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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

シズオカの宿題 [探虫行]

ここだけの話ですが、先日、仕事に託けて探虫をしました。

シズオカで。

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ジョウカイボン (ジョウカイボン科)


決して探虫に託けて出張したわけではありませんし、仕事を蔑ろにしたわけでもありません。

仕事の目的が果たせることを前提に、かなり早起きして自由時間を捻出し、その時間内で探虫しました。

6月6日、振り返ればその前後は雨だったという幸運に恵まれた日。

朝8時に静岡駅で待ち合わせて、直接フィールドへ向かって路線バスでまっしぐら。

この町はバスの交通網が発展しているのか、通勤・通学時間帯とはいえ、ターミナルはバスだらけ。

新潟駅も数珠つなぎのようにひっきりなしにバスが発着するところでしたがそれをはるかに凌ぐほど。

しかも乗った路線バスの車両は空港行のようなリムジン。

目指す山への行程は大型車が離合できないような狭くて曲がりくねった道路なのに。

通学で使う学生も何人か乗車していましたが、山道に差し掛かるころには皆下車して社内はまばら。

それでもリムジンバスはくねくね道を対向車を気にしながらゆっくりと登っていきました。

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やがて終点の山頂に着くも、せっかくだからと観光客気分でこんなものに乗ってみることに。

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キーワード検索でヒットしないように地名は書きませんがかなり有名な観光名所です。

ロープウェイはすぐに引き返してきて、いよいよ探虫開始。

山頂の駐車場の縁にいたのは大きめのハムシ。

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ヨモギハムシ (ハムシ科)


食事中というのがよくわかる図でした。

銅金色タイプと青黒色タイプがいるのですが、たまたま同じ草にいてくれました。

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同上 青黒色タイプ


初訪問地の初採集虫なので記念にお持ち帰り。(二人ともまだ生きています)

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さて、ここからは徒歩で山を下って行きます。

ただ散策路がないため、中腹まではバスで登ってきた道路を歩きました。

目的地に着くまでは時間を使いたくないので、登ってくる車に気を付けながらひたすら下る。

それでもこんな虫は見逃しません。

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ナナフシモドキ (ナナフシ科)


葉っぱに擬態しているというか、”木”という文字に擬態しているようにも・・

お食事中は”木”ではなくなります。

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同上


自然下の無防備な食事シーンはめずらしいです。

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1時間ほど歩き、ついに目的地の森に辿り着きました。

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ちょうど、これからのピクニックシーズンに向けてでしょうか、草刈りなど整備作業をしていました。

広大な森なのですが、今回のメインステージは実は公園の外。麓側の出口の先の林道なのです。

ただ、園内も少し探索しようということで、カブトムシの森と表示されているエリアへ。

さすがにまだカブトムシに会える時期ではないのですが、何かいないかと・・

ここでもカマキリの若虫が其処此処にいました。

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カマキリの幼虫


太いカラスザンショウの木には旬の虫。

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カノコガ (ヒトリガ科)


この蛾もこれから旬といえば旬・・今は幼虫の季節ですが、この子はジャンボくんでした。

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マイマイガの幼虫


7センチくらいあってびっくりでしたが、公園の出口に向かっている途中、もっとジャンボくんが。

桜の木の幹にいるのが道の反対側からわかりました。

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カレハガの幼虫


なんと9センチくらい。

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そして公園の出口、つまり本当の目的地の入口に辿り着くと、とても小さな溜池がありました。

そこを通り過ぎようとしたとき、目の前をすーっと横切る黒い影。

大型のトンボでした。

反射的に網を持って追いかける同行者。

しかし林の中へ逃げられたようです。

別の個体が溜池へ向かったのを見逃さず、少し後戻りして池の畔へ降りました。

すると案の定、池の水面すれすれにホバリングしていましたが、遠くて網が届かない。

息をひそめてじっと佇むことしばし。

こちら側へ巡回してきたところをネットイン。

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ヤブヤンマ (ヤンマ科)


ヤンマの目玉はまさに宝石の玉。

青い空を飛んだからと言われても否定できません。

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同上


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さて、思わぬ収獲があったものの、ここからが本番のメインフィールド。

未舗装ではないものの、針葉樹と広葉樹の入り混じる林に挟まれたゆるい坂道を降りて行きます。

そこは延々と仄暗いため、チョウなどの明るい場所を好む虫は望むべくもありません。

何が狙いだったかというと、それはシズオカオサムシという地域固有的なオサムシ。

数年前、伊豆方面へ遠征して探しましたがボウズだったので、今回ぜひ初採集したいと思ってました。

林縁に溜まった落ち葉をがさってみたり、石をひっくり返してみたりしながら探して行きます。

前日、同行者がベイトトラップをいくつか仕掛けておいてくれて、ゴミムシがいくつか採れたのですが、
とうとう逢うことは叶いませんでした。

林道を下りきり、麓に辿り着くと、そこからはまばらに民家もある里地が広がっていました。

道沿いの小川にはミヤマカワトンボらしき姿も見られ、水中にはヤマベか何かの魚影が見えます。

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ニホンカワトンボ (カワトンボ科)


