"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
風神と雨神 [自然]
台風15号"Faxai"で大変な被害にあったボウソウ、台風19号"HAGIBIS"の進路が大変心配でしたが、
想像を超えて関東東北各地に甚大な被害が発生し、被災された方へ謹んでお見舞い申し上げます。
チバでも被害が拡大しましたが、関東各県の中で唯一チバだけ大雨特別警報が発令されませんでした。
何か見えない力が働いたような気がします。
それでも、どうしても自らの目で様子を確認したくてボウソウしてきました。
この子の紹介はするまでもないと思いますが、エピソードについては後ほど。
10月14日、体育の日のチバの天気予報は曇り時々雨。降水確率40%でした。
確かめたい衝動に駆られ、いつになく高速に乗って一路南へ。
出発時点では薄曇りだった空は見る見るうちに怪しい雲行きに変わります。
これはまずいと市原PAにピットインしました。
高速は基本的に使わないし、ずいぶん久しぶりでしたが、いつの間にかこんなにオシャレなPAに。
オートバイ用の駐車スペースに飛び込んだ途端、コンチューターが反応しました。
タイヤの先に何かいます。
ゴミにしか見えませんか?
それはある意味あっていますが・・
カッパを着るのに気持ちが急いていたこともあったのか採集しませんでした。(ちょっと後悔)
カッパライダーになって本線に入るとすぐ雨が降ってきました。しかも本気降り。
予定ではまず富津竹岡まで行って、そこから山へアプローチするつもりでしたが、方針変更することに。
(雨でテンションが下がったというのが本音)
ということで木更津南で降りて一路カモガワへ。
(あとで気が付きましたがカモガワに行くなら君津ICで降りる方がよかったかも)
君津鴨川線を経由して房総スカイラインに乗り、鴨川無料道路でカモガワに入りました。
そして某ダム湖へたどり着いたのですが、入口の橋が通行止めに。
ベニシジミ号をとめて徒歩で橋を渡り、フィールドへ突入しました。
幸い雨はほぼ上がっていましたが、いつまた降り出してもおかしくないのでヘルメットを被ったまま。
ダム湖沿いの道は問題なく通行できはするものの、コンチューターはまったく反応せず。
しばらく進むと一つ目の隧道に。
まるでファイバースコープで腸内を見ているようです。
カメラのライトで足元を確かめながら進んでいきます。
探し物ではなかったですが、出口の壁面に見つけました。
この子たちは風雨に強いでしょう。
近所やマイフィールドではなかなか見つからないのでお連れしました。(エサとして)
台風の爪跡は其処此処にありました。
これはおそらく風神の仕業でしょう。
二つ目は短い隧道ですがこれも手掘りでしょう。
そこを抜けると意外な光景が。
小型のユンボが2台。
これはどうやらこの場所からダム湖面へ下る道の整備をするためのようでした。
どう考えてももっと優先度が高い復旧すべき場所がいくらでもある気がします。
やや不条理な光景とはいえこれも現実と認識しつつさらにダム湖の奥へ。
そして三つ目の隧道。
いつも冠水している隧道の中に水がなさそうだったので突入してみることにしました。
真っ暗な中を半ばまで進むと何かの気配を感じました。
かすかな羽音と鳴き声の主は・・
コウモリたちでした。(種類は不明)
あまり興奮させてもいけないと思い、静かに退散することに。
いずれにしてもこの先は道がふさがっているので、だいたいこの隧道の手前で引き返すのです。
帰り道、目の前を横切る小さな影にコンチューターの針が振り切れました。
飛んでいく行方に目を凝らしていると、数メートル先の梢にとまったように見えました。
そろりと近づき、見上げて目を凝らすと・・いました。
止まっている梢がちょっと高いのと周りの枝葉のせいでこのアングルでしか撮れませんでした。
一応捕虫網も持ってはいたのですが、そのままその場を去りました。
風神と雨神の猛威に耐え、サバイブしていてくれたことに胸をなでおろしたのは言うまでもないこと。
