"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
続 こんぶくろ池 [観察会]
9月29日、カシワの池へまた行ってきました。
この池の周辺は自然博物公園として、NPOやボランティアの方々で保全・管理されています。
前回見学させていただいた徘徊性昆虫の生態調査に今回もおじゃましました。
そのときもそうでしたが、天気予報では午後から雨ということだったので電車で最寄りの駅まで。
駅からはTさんの車で現地に向かいました。
徘徊性昆虫であるゴミムシの仲間ですが詳細はのちほど。
トラップは定点定量で、前日に10か所10個ずつ、計100個を設置。
これを定期的に繰り返し調査することで、昆虫相や生態、ひいては園内の環境が分かるわけです。
チバコン(千葉県昆虫談話会)の方たちはすでに回収に行かれたということでした。
ピットフォールトラップといって、地上を歩いている小動物用の落とし穴です。
ベイトは入れていませんが、周りには例によってタヌキなどに荒らされないように一味唐辛子の結界が。
(それでもいくつかひっこ抜かれているカップがありました)
3つのエリアのトラップを回収し、ゴミムシやオサムシの仲間がいくつかとれました。
(今回シデムシは少数のみ)
この子は今回もいくつか入っていましたが、写真は回収から戻ってくる途中に拾った固体。
このフィールドはこのような赤紫色をしたのが多いようです。
回収途中に観察した植物。
普通のツリフネソウとは小花弁の形が違うそうです。
ちょうど見頃で、群落になっていました。
公園の外縁で見つけたイモムシも紹介します。
横綱級に大きい子。(9センチくらいあります)
この模様がまさに横綱に見えてしようがありません。
この子は枯れ枝の色。
シモフリスズメほどではありませんが、名前の割にはかなりの大きさ。(8センチくらい)
しっぽ(尾角)の長さと色が特徴です。
さて、管理棟まで戻ると、久保田先生も到着していて仕分け作業の準備も整っていました。
エリアごとに採集した昆虫をチェックしていきます。
先生が一匹ずつ確認して、助手の学生さんが種名や頭数をメモし、指標となる虫や現地同定が困難な虫は毒瓶やチューブに入れて持ち帰ります。
毒瓶に入れられる前に撮影したオサムシ類をいくつか。
まさに磨き上げた銅(あかがね)の色をしている美しくて大きなゴミムシです。
前回、北総では普通にいるのかどうか聞きそびれましたが、そうだということが実態として判明。
これが扉の写真の子。
背赤という名前がついていますが、背中(鞘翅)が赤くない個体がけっこういます。
それと定番のオサムシ。
こういう緑色の個体と、緑褐色のと、赤褐色で翅の縁などが少し緑色のと、大まかに3種類います。
ここで先生の話を元にしたミニ解説。
野外には様々な生物がいますが、土や水の中にはそれらの生物のDNAの断片が存在します。
生物の死骸、組織片、体液、排泄物などに由来するDNAの総称を環境DNAといいます。
ある生物そのものがいなくてもその生物由来のDNAが検出できればそこにいたと分かるということ。
つまり、今回のようなトラップを使った調査をしなくても、調査対象フィールドの土や水を採取してシーケンサーでDNA解析すれば何がどれくらい棲息しているか推定できるということです。
網羅的な調査はまだ難しいようですが、たとえばある池にブラックバスがいるかどうかは、池の水を採取してその中にブラックバス由来のDNAが存在するかどうかを調べればいいわけです。
ただし、DNA解析はまだまだ高額な費用がかかりますし、環境DNAは断片化されているため、精度に課題があるということ、さらに対象となる生物のリファレンスも不十分だということもあります。
(何かDNAが検出されても、それが何のDNAであるかはリファレンスがないと分からない)
でもこれから先、DNAバーコーディングなどの進展でリファレンスが整備され、シーケンサーがさらに高度化し、解析の精度とコストが改善されていけば、網羅的な生物相調査が簡単に実施できるようになると思います。
こむずかしい話おわり。
他にもゴミムシやゴモクムシ、クチキムシの仲間が確認できましたが、前回観察したスジアオゴミムシをはじめとするアオゴミムシがまったくカウントされませんでした。
また見学(と久保田先生に会い)に来ようと思います。
この前日のことですが、ひょんなことから色々な偶然が重なった結果、神奈川県の秦野に行きました。
