"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ショウワデイ [自然]
引き続きボウソウは自粛中。
人と接触せずにすむ広い場所はどこかなと脳内地図で考えていましたが。
そういえばショウワの日だと気が付いた瞬間、目的地が決まりました。
外房方面の大きな公園。(外房の自治体からは来ないでメッセージが発信されていないので)
特にターゲットは設定せず、特に期待もせず、外の空気を吸うことが目的のようなものでしたが。
この子にはそろそろ会えるかなと思っていました。
早起きでも寝坊でもなく、いつものタイミングで出発。
運よく道中、途中から巡回車がセイフティカーとして先導してくれたのでまさに安全走行できました。
まもなく目的地というところで右折したので・・付いて行きはしませんでしたがついでにコンビニへ。
ノリ弁をひとつ買ってQRコード決済したら支払額が706円!高級ノリ弁?
レジの方がどういうわけか二つ分打ち込んだようでした。
不意に人との接近時間が長くなりましたがまもなく無事到着。
人影はまばらという形容が適切かどうかわかりませんが、視界の中の来訪者は2~3組というところ。
いつも通り、真っ先に向かったのは湿生植物園というエリア。
もう少したてば菖蒲がたくさん咲くと思いますが今の時期はこれといった花はない。
最初に見つけたのはこの子。
時々目の前を横切っていくシオカラトンボは相手にせず、扉の写真のトンボを探しました。
まもなく見つけました。これは未成熟のオス。
これは未成熟のメス。
雌雄の見極め方はさておき、未成熟の個体はこのようにメタリックな緑色をしています。
しばらくこのエリアで粘って、カワトンボのみに集中して探索と撮影をしました。
成熟したオスもいました。
このように成熟すると体色がグリーンからガンメタルに近いグリーンメタル色になるようです。
また、胸の部分を中心に白粉がふきますが、まだそのような個体は見つけられませんでした。
オスは翅の色もいくつかあり、典型的なのはこの橙褐色の目立つタイプ。飛ぶとさらに美しい。
それと、オスの翅の縁紋は未成熟のうちは白ですが、成熟すると赤くなります。
翅の色に関係なく。
つまり、成熟した個体は翅の縁紋の色で雌雄の判別ができます。
では未成熟の個体はどこで判別するかというと、それは尾端(おしり)の形です。
オスの尾部にはメスの首(または後頭部)をつかむためのフック(付属器)があります。
メスの尾部にはフックがなく、下側にオスにはない産卵弁(または産卵管)があります。
メスは成熟しても翅や縁紋の色が変わりませんが、体色はブロンズメタルになります。
扉の写真はこの子。
シオヤトンボもいましたが、ことごとく逃げられました。
クビボソジョウカイも探していたのですが、とうとう見つからず、その代わりに。
チバでは4月下旬から見られますが本格的な発生はこれからでしょう。
この子は少しあとで見つけたのですが、やはり一匹だけ。
明るいところでは青く光っていましたが、花の中にいるとクロジョウカイかと思うほどでした。
丘の上の広場へ向かう坂道の途中にシャクナゲが咲いていたので撮っているとハチが飛んで来た。
足元にはヤマトシジミが低く低く飛び交いますが先を急ぎました。
展望台の近くにはコデマリとオオデマリの群落がいくつもあり、どの花も虫たちで賑わっていました。
夜の繁華街に例えると、ネオンや赤ちょうちんが連なって活気が発散している飲み屋街。
飲み屋街の全体の写真だとハエか何かが集っているようにしか見えないので個別に。
最大勢力はやはりこのコガネムシたちで、ひとつの株に数十匹づついたでしょう。
体長は12~3ミリ。背中の色には個体差がありますがバリエーションは少ない。
これはコアオハナムグリと同等サイズですが少し大きいかな。
クロハナムグリは色の変異はないですが、黄色い紋がない無紋型がいます。
それと、こういう子を時々見かけます。
体にドロを付けたままなのですが、これは羽化するときに土繭が湿っていたからでしょうか。
(研究してみると面白いかもしれません)
実はこの子、一旦捕まえて泥を指でこそぎ落としてみると無紋型だったのです。(写真なし)
この公園は採集禁止なのでリリースしました。
コアオの次に多かったのはこれもこの時期お馴染みのコガネムシ。
この種は体長に個体差があり、普通は7~8ミリというところですが、図鑑では5~9ミリとのこと。
こちらはペアで、オスが後ろ脚を上げていますが、これは威嚇のポーズなのです。
