"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
智の人は絵の人ではなかった [日記]
1月27日、数年ぶりに科博に行ってきました。
12月からはじまっていて、お正月に行こうと思いつつ部活に感けてなかなか行けず。
でも見に行きたい気持ちは募るばかりでした。
なのに当日朝、寒さに負けて開館同時入場できなかったという体たらく。
常設展示扱いなので入館料だけで観覧できます。
他の企画展示には目もくれず、日本館へまっしぐら。
まだ混雑はしていない様子だったので一安心。
熊楠はまさに博物学者ですが、特にキノコや地衣類の採集・研究を主業としていました。
展示もそれらの標本や資料と研究にまつわる説明がほとんどを占めていました。
が、注目したのは虫。
標本作成だけでなく、写生もしています。
動物や植物もあらゆるものを描いています。
その中から昆虫にフォーカスしてご紹介します。
ここまでの絵でたぶん同じ印象をお持ちだろうと思いますが、
熊楠はあまり絵が上手ではありません。
学芸員さんたちのインタビュービデオでも「ヘタだ」と言い切っている方がいました。
これは難問。
”きょう螂” と書いて”くそむし”と読むようで、翅を開いているのでセンチコガネじゃないかと。(追記)
これは ”アゲハノテウ” と書かれていますが・・
”蛺蝶” はタテハチョウと読むので変ですね・・
と思ったら、昔はこの字もアゲハチョウに使われていたそうです。(追記)
虫當 虫良 (カマキリ)はコメント不能。
これは ”芫青” とあるので ゲンセイの仲間だと思いますが、カナが判読不能。
別の図版。
”叩頭蟲” というのはコメツキムシのことですが、ここまでくるともう、ほのぼのとしてきます。
そして最後はお気に入りの子なのですが、絵はちょっとざんねん。
漢字も適当・・・かと思ったらこの字もあるとのことです。(追記)
”地膽(ぢたん)”もツチハンミョウの仲間のこと。
だけど、ここまでリアル感がないと、キャラクターっぽくて親しみが湧いてくるのでした。
こちらはリアルな採集道具。
ブースの片隅で熊楠語録が紹介されていました。
その中で心に刺さった言葉を。
ファーブルも同じような言葉を残しています。
”自然の中に無用の命はない”
すべての命は必ず何かの役に立っていると。
もうひとつ。
これはイタイところを衝かれた気がしました。
多くも知らないし、一つ一つ熟考もしないとしたら、それはお話にならないと言われている気が・・
せめて、少しでも知って、それについてじっくり考えねばと自省しました。
上野公園を横切り、弁天島経由で不忍池を渡り、湯島で担々麺を食べようと思ったのですが、
店の前に長蛇の列ができていたので踵を返し、湯島天神から本郷まで歩いていきました。
そして、日本蛾類学会の総会に参加させていただきましたが、こちらも智の人の集まり。
東大の階段講堂で聴講することができて幸せでした。
虫の写真なしではさびしいので・・前記事でスズメバチを掘り出したときに一匹だけ出た子。
今日の湯加減
12月からはじまっていて、お正月に行こうと思いつつ部活に感けてなかなか行けず。
でも見に行きたい気持ちは募るばかりでした。
なのに当日朝、寒さに負けて開館同時入場できなかったという体たらく。
南方熊楠生誕150周年記念企画展 ~100年早かった智の人~
常設展示扱いなので入館料だけで観覧できます。
他の企画展示には目もくれず、日本館へまっしぐら。
まだ混雑はしていない様子だったので一安心。
熊楠はまさに博物学者ですが、特にキノコや地衣類の採集・研究を主業としていました。
展示もそれらの標本や資料と研究にまつわる説明がほとんどを占めていました。
が、注目したのは虫。
写真撮影可でした
標本作成だけでなく、写生もしています。
動物や植物もあらゆるものを描いています。
その中から昆虫にフォーカスしてご紹介します。
セミ(蝉)
トンボ(蜻蛉)
カミキリムシ(天牛)
ここまでの絵でたぶん同じ印象をお持ちだろうと思いますが、
熊楠はあまり絵が上手ではありません。
学芸員さんたちのインタビュービデオでも「ヘタだ」と言い切っている方がいました。
これは難問。
スガ子??
