいました。
オヤブンばかり出すのも忍びないので、ここは見切りをつけて坂の下の別の崖へ。
ほんの隙間のような小崖だったものの、谷津田の奥だったので期待しましたが、出たのはこの子だけ。
ゴモクムシの仲間 (オサムシ科)
足元には春の兆し。
タチツボスミレ
別の場所へ移動することにしました。
切通から南へ進むと、杉林の丘に沿ってモハラ市とチバ市の境の道が伸びています。
前回も通った道ですが、途中に一か所、時間に余裕がなくてスルーした場所があるのです。
市境の道から林の中へと入れる所が一つだけ。
どうやら一面だけ田んぼがあるようです。
恐る恐る足を踏み入れてみると、すぐ左手に丘の上へと登る急な土の階段が。
ちょっと気になりましたが、一旦スルーして田んぼまで行ってみると、なんと崖が出現。
ほぼ垂直で高さは4~5メートル。胸の高さくらいのところが少し平らなので、まずはそこへ登る。
すると露出した土壁の隙間に何かがいる。(まだ掘っていません)
ムネアカオオアリ (アリ科)
女王アリは微動だにしないのでちょっと気になりましたが、何もせずそっとしておきました。
それよりも崖に取り付きます。
足場がないため最上部を掘るのはムリなので、手を伸ばして届く範囲で上の方から試掘しました。
しかし、見かけよりも土が柔らかく、しばらく掘っても指標虫すら出てこない。
崖の左端まできて、これはダメかなと思いつつ、目の高さの位置にバチツルを振り下ろした時。
うわっ出た!
この顔はゴミムシじゃない。本命のルイスだ。
と一瞬息を呑んだのですが・・ちょっとでかいな・・
アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
でもこれは正にチバ市ラベルのアオオサの低緯度記録。(これより南のポイントはないと思います)
同上
これはこれでとてもうれしい収獲。
手の届く範囲はだいたい試掘しつくしたので掘り方やめ。
結局アオオサの他には特に何も出ず、さっきの細くて急な崖道に突撃してみることに。
所々足がかりの杭が打ってあり、明らかに人工の道だということはわかるけどロープがほしいほど急。
途中に崖がないかどうか見落とさないようにして、登りきってみるとそこは。
送電線の鉄塔でした。
メンテナンス用の通路だったということです。
でも鉄塔の周りも特にポイントはなく、林の中の藪へ突入する気も起きず早々に撤収。
降りる途中、田んぼの反対側に目をやると、下からは見えなかった土肌が見てとれました。
さっきの崖の倍以上、10メートル級の高さの崖でした。
これはトライする価値があるかもと、田んぼの奥の水路を伝い、藪をくぐり崖の下へ到着。
どうやら崩落した崖で、下の方の土は固まってなくて柔らかい。
少し上の方の地肌が出ているところはどうだろうと、急な崖面を中腹まで登りました。
どうかなとバチツルを振り下ろすと、これがまた柔らかい。
これはだめだ・・と思ったら。
出ちゃった。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
しかもオスでした。
同上
これもこれでとてもうれしい収獲。
同上
まだまだ掘れる箇所はありましたが、幸いペアになったので打ち止めとしました。
来シーズンにでもまたゆっくり試掘に来ようと思います。
アオオサの記録を作ったので帰ろうかと思いましたが、もうひと踏ん張りすることに。
林の中へは入りませんでしたが、さっきの鉄塔の反対側の様子を確認しようと。
先の分岐点まで戻り、猟場の林を抜けた先を東へ行く道を辿ったところが前々記事のオマケの畑地。
畑を囲むようにしてある林の一角にこんなものが。
何だろうと思って近寄ってみたら、養蜂の巣箱でした。(しかも活動しているミツバチがいました)
畑を突っ切って進むと藪で行き止まり。その向こうにはさっきの鉄塔が見えました。
というわけで、チバルイスはなかなか難しそうだということが分かりました。
3回目のチバルイスチャレンジがあるかどうかは・・可能性があるとすれば10メートル崖かな。
オマケ
チバ市最南端アオオサムシをお連れしてからの写真を。
アオオサムシ ペア (オサムシ科)
オスはアオオサらしい緑色で、メスはチバ県北部分布群らしい褐色が濃い個体でした。
今日の湯加減
「今日の湯加減」を書き忘れたままアップしてしまいました。
いつも記事は下書きして、概ね書き終わったら忘れないうちに予約設定をするというルーティーン。
フィールドワークに行っていたので、帰ってきたら書いてアップするつもりでした。
(保険として投稿予約はするものの、遠征している場合以外は手動で公開ボタンを押しています)
しかし帰り道に完全に凍えてしまい、風呂で解凍したり食事をとっている内にすっかり忘れました。
というイイワケが今日の湯加減になるのも不本意なので、一つ宣伝をさせてください。
先月、仲のいい友達の娘がメジャーデビューしました。
デビュー前もライブなどの音楽活動はもちろん、CD制作やラジオ出演などもしていました。
ジャンルを聞かれると答えに困るのですが、いわゆるJ-POPとするのには抵抗を感じる音楽です。
ポップス、ジャズ、ブルース、クラシック・・様々な要素が垣間見える、いや、垣間聞こえます。
ナミヒラアユコ『薄明光線』ぜひ♪
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
一枚目は私がよく行く築城基地の周りの広い景色とそっくり。
公園は野鳥撮影にも良さそう。
今日もお宝ザクザク凄い。
by 響 (2021-02-28 10:49)
ホントだ!こんなふうにワナって仕掛けられているんですね(@@
ピンポイントで踏んでしまいそう。。。
お友達の娘さんがメジャーデビュー!
おめでとうございます^^
by リュカ (2021-02-28 15:20)
アオオサムシ、ペアで採集できて良かったでやすね。
それにしても、罠、怖いでやすね〜
by ぼんぼちぼちぼち (2021-02-28 21:06)
>響さん
きっとツイッキーほどではないと思いますが、かなり広い畑地です。
公園も誰もいないので一人当たりの面積が無限大でした^^
>リュカさん
何度か見たことありますが、仕掛は確認していません、コワイので^^;
YouTubeでナミヒラアユコを検索いただければ視聴できます♪
>ぼんぼちぼちぼちさん
本来の目標は未達ですが、とてもラッキーでした♪
ワナのワイヤーがとても太くて頑丈そうなのが分かりました^^;
by ぜふ (2021-02-28 22:38)
いつも羨ましいです。自然な風景がみじかにあって。罠にかからないようにね。昨日武蔵野でオツネンチョウ(キチョウ)を見ましたよ。
by 高和です。 (2021-03-02 01:58)
掘り出された直後の写真を見ても、2頭めの方が青っぽくて
キレイですね。じっとしている女王アリ、確かに気になります。
というか、女王アリを見るコト自体、初めてだと思います。
デカいですねぇ。
by sakamono (2021-03-04 22:59)
>高和です。さん
けっして”身近”ではありませんし、武蔵野とは違い、メガソーラーや最終処分場だらけですが、そのニッチには細々と生きるものたちが。
>sakamonoさん
ボウソウではむしろ、”青い”アオオサムシは珍しいですね。
ムネアカオオアリの女王は比較的遭遇確率が高いです。デカイし^^
by ぜふ (2021-03-05 23:35)