"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
田んぼで過ごそう [自然]
ボウソウ自粛中なので近郊でなるべく人の少ない場所を目指した4月25日。
そうだ、M川のビオトープはまだシオヤトンボを観察できていないし人も少ないはず。
そう思いながら地図を見ていると、少し先に大きな総合公園があることに気が付きました。
こんなところにこんな規模の公園があったんだと気になってしまいました。
公園は混んでいる可能性があるので、様子を確認して即撤収も想定して出発したのはお昼過ぎ。
チバ市の隣町へ。
着いてみたらそこは市立の総合運動公園でした。
陸上競技場、野球場、体育館、それにキャンプ場まである。
駐車場に車は何台も止まっていましたが人影はまばらだったので突入することに。
案内板も見ずに、人がいる方は避けつつ適当に進むと池が見えてきました。
芝生広場を横切ろうとしたとき、足元を黒いハエのようなのがプ~ンと飛んでいる。
周りをよくみると何匹も飛び回っていることがわかりました。
その中の一匹にロックオンし、着地したところへすばやく歩み寄りました。
地面に這いつくばって見ると、それはハエではありませんでした。
体長5ミリくらいの小さなコガネムシ。
着地してもちょこまかと動き回り、小さいのでピントを合わせづらいので撮影するのがむずかしい。
しかも、あれよあれよという間に地中に潜って姿を消します。
飛んでいたのはおそらくすべてオスで、メス探しの集団飛行なのではないかと。
コイチャコガネと同様、芝草に発生するコガネムシの一種。オスは触覚が立派でカッコイイ。
幼虫が芝生の根を食害するのでゴルフ場や庭では害虫とされますが、成虫を見られるのは春だけ。
とにかく公園を縦断してみようと奥に向けて突入していきます。
遊具がある広場やキャンプ場は家族連れで賑わっていたので遠巻きにし、林の中の散策路を抜けると。
想定外に目の前に開けたのは谷津田でした。
公園とは境がなくつながっていて、そのまま林縁の道を進んでいきますが、なかなか様子がいい。
湿地や池もあってうれしくなる光景です。(虫がいれば最高なのですが・・)
谷津田に沿った道は散歩する人がぽつぽつ通りかかるので、田中のあぜ道を通ることにしました。
まだ田植えはされていない水面を(水生昆虫がいないか)気を付けながら歩いていきます。
残念ながら、アメンボさえもいない静かな水面にひっくり返って溺れていたのが扉の子でした。
足元の枯れ枝を使ってテントウ釣りをしたということです。
谷津田の分岐点までくると細い道路があり、どっちに行こうかと立ち止まって左右を見渡していると。
頭のすぐ上を通過する小飛翔体にコンチューターが反応し、反射的に帽子を振りました。
キャッチはできなかったようですが、地面に落ちたと思われたので足元をチェック。
(コンタクトレンズを落とした人を想像してください)
いました。これまた体長が5ミリほどのチビッコ。
だとしたら初めて観察する虫です。
もっとちゃんと観察したかったのに、この一枚を撮った直後に飛び去ってしまいました・・ざんねん。
谷津田の向こうには住宅地が見えるけれど、そこまで行くと戻るのが大変になりそう。
むしろ、この谷津田を訪れるなら公園起点ではなく、こちら側から散策するのがよさそう。
ということで、谷津田の反対側も確認したいので、ここら辺から引き返そう。
休耕している田んぼは草っ原になりつつあり、歩いて通行できるので反対側へ横断。
万が一を願い、しつこく田んぼの縁に沿って水面をにらみながら戻っていきました。
しばらく進むと、2~3メートル離れた水面に何かが浮かんでいるのに気が付きました。
水生昆虫にしては大きいけど、もぞもぞ動いているので木の葉やゴミではない。アメンボはいない。
こちらに向かって水面を泳ぐというより、もがくように近づいてきます。
それはケラでした。
よく見ると、決してもがいているのではなく、軽快に水をかいている。しかもケラ泳ぎはかなり速い。
体中にびっしりと細かい毛が生えていて、完全に水をはじいて水面に浮き、決して溺れはしません。
まもなく足元に着岸。写真を撮るヒマもなく、みるみるうちに田んぼの土手の中へ潜っていきました。
しかも、水中から土の中へ入るのです。水面より上よりも土がやわらかいのかもしれません。
シャッターチャンスを逃しざんねんでしたが、面白い光景を見られたうれしさに満足でした。
農家の方が田んぼへ農薬散布する準備をしているのを横目に見ながらしばらくあぜ道を歩いていると。
