"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
飛んで○○に入る初夏の虫 [ファーブル会]
GWは恒例の三浦半島方面でのアゲハ採集会。
年によっては気温が上がらず、アゲハ類がほとんど採れないこともあります。
でも今年は季節の進行が早くてツツジの花が終わっているほどでした。
1年前の記事を振り返ると、昨年はほぼ全種のアゲハが観察できたようですが果たして・・
採集場所へ向かう途中の坂道で見つけたのですが、あまり道草を食っている時間はない。
仕込みをしなくてはならないのです。
早めに現着するつもりが、身支度に手間取り、他のスタッフと同じ時間になってしまったのです。
なので駅での挨拶もそこそこに一人で目的地の丘の上に向けて出発。
一目散に歩いていくつもりでしたが、どうしても脇目をふってしまいます。
それで見つけたのが扉の写真のカミキリムシ。
この場所では初見でしたので思わず撮影。
さあ先を急ごうと歩き始めると、こんな時に限って、とても目立つ子がいるんです。
ヒトリガは漢字で書くと、”一人蛾”ではなく、”火取蛾”。(”火盗蛾”などとも)
いずれにしても灯火に集まってくることが名前の由来で「飛んで火にいる夏の虫」はヒトリガです。
つまり、まだ成虫が発生する時期ではないと思うのですが、やはり季節の進行が早いのか。
さあ、トラップを設置する獣道に入ります。
何度も入ったことのあるルートなので迷うことはない。
でも一年ぶりなので、前回どの辺に設置したかは思い出せず、仕掛け始めのポイントに迷う。
途中、この花を見つけ、焦る気持ちも和んだのですが。
2度目に訪れたときは、盗掘されたのでしょう、跡形もなくなっていました。
そもそもずっと斜面をつたう細い道なので、どこでも掘れるわけではない。
ならばあまり場所は選ばず、なるべく広範囲にぽつぽつと設置することに。
ということで、集合時間までにトラップの設置を終えたかったのですが、それは叶いませんでした。
午前中の採集時間が終わり、みんなでお昼を食べ、トラップ回収に向かいました。
早く仕掛けたものから回収するために、設置したときとは逆のルートで獣道を辿ります。
逆に辿る理由はもう一つあって、それはこの子たちを観察すること。
メスに見えるけど未成熟のオスかなと目を凝らして探しますが、なぜかメスばかり。
しばらく進んでやっとオスも見つけられました。
ただ、褐色翅タイプのオスはとうとう一頭も観察できませんでした。
この虫もこの時期に観察することが多いと思いますが、この場所でははじめて見ました。
ヒゲが長いのはオス。 メスを探すためでしょうね。 (メスのヒゲも体長と同じくらいありますが)
さあいよいよ回収ですが、10個中7個までは空っぽでした。
8個目でやっと。
ボウズは回避できてほっとしました。
房総の赤褐色の個体と比べると、とてもアオオサムシらしい色合いです。
9個目も空で、最後のカップに入っていたのは・・
半分埋もれていたのですぐには何か分からなかったので地面に中身をあけてみました。
2頭いっしょに入っていたということは、歩いていて落ちたのではなく、誘引されて飛んできた可能性が高いと言えます。
今回トラップに仕込んだベイトのサナギ粉はセンチコガネの誘引性もあるということです。
とにかくボウズは逃れ、想定外の虫も入り、10打数1安打2四球というところでしょうか。
昨年と同じく、5月4日にも同じ場所で2回目の採集会を催行しました。
今度は早く家を出て、駅に着くなり独りで丘の上の公園へトラップを仕掛けに一目散。
と思っているのに、足元にひらひらと舞い降りてこられると無視できません。
さて、前回の教訓を生かし、エリアは獣道の入口に近い方の半分にしました。
ただ、その途中に唯一ある平らな林床にいくつか追加。
仕掛け終わって集合場所に行き、採集会の本番開始。