このあとうれしいことにアサギマダラにも会いました。
ところが見つけて後を追おうとした時、なんと軽の作業車両が通りがかって散らされてしまいました。
がっくりうなだれていると足元の小さな花が目に止まりました。
数本あったので別の株で待ち伏せしました。
ちょうどお昼になったのでダム湖を後にして目指すはまんぼう。
まだ屋根の修理は完全には終わっていないということでしたが元気に営業していました。
今回もおまかせで出てきた一杯は・・
担担麺用のラー油タレで炒めたネギが雨で冷えた体にしみます。
さっぱり醤油ベースなのでスープも完飲。
持参した昆虫知育ブックを店に置かせて頂いたのですが、本代だと言って自家製のお米をもらいました。
たまたま他の客がいなかったのでしばらくマスターとおしゃべりしつつ、靴が乾いたところで出発。
店にいるときには一瞬陽も射したのですが、出発して間もなくまた雨が降りだしました。
それでも往路で行く予定だった未踏のフィールドの様子を見に行こうと、保田方面を目指して西へ。
しかし、K182もみじロードに入るつもりがうっかりK88を曲がってしまいました。
路上には細かい枯れ枝が散らばっているし、雨は降り止まない。
気が付くと戸面原ダム。収獲もないだろうから、もうこのまま北上して帰ろうかとも思いました。
それでもどういう訳か心が折れることはなく、目的地へ向けて北側の上総湊からアプローチ。
里山の部落を過ぎて山道に差し掛かるところまで行ってみました。
しかし、このハードそうな道に突入するパワーは残っていませんでした。
様子はわかったので、またいつか出直そうと思います。
ところでこの数日前。
チバ市沿岸のとある海浜公園に白砂がまかれてリニューアルオープンしたというので行ってみました。
たしかに白浜になっていますが、だからこそとても心配でした。
ちょっと掘ってみると、すぐに黒い砂が現れるところもありました。
全域がこういう状態ではないのですが、心配なのはそういうことではなく。
何回もここへ採集にきた、あのゴミムシがいるのかどうか。
数年前は1時間も探索すれば1ダースくらいは見つかったのですが・・まったくいません。
この子はいました。
クワガタではありません。
1時間ほど試掘しましたがとうとう一匹も見つけられませんでした。
住処となる木切れなどの漂着物も少なく、エサとなるトビムシもほとんどいなかったのでおそらくこの浜のヒョウタンゴミムシは絶滅してしまったと思われます。
上っ面だけ白い砂で覆っても、それこそ台風や波で数年もすれば黒い地肌が現れてくるでしょう。
でも絶滅してしまった昆虫はもう帰ってきません。
やるせない思いで歩く帰り道、涼しくなって山から降りてきたこの子たちに慰めてもらいました。
赤トンボはオスばかりが目につきますが、メスもちゃんと一緒に降りてきています。
虫たちにとって、風神、雨神による攪乱も大変ですが、やはり一番の敵はニンゲンでしょうね。
うちの赤い子たちも元気です。
いつも癒してもらっています。
今日の湯加減
想像を超えて関東東北各地に甚大な被害が発生し、被災された方へ謹んでお見舞い申し上げます。
チバでも被害が拡大しましたが、関東各県の中で唯一チバだけ大雨特別警報が発令されませんでした。
何か見えない力が働いたような気がします。
それでも、どうしても自らの目で様子を確認したくてボウソウしてきました。
アキアカネ (トンボ科)
この子の紹介はするまでもないと思いますが、エピソードについては後ほど。
10月14日、体育の日のチバの天気予報は曇り時々雨。降水確率40%でした。
確かめたい衝動に駆られ、いつになく高速に乗って一路南へ。
出発時点では薄曇りだった空は見る見るうちに怪しい雲行きに変わります。
これはまずいと市原PAにピットインしました。
高速は基本的に使わないし、ずいぶん久しぶりでしたが、いつの間にかこんなにオシャレなPAに。
オートバイ用の駐車スペースに飛び込んだ途端、コンチューターが反応しました。
タイヤの先に何かいます。
ゴミにしか見えませんか?