ある方の野外実験の見学に行ったのですが、そこでは大好きなこの子にたくさん会えました。
やはり見飽きない虫です。
お昼も一緒にと誘われて、大きな公園の入り口にある蕎麦屋さんへ。
特におすすめというメニューでもなかったと思いますが、何気なく頼んだのがこれ。
更科と田舎そばの二色盛りで、大きな揚げたての天ぷらがついていて、舌も腹も満足な一膳でした。
さらに偶然というか、秦野に行った日は第4金曜日。
とある知り合いが毎月第4金曜日に小田原のとある店のステージにあがるということを思い出しました。
チバからは遠くて一度も聞きに行けなかったのですが、秦野から小田原まではたったの20分。
小田原駅に着いたときはまだ明るくて、開店時間まで街中とお城を散策しました。
お店はレストラン・バーだったので、これとビールを注文して開演を待ちました。
”昔懐かしいナポリタン”とメニューにはありましたが、昔食べたのはこんなにおいしくなかった。
ピアノトリオをバックに歌う彼女の声も昔懐かしい感じでおいしかった。
今日の湯加減
この池の周辺は自然博物公園として、NPOやボランティアの方々で保全・管理されています。
前回見学させていただいた徘徊性昆虫の生態調査に今回もおじゃましました。
そのときもそうでしたが、天気予報では午後から雨ということだったので電車で最寄りの駅まで。
駅からはTさんの車で現地に向かいました。
徘徊性昆虫であるゴミムシの仲間ですが詳細はのちほど。
トラップは定点定量で、前日に10か所10個ずつ、計100個を設置。
これを定期的に繰り返し調査することで、昆虫相や生態、ひいては園内の環境が分かるわけです。
チバコン(千葉県昆虫談話会)の方たちはすでに回収に行かれたということでした。
ピットフォールトラップといって、地上を歩いている小動物用の落とし穴です。
ベイトは入れていませんが、周りには例によってタヌキなどに荒らされないように一味唐辛子の結界が。
(それでもいくつかひっこ抜かれているカップがありました)
3つのエリアのトラップを回収し、ゴミムシやオサムシの仲間がいくつかとれました。
(今回シデムシは少数のみ)
この子は今回もいくつか入っていましたが、写真は回収から戻ってくる途中に拾った固体。
センチコガネ (コガネムシ科)
このフィールドはこのような赤紫色をしたのが多いようです。
回収途中に観察した植物。
ワタラセツリフネソウ
普通のツリフネソウとは小花弁の形が違うそうです。
ちょうど見頃で、群落になっていました。
公園の外縁で見つけたイモムシも紹介します。
横綱級に大きい子。(9センチくらいあります)
シモフリスズメ 幼虫 (スズメガ科)
この模様がまさに横綱に見えてしようがありません。
この子は枯れ枝の色。
コスズメ 幼虫 (スズメガ科)
シモフリスズメほどではありませんが、名前の割にはかなりの大きさ。(8センチくらい)
しっぽ(尾角)の長さと色が特徴です。
さて、管理棟まで戻ると、久保田先生も到着していて仕分け作業の準備も整っていました。
エリアごとに採集した昆虫をチェックしていきます。
先生が一匹ずつ確認して、助手の学生さんが種名や頭数をメモし、指標となる虫や現地同定が困難な虫は毒瓶やチューブに入れて持ち帰ります。
毒瓶に入れられる前に撮影したオサムシ類をいくつか。
アカガネオオゴミムシ (オサムシ科)
まさに磨き上げた銅(あかがね)の色をしている美しくて大きなゴミムシです。
前回、北総では普通にいるのかどうか聞きそびれましたが、そうだということが実態として判明。
これが扉の写真の子。
セアカヒラタゴミムシ (オサムシ科)
背赤という名前がついていますが、背中(鞘翅)が赤くない個体がけっこういます。
それと定番のオサムシ。
アオオサムシ (オサムシ科)
こういう緑色の個体と、緑褐色のと、赤褐色で翅の縁などが少し緑色のと、大まかに3種類います。
ここで先生の話を元にしたミニ解説。
野外には様々な生物がいますが、土や水の中にはそれらの生物のDNAの断片が存在します。
生物の死骸、組織片、体液、排泄物などに由来するDNAの総称を環境DNAといいます。
ある生物そのものがいなくてもその生物由来のDNAが検出できればそこにいたと分かるということ。
つまり、今回のようなトラップを使った調査をしなくても、調査対象フィールドの土や水を採取してシーケンサーでDNA解析すれば何がどれくらい棲息しているか推定できるということです。