この子はここでは個体数が少なく、もっともチビッコで5ミリくらい。
こういう白い花のテーブルにはカミキリムシも集まるはずなのですがあまりいませんでした。
オスとメスで体長がかなり違いますが図鑑では7~12ミリとのこと。
あとはカミキリモドキが少々いたくらい。(これから増えると思いますが)
ハムシもこれからでしょう。ぽつんとこの子を見ただけでした。
環境の割には多様性が高くなくて不満足でしたが、個体数の多さを存分に楽しみました。
展望台から少し離れた人影がないというか誰も来そうにない木陰の崩れかけたベンチでお昼。
来た道には戻らず、園内を半周するように引き返していきました。
丘を下りきったところから少し奥に竹林があって、迂回するような形でその中を通っていくことに。
その途中で見かけたこの日数少ないチョウ。
普通種ですが翅の縁がこんなにきれいだったことに改めて気が付いてちょっと感動。
前出の入口の池を公園側から写すとこんな様子ですが何かいますよね。
もう一度湿生植物園まで戻って半周しながら、カワトンボをまた少し撮影して公園を後にしました。
まだ時間が早かったので、ちょっとだけどこかの様子を見て帰りたいと思うも候補が思い浮かばない。
困ったときのGoogleMapを開き、適当にフリックしていたら”〇〇の森”という表記が。
帰り道の途中ではないけど、それほど遠くないので寄っていくことにしました。
しかし、周辺までは到着するも、森へのアプローチがわからない。
ここだと思って奥へ進んでみても、丘の向こう側へ出てしまい、周辺をあっちへこっちへぐるぐる。
やっとそれらしきアプローチを見つけ、湿地沿いのやや暗い細い道をしばらく歩いて辿り着けました。
めぼしい虫には会えませんでしたが、昔話に出てきそうな池もあり、とてもいい雰囲気でした。
花も少し見られたし。
これが入口を示す標識だったことが判明したので備忘のためにアップ。
イドクボンガって何だ?
池の写真の答え。
この子が池の主でした。
あと後日、家の庭のオオアマナに珍しい訪問者が。
長い記事になりました。
今日の湯加減
人と接触せずにすむ広い場所はどこかなと脳内地図で考えていましたが。
そういえばショウワの日だと気が付いた瞬間、目的地が決まりました。
外房方面の大きな公園。(外房の自治体からは来ないでメッセージが発信されていないので)
特にターゲットは設定せず、特に期待もせず、外の空気を吸うことが目的のようなものでしたが。
この子にはそろそろ会えるかなと思っていました。
ニホンカワトンボ (カワトンボ科)
早起きでも寝坊でもなく、いつものタイミングで出発。
運よく道中、途中から巡回車がセイフティカーとして先導してくれたのでまさに安全走行できました。
まもなく目的地というところで右折したので・・付いて行きはしませんでしたがついでにコンビニへ。
ノリ弁をひとつ買ってQRコード決済したら支払額が706円!高級ノリ弁?
レジの方がどういうわけか二つ分打ち込んだようでした。
不意に人との接近時間が長くなりましたがまもなく無事到着。
人影はまばらという形容が適切かどうかわかりませんが、視界の中の来訪者は2~3組というところ。
いつも通り、真っ先に向かったのは湿生植物園というエリア。
もう少したてば菖蒲がたくさん咲くと思いますが今の時期はこれといった花はない。
最初に見つけたのはこの子。
ヒメシモフリコメツキ (コメツキムシ科)
時々目の前を横切っていくシオカラトンボは相手にせず、扉の写真のトンボを探しました。
まもなく見つけました。これは未成熟のオス。
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
これは未成熟のメス。
雌雄の見極め方はさておき、未成熟の個体はこのようにメタリックな緑色をしています。
しばらくこのエリアで粘って、カワトンボのみに集中して探索と撮影をしました。
成熟したオスもいました。
同上 ♂
このように成熟すると体色がグリーンからガンメタルに近いグリーンメタル色になるようです。
また、胸の部分を中心に白粉がふきますが、まだそのような個体は見つけられませんでした。
オスは翅の色もいくつかあり、典型的なのはこの橙褐色の目立つタイプ。飛ぶとさらに美しい。
同上 ♂
それと、オスの翅の縁紋は未成熟のうちは白ですが、成熟すると赤くなります。
翅の色に関係なく。
つまり、成熟した個体は翅の縁紋の色で雌雄の判別ができます。
では未成熟の個体はどこで判別するかというと、それは尾端(おしり)の形です。