アゲハチョウがメインのターゲットのはずが、この虫はやはり子供たちに人気のようです。
糸くずよりは大きくなってタコ糸くらい。
展望台への坂道を登っていると意外な子がいました。
田んぼや小川など、水辺の近くにいるイメージがあるのですが、図鑑でみると丘陵にも生息するようです。
色違いでいてくれたので。
さて、今回は早く仕掛けた分、早目にトラップ回収にいきました。
お昼の前に戻って来られるよう、逆ルートは辿らなかったのですが、前半のトラップはスルー。
後半のだけ確認したところ成果はまたもやオス1匹のみでした。
一匹だけでも誰かのお土産にとみんなの元へ戻ったのですが、解散済みで居残り組には希望者なし。
それどころか、なんとオサムシを採集した参加者が2人いたことが判明。
脱力感に浸りつつも残り半分の回収に向かい、林床に仕掛けたトラップでメスが採れ、ペアとなりました。
ところでこの日の大物賞は何といってもこれ。
このトンボもここでははじめて見ましたが、参加者の男の子が目の色変えて追いかけ一撃で仕留めました。
トンボの顔のアップをもう一枚。
それと、この子は園内の路上を歩いていたところを捕獲した美しいイモムシ。
この蛾は成虫になると目を疑うような様変わりをします。
その姿は3月のこの記事でご確認ください。
ケースに入れておいたアヤモクメキリガの幼虫が通気孔から顔を出してしまいました。
キバのように見えるのは前脚です。
頭は通っても体はムリなようで、このまま固まっていたのですが、つつくと顔をひっこめました。
それから、5月3日にNHKで放送された「香川照之の昆虫すごいぜ!」の主人公を。
前記事でも紹介しましたが、オスを捕まえてお連れし、手乗りになってもらいました。
砂糖水を飲んで、お腹いっぱいになると指につかまったまま寝始めたり、昼間はカーテンで日光浴したりと、慣れてくれていたように思っていたのですが、数日後☆になってしまいました。
(どこかに激突したのかも)
今日の湯加減
年によっては気温が上がらず、アゲハ類がほとんど採れないこともあります。
でも今年は季節の進行が早くてツツジの花が終わっているほどでした。
1年前の記事を振り返ると、昨年はほぼ全種のアゲハが観察できたようですが果たして・・
ラミーカミキリ (カミキリムシ科)
採集場所へ向かう途中の坂道で見つけたのですが、あまり道草を食っている時間はない。
仕込みをしなくてはならないのです。
早めに現着するつもりが、身支度に手間取り、他のスタッフと同じ時間になってしまったのです。
なので駅での挨拶もそこそこに一人で目的地の丘の上に向けて出発。
一目散に歩いていくつもりでしたが、どうしても脇目をふってしまいます。
それで見つけたのが扉の写真のカミキリムシ。
この場所では初見でしたので思わず撮影。
さあ先を急ごうと歩き始めると、こんな時に限って、とても目立つ子がいるんです。
スジモンヒトリ (ヒトリガ科)
ヒトリガは漢字で書くと、”一人蛾”ではなく、”火取蛾”。(”火盗蛾”などとも)
いずれにしても灯火に集まってくることが名前の由来で「飛んで火にいる夏の虫」はヒトリガです。
つまり、まだ成虫が発生する時期ではないと思うのですが、やはり季節の進行が早いのか。
ニワゼキショウ
さあ、トラップを設置する獣道に入ります。
何度も入ったことのあるルートなので迷うことはない。
でも一年ぶりなので、前回どの辺に設置したかは思い出せず、仕掛け始めのポイントに迷う。
途中、この花を見つけ、焦る気持ちも和んだのですが。
2度目に訪れたときは、盗掘されたのでしょう、跡形もなくなっていました。
キンラン
そもそもずっと斜面をつたう細い道なので、どこでも掘れるわけではない。
ならばあまり場所は選ばず、なるべく広範囲にぽつぽつと設置することに。
ということで、集合時間までにトラップの設置を終えたかったのですが、それは叶いませんでした。