それはある意味あっていますが・・
ルリゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
カッパを着るのに気持ちが急いていたこともあったのか採集しませんでした。(ちょっと後悔)
カッパライダーになって本線に入るとすぐ雨が降ってきました。しかも本気降り。
予定ではまず富津竹岡まで行って、そこから山へアプローチするつもりでしたが、方針変更することに。
(雨でテンションが下がったというのが本音)
ということで木更津南で降りて一路カモガワへ。
(あとで気が付きましたがカモガワに行くなら君津ICで降りる方がよかったかも)
君津鴨川線を経由して房総スカイラインに乗り、鴨川無料道路でカモガワに入りました。
そして某ダム湖へたどり着いたのですが、入口の橋が通行止めに。
ベニシジミ号をとめて徒歩で橋を渡り、フィールドへ突入しました。
幸い雨はほぼ上がっていましたが、いつまた降り出してもおかしくないのでヘルメットを被ったまま。
ダム湖沿いの道は問題なく通行できはするものの、コンチューターはまったく反応せず。
しばらく進むと一つ目の隧道に。
まるでファイバースコープで腸内を見ているようです。
カメラのライトで足元を確かめながら進んでいきます。
探し物ではなかったですが、出口の壁面に見つけました。
この子たちは風雨に強いでしょう。
近所やマイフィールドではなかなか見つからないのでお連れしました。(エサとして)
台風の爪跡は其処此処にありました。
これはおそらく風神の仕業でしょう。
二つ目は短い隧道ですがこれも手掘りでしょう。
そこを抜けると意外な光景が。
小型のユンボが2台。
これはどうやらこの場所からダム湖面へ下る道の整備をするためのようでした。
どう考えてももっと優先度が高い復旧すべき場所がいくらでもある気がします。
やや不条理な光景とはいえこれも現実と認識しつつさらにダム湖の奥へ。
そして三つ目の隧道。
いつも冠水している隧道の中に水がなさそうだったので突入してみることにしました。
真っ暗な中を半ばまで進むと何かの気配を感じました。
かすかな羽音と鳴き声の主は・・
コウモリたちでした。(種類は不明)
あまり興奮させてもいけないと思い、静かに退散することに。
いずれにしてもこの先は道がふさがっているので、だいたいこの隧道の手前で引き返すのです。
帰り道、目の前を横切る小さな影にコンチューターの針が振り切れました。
飛んでいく行方に目を凝らしていると、数メートル先の梢にとまったように見えました。
そろりと近づき、見上げて目を凝らすと・・いました。
ハンミョウ (オサムシ科)
止まっている梢がちょっと高いのと周りの枝葉のせいでこのアングルでしか撮れませんでした。
一応捕虫網も持ってはいたのですが、そのままその場を去りました。
風神と雨神の猛威に耐え、サバイブしていてくれたことに胸をなでおろしたのは言うまでもないこと。
このあとうれしいことにアサギマダラにも会いました。
ところが見つけて後を追おうとした時、なんと軽の作業車両が通りがかって散らされてしまいました。
がっくりうなだれていると足元の小さな花が目に止まりました。
キツネノマゴ
数本あったので別の株で待ち伏せしました。
ヒメハラナガツチバチ (ツチバチ科)
ちょうどお昼になったのでダム湖を後にして目指すはまんぼう。
まだ屋根の修理は完全には終わっていないということでしたが元気に営業していました。
今回もおまかせで出てきた一杯は・・
ピリ辛ねぎラーメン
担担麺用のラー油タレで炒めたネギが雨で冷えた体にしみます。
さっぱり醤油ベースなのでスープも完飲。
持参した昆虫知育ブックを店に置かせて頂いたのですが、本代だと言って自家製のお米をもらいました。
たまたま他の客がいなかったのでしばらくマスターとおしゃべりしつつ、靴が乾いたところで出発。
店にいるときには一瞬陽も射したのですが、出発して間もなくまた雨が降りだしました。
それでも往路で行く予定だった未踏のフィールドの様子を見に行こうと、保田方面を目指して西へ。
しかし、K182もみじロードに入るつもりがうっかりK88を曲がってしまいました。
路上には細かい枯れ枝が散らばっているし、雨は降り止まない。
気が付くと戸面原ダム。収獲もないだろうから、もうこのまま北上して帰ろうかとも思いました。
それでもどういう訳か心が折れることはなく、目的地へ向けて北側の上総湊からアプローチ。
里山の部落を過ぎて山道に差し掛かるところまで行ってみました。
しかし、このハードそうな道に突入するパワーは残っていませんでした。
様子はわかったので、またいつか出直そうと思います。
ところでこの数日前。
チバ市沿岸のとある海浜公園に白砂がまかれてリニューアルオープンしたというので行ってみました。
