"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
トウソウからトーソー [探虫行]
腱鞘炎はまだ完治していませんが、体育会系の名折れと言われないためにも(誰も言わないけど)、
行ってきました。2月25日。
この日は全国的に(特に東日本は)気温が低いとの予報で、たしかに朝起きたら寒いこと寒いこと。
チバは未明に雨も降ったようで、陽射しもまったくない曇天。
それでも気持ちを奮い立たせ、腰にバンドを巻き、手首にサポーターをはめ、防寒対策して出発。
(出かけるのを断念する理由を5分くらい考えたけど名案が浮かばなかったとも言う)
そして到着。
ルート選択を間違ってしまい、2時間もかかりました。(高速を使ったのに)
ところで向かった場所は東総。(東房総)
東関道で成田を過ぎ、大栄(タイエイ)というところで降り、東総有料道路に入りました。
この有料道路はおそらく5年以上ぶりでしたが、相変わらずオートバイの料金は20円でした。
さて、目的地は東庄町(とうのしょうまち)。チョウシの手前、イバラキとの県境です。
訪れたことはあるのですが、探虫ははじめてなのでポイントはわからない。
とりあえず目標にしたのは県民の森。
東総は田園地帯なので、高い山はありませんが、この公園は山の上でした。
それにしても寒い。途中の道路に出てた気温表示は5℃。
オートバイに乗っていると体感温度はまちがいなく氷点下。
鼻からは水分が排出され続け、往路ですでにポケティを使い切ってしまいました。(帰りどうしよう)
でも広場には小さな春がおどろくほどたくさん咲いていました。
これはイヌノフグリの仲間でしょうか。
いっぱい生えているのですが、さすがに気温が低すぎるのか、開いているのが見つかりませんでした。
そう、花の写真をアップしたのは、虫の写真がないからですが、トイレの壁にちょっと面白いのが。
スケスケの繭というと、クスサンの透かし俵が思い浮かびますが、これは断然小さく2センチほど。
自信はないけれど、アカスジシロコケガという蛾の仲間の繭じゃないかと。
繭を形作るこの細くて黒い糸のようなものは、アカスジシロコケガの幼虫の体毛です。
そんなふうに繭を作る虫は他に知りませんが、これもまさにナチュラルアートですね。
園内は人工的な疎林と広場があるだけで、探虫できそうな場所はなさそうでした。
丘を登ってくる途中の支道に小崖が見えたのでそこまで戻って試掘してみましたが何も出ず。
しかも掘れる範囲がほんの少しだけだったので、この公園は見切ることにしました。
一旦下りきって次に目指したのは貯水池。
先の公園を当初の目標にしたのも、近くに池沼があったからです。(セオリーです)
堰の周囲の山側(公園側)をリサーチしましたが崖はなし。(大きな切り立った崖はありました)
山へのアプローチもほぼゼロ。
結局、谷津田の奥を探ってみることにしました。
あぜ道の行き止まり、田んぼの脇から斜面林に沿っていく、コンクリートの半舗装の道があったので歩いて登っていきました。
仰ぎ見る斜面には不法投棄されたゴミが散見されましたが、土の地層が見えていたのでアタック開始。
粘土層でしたが、固さと湿度はかなり良し。
でも掘っても掘っても何もでない・・わけではなく、ムカデばかりが次々に。(写真は割愛)
指標虫がこんなに出るんだから何かはいるだろうと思ったので粘りました。
何が出ても見逃すまいと緊張感をもっていたことが幸いし、この保護色にも騙されませんでした。
ところで、利き腕の右手でなく、左手で掘っているため、細かい土捌きができません。
指先を使う分には大丈夫なので、バチツルは置いて指で土をどかしながら撮影。
しかしフシギです。
前回(一年前)掘り出したコメツキムシの成虫も、同定違いしてなければヒゲコメツキのメスでした。
そのとき記事→「アオゴミムシたちの集団越冬」
コメツキムシの仲間は国内に約700種いるといわれており、成虫越冬するものもめずらしくないはず。
そもそも、越冬中でなくてもチバでヒゲコメツキを観察した経験は片手で足りるほどなのに。
確率を考えるのは無意味だとは思いますが、何か縁を感じざるをえません。
ところで、もちろん本命はコメツキムシではなくてオサムシ。
ほぼチェックし尽くした頃にやっと気が付いたのですが、崖の上は住宅地の端でした。
(犬に吠えられてわかった)
住人の方に見下ろされて不審者と間違われるのも困るので退散しながら気になるとこだけ再チェック。
そしたらやっと出ました。
左手だったからか、変な恰好で。
特にめずらしくはない子ですが、何とも貴重感がありました。
寝ぼけているうちにもう一枚。
この子が出てくれたおかげで、ここで切り上げる決心ができました。
せっかく遠出してきましたが、あまりの寒さにギブアップというのが正直なところ。
トウノショウで凍傷というのはシャレにもなりませんし。(おおげさ)