午前中の採集時間が終わり、みんなでお昼を食べ、トラップ回収に向かいました。
早く仕掛けたものから回収するために、設置したときとは逆のルートで獣道を辿ります。
逆に辿る理由はもう一つあって、それはこの子たちを観察すること。
アサヒナカワトンボ ♀ (カワトンボ科)
メスに見えるけど未成熟のオスかなと目を凝らして探しますが、なぜかメスばかり。
しばらく進んでやっとオスも見つけられました。
同上 ♂ (カワトンボ科)
ただ、褐色翅タイプのオスはとうとう一頭も観察できませんでした。
この虫もこの時期に観察することが多いと思いますが、この場所でははじめて見ました。
ホソオビヒゲナガ (ヒゲナガガ科)
ヒゲが長いのはオス。 メスを探すためでしょうね。 (メスのヒゲも体長と同じくらいありますが)
さあいよいよ回収ですが、10個中7個までは空っぽでした。
8個目でやっと。
ボウズは回避できてほっとしました。
アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
房総の赤褐色の個体と比べると、とてもアオオサムシらしい色合いです。
9個目も空で、最後のカップに入っていたのは・・
半分埋もれていたのですぐには何か分からなかったので地面に中身をあけてみました。
センチコガネ (コガネムシ科)
2頭いっしょに入っていたということは、歩いていて落ちたのではなく、誘引されて飛んできた可能性が高いと言えます。
今回トラップに仕込んだベイトのサナギ粉はセンチコガネの誘引性もあるということです。
とにかくボウズは逃れ、想定外の虫も入り、10打数1安打2四球というところでしょうか。
昨年と同じく、5月4日にも同じ場所で2回目の採集会を催行しました。
今度は早く家を出て、駅に着くなり独りで丘の上の公園へトラップを仕掛けに一目散。
と思っているのに、足元にひらひらと舞い降りてこられると無視できません。
コミスジ (タテハチョウ科)
さて、前回の教訓を生かし、エリアは獣道の入口に近い方の半分にしました。
ただ、その途中に唯一ある平らな林床にいくつか追加。
仕掛け終わって集合場所に行き、採集会の本番開始。
アゲハチョウがメインのターゲットのはずが、この虫はやはり子供たちに人気のようです。
ナナフシの幼体 (ナナフシ科)
糸くずよりは大きくなってタコ糸くらい。
展望台への坂道を登っていると意外な子がいました。
ヒゲコメツキ ♂ (コメツキムシ科)
田んぼや小川など、水辺の近くにいるイメージがあるのですが、図鑑でみると丘陵にも生息するようです。
コアオハナムグリ (コガネムシ科)
色違いでいてくれたので。
さて、今回は早く仕掛けた分、早目にトラップ回収にいきました。
お昼の前に戻って来られるよう、逆ルートは辿らなかったのですが、前半のトラップはスルー。
後半のだけ確認したところ成果はまたもやオス1匹のみでした。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
一匹だけでも誰かのお土産にとみんなの元へ戻ったのですが、解散済みで居残り組には希望者なし。
それどころか、なんとオサムシを採集した参加者が2人いたことが判明。
脱力感に浸りつつも残り半分の回収に向かい、林床に仕掛けたトラップでメスが採れ、ペアとなりました。
ところでこの日の大物賞は何といってもこれ。
クロスジギンヤンマ (ヤンマ科)
このトンボもここでははじめて見ましたが、参加者の男の子が目の色変えて追いかけ一撃で仕留めました。
トンボの顔のアップをもう一枚。
アサヒナカワトンボ (カワトンボ科)
それと、この子は園内の路上を歩いていたところを捕獲した美しいイモムシ。
アヤモクメキリガの幼虫 (キリガ科)
この蛾は成虫になると目を疑うような様変わりをします。
その姿は3月のこの記事でご確認ください。
オマケ
ケースに入れておいたアヤモクメキリガの幼虫が通気孔から顔を出してしまいました。