オスの尾部にはメスの首(または後頭部)をつかむためのフック(付属器)があります。
メスの尾部にはフックがなく、下側にオスにはない産卵弁(または産卵管)があります。
同上 ♂
メスは成熟しても翅や縁紋の色が変わりませんが、体色はブロンズメタルになります。
扉の写真はこの子。
同上 ♀
シオヤトンボもいましたが、ことごとく逃げられました。
クビボソジョウカイも探していたのですが、とうとう見つからず、その代わりに。
ジョウカイボン (ジョウカイボン科)
チバでは4月下旬から見られますが本格的な発生はこれからでしょう。
この子は少しあとで見つけたのですが、やはり一匹だけ。
アオジョウカイ (ジョウカイボン科)
明るいところでは青く光っていましたが、花の中にいるとクロジョウカイかと思うほどでした。
同上
丘の上の広場へ向かう坂道の途中にシャクナゲが咲いていたので撮っているとハチが飛んで来た。
キイロスズメバチ ? (スズメバチ科)
足元にはヤマトシジミが低く低く飛び交いますが先を急ぎました。
展望台の近くにはコデマリとオオデマリの群落がいくつもあり、どの花も虫たちで賑わっていました。
夜の繁華街に例えると、ネオンや赤ちょうちんが連なって活気が発散している飲み屋街。
飲み屋街の全体の写真だとハエか何かが集っているようにしか見えないので個別に。
最大勢力はやはりこのコガネムシたちで、ひとつの株に数十匹づついたでしょう。
コアオハナムグリ (コガネムシ科)
体長は12~3ミリ。背中の色には個体差がありますがバリエーションは少ない。
これはコアオハナムグリと同等サイズですが少し大きいかな。
クロハナムグリ (コガネムシ科)
クロハナムグリは色の変異はないですが、黄色い紋がない無紋型がいます。
それと、こういう子を時々見かけます。
同上
体にドロを付けたままなのですが、これは羽化するときに土繭が湿っていたからでしょうか。
(研究してみると面白いかもしれません)
実はこの子、一旦捕まえて泥を指でこそぎ落としてみると無紋型だったのです。(写真なし)
この公園は採集禁止なのでリリースしました。
コアオの次に多かったのはこれもこの時期お馴染みのコガネムシ。
アシナガコガネ (コガネムシ科)
この種は体長に個体差があり、普通は7~8ミリというところですが、図鑑では5~9ミリとのこと。
こちらはペアで、オスが後ろ脚を上げていますが、これは威嚇のポーズなのです。
この子はここでは個体数が少なく、もっともチビッコで5ミリくらい。
ヒラタハナムグリ (コガネムシ科)
こういう白い花のテーブルにはカミキリムシも集まるはずなのですがあまりいませんでした。
トゲヒゲトラカミキリ (カミキリムシ科)
オスとメスで体長がかなり違いますが図鑑では7~12ミリとのこと。
あとはカミキリモドキが少々いたくらい。(これから増えると思いますが)
モモブトカミキリモドキ (カミキリモドキ科)
ハムシもこれからでしょう。ぽつんとこの子を見ただけでした。
ツツハムシの仲間 (ハムシ科)
環境の割には多様性が高くなくて不満足でしたが、個体数の多さを存分に楽しみました。
展望台から少し離れた人影がないというか誰も来そうにない木陰の崩れかけたベンチでお昼。
来た道には戻らず、園内を半周するように引き返していきました。
丘を下りきったところから少し奥に竹林があって、迂回するような形でその中を通っていくことに。
その途中で見かけたこの日数少ないチョウ。
コチャバネセセリ (セセリチョウ科)
普通種ですが翅の縁がこんなにきれいだったことに改めて気が付いてちょっと感動。
前出の入口の池を公園側から写すとこんな様子ですが何かいますよね。
答えは後ほど
もう一度湿生植物園まで戻って半周しながら、カワトンボをまた少し撮影して公園を後にしました。
まだ時間が早かったので、ちょっとだけどこかの様子を見て帰りたいと思うも候補が思い浮かばない。
困ったときのGoogleMapを開き、適当にフリックしていたら”〇〇の森”という表記が。
帰り道の途中ではないけど、それほど遠くないので寄っていくことにしました。
しかし、周辺までは到着するも、森へのアプローチがわからない。
ここだと思って奥へ進んでみても、丘の向こう側へ出てしまい、周辺をあっちへこっちへぐるぐる。
やっとそれらしきアプローチを見つけ、湿地沿いのやや暗い細い道をしばらく歩いて辿り着けました。
めぼしい虫には会えませんでしたが、昔話に出てきそうな池もあり、とてもいい雰囲気でした。
花も少し見られたし。
キンラン
オオアマナ
ニシキゴロモ ? と ニホンカブラハバチ ?
