"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
立夏と小満 [ファーブル会]
5月5日は立夏。まさに初夏の昆虫採集会ということで今年も秩父方面へ。
3日が荒天だったため延期になったのですがこの日は快晴で風もなし。
今回は仕込みもなし。
みんなで向かったのは高麗川のとある支流です。
川沿いの舗装された道路を辿っていくのですが、川と周辺の山と森の環境がいいのでしょう。
アゲハチョウ類やカワトンボ類が次々に出迎えてくれるのです。
ところで、昨年ここで採集会を開催したのは5月21日、二十四節気の小満でした。
一節気早いことで出逢う虫や花がどう違うのか気にしながら歩いていきます。
まず気が付いたのは出発して間もない場所の川沿いの木。
この虫がぽつぽつといました。
一昨年は、すでにクルミハムシの幼虫やサナギが観察され、昨年は産卵時期で、今年はこれから。
クルミハムシの時計は一昨年並みというところでしょうか。
この虫がいるとカメノコテントウも期待できます。(何頭か観察しましたが写真なし)
ところで、オニグルミの花期は4月~6月のようですが、昨年は見られなくて今年は咲いている。
咲き終わっていたのなら実が生っていたとはずですが、昨年実は見られなかった。
ということは・・やはり今年は早いのかもしれません。
こちらは紛れもない春型。
日光浴している子。
この花も春の花なのでしょうか、昨年は見なかったような気が。
昨年は観察できなかったのですが、今回はたくさんいました。
植物をちゃんと確認しなかったため同定は不確かですが、ビーティングすると複数落ちてくるほど。
メスと思しき個体もいました。
この子は初見。足元の草の上に佇んでいました。体長15~6ミリ。
前を歩いていたスタッフも何か見つけたようです。
これもホストがはっきりせず。ドロノキならサメハダチョッキリかドロハマキチョッキリかも。
と思いましたが、体長が7~8ミリあったので。
この花は昨年も咲いていました。ただしまだ盛りはまだまだこれからという感じ。
そのすぐ近くに初めて見る花が。
帰りにここを通りがかったとき、地元の方が教えてくれて、こんな花が咲くんだとびっくり。
ほのかですがとてもいい香りがするので、虫も寄ってくるはずだと探していると・・
いました。
前出のチョッキリにも負けない金属光沢。
モデルポーズの個体もいました。
最後尾集団でしたがとにかく前に進みません。
前の集団はもう影も形も見えません。
ひらひらとたくさん舞っているウスバシロチョウやビーティングするとたくさん落ちてくるチビタマムシの仲間やジョウカイボンの仲間などの写真を撮っている余裕はありません。
ちょっとピッチをあげて、やっと土場に着きました。
土場を素通りすることはできず、中学生になったS君と二人でチェック。
もっとも普通な子はいてくれました。
去年は産卵シーンを見ることができました。
この子は初見でしたが、たくさん飛来していました。
1センチ足らずなのですが、肉眼で見るよりも写真で見た方が翅の青色が鮮やかにでました。
たくさんいましたが、昨年は見なかったので、今が発生時期なのでしょう。
やっと集団に追いついたときには、もうすでに昼食休憩が終わって自由採集時間となっていました。
なのでS君とオサムシ探しに少し奥の山道に突入してみました。
しかし小さなゴミムシの仲間以外に収獲なし。
さすがに疲れたのでランチ休憩。(S君はおにぎり片手に虫探ししてましたが)
しばらくして分散していた参加者たちも戻ってきて、集合写真を撮って一旦解散となりました。
これもスタッフ採集虫。
体長約8ミリでハムシとしては大型。
こんなに鮮やかではっきりした模様の翅をしているのに・・
ツツハムシだということは分かりましたが同定はできず、帰ってから調べてみて分かりました。
ハムシの色や模様は個体変異があり、この個体も斑紋がいくつか消失し、かつ白化しているのでした。
(なので”ヤツボシ”なのに翅の黒い紋が6つしかない)
それと、これは参加者が採集したチョウ。
