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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

ボウソウパトロール 2019秋 [探虫行]

2019年は3連休がとても多い。(正月とGWを除いても8回ある)

11月4日も振替休日で3連休の最終日。

天気も良さそうだったのでベニシジミ号でボウソウしようと数日前から決めていました。

さてどこへ行くか。

例によってGoogleMapとしばしにらめっこ。

そういえば内房方面にしばらく行ってないなぁと気が付いたので、大まかには内房方面に決定。

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いつものように出がけにもぞもぞしているうちに8時になってしまったので高速でバビューン。

天気はいいものの、前夜の雨で路面が濡れているところが多い。

高速道路とはいえ制限時速より少し遅いスピードでのんびり進行。

骨折してからというもの、濡れている舗装路面に恐怖を感じる体になってしまったので、比較的乾いている車線の真ん中をトレースしていきます。

それでもずっと空いていたので1時間余りで富津金谷ICに到着。

ここから目指すは、裏ノコギリ山。(勝手にそう呼んでいるが要するに鋸山の裏側)

ほぼ廃道ともいえる山道に入ると折れた枝や瓦礫などが路面に散乱していますが走行は問題なし。

それよりも前日の雨でドロドロにぬかるんでいたらどうしようと心配していたけどそれもなし。
(房総方面は降らなかったのかもしれない)

トコトコとしばらく登っていき、裏ノコギリの峠までやってきました。

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倒木が一本寝ていてちょっと通りづらかったので、一旦ベニシジミ号をとめて歩いてみることに。

登ってきたオフローダーのグループが通り過ぎていくのを見送って、ぽつぽつと進みます。

そういえばこの辺りは両側の視界が悪いのでバイクで素通りするばかりでした。

ところが歩いてみると、藪の向こうに景色が広がっていることに気が付きました。

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山の上にこんな広い草原があるとは知りませんでした。(バッタがいっぱいいそう)

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こちらからのアプローチはないようですが、地図を見ると北側から入れるかもしれない。

それはまた今度の課題として、何かいないかなとコンチューターの感度を最大に。

最大にしなくてもこの子たちは群れていたのですぐ気が付きました。

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ヤマトシジミ (シジミチョウ科)


さすがにこの時期、しかも何度も訪れた台風で、みんな翅が傷み、自慢の青い鱗粉もはがれています。

でも、峠の路面は日当たりが良く、カタバミも生えているので、彼らの溜まり場なのでしょう。

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同上


オス同士は元気にバトルもしていました。

シジミたちと遊んだり、ちょっと仕込みなどをしていると、件のオフローダーたちが戻ってきました。

呼び止めるのは迷惑なのでやめましたが、おそらくこの先は崖崩れか何かで通れなかったのでしょう。

富津市や鋸南町はメディアでも伝えられたとおり、暴風による被害が甚大だったので想像に難くない。

となればノコギリ山の外縁一周は断念。

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R127へ出て、内房の海沿いを南下します。

保田から安房勝山あたりの住宅はブルーシート屋根が目立ちました。

岩井から鴨川富山線へ左折。途中ショートカットして南シイタケ街道へ。
(個人的区分ですがK88号線、通称シイタケ街道は大きく北と中と南の3エリアに分かれています)

南房総市の田園地帯をしばらく南下すると、道の駅三芳村「鄙の里」が見えてきました。
(その手前を曲がる予定だったので見えないはずだったのに・・)

バイカーにも人気のあるビンゴバーガーという名物店の看板に心が揺らぎましたがなんとかスルー。

その先を東へ向かい、安房グリーンラインに入ったところで緊急停止。

台風のあと、ボウソウでは道路脇の看板が倒れているのは珍しくもない光景ですがこの物件は大きい。

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この辺りはかなり広い平らな土地で、見渡す限り田畑が広がっています。

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さて、ナビには大体の地点を設定していたのですが、そろそろ目的地のはず。

スマホでマップを開きポイントを確認すると・・ちょっと行き過ぎていました。

Uターンしてグリーンラインを少し北へ戻り、野生の勘で細い農道を左折して着いたところがここ。

ほぼ同じ景色。

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でも目的地はまさにここだったのです。

何の目的地か・・それは当然、ある虫の採集ポイント(と教えてもらった場所)。

しかし、周辺を偵察するも、その虫が採れそうな様子ではない。

護岸されていない小川もあるのですが、土手にシカ柵が張り巡らされていて近づけず。

がっかりしているとラテアートちゃんが慰めてくれました。

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ウラナミシジミ (シジミチョウ科)


南房総はこの子も越冬できる場所。このままここで暮らしてくれることを祈ります。

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せっかく南房総まで来たので、少し範囲を拡大してパトロールをしてみることに。

本当のポイントはグリーンラインの反対かもしれないと、まずは東側に突入してみました。

するといきなりこんな場所に。

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蓮田だと思います。

もうすべて枯れていますが、水生昆虫がいないかと水面を眺めながら池の畔をしばし散策。

訳あってハチスは大の苦手なのですが、逆光でよく見えなかったので撮ることができました。

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畔で撮影していると、田んぼの方から何かが地面すれすれに飛んできました。

センチコガネでした。

目で追っていると、なんと蓮田の中の枯草の上に着地したので、目線をロックしたまま網をまさぐる。

しかし、網を振ろうとした瞬間、再び舞い上がり、また田んぼの方へ飛び去ってしまいました。

畦道にはコバネイナゴたちがぴょんぴょん飛んでいますが、ここでクイズです。

何がいるでしょう。(簡単ですね)

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答えはあとにしましょう。

他に撮るものがなかったと言うわけではない(とも言えない)ですがこの子を再掲。

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オンブバッタ ペア (バッタ科)