”きょう螂” と書いて”くそむし”と読むようで、翅を開いているのでセンチコガネじゃないかと。(追記)
これは ”アゲハノテウ” と書かれていますが・・
アゲハチョウ
”蛺蝶” はタテハチョウと読むので変ですね・・
と思ったら、昔はこの字もアゲハチョウに使われていたそうです。(追記)
虫當 虫良 (カマキリ)はコメント不能。
カマキリ(蟷螂)
これは ”芫青” とあるので ゲンセイの仲間だと思いますが、カナが判読不能。
別の図版。
”叩頭蟲” というのはコメツキムシのことですが、ここまでくるともう、ほのぼのとしてきます。
そして最後はお気に入りの子なのですが、絵はちょっとざんねん。
漢字も適当・・・かと思ったらこの字もあるとのことです。(追記)
ハンミョウ
”地膽(ぢたん)”もツチハンミョウの仲間のこと。
だけど、ここまでリアル感がないと、キャラクターっぽくて親しみが湧いてくるのでした。
こちらはリアルな採集道具。
ブースの片隅で熊楠語録が紹介されていました。
その中で心に刺さった言葉を。
世界にまるで不用の物なし
ファーブルも同じような言葉を残しています。
”自然の中に無用の命はない”
すべての命は必ず何かの役に立っていると。
もうひとつ。
物を多く識るばかりで、それを一々つづけて考えねば何の悟りも用もなし
これはイタイところを衝かれた気がしました。
多くも知らないし、一つ一つ熟考もしないとしたら、それはお話にならないと言われている気が・・
せめて、少しでも知って、それについてじっくり考えねばと自省しました。
オマケ
上野公園を横切り、弁天島経由で不忍池を渡り、湯島で担々麺を食べようと思ったのですが、
店の前に長蛇の列ができていたので踵を返し、湯島天神から本郷まで歩いていきました。
そして、日本蛾類学会の総会に参加させていただきましたが、こちらも智の人の集まり。
東大の階段講堂で聴講することができて幸せでした。
虫の写真なしではさびしいので・・前記事でスズメバチを掘り出したときに一匹だけ出た子。
ナガニジゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
今日の湯加減
今日、チバに帰ってきたのですが、午前中羽黒山に行ってきました。
さすがに本殿までは登って行けませんでしたが、五重塔まではたどり着けました。
雪の中に佇む国宝はぴんと張り詰めた空気のせいか、圧縮されたように小さく見えました。
その様子は次の記事にて。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
おはようございます^^
上手下手は兎も角、味のある絵ですね~全体を見るといかにも自然がそこにあると言う感じです^^
by mimimomo (2018-02-04 06:48)
>物を多く識るばかりで、それを一々つづけて考えねば何の悟りも用もなし
イタタタタ… まさに「用もなし」な自分。
雪の羽黒山、楽しみにしています^^
by よしころん (2018-02-04 08:04)
トンボを蜻蛉って書くと優雅な感じになりますね(笑)
by barbie (2018-02-04 08:12)
昆虫の画を見るだけでも貴重な感じです。
それにしても昔の漢字、読めないのが多いかも。
by g_g (2018-02-04 08:57)
味のある文章で噛み締めなければと自戒しましたけど、
絵が・・・キャラっぽくてアニメか漫画ですね(゚ロ゚;)
by middrinn (2018-02-04 09:09)
>mimimomoさん
曼荼羅ですね。自然は。
>よしころんさん
悟りはともかくね。何かの用に足りたい。
>barbieさん
古い字はどれも面白いですね。蜻蛉はすきな字です。
>g_gさん
この昆虫の絵は展示物ではなく展示デザインの一部でした。
>middrinnさん
楽しい絵ですね。この絵についても一々考えねば・・
by ぜふ (2018-02-04 23:20)
味わいがある絵ですよね(笑)
>物を多く識るばかりで、それを一々つづけて考えねば何の悟りも用もなし
うん、これは耳が痛いです、ごめんなさいーーー(><
by リュカ (2018-02-09 10:57)
確かにキャラクターっぽい。かわいい虫たちのスケッチですね^^;。
「ヘタ」と言われようと、モノともせず、熟考を重ねた人だった
のでしょうね。
by sakamono (2018-02-09 17:49)
写真撮影OKというのが良いですね。
う~ん、味のある絵だなぁ(笑)
by 響 (2018-02-11 06:44)
>リュカさん
物を多く識りもしないのでさらにイタイです^^;
>sakamonoさん
実際にヘタと言われたかどうかはわかりませんが・・^^
英国留学中の風刺画のような絵はとても上手です。
>響さん
じっと見ているとほのぼのしてきました。
けっしてヘタではないと思います^^
by ぜふ (2018-02-11 08:45)
熊楠の絵、上手い下手ではなくて、可愛いですね。
>世界にまるで不用の物なし
>”自然の中に無用の命はない”
>物を多く識るばかりで、それを一々つづけて考えねば何の悟りも用もなし
>学びて思わざれば則ち罔し
命は本当に大事に、大切にしなければならないと思います。そして、一つ一つの知識も大切にしなければならないのに、私めは、その知識すら微々たるもので、ましてそれを咀嚼して考えるまで、まだまだ道が長うございます。
by アヨアン・イゴカー (2018-02-11 23:01)