コンチューターがまた反応。しかも方向は田んぼのど真ん中。10メートルほども離れた水面。
しかし、もうすぐに分かりました。
だってさっき見たやつだから。
今度は落ち着いて写真を撮影。でも2匹目はこちらへではなく反対側へ向けて遠泳中でありました。
田んぼのど真ん中に浮いているので向こう側へも10メートルほどあります。
でも思いの外グッドスイマーであることも先刻承知。
見失わないようにしながらあぜ道をぐるりと回って反対側の岸へ到着して待ち伏せ。
かなり風が吹いていて水面が波打っているというのに、ほぼ真っすぐにこちらへ向かって来ます。
ケラ選手、10メートル自由形、5分というタイムでした。
おや、この子は水面上の壁に潜るのかなと・・
いや、やはり水中からでした。
面白い観察ができました。ケラがいるということはあのゴミムシもいるでしょう。
公園の近くまで戻ってきましたが、結果的に他の虫にはまったく会えませんでした。
景色がよくても農薬を使われるとかくも静かな生態系になるということです。
しかし、公園の一番端の菖蒲田のような区画に差し掛かったとき、頭上を何かが行き過ぎました。
トンボだということは分かりました。ならばあの子でしょう。
ビオトープに行く前に会えました。
上の写真の子は未成熟の個体で、体色が黄色からオスらしい灰青色に変わりつつあります。
この子も未成熟ですが、雌雄の判定は・・メスかな・・
今年初なので、シオヤトンボ撮影会ということにし、区画内を何度も周回しながら他の子を探します。
ちょっと疲れて、公園からの排水路のコンクリートの擁壁に座っていると目の前に着陸してくれた子。
成熟したメスが「何してるの?」と話しかけてくれました。
こうなったら成熟オスも撮ってコンプリートしたいところです。
ザリガニ釣りの家族連れがやって来たので、距離をとりつつのんびり探し続けるも見つからず。
あきらめてそろそろ撤収しようかと思ったとき、ついに登場しました、オトナのカップルが。
忍び足で近づきながら撮っていると、ついに気取られて舞い上がってしまいました。
でもそのおかげでオスのワンショットも撮れました。(ジャマしてごめん)
このあと帰り道にビオトープにも寄りましたが、シオヤトンボは観察できなかったのでよかった。
このフィールドにはまた来ようと思います。でもそのときは真っすぐ谷津田へ。
今の時期は春の昆虫採集会であちこちへ遠征しているので、近場のフィールドにはまず行かない。
しかし、この翌日、運動不足解消のために近所の干潟へ散歩しに行きました。
そうしたら、普段は入れない木道が解放されていて、初めて入ることができました。(記名式でした)
いつもは見られない干潟を至近距離で眺めたあと、入口付近まで戻ってきたとき目の前の茂みに。
目が合ったので昨日のテントウムシの恩返しかと思いきや・・何もサービスはありませんでした。
干潟も散歩やジョギングの訪問者が多くて早々にゴーホーム。
今日の湯加減
そうだ、M川のビオトープはまだシオヤトンボを観察できていないし人も少ないはず。
そう思いながら地図を見ていると、少し先に大きな総合公園があることに気が付きました。
こんなところにこんな規模の公園があったんだと気になってしまいました。
公園は混んでいる可能性があるので、様子を確認して即撤収も想定して出発したのはお昼過ぎ。
ナナホシテントウ (テントウムシ科)
チバ市の隣町へ。
着いてみたらそこは市立の総合運動公園でした。
陸上競技場、野球場、体育館、それにキャンプ場まである。
駐車場に車は何台も止まっていましたが人影はまばらだったので突入することに。
案内板も見ずに、人がいる方は避けつつ適当に進むと池が見えてきました。
芝生広場を横切ろうとしたとき、足元を黒いハエのようなのがプ~ンと飛んでいる。
周りをよくみると何匹も飛び回っていることがわかりました。
その中の一匹にロックオンし、着地したところへすばやく歩み寄りました。
地面に這いつくばって見ると、それはハエではありませんでした。
ウスチャコガネ ♂(コガネムシ科)
体長5ミリくらいの小さなコガネムシ。
着地してもちょこまかと動き回り、小さいのでピントを合わせづらいので撮影するのがむずかしい。
しかも、あれよあれよという間に地中に潜って姿を消します。
同上
飛んでいたのはおそらくすべてオスで、メス探しの集団飛行なのではないかと。
コイチャコガネと同様、芝草に発生するコガネムシの一種。オスは触覚が立派でカッコイイ。
幼虫が芝生の根を食害するのでゴルフ場や庭では害虫とされますが、成虫を見られるのは春だけ。