開張幅が75ミリ、前翅長35ミリしかない矮小個体です。
S君がどうしてもミヤマカワトンボを採りたいというので、河原に降りてみることにしました。
いつもなら何頭も観察できるポイントもまったくその影がありません。
この子はそれなりにいましたが、やはり少ないように思いました。
褐色翅の個体を見られてよかった。
その後も帰路を辿りながら、降りられるところを根気よくローラーしていると・・
やっといました。
実はこの個体の前に一匹見つけてたのですが、写真を撮る前にS君が採ってしまいました。
まだ少し時期が早いのか、結局オスは見つけられませんでした。
小満の頃にはたくさん飛んでいるでしょう。
さあ、目的も達成できたので駅に向けて歩幅を拡げますが、土場の様子はもう一度確認したい。
と、久しぶりにウマノオバチが目の前を横切っていくのを見て感動。
しかし貯木に着地することはなくそのまま飛び去ってしまい、写真を撮ることもできませんでした。
その代わりというわけではないですが、もうひとつの土場で観察した近縁種。
2頭いました。
産卵するのを観察したいところですが、これ以上残業すると日が暮れる。
時刻表を確認して大慌て。
ビリっけつチームは駆け足で駅に向かいました。
本来の開催日。
強風が収まったので買い物に出かけて帰宅すると、オートバイのシートカバーが風でめくれてました。
かぶせ直そうと近寄っていくと驚きの光景が目に飛び込みました。
そ、そこはカンベンしていただけないでしょうか・・・
というよりも、そこだと移動式になってしまうのでオススメできませんけど。
という呼びかけなど無視する母蜂。
そのうち素材集めに飛び去るかとしばらく待ちましたが、彼女はこちらに気が付いたのか警戒態勢に入って動こうとしませんでした。
今日の湯加減
今日の湯加減 その2
3日が荒天だったため延期になったのですがこの日は快晴で風もなし。
今回は仕込みもなし。
みんなで向かったのは高麗川のとある支流です。
川沿いの舗装された道路を辿っていくのですが、川と周辺の山と森の環境がいいのでしょう。
アゲハチョウ類やカワトンボ類が次々に出迎えてくれるのです。
ところで、昨年ここで採集会を開催したのは5月21日、二十四節気の小満でした。
一節気早いことで出逢う虫や花がどう違うのか気にしながら歩いていきます。
まず気が付いたのは出発して間もない場所の川沿いの木。
この虫がぽつぽつといました。
クルミハムシ (ハムシ科)
一昨年は、すでにクルミハムシの幼虫やサナギが観察され、昨年は産卵時期で、今年はこれから。
クルミハムシの時計は一昨年並みというところでしょうか。
この虫がいるとカメノコテントウも期待できます。(何頭か観察しましたが写真なし)
ところで、オニグルミの花期は4月~6月のようですが、昨年は見られなくて今年は咲いている。
オニグルミ
咲き終わっていたのなら実が生っていたとはずですが、昨年実は見られなかった。
ということは・・やはり今年は早いのかもしれません。
こちらは紛れもない春型。
サカハチチョウ (タテハチョウ科)
日光浴している子。
シモフリコメツキ (コメツキムシ科)
この花も春の花なのでしょうか、昨年は見なかったような気が。
セリバヒエンソウ
昨年は観察できなかったのですが、今回はたくさんいました。
ヒゲナガオトシブミ ♂ (オトシブミ科)
植物をちゃんと確認しなかったため同定は不確かですが、ビーティングすると複数落ちてくるほど。
メスと思しき個体もいました。
ヒゲナガオトシブミ ♀ (オトシブミ科)
この子は初見。足元の草の上に佇んでいました。体長15~6ミリ。
マツアナアキゾウムシ (ゾウムシ科)
前を歩いていたスタッフも何か見つけたようです。
イタヤハマキチョッキリ (オトシブミ科)
これもホストがはっきりせず。ドロノキならサメハダチョッキリかドロハマキチョッキリかも。
と思いましたが、体長が7~8ミリあったので。
この花は昨年も咲いていました。ただしまだ盛りはまだまだこれからという感じ。
ニセアカシア
そのすぐ近くに初めて見る花が。
トチノキ