東総道路に入る前、道の駅ならぬ村の駅のような施設で食事と暖を取り、逃走しました。
スピードを出すと体感温度が下がって辛すぎるので、帰りはあえて下道を通りました。
時間はかかりましたが正解だったと思いますし、日没までも時間があったので寄り道もできました。
久しぶりに訪れたチバ市内のS川の土手。
ところがなんと、重機が入っていました。
表示版によると川幅を拡げる工事なのだそうです。
拡げるだけならまだしも、コンクリートで固めてしまうんだろうな・・
ここはチョウトンボもいるフィールドなのに・・とてもとても心配です。
お口直しに先週の昆虫館の来館者とオオゴマダラのツーショット。
チョウは宮古島から飛行機に乗ってやってきました。
まだしばらく生態展示しています。
今日の湯加減
行ってきました。2月25日。
この日は全国的に(特に東日本は)気温が低いとの予報で、たしかに朝起きたら寒いこと寒いこと。
チバは未明に雨も降ったようで、陽射しもまったくない曇天。
それでも気持ちを奮い立たせ、腰にバンドを巻き、手首にサポーターをはめ、防寒対策して出発。
(出かけるのを断念する理由を5分くらい考えたけど名案が浮かばなかったとも言う)
そして到着。
ルート選択を間違ってしまい、2時間もかかりました。(高速を使ったのに)
ところで向かった場所は東総。(東房総)
東関道で成田を過ぎ、大栄(タイエイ)というところで降り、東総有料道路に入りました。
この有料道路はおそらく5年以上ぶりでしたが、相変わらずオートバイの料金は20円でした。
さて、目的地は東庄町(とうのしょうまち)。チョウシの手前、イバラキとの県境です。
訪れたことはあるのですが、探虫ははじめてなのでポイントはわからない。
とりあえず目標にしたのは県民の森。
東総は田園地帯なので、高い山はありませんが、この公園は山の上でした。
それにしても寒い。途中の道路に出てた気温表示は5℃。
オートバイに乗っていると体感温度はまちがいなく氷点下。
鼻からは水分が排出され続け、往路ですでにポケティを使い切ってしまいました。(帰りどうしよう)
でも広場には小さな春がおどろくほどたくさん咲いていました。
ホトケノザ
これはイヌノフグリの仲間でしょうか。
いっぱい生えているのですが、さすがに気温が低すぎるのか、開いているのが見つかりませんでした。
そう、花の写真をアップしたのは、虫の写真がないからですが、トイレの壁にちょっと面白いのが。
スケスケの繭というと、クスサンの透かし俵が思い浮かびますが、これは断然小さく2センチほど。
自信はないけれど、アカスジシロコケガという蛾の仲間の繭じゃないかと。
繭を形作るこの細くて黒い糸のようなものは、アカスジシロコケガの幼虫の体毛です。
そんなふうに繭を作る虫は他に知りませんが、これもまさにナチュラルアートですね。
園内は人工的な疎林と広場があるだけで、探虫できそうな場所はなさそうでした。
丘を登ってくる途中の支道に小崖が見えたのでそこまで戻って試掘してみましたが何も出ず。
しかも掘れる範囲がほんの少しだけだったので、この公園は見切ることにしました。
一旦下りきって次に目指したのは貯水池。
先の公園を当初の目標にしたのも、近くに池沼があったからです。(セオリーです)
八丁堰
堰の周囲の山側(公園側)をリサーチしましたが崖はなし。(大きな切り立った崖はありました)
山へのアプローチもほぼゼロ。
結局、谷津田の奥を探ってみることにしました。
あぜ道の行き止まり、田んぼの脇から斜面林に沿っていく、コンクリートの半舗装の道があったので歩いて登っていきました。
仰ぎ見る斜面には不法投棄されたゴミが散見されましたが、土の地層が見えていたのでアタック開始。
粘土層でしたが、固さと湿度はかなり良し。
でも掘っても掘っても何もでない・・わけではなく、ムカデばかりが次々に。(写真は割愛)
指標虫がこんなに出るんだから何かはいるだろうと思ったので粘りました。
何が出ても見逃すまいと緊張感をもっていたことが幸いし、この保護色にも騙されませんでした。
ところで、利き腕の右手でなく、左手で掘っているため、細かい土捌きができません。
指先を使う分には大丈夫なので、バチツルは置いて指で土をどかしながら撮影。
ヒゲコメツキ ♀ (コメツキムシ科)
しかしフシギです。
前回(一年前)掘り出したコメツキムシの成虫も、同定違いしてなければヒゲコメツキのメスでした。
そのとき記事→「アオゴミムシたちの集団越冬」
コメツキムシの仲間は国内に約700種いるといわれており、成虫越冬するものもめずらしくないはず。
そもそも、越冬中でなくてもチバでヒゲコメツキを観察した経験は片手で足りるほどなのに。
確率を考えるのは無意味だとは思いますが、何か縁を感じざるをえません。
同上
ところで、もちろん本命はコメツキムシではなくてオサムシ。
ほぼチェックし尽くした頃にやっと気が付いたのですが、崖の上は住宅地の端でした。
