"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
手すり観察 [探虫行]
ここ数年、定点観測的に冬季に一度は訪れる場所があります。
目的は決まっているのですが、まずはこの写真は何に見えるでしょうか。
(本編を見ていただければ分かります)
1月11日、目的の子はあまり朝早くからは活動しないはずなので、というイイワケをしまして。
起きてからのんびりと家の虫たちの世話をして、珈琲を一杯飲んでからベニシジミ号で出発しました。
目的地の公園はチバ市内で、HFよりも近いのです。
遅かったことが幸いし、ちょうどボランティアとおぼしき方々が作業を終えたところのようでした。
なので、休日とはいえ冬の園内はほぼ貸し切り状態。
観察のメイン会場は水路沿いの手すり(木柵)です。
林縁の坂を降り、水路に辿り着いて5秒で見つかりました。
この手すりを端から端までまさに虱潰しにチェックするのがこの日の探虫法。
この子たちはほぼ動かないので、いくらでも接写モデル撮影ができるのもうれしい。
しかし、いくら大きく撮影しても写真での同定が極めて困難なのが玉に瑕。
フユシャクのメスは翅が退化しているか、ほとんどなくなっていて飛びません。
”飛べない”のではなく、”飛ばない”と書いたのは、飛ぶためのコストを生殖能力に回したからです。
なので、”退化”という説明は当てはまらないともいえます。むしろ”進化”といってもいいかも。
ということで、メスは翅がない種が多いので同定ポイントも少ないのです。
ちなみに大きさはこのくらい。
翅がないとはいえ小さいです。
さて、スタート地点の手すりの端に移動すると、そこに違う子がいました。
それが扉の子。
ストライプ柄のリボンのような小さな翅が特徴。
カニ歩きするともう一頭。
ちなみに大きさは。
最初の子より一回り小さい。
その後、てすりローラーをしていきましたが、次々に計10頭近く見つかりました。
ただ、この子ばかりでしたが。
そしてこんな姿の子がいました。
完全に寸詰まりです。
おそらく産卵をしてお腹が縮んでしまい、フェロモン発散用のおしりのブラシもなくなったかのかと。
虱潰しにチェックしないと見過ごす大きさです。
こんなに多く一度に観察したことははじめてでした。
ただ、このあと広場や林内も巡回しましたが、この日は結局オスは1頭も現れませんでした。
それと、気になったのは、いつもはいくつか観察できるテントウムシが1頭も見られなかったこと。
まったくいないとちょっと不気味な気がしますので、できれば近々再訪したいです。
目的の子の観察は十分にできたということ自体は大変満足なことなのですが・・
他の子がまったく観察できないというのも稀なことです。
だからというわけではないですが、このあとラーメン新規開拓をしたあと、ここへ向かいました。
この日の催事はカミツキガメの紹介と地学系だったので入館はせずに生態園へ。
1時間ほど園内を巡りましたが、なんとここでも鳥以外の生き物は何も観察できずでした。
園内も結構荒れていました。
つまり、不完全燃焼感が増大してしまったので、HFまで足を延ばすことにしました。
着いたらハンノキ林にまっしぐら。
冬のハンノキ林はまさにワビサビの世界でもの悲しさしかないようですが・・
15分ほど探して、お目当てのものを見つけることができました。
大きさは約1ミリ。
これこそ虱潰しに見て行かないと見つけられません。
6月の再会を期してHFを後にしようとしたとき、林縁に寄せられた折れ枝の中にこんなものを。
模様は一つひとつ違いますが、どれも伝統工芸品のようです。
先日、ツシマカブリモドキのオスが☆になりました。
インセクトフェアでペアで購入し、ブリードチャレンジしていたのですが、早々にメスが☆に。
オスは元気に暮らしていたのですが、越冬はできませんでした。
男前同士でチバのマイマイとの最後のツーショットです。゜
メスと一緒に標本にしました。
今日の湯加減
目的は決まっているのですが、まずはこの写真は何に見えるでしょうか。
(本編を見ていただければ分かります)
1月11日、目的の子はあまり朝早くからは活動しないはずなので、というイイワケをしまして。
起きてからのんびりと家の虫たちの世話をして、珈琲を一杯飲んでからベニシジミ号で出発しました。
目的地の公園はチバ市内で、HFよりも近いのです。
遅かったことが幸いし、ちょうどボランティアとおぼしき方々が作業を終えたところのようでした。
なので、休日とはいえ冬の園内はほぼ貸し切り状態。
観察のメイン会場は水路沿いの手すり(木柵)です。
林縁の坂を降り、水路に辿り着いて5秒で見つかりました。
この手すりを端から端までまさに虱潰しにチェックするのがこの日の探虫法。
この子たちはほぼ動かないので、いくらでも接写モデル撮影ができるのもうれしい。
しかし、いくら大きく撮影しても写真での同定が極めて困難なのが玉に瑕。
ウスバフユシャク ? ♀(シャクガ科)
フユシャクのメスは翅が退化しているか、ほとんどなくなっていて飛びません。
”飛べない”のではなく、”飛ばない”と書いたのは、飛ぶためのコストを生殖能力に回したからです。
なので、”退化”という説明は当てはまらないともいえます。むしろ”進化”といってもいいかも。