とにかく公園を縦断してみようと奥に向けて突入していきます。
遊具がある広場やキャンプ場は家族連れで賑わっていたので遠巻きにし、林の中の散策路を抜けると。
想定外に目の前に開けたのは谷津田でした。
公園とは境がなくつながっていて、そのまま林縁の道を進んでいきますが、なかなか様子がいい。
湿地や池もあってうれしくなる光景です。(虫がいれば最高なのですが・・)
谷津田に沿った道は散歩する人がぽつぽつ通りかかるので、田中のあぜ道を通ることにしました。
まだ田植えはされていない水面を(水生昆虫がいないか)気を付けながら歩いていきます。
残念ながら、アメンボさえもいない静かな水面にひっくり返って溺れていたのが扉の子でした。
足元の枯れ枝を使ってテントウ釣りをしたということです。
谷津田の分岐点までくると細い道路があり、どっちに行こうかと立ち止まって左右を見渡していると。
頭のすぐ上を通過する小飛翔体にコンチューターが反応し、反射的に帽子を振りました。
キャッチはできなかったようですが、地面に落ちたと思われたので足元をチェック。
(コンタクトレンズを落とした人を想像してください)
いました。これまた体長が5ミリほどのチビッコ。
イノコヅチカメノコハムシ (ハムシ科)
だとしたら初めて観察する虫です。
もっとちゃんと観察したかったのに、この一枚を撮った直後に飛び去ってしまいました・・ざんねん。
谷津田の向こうには住宅地が見えるけれど、そこまで行くと戻るのが大変になりそう。
むしろ、この谷津田を訪れるなら公園起点ではなく、こちら側から散策するのがよさそう。
ということで、谷津田の反対側も確認したいので、ここら辺から引き返そう。
休耕している田んぼは草っ原になりつつあり、歩いて通行できるので反対側へ横断。
万が一を願い、しつこく田んぼの縁に沿って水面をにらみながら戻っていきました。
しばらく進むと、2~3メートル離れた水面に何かが浮かんでいるのに気が付きました。
水生昆虫にしては大きいけど、もぞもぞ動いているので木の葉やゴミではない。アメンボはいない。
こちらに向かって水面を泳ぐというより、もがくように近づいてきます。
それはケラでした。
よく見ると、決してもがいているのではなく、軽快に水をかいている。しかもケラ泳ぎはかなり速い。
体中にびっしりと細かい毛が生えていて、完全に水をはじいて水面に浮き、決して溺れはしません。
まもなく足元に着岸。写真を撮るヒマもなく、みるみるうちに田んぼの土手の中へ潜っていきました。
しかも、水中から土の中へ入るのです。水面より上よりも土がやわらかいのかもしれません。
シャッターチャンスを逃しざんねんでしたが、面白い光景を見られたうれしさに満足でした。
農家の方が田んぼへ農薬散布する準備をしているのを横目に見ながらしばらくあぜ道を歩いていると。
コンチューターがまた反応。しかも方向は田んぼのど真ん中。10メートルほども離れた水面。
しかし、もうすぐに分かりました。
だってさっき見たやつだから。
今度は落ち着いて写真を撮影。でも2匹目はこちらへではなく反対側へ向けて遠泳中でありました。
田んぼのど真ん中に浮いているので向こう側へも10メートルほどあります。
でも思いの外グッドスイマーであることも先刻承知。
見失わないようにしながらあぜ道をぐるりと回って反対側の岸へ到着して待ち伏せ。
かなり風が吹いていて水面が波打っているというのに、ほぼ真っすぐにこちらへ向かって来ます。
ケラ選手、10メートル自由形、5分というタイムでした。
ケラ (ケラ科)
おや、この子は水面上の壁に潜るのかなと・・
同上
いや、やはり水中からでした。
面白い観察ができました。ケラがいるということはあのゴミムシもいるでしょう。
公園の近くまで戻ってきましたが、結果的に他の虫にはまったく会えませんでした。
景色がよくても農薬を使われるとかくも静かな生態系になるということです。
しかし、公園の一番端の菖蒲田のような区画に差し掛かったとき、頭上を何かが行き過ぎました。
トンボだということは分かりました。ならばあの子でしょう。
ビオトープに行く前に会えました。
シオヤトンボ ♂ (トンボ科)
上の写真の子は未成熟の個体で、体色が黄色からオスらしい灰青色に変わりつつあります。
この子も未成熟ですが、雌雄の判定は・・メスかな・・
今年初なので、シオヤトンボ撮影会ということにし、区画内を何度も周回しながら他の子を探します。
ちょっと疲れて、公園からの排水路のコンクリートの擁壁に座っていると目の前に着陸してくれた子。
成熟したメスが「何してるの?」と話しかけてくれました。
同上 ♀