虫がいなくても歩いているだけで気が晴れる、清々しい散策となりました。

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里地を抜けたあともさらに、同行者の道案内で森の中をショートカットして散策は続きました。

やはり本命には出会えなかったのですが、オサムシの仲間はいくつか採れました。

記念にお連れした子たちを紹介します。

約22ミリある大きな子。

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オオゴミムシ (オサムシ科)


こちらは14ミリくらい。

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アトボシアオゴミムシ (オサムシ科)


採ったときはムナビロと思っていましたが、連れて帰って見てみると普通の子でした。

ということで、シズオカでの宿題はまたもや持ち越しとなりました。

scarabe.gif


ところで、同じ子を撮影した次の写真を見てください。

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同上


写真の中央部が淡い紫色に光っていると思います。

これは何かの光が当たっているのではなく、レンズのゴーストなんです。

TG-4はズームすると、撮影状況によってこのようなゴーストが中央に現れます。

撮影時には気が付かずに帰ってから写真を整理していて気が付くと大変ショックを受けることも。

買ったばかりの頃は出なかったはずなのに、気のせいか出現率が段々上がっているような・・

TG-6の発売が決まったからか・・7月の発売が待ち遠しい。




オマケ


この季節のルーティーンなので、先日、HFの西風ちゃんの様子を見に行きました。

今年はいっぱい出ていました。

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詳しくはまた別途。




今日の湯加減

今週、新潟と山形で大きな地震がありました。新潟で震度6強、山形で震度6弱。
それにしても”新潟と山形”という表現はあまりに大まか過ぎて違和感がありましたね。
”村上市と鶴岡市”だとしてもどちらも広域合併した大きな市なので震源地を表すには無理がある。
いずれにしても震源地付近は縁のある地域。庄内の記事もたくさん書きました。
しかし、庄内平野は活断層がないので地震が少ないところです。
震度6弱を観測したのは県境で庄内平野ではないですが、鶴岡の中心部では液状化現象が発生。
現地の知り合いによると、ぐにゃぐにゃと横揺れがひどかったようです。
直下型ではないにしても大きな揺れは発生する。
日本列島には地震のないところなどないのでしょうね。


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ファーブル昆虫館監修「昆虫知育ぶっく」監修者コメント書きました^^


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コメント 7

リュカ

無防備な食事シーン(笑)
まるでカブトムシのフーコを見ているかのようですww
今日もすごいもりもり食べてますが
卵は現在2個!
by リュカ (2019-06-25 16:08) 

engrid

ヤンマの目玉は、宝石の玉、確かにそうだわ、、、
歩いているだけで、気が晴れるとうか、忘れます、
まっいいかと、心軽やかにです
by engrid (2019-06-27 01:03) 

sakamono

ジョウカイボンって名前、なんかカワイイ^^;。
食事中の写真、おもしろいですね。
小さな口だから、食べられた葉っぱの跡が、
こんふうなんですね。
by sakamono (2019-06-27 21:35) 

ぼんぼちぼちぼち

こういう場所にいるナナフシをよく見つけられやすね。さすがだなあと思いやす。
なるほど、木という字に擬態してるようにも見えやすね。
学のあるナナフシ?
by ぼんぼちぼちぼち (2019-06-27 21:45) 

ぜふ

>リュカさん
どんな動物でも給餌のときは無防備なんですよね。
ナナフシの擬態も台無し^^

>engridさん
普通なら採れなくて落ち込むところですが、和みましたね^^
ヤンマの目玉は標本に残せないんですよね・・

>sakamonoさん
浄海坊がなまったともいわれています。(かわいくないですね^^)
ナナフシは葉の中心から食べるんですね。

>ぼんぼちぼちぼちさん
成虫は大きいのでそんなにむずかしくはないですね。
むしろ目立つ^^
”林”に擬態している子もいますよ♪
https://floralmoon.blog.so-net.ne.jp/2019-05-18
by ぜふ (2019-06-27 22:17) 

響

かなり高級感のあるゴンドラですね。
初の場所でも次付きと見付けるセンサー冴えてますね。
by (2019-06-28 21:33) 

ぜふ

>響さん
葵の御紋ですからね^^
初場所で興奮していてセンサーの感度はよくなかったと思います。
リベンジします♪
by ぜふ (2019-06-28 21:44) 

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