たしかに白浜になっていますが、だからこそとても心配でした。
ちょっと掘ってみると、すぐに黒い砂が現れるところもありました。
全域がこういう状態ではないのですが、心配なのはそういうことではなく。
何回もここへ採集にきた、あのゴミムシがいるのかどうか。
数年前は1時間も探索すれば1ダースくらいは見つかったのですが・・まったくいません。
この子はいました。
クワガタではありません。
オオハサミムシ(ハサミムシ科)
1時間ほど試掘しましたがとうとう一匹も見つけられませんでした。
住処となる木切れなどの漂着物も少なく、エサとなるトビムシもほとんどいなかったのでおそらくこの浜のヒョウタンゴミムシは絶滅してしまったと思われます。
ヒョウタンゴミムシ (2017.9.21 同所にて)
上っ面だけ白い砂で覆っても、それこそ台風や波で数年もすれば黒い地肌が現れてくるでしょう。
でも絶滅してしまった昆虫はもう帰ってきません。
やるせない思いで歩く帰り道、涼しくなって山から降りてきたこの子たちに慰めてもらいました。
アキアカネ ♂ (トンボ科)
赤トンボはオスばかりが目につきますが、メスもちゃんと一緒に降りてきています。
同上 ♀
虫たちにとって、風神、雨神による攪乱も大変ですが、やはり一番の敵はニンゲンでしょうね。
オマケ
うちの赤い子たちも元気です。
アカハライモリ
いつも癒してもらっています。
今日の湯加減
近所でも金木犀の芳香が漂い、ピーツー♪というシジュウカラの声が聞こえ始めました。
それにしても急に秋めいてきたというより、むしろ肌寒くなってきたチバです。
年々秋と春は短くなる一方のような気がしますが、昨日また台風が発生もしている。
ある気象解説者によると、将来の台風の進路は少しずつ東にずれていきそうだとか。
関東(東京)が台風銀座になってしまうなんてシャレにもなりません。
とにかくニホンというのは災害列島だとつくづく思います。
自然環境保全という意味でも、もっともっとマクロな目線で防災意識を高めねば。
2019-10-19 19:00
nice!(17)
コメント(6)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんにちは^^
同じ千葉でも我が家はほとんど15号も19号も影響を受けませんでしたので、被害の状況は新聞報道でしか知らなかったですが、かなりまだひどい状況のようですね。
今後はこれを教訓に、インフラ整備が必要と言うことですよね。
いつまでも想定外と言うわけには行きません。行政のみならず個人個人も自分の身を守らないと。
by mimimomo (2019-10-21 10:26)
お祝いコメントありがとうございました♪
「昆虫知育ブック」孫用に山の家に置かせて頂きました。
ぜふさんのお写真は「トンボ」「オサムシ」「ハンミョウ」これかな、これかなと拝見しています。いつの日かサインよろしくお願いします^_^
by よしころん (2019-10-22 14:47)
わ!コウモリ!飛んでる様子はうちの近くでもよく見やすが、とまってるところはめったにお目にかかれないでやす。
一瞬、なんだか判らない黒い塊でやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2019-10-24 21:06)
雨の日のバイクはつらいですよね。昔々、学生の頃にバイクに
乗っていたので分かります(ホンダのXLです^^;)。
そういう時は、暖かい缶コーヒーとかラーメンがうれしい。
砂浜に白い砂をまいたのですか? なんか、冗談みたいな
話に聞こえてしまいます...。
by sakamono (2019-10-24 22:11)
房総らしい隧道がいっぱいですね。
ぜったいカマドウマが出ると思ったら出なかった。
しかし歩道のゴミ虫に気付くなって凄い。
by 響 (2019-10-25 13:23)
>mimimomoさん
被害がなくてなによりでした。
”想定外”というのは都合のいいイイワケですね。
”経験したことのない”という言い方をしているのと矛盾してます。
>よしころんさん
なんと!ありがとうございました!
お察しのとおりこのブログで紹介した写真も何枚か^^
ほんとによくお判りですね。さすがです♪
>ぼんぼちぼちぼちさん
夏の夕暮れのコウモリは風物詩の印象です。
ご近所のコウモリはどこをねぐらにしているのでしょうか・・
>sakamonoさん
XLは名車ですね♪ いいバイクです。
今回の一杯もしみました^^
白浜は冗談というか・・虫にとってはシャレになっていません。
>響さん
やっぱり手掘りの隧道はいいですよね^^
カマドウマもいたかもしれませんが・・暗くてわからず^^;
あ、ゴミムシではなく、ゴミムシダマシです、念のため。
by ぜふ (2019-10-25 21:08)