帰りにここを通りがかったとき、地元の方が教えてくれて、こんな花が咲くんだとびっくり。
ほのかですがとてもいい香りがするので、虫も寄ってくるはずだと探していると・・
いました。
アオハムシダマシ ペア (ゴミムシダマシ科)
前出のチョッキリにも負けない金属光沢。
モデルポーズの個体もいました。
同上
最後尾集団でしたがとにかく前に進みません。
前の集団はもう影も形も見えません。
ひらひらとたくさん舞っているウスバシロチョウやビーティングするとたくさん落ちてくるチビタマムシの仲間やジョウカイボンの仲間などの写真を撮っている余裕はありません。
ちょっとピッチをあげて、やっと土場に着きました。
土場を素通りすることはできず、中学生になったS君と二人でチェック。
もっとも普通な子はいてくれました。
ゴマフカミキリ (カミキリムシ科)
去年は産卵シーンを見ることができました。
この子は初見でしたが、たくさん飛来していました。
ホタルカミキリ (カミキリムシ科)
1センチ足らずなのですが、肉眼で見るよりも写真で見た方が翅の青色が鮮やかにでました。
たくさんいましたが、昨年は見なかったので、今が発生時期なのでしょう。
やっと集団に追いついたときには、もうすでに昼食休憩が終わって自由採集時間となっていました。
なのでS君とオサムシ探しに少し奥の山道に突入してみました。
しかし小さなゴミムシの仲間以外に収獲なし。
さすがに疲れたのでランチ休憩。(S君はおにぎり片手に虫探ししてましたが)
しばらくして分散していた参加者たちも戻ってきて、集合写真を撮って一旦解散となりました。
これもスタッフ採集虫。
ヤツボシツツハムシ (ハムシ科)
体長約8ミリでハムシとしては大型。
こんなに鮮やかではっきりした模様の翅をしているのに・・
ツツハムシだということは分かりましたが同定はできず、帰ってから調べてみて分かりました。
ハムシの色や模様は個体変異があり、この個体も斑紋がいくつか消失し、かつ白化しているのでした。
(なので”ヤツボシ”なのに翅の黒い紋が6つしかない)
それと、これは参加者が採集したチョウ。
カラスアゲハ (アゲハチョウ科)
開張幅が75ミリ、前翅長35ミリしかない矮小個体です。
S君がどうしてもミヤマカワトンボを採りたいというので、河原に降りてみることにしました。
いつもなら何頭も観察できるポイントもまったくその影がありません。
この子はそれなりにいましたが、やはり少ないように思いました。
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
褐色翅の個体を見られてよかった。
その後も帰路を辿りながら、降りられるところを根気よくローラーしていると・・
やっといました。
ミヤマカワトンボ ♀ (カワトンボ科)
実はこの個体の前に一匹見つけてたのですが、写真を撮る前にS君が採ってしまいました。
まだ少し時期が早いのか、結局オスは見つけられませんでした。
小満の頃にはたくさん飛んでいるでしょう。
さあ、目的も達成できたので駅に向けて歩幅を拡げますが、土場の様子はもう一度確認したい。
と、久しぶりにウマノオバチが目の前を横切っていくのを見て感動。
しかし貯木に着地することはなくそのまま飛び去ってしまい、写真を撮ることもできませんでした。
その代わりというわけではないですが、もうひとつの土場で観察した近縁種。
ヒメウマノオバチ (コマユバチ科)
2頭いました。
同上
産卵するのを観察したいところですが、これ以上残業すると日が暮れる。
時刻表を確認して大慌て。
ビリっけつチームは駆け足で駅に向かいました。
オマケ
本来の開催日。
強風が収まったので買い物に出かけて帰宅すると、オートバイのシートカバーが風でめくれてました。
かぶせ直そうと近寄っていくと驚きの光景が目に飛び込みました。
そ、そこはカンベンしていただけないでしょうか・・・
というよりも、そこだと移動式になってしまうのでオススメできませんけど。
という呼びかけなど無視する母蜂。
セグロアシナガバチ (アシナガバチ科)