網羅的な調査はまだ難しいようですが、たとえばある池にブラックバスがいるかどうかは、池の水を採取してその中にブラックバス由来のDNAが存在するかどうかを調べればいいわけです。
ただし、DNA解析はまだまだ高額な費用がかかりますし、環境DNAは断片化されているため、精度に課題があるということ、さらに対象となる生物のリファレンスも不十分だということもあります。
(何かDNAが検出されても、それが何のDNAであるかはリファレンスがないと分からない)
でもこれから先、DNAバーコーディングなどの進展でリファレンスが整備され、シーケンサーがさらに高度化し、解析の精度とコストが改善されていけば、網羅的な生物相調査が簡単に実施できるようになると思います。
こむずかしい話おわり。
他にもゴミムシやゴモクムシ、クチキムシの仲間が確認できましたが、前回観察したスジアオゴミムシをはじめとするアオゴミムシがまったくカウントされませんでした。
また見学(と久保田先生に会い)に来ようと思います。
オマケ
この前日のことですが、ひょんなことから色々な偶然が重なった結果、神奈川県の秦野に行きました。
ある方の野外実験の見学に行ったのですが、そこでは大好きなこの子にたくさん会えました。
オオセンチコガネ ♂ (コガネムシ科)
やはり見飽きない虫です。
お昼も一緒にと誘われて、大きな公園の入り口にある蕎麦屋さんへ。
特におすすめというメニューでもなかったと思いますが、何気なく頼んだのがこれ。
更科と田舎そばの二色盛りで、大きな揚げたての天ぷらがついていて、舌も腹も満足な一膳でした。
さらに偶然というか、秦野に行った日は第4金曜日。
とある知り合いが毎月第4金曜日に小田原のとある店のステージにあがるということを思い出しました。
チバからは遠くて一度も聞きに行けなかったのですが、秦野から小田原まではたったの20分。
小田原駅に着いたときはまだ明るくて、開店時間まで街中とお城を散策しました。
お店はレストラン・バーだったので、これとビールを注文して開演を待ちました。
”昔懐かしいナポリタン”とメニューにはありましたが、昔食べたのはこんなにおいしくなかった。
ピアノトリオをバックに歌う彼女の声も昔懐かしい感じでおいしかった。
今日の湯加減
そういえば前回訪れたときは、引越しが終わってはいましたがなお激動の頃でした。
それから8月、9月、10月と、良い意味でドタバタが続いています。
とにかく日が経つのが速い。速すぎる。
房総にもハンミョウ採り以来まったく行くことができません。
ベニシジミ号も出動機会が激減し、うっかり自賠責保険が切れていることに気付いてあわてる始末。
そういえば夏休みも取り損ねたなぁ・・・
冬に夏休みとろう。
ザ・クロマニヨンズの新譜がでました!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
スズメ幼虫、見詰めちゃいました
造形美というか素晴らしいデザインの個体ですね、、凄い
お蕎麦と同じぐらいな見事なかき揚げ、美味しそう!
by engrid (2018-10-18 00:16)
環境DNAという言葉、初めて知りました。
なるほど確かに、かつてそこにいた昆虫、というのが
分かりそうではありますね。
センチコガネ。見飽きない虫、という意見に賛同します^^;。
by sakamono (2018-10-18 22:12)
>engridさん
コスズメの方ですかね。
立体的に見えてしまう模様が目を引きますよね。
かき揚げは今まで食べた中でも屈指の美味でした^^
>sakamonoさん
古かったり個体数が少ないと検出できないと思いますが、現在通常的に生息していてリファレンスがあれば分かるでしょう。
オオセンチは動きも見飽きません^^
by ぜふ (2018-10-18 23:43)
トラップは入るか入らないかワクワクしますね。
スズメガの幼虫も巨大ですが蕎麦の横の天プラの巨大さにもビックリ。
by 響 (2018-10-19 18:55)
>響さん
このトラップは全部調査なので持って帰れないのが・・^^;
かき揚げは巨大だけど美味でした。
by ぜふ (2018-10-20 22:45)
環境DNA,勉強になりました。
将来的には、気体の中に残っているものも、判定されてしまいそうな気がします。残り香などのようなものは、やはり粒子が残っているのでしょうから、動かぬ証拠になるような・・・
by アヨアン・イゴカー (2018-10-21 10:25)