キバのように見えるのは前脚です。
頭は通っても体はムリなようで、このまま固まっていたのですが、つつくと顔をひっこめました。
それから、5月3日にNHKで放送された「香川照之の昆虫すごいぜ!」の主人公を。
前記事でも紹介しましたが、オスを捕まえてお連れし、手乗りになってもらいました。
キムネクマバチ ♂ (ミツバチ科)
砂糖水を飲んで、お腹いっぱいになると指につかまったまま寝始めたり、昼間はカーテンで日光浴したりと、慣れてくれていたように思っていたのですが、数日後☆になってしまいました。
(どこかに激突したのかも)
今日の湯加減
あっという間にGWが過ぎていきました。
採集会が雨で流れた3日だけは一日家に引きこもってましたが、他は出ずっぱり。
GW中に催行できた採集会は毎回満員でキャンセル待ちも出るほど。
ファーブル会はNPOですし、スタッフは全員ボランティアなので、商業的なサービスはゼロです。
それでも大勢の方が参加してくださるので、うれしいやらプレッシャーを感じるやらというところ。
昨日の標本教室も満員御礼の大盛況でした。
香川照之さんの人気のおかげで虫キッズが増えてきているとしたらうれしい限りです。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
おはようございます^^
なかなかトラップでも捕獲は難しいようですね。
ヒゲコメツキは何度見ても立派な「ヒゲ」?ですね^^
by mimimomo (2018-05-08 06:35)
その環境に適合して成長してようやく咲いた花を…
ほんとうに毎度毎度ヒトという種がイヤになる出来事です。
GW関係なし我が家はやっと日常が戻ってきたかんじです。
by よしころん (2018-05-08 07:22)
トラップで捕獲しなくても他の虫や花が見られて最高ですね。
普段山野草ばかり見ていて多年草の物が突然消え、だんだん花の種類が減っていく様を見るのが辛い昨今です。
by g_g (2018-05-08 08:28)
香川照之さんすごいですよね!
たまにテレビで番組してるときは録画して
観て大笑いしてます。
あの愛情はすごい!^^
ファンになりましたもん。
by リュカ (2018-05-08 11:02)
トンボの唄の歌詞のメガネの色はまさにこのトンボの眼ですね。
宝石みたいだ。
by 響 (2018-05-08 15:55)
>mimimomoさん
ほぼ同じ条件で一年前は5~6頭採れたのでまた来年試します。
ヒゲでもツノでも立派ですね^^
>よしころんさん
一応囲いもしてありました。なのに・・・です。
どうしたら防げるのでしょうね。
>g_gさん
それでなくても気候変動や開発で減ってしまうのに残念ですね。
>リュカさん
俳優さんとしても以前からファンだったので今や大ファンです^^
香川照之すごいぜ!
>響さん
以前もトンボのメガネのコメントをしてくれましたよね^^
まさに宝石。子供たちもこの目玉に惹かれるのでしょう♪
by ぜふ (2018-05-08 22:37)
ラミーカミキリなんて、名前も色も、なんとなく外国っぽい感じが
します。子供たちにナナフシが人気というのは、意外でした^^;。
by sakamono (2018-05-10 23:56)
飛んで火にいる、、の虫の正体見たりです
街灯に集まってくる羽虫いろいろを指していて、きっちり個体を名指ししているのですね
トンボの正面アップ、迫力
by engrid (2018-05-11 01:11)
>sakamonoさん
”ラミー”とはカラムシのことです。
ナナフシは見たことがない子が多くてインパクトがあるみたいです^^
>engridさん
ヒトリガの仲間もたくさんいますね。
蒼い目玉のトンボはもちろん子供に人気♪
by ぜふ (2018-05-12 08:30)