これが入口を示す標識だったことが判明したので備忘のためにアップ。
イドクボンガって何だ?
オマケ
池の写真の答え。
この子が池の主でした。
あと後日、家の庭のオオアマナに珍しい訪問者が。
アヤモクメキリガ 幼虫 (ヤガ科)
長い記事になりました。
今日の湯加減
朝日新聞朝刊に連載中の鷲尾清一さんの『折々のことば』は天声人語と共に楽しみなコラムです。
今日は奥本先生の最新刊『蝶の唆え』からの引用でした。以下そのまま掲載します。
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”ただの慰めの言葉より、お経がいいときもある” 奥本大三郎
仏文学者・作家は、小学生の頃、病で長く臥せっていた。何度も激痛にのけぞった。
そんなとき、「代わってあげられたらいいのにねぇ」とありえもしないことを人に言われるより、
身近な人が傍で唱えてくれる般若心経のほうが痛みが和らぐ気がしたという。
この瞬間を僅かでもなだらかにしたかった、この時間を誰かに一緒に潜ってほしかった。
自伝的エッセー『蝶の唆え』から。
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ちなみに”唆え”は”おしえ”と読みます。先生に聞いたら、蝶に唆されたという含意があるようです。
なっとく。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
コチャバネセセリ、なんともシックですね。白い縁取りが素晴らしい!
再発見です。フィールドで再会したらどうしよう・・・ボウソウって水辺が良いですね。水辺に乏しい武蔵野台地に住んでいると、いつもそう思います。キンランの前の写真は宮崎アニメに登場しそうな雰囲気です。
by 高和です。 (2020-05-10 15:38)
夜中に活動をしていたと思われる幼虫ちゃんが
2日程前から大人しくなりました。
そろそろサナギになる頃かしら?
去年、5/27には、フーコちゃんが成虫になっているからなぁ。
フーコちゃんは早すぎでしたけどね^^;
by リュカ (2020-05-11 11:09)
>高和です。さん
コチャバネは見直しました^^
この縁の美しさを現した図鑑を探したいです。
>リュカさん
そろそろサナギになってもおかしくないですが、サナギになる前の蛹室を作っているかもしれませんね。
by ぜふ (2020-05-11 21:47)
コメツキムシを小さいころよく捕まえては
ひっくり返して遊んでました!!
かちっ と音を立てて飛んで表を向くので
かっちん虫と呼んでました(^^)
by 50oyaji (2020-05-11 21:54)
>50oyajiさん
かっちん虫というのは地方名なのですかね、面白いですね♪
by ぜふ (2020-05-12 21:53)
収穫いっぱいでしたね。
トゲヒゲトラカミキリ見てみたいです。
見た目を全部名前に盛り込んだみたいで面白いです。
by 響 (2020-05-14 19:11)
ニホンカワトンボ、綺麗ですねぇ♪
うっとりと拝見しています。
そして最後の池、金の斧が出てきそうと思ったらキンランが!
イドクボンガも気になる…^^;
by よしころん (2020-05-14 22:27)
青いメタリックな色の体で、透き通ったオレンジ色の翅。
やっぱり美しいですねぇ。
甲虫類が花にいるのが、何となく馴染みがなくて。
名前がハナムグリなのだから、花にいて、当然なのでしょうけれど^^;。
たくさんの、花に集まる昆虫、楽しみました。
by sakamono (2020-05-14 23:17)
コデマリ、オオデマリ、虫たちのご馳走なのね、、
カワトンボは、美しい姿、繊細で色彩にため息です
by engrid (2020-05-15 00:25)
>響さん
ちっちゃいですよ、トゲヒゲ^^
今の時期、各地の白い花のレストランに来店してると思います。
>よしころんさん
カワトンボは旬というかまさに見頃ですね。
なるほど、あなたの落としたのは金のランですか?銀のランですか?
ってことだったのですね^^
>sakamonoさん
ネタバレですが次記事でまた登場します^^;
ハナムグリたちはまさに今湧いています。
>engridさん
もう、まるでお祭りのようですね^^
カワトンボたちは毎年のごとく目の保養になっています。
by ぜふ (2020-05-15 22:54)