こうなったら成熟オスも撮ってコンプリートしたいところです。
ザリガニ釣りの家族連れがやって来たので、距離をとりつつのんびり探し続けるも見つからず。
あきらめてそろそろ撤収しようかと思ったとき、ついに登場しました、オトナのカップルが。
同上 ペア
忍び足で近づきながら撮っていると、ついに気取られて舞い上がってしまいました。
でもそのおかげでオスのワンショットも撮れました。(ジャマしてごめん)
同上 ♂
このあと帰り道にビオトープにも寄りましたが、シオヤトンボは観察できなかったのでよかった。
このフィールドにはまた来ようと思います。でもそのときは真っすぐ谷津田へ。
オマケ
今の時期は春の昆虫採集会であちこちへ遠征しているので、近場のフィールドにはまず行かない。
しかし、この翌日、運動不足解消のために近所の干潟へ散歩しに行きました。
そうしたら、普段は入れない木道が解放されていて、初めて入ることができました。(記名式でした)
いつもは見られない干潟を至近距離で眺めたあと、入口付近まで戻ってきたとき目の前の茂みに。
目が合ったので昨日のテントウムシの恩返しかと思いきや・・何もサービスはありませんでした。
ナミテントウ (テントウムシ科)
干潟も散歩やジョギングの訪問者が多くて早々にゴーホーム。
今日の湯加減
さあGW(ガマン・ウィーク)がはじまりましたが、2日連続で籠ると窒息してしまう。
ソロでツーリングしてきました。(いつもソロですが)
ボウソウは自粛中なので、北を目指しました。(北関東方面ですが)
ただ、ケガなどをしてムダな医療リソースを費やしてはいけないので、とにかく安全運転で。
コンビニでお弁当を買ったときと給油のとき以外は人と接近することもなく。
無事帰ってきましたが、記事にはしないかもと思うくらい収穫はほとんどありませんでした。
それにしてもこのところ毎日風が強い。午後になると一瞬バイクがふられるほどの突風が吹く。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
七星がなんとも愛らしい(^^♪
by 50oyaji (2020-05-02 21:02)
武蔵野は台地の上なので自然の水辺がありません。それでも団地の建て替えに乗じて雨水利用の人工池と三面張りだった排水溝みたいな川でビオトープ風に作り替えました。以来20数年、不思議なものです。誰もお連れしないのにアキアカネ、ノシメ、シオカラ、オオシオカラと種類が増え、数年前からはギンヤンマ、昨年はコシアキの産卵まで確認できました。いずれミヤマアカネが来てくれるとよいなあ、と夢を膨らませている高和です。
by 高和です。 (2020-05-02 22:12)
再度失礼します。
ウスチャコガネにコイチャコガネも!FWはさながらお茶のお稽古ですね。
by 高和です。 (2020-05-03 08:36)
こんばんは^^
最後の干潟はわたしの元近所のあのY干潟ですよね!
わたしも一度だけ入ったことがあります。
先日里山の小さな沢付近に多分オツネントンボがうじゃうじゃ!
同じくらいの大きさの美しい青いトンボも少しいました。
撮れたのでそのうちUPします~^^v
by よしころん (2020-05-03 22:00)
>50oyajiさん
おぼれているときはもっと愛らしかったです^^
>高和です。さん
武蔵野にもかつては田んぼがあり、溜池があったと思いますが、徹底的に開発されたのでしょうね。
少しでも環境が整えば、虫たちはやってくるでしょう。農薬なければ。
>よしころんさん
わかってくれると思っていました^^
たまたま解放されていてよかったですが、木道はもうボロボロでした。
トンボたち楽しみにしています♪
by ぜふ (2020-05-04 00:18)
水田のある風景ってやっぱりいいな。
ケラってビーバーみたいな巣があるのですね。
もっと陸上かと思いました。
by 響 (2020-05-04 13:44)
湿地や池のある風景、いいですねぇ。私も好きな感じです。
ウスチャとコイチャがいるんですね。あまりコガネムシ
らしからぬ形(私のイメージ)ですが、立派な触覚です。
これで5mmほどの大きさとは。
by sakamono (2020-05-07 23:11)
>響さん
チバはけっこう田舎です^^;
ケラの巣の入り口も水の中なのかもしれませんね。
>sakamonoさん
景色はとてもよいのですけど・・生物多様性に難が・・
ウスチャコガネの触覚は立派ですが1ミリくらいです^^
by ぜふ (2020-05-08 00:08)