そのうち素材集めに飛び去るかとしばらく待ちましたが、彼女はこちらに気が付いたのか警戒態勢に入って動こうとしませんでした。
今日の湯加減
一つの節気が移ろうだけで野山や川はその様子がずいぶん変わります。
慌ただしく気忙しく暮らしていると節気の巡りに気が付かないけれど、
虫や花はそれに合わせて生態を順応させていることをあらためて知りました。
災害は少ない方がいいですが、大雨、大雪、台風など、どんなに天気が荒れようと、
温暖化や異常気象で春や秋がいくら短くなろうと、
節気は確実に巡り、彼らはたくましく生きています。
今日の湯加減 その2
なんとか間に合った電車の中で、隣に座った参加者の女の子と虫の話をしていました。
昆虫の擬態の話になったとき、擬態には分類があるということを説明しようとして。
ベイツ型擬態と、もう一つの型の名前がどうしても出てこなかったので、スマホを出して・・
と、「先生、検索はしない方がいいですよ」と彼女の言葉に絆されました。
しばし、えーとえーとと脳ミソに力を込めていると、ふとシナプスがつながりました。
「あ、そうだ、ミューラー型擬態!」
「ね、検索しない方がよかったでしょ?」
先生は8才の少女の方でした。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
むむむ…
で、移動式住居は完成したのかしら^^;
この前会えたこはサカハチョウかしら。
そのうち登場予定ですのでご確認お願いいたしますm(_ _)m
by よしころん (2018-05-12 21:48)
サカハチチョウなど初めてみる虫ばかり。
オニグルミの花も初めて見ました。
山に行った時に探してみます。
by 響 (2018-05-12 23:19)
ヒゲナガオトシブミ、ひげも首も長いでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2018-05-13 18:36)
ムシさん達は、何時も??分からない事だらけを繰り返していますがセリバヒエンソウに釘付け、まだ見ぬ花です。
ニセアカシヤにアカバナがあったんですね知りませんでした。
トンボ類は今年はまだ見ておりません、こちらもそろそろでしょか。ヒゲナガオトシブミ 、首が長いこのムシさん一度見て見たいです。
by g_g (2018-05-14 09:26)
>よしころんさん
移動式では本人も困るでしょうから、建設中止してもらいました^^;
>響さん
オニグルミの花は意外に目立たないかもですね。
サカハチチョウがとまっているのは・・○ン○です^^
>ぼんぼちぼちぼちさん
のけぞり振りはセイウチなみです^^
>g_gさん
セリバヒエンソウは外来種ではなかったですかね?
でもスミレにも似て可憐な風情です。
ヒゲナガオトシブミは小さいですがぜひ探してみてください。
アブラチャンやクロモジなどがホストです。
by ぜふ (2018-05-14 22:48)
>SS1600を使うのは意外でした。
1000以下にすると花びらが白飛びしたのですよ。
スポット測光にするべきだったと、いつもの後から反省^^;
(ほぼ中央重点固定)
手ぶれ補正付いていない古いレンズなので、できる限りSS上がることが多いですぅ。
by よしころん (2018-05-15 08:43)
ヒメウマノオバチ、質感がなんか、作り物みたいで、目もかわいいです。
最後のハチは、顔もコワイですが^^;。
今日台所で、コメツキムシを見ました。
by sakamono (2018-05-17 23:57)
おはようございます^^
ホタルカミキリって綺麗なお色。蜂はやはり苦手(><;コワイ
by mimimomo (2018-05-18 08:21)
>よしころんさん
なるほど手ぶれ補正なしでは2段くらい違いますからね。
>sakamonoさん
ハチは科によってキケン度が違いますね。
キケンな種は見た目もキケンですね^^;
>mimimomoさん
本編にも書いたとおり実物よりも青みが鮮やかな写真になりました。
複数枚撮りましたがぜんぶ同じ色合いでした。
by ぜふ (2018-05-18 21:14)