ということで、メスは翅がない種が多いので同定ポイントも少ないのです。
同上(同一個体)
ちなみに大きさはこのくらい。
翅がないとはいえ小さいです。
さて、スタート地点の手すりの端に移動すると、そこに違う子がいました。
それが扉の子。
ストライプ柄のリボンのような小さな翅が特徴。
クロスジフユエダシャク ♀ (シャクガ科)
カニ歩きするともう一頭。
ちなみに大きさは。
最初の子より一回り小さい。
その後、てすりローラーをしていきましたが、次々に計10頭近く見つかりました。
ただ、この子ばかりでしたが。
ウスバフユシャク ? (フユシャク科)
そしてこんな姿の子がいました。
完全に寸詰まりです。
おそらく産卵をしてお腹が縮んでしまい、フェロモン発散用のおしりのブラシもなくなったかのかと。
虱潰しにチェックしないと見過ごす大きさです。
こんなに多く一度に観察したことははじめてでした。
ただ、このあと広場や林内も巡回しましたが、この日は結局オスは1頭も現れませんでした。
それと、気になったのは、いつもはいくつか観察できるテントウムシが1頭も見られなかったこと。
まったくいないとちょっと不気味な気がしますので、できれば近々再訪したいです。
目的の子の観察は十分にできたということ自体は大変満足なことなのですが・・
他の子がまったく観察できないというのも稀なことです。
だからというわけではないですが、このあとラーメン新規開拓をしたあと、ここへ向かいました。
千葉県立中央博物館
この日の催事はカミツキガメの紹介と地学系だったので入館はせずに生態園へ。
1時間ほど園内を巡りましたが、なんとここでも鳥以外の生き物は何も観察できずでした。
園内も結構荒れていました。
つまり、不完全燃焼感が増大してしまったので、HFまで足を延ばすことにしました。
着いたらハンノキ林にまっしぐら。
冬のハンノキ林はまさにワビサビの世界でもの悲しさしかないようですが・・
15分ほど探して、お目当てのものを見つけることができました。
ミドリシジミの卵
大きさは約1ミリ。
これこそ虱潰しに見て行かないと見つけられません。
6月の再会を期してHFを後にしようとしたとき、林縁に寄せられた折れ枝の中にこんなものを。
イラガの繭
模様は一つひとつ違いますが、どれも伝統工芸品のようです。
オマケ
先日、ツシマカブリモドキのオスが☆になりました。
インセクトフェアでペアで購入し、ブリードチャレンジしていたのですが、早々にメスが☆に。
オスは元気に暮らしていたのですが、越冬はできませんでした。
男前同士でチバのマイマイとの最後のツーショットです。゜
メスと一緒に標本にしました。
今日の湯加減
冬至はとっくに過ぎ、大寒も過ぎましたが、通常なら冬のど真ん中のはず。
たしかに体感する気候は秋でも春でもない。
でも、冬でもないと感じるのは気のせいか。
だからというわけではないですが、今日もボウソウしてきました。
陽射しがほとんどなかったので暖かいと感じるほどではなかったですが、けっして寒くはない。
20℃を超えた大みそかの帰り道の寒さと比べたら雲泥の差でした。
今年の夏が去年にもまして猛暑になるのでは、台風が多発するのではと、つい心配してしまいます。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
イラガの繭の綺麗さにビックリです。
ほんと、伝統工芸品みたい!!
by リュカ (2020-01-28 12:57)
シャクガもウールのコートですね。しゃれてます。小生、ガはとある事件がトラウマで「ギャ」なのですが(基本的に触れない)、近さんはじめ皆様方のおかげでだいぶん近づけるようになりました(笑)。飛ぶための装備まで放棄するとは、大した進化ですね。当然摂食機能も、なんでしょうね。なんという選択!
by 高和です。 (2020-01-28 16:46)
1円玉が置かれていて、大きさがよく分かりました^^;。
イラガの繭は工芸品みたいだし、赤と青の、マイマイのツーショット、
キレイですねー。
by sakamono (2020-01-30 22:43)
これは手摺も侮れないです。
イラガの卵は特徴があるのでわかるけどほかのは難しい。
by 響 (2020-01-31 09:50)
イラガの繭、色々な模様見てみたいなぁ。
見つけたらまたお願いします^^
>非日常と日常が逆転していくのですね。
なるほど、意識していませんでしたが仰るとおりかもしれません。
今日は久しぶりに日中も氷点下の1日だったのですが、キンと冷えた空気が気持ちよく感じてました^^;
by よしころん (2020-01-31 20:49)
>リュカさん
いつみても職人技としか思えません。
意匠がありますよね^^
>高和さん
摂食もできないのですから究極のトレードオフですね。
しかし美しさは棄てなかった・・
>sakamonoさん
この大きさだから低温でも活動できるのだと思います。
マイマイたちの色と形も負けず劣らずに工芸品のようですよね♪
>響さん
ぜひ探索してみてください。
てすりの虫ハンドブックという図鑑もあるくらいです^^
>よしころんさん
まさにコレクションになるなと思いました^^(写真だけでも)
真冬日も日常ですかね・・寒がりなのでムリです^^;
by ぜふ (2020-02-01 00:18)