(犬に吠えられてわかった)
住人の方に見下ろされて不審者と間違われるのも困るので退散しながら気になるとこだけ再チェック。
そしたらやっと出ました。
左手だったからか、変な恰好で。
特にめずらしくはない子ですが、何とも貴重感がありました。
アトボシアオゴミムシ (オサムシ科)
寝ぼけているうちにもう一枚。
この子が出てくれたおかげで、ここで切り上げる決心ができました。
せっかく遠出してきましたが、あまりの寒さにギブアップというのが正直なところ。
トウノショウで凍傷というのはシャレにもなりませんし。(おおげさ)
東総道路に入る前、道の駅ならぬ村の駅のような施設で食事と暖を取り、逃走しました。
スピードを出すと体感温度が下がって辛すぎるので、帰りはあえて下道を通りました。
時間はかかりましたが正解だったと思いますし、日没までも時間があったので寄り道もできました。
久しぶりに訪れたチバ市内のS川の土手。
ところがなんと、重機が入っていました。
表示版によると川幅を拡げる工事なのだそうです。
拡げるだけならまだしも、コンクリートで固めてしまうんだろうな・・
ここはチョウトンボもいるフィールドなのに・・とてもとても心配です。
オマケ
お口直しに先週の昆虫館の来館者とオオゴマダラのツーショット。
チョウは宮古島から飛行機に乗ってやってきました。
まだしばらく生態展示しています。
今日の湯加減
今日はファーブル昆虫塾の総会の日。
会費を集めて活動しているので、収支報告などをするのです。
活動都度の事務処理や決算処理は代表の方におんぶにだっこなので苦労はありません。
(どこかの国の政府のように異常データや修正も一切ありません)
総会というと堅苦しいですが、お楽しみは総会のあとの懇親会。
クリスマス子供会と同様、子供たちはもちろん、虫パパや虫ママたちも和気あいあいと。
もちろん話題は虫のことばかりですが・・(学校のことなども話すかな?)
さあ、もうすぐ啓蟄。ビンゴゲームの景品を携えて行ってきます!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
凄い! まさにアートですね(゚ロ゚;)マジ!?
これは製作中ではないのですね(^_^;)
by middrinn (2018-03-03 16:38)
こんばんは^^
寒い所をご苦労様でしたね~ 成果が少なかったですかしら^^
でも面白いものを、これは初めて見せていただきました。アカスジシロコケガ
こんなものもいるのですね~
by mimimomo (2018-03-03 18:57)
蛾の繭は意外と簡単な造りのように感じますがどうなんでしょう・・・バイクは高速で走るとかなりに寒そそうですね。
by g_g (2018-03-03 19:40)
オオゴマダラはアサギマダラのように渡りをするのかしら。
飛行機に乗ったことのあるオオゴマダラは数えるほどくらいしかいないでしょうね~^^
by よしころん (2018-03-03 19:51)
>middrinnさん
中でサナギになっていますから完成しています。
>mimimomoさん
収獲があればもう少し粘れたと思いますが・・限界でした。
>g_gさん
眼目は作り方ではなく材料ですね。
>よしころんさん
東南アジアにも分布していますが、この子は南西諸島からきました。
成虫なので大人料金ですね^^
by ぜふ (2018-03-04 09:22)
早春の草花を見せていただいて和んでいます
春よね、、、
河川工事、コンクリートで固めて護岸工事よね
土手も壊れて、つくしの子も、頭を出す先に困るのにな、、、
by engrid (2018-03-06 18:18)
体感温度氷点下はヤバいですね。
よく頑張りました。
ちゃんと宝も堀当ててるし凄い。
by 響 (2018-03-07 16:12)
確かに、1枚目の田んぼの写真が寒々しく見えます^^;。
自分の体毛で繭を作るとは面白い。コレ、この状態で壁に
張り付いているのですよね。アートだなぁ。
by sakamono (2018-03-08 22:14)
>engridさん
つくし、出られません。もう少し想像力をもってほしいです。
バタフライ・ナプキンできてよかったです^^
>響さん
風速1mにつき体感は1℃下がるということですから、高速だと確実に零下です><
宝というにはオーディナリーでしたが出てくれただけ幸せでした。
>sakamonoさん
垂直面に張り付いているのです。作業風景を見たいですよね。
それにしても寒さを思い出します^^;
by ぜふ (2018-03-08 23:21)
おはようございます^^
コメントをありがとうございました。全然気づいていなかったです。あれでずっとイチゲと読んでいました<(__)>
直しておきました。
by mimimomo (2018-03-09 07:03)