小さい頃、よく遊んでもらった友達のような虫だったことを、畦にうんこ座りしながら思い出しました。

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センチコガネが消えた田んぼの向こうに林縁が見えるのでそこまで行ってみることに。

そのとき、田んぼ脇の道路に立っているコンクリートの電柱に何かがとりすがっていました。

それが扉のハチだったのです。

分蜂して営巣場所を探している女王様ではないかと思います。

そこは適当ではないよと声をかけたのですが・・

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「さっきから何を見てんのよ」と睨まれたので退散しました。

結局、林縁でも収穫がなかったのですが、唯一この子を観察できました。

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アオイトトンボ (アオイトトンボ科)


何故かマクロモードでのAFのピントがどうしても合わず、MF切替えに手間取っている間にロスト。

証拠写真しか撮れませんでしたが、そういえば今年、トンボの写真が少ないなぁと気が付きました。

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お昼も過ぎてお腹が空いてきたので再出発。

GoogleMapで近辺のお店を探すと、「かくれが」という名前のラーメン屋さんを発見しました。

ネットに出してしまうと隠れ家でも何でもないとは思いつつも近くだったので行ってみることに。

途中こんな神社というか大杉を発見。

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確かにお店は街道に面していなくて分かりづらいところではありました。

しかも駐車場はほぼ満杯。人気店ではあるようです。

その駐車場で何故かバンクシーも発見。ラーメンとの関係や狙いは不明。

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30分ほど待ってようやくありつけたのは、全部乗せ?のまぜそば。

まぜそばでも醤油・塩・味噌の味付けを選ぶことができたので迷わず塩を注文。

その他にも麺の固さ、味の濃さ、脂の量を調整可能でした。

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前足まぜそば 1250円


しかし、まぜそばなのに混ぜられないボリューム。煮卵まで入っているし。

しかも、サービスでミニライスが出されて麺を食べ終わったあとのスープに入れて食べろとか。

予期せぬフードバトルとなってしまいました。

scarabe.gif


さすがにまだ陽は高いので、ちょっとだけ開拓をしてみようと少し南にある大きな池を目指しました。

”大正池”という名前に惹かれたのですが、アプローチの先は怪しい企業の敷地で立ち入り禁止。

池へと下る支道も悉く立ち入り禁止の看板と監視カメラが設置されているという怪しさ。

結局、水辺にさえ行くことができない。いや、池の様子を遠望することもできませんでした。

こんな辺鄙な土地にそんな閉鎖エリアがあるのは不可解ですが、私有地化されているなら仕方ない。

ならばと帰り道がてらグリーンライン方面の別の池を目指しました。

しかし今度は台風が作ったバリケードに阻まれました。

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もう悪あがきはよすことにして帰路につきます。裏ノコギリに仕込んだものに期待して。

南シイタケを北上し、K258を経由してR127に出て一目散。1時間ほどで仕込みポイントに到着。

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また別のオフローダーが通り過ぎていきました。

さあ成果やいかにと期待していたのですが・・

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みごとに全敗でした。

唯一の成果がこの子。

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トラップに入っていたわけではなく、倒木の下の落ち葉の中にいたのをコンチューターが見つけました。

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オオクロツヤヒラタゴミムシ (オサムシ科)


体長約15ミリ。ヒサゴの形をした胴体と写真では分かりづらいですが虹色のツヤが特徴。

この子のおかげで本当に帰路につく決心ができました。

あ、クイズの答えを忘れてた。

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ショウリョウバッタ ♂ (バッタ科)





オマケ


一昨日、「地球永住計画公開対談 賢者に訊く」と題したイベントへ行ってきました。

”グレートジャーニー”でお馴染みの関野吉晴さんと麻布大学の高槻成紀先生と、そして生物画家の舘野鴻さんの鼎談でした。

場所は武蔵野美術大学の三鷹ルーム。

チバからは1時間半ほどかかりますが行った甲斐がありました。

予定時間をオーバーする2時間20分があっという間に感じた楽しい話ばかり。

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舘野さんの新作「がろあむし」は来年10月頃発刊の予定だそうです。




今日の湯加減

探虫行とはならず、またもやツーリング日記となってしまいました。
ある程度これからのオサホリに向けての下見もできたのでよかったかもしれませんが。
それにしても鋸南町から南の被害が大きかったことがあらためて分かりました。
オサムシたちは無事土に潜ったでしょうか。
そういえばチバも朝晩は涼しいを越えて寒くなってきました。ストーブを出そうかと毎日迷います。
ところで「地球永住計画」はほんとに面白かった。
いつもながらですが、舘野さんのプレゼン資料を駆使した軽妙なトークは楽しかった。
過去の作品の裏話はもちろん、現在進行中の取材の状況も惜しげもなく披露してくれるし。
実は個人的にも交流があるのですが、いつも掛け値なしに面白い人なんです。


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来月ライブ見に行きます


nice!(18)  コメント(4) 
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コメント 4

響

山の上の草原は発見でしたね。
山の名前も面白い。
by (2019-11-12 18:35) 

sakamono

こんなデカい看板が根こそぎ...やっぱりすごい風だったんですね。
女王蜂がこちらを威嚇している写真、すごい。コワイ^^;。
by sakamono (2019-11-14 22:25) 

ぜふ

>響さん
GoogleMapで見ればすぐ気が付くんですけどね^^;
のこぎりやまはチバ県民の霊峰です。

>sakamonoさん
これは最大級でしたね。山の倒木も多いです。
女王蜂さんは本気でした^^;
by ぜふ (2019-11-14 23:40) 

hirokou

ツーレポ+虫 見ごたえありです!
いよいよ寒さが堪える季節ですが、凍結には気を付けてレポお願いします(^^♪
by hirokou (2019-11-27 18:41) 

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