"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
エサキオサムシ(仮) [オサムシ]
3月16日の午後、袖ヶ浦市のとある谷津田の端っこに立っていました。
週末にこの地の友人宅を訪れる予定だったのですが、GoogleMapで周辺を調べたらすぐ近くに。
こんなところが。
下見に来てしまいました。
天気も良かったし。
はじめて訪れる土地はワクワクするものです。
南北に2キロほどもある大きな谷津田の北端から東側を辿っていきました。
ところが、林縁の斜面は竹林ばかり。
ばかりというか、竹以外の木がない。(あっても竹林の向こう側)
※解説:崖地があっても竹林の根元はオサホリに向きません(まずいないし掘れない)
とうとう南端まできてしまい、その付近で撮ったのが扉の写真です。
さて今度は谷津田の西側を北に向けて辿っていきます。
探索再開してすぐ、杉林ですが竹ではない崖地が少しありました。土も露出しています。
さっそく取りついてみましたが、その崖は土がふかふか過ぎて今ひとつでした。
※解説2:土がある程度固くないと虫たちは潜りません(藁の家に住むようなものですから)
もう少し進んだところに今度は何本もの木の根が露出してオーバーハングしている崖がありました。
しかしそこは土がカラカラ過ぎで不適でした。
※解説3:土はある程度湿り気がある必要があります(ムカデやトカゲは乾いていても平気です)
そこは南東向きということもあって陽当たりがよく、スミレも咲いていました。
あとはやはり竹林ばかり。
もう少しで一周してしまうかというとき、林の中へ斜めに入っていく細い道がありました。
(あとで分かりましたがその道は谷津田への入口のひとつでした)
その道の両側も竹林でしたが、県道へ出る100メートルばかり手前に極狭ながらもよさそうな崖が。
そこをしばらく掘っていると、半ば空中に飛び出した木の根の廻りについた土塊の中から・・
やっと出ました。
ルイスオサムシの房総半島南部亜種、アワカズサオサムシと思いましたが、この地(袖ヶ浦市)は分布域からかなりはずれている。
このタイプ(外見)のオサムシで房総に分布する種が他にいるのかと調べてみると、
東日本に広く分布するクロオサムシの関東北西部亜種(エサキオサムシと以前呼ばれていた種)が飛び地的に房総半島中西部にも分布することがわかりました。
しかしその局地的分布域からもこの地は少しはずれていました。
ルイスオサムシとクロオサムシの外見は酷似していて、簡単には判別することができません。
希望的観測をあわせて後者としておきたいところですが。
(師匠、すみません)
あまり深堀はせず、来た道を引き返し谷津田へ戻りました。
とうとう一周してスタート地点に立ち一人作戦会議。
実は県道からスタート地点(谷津田の北端)へ降りてくる途中、真っ先に目を付けた崖がありました。
しかし、そこは週末にとっておくことにして、別の場所を探すことに。
ちょうど軽トラが、北端から東に続く道へ走って行ったので、そちらへ行ってみることにしました。
そしたらいきなり、ゴルフ場との境界の小崖がありました。見た目もよさそうでした。
村雨丸に倣ってマイ・バチツルにも名を付けることにしました。
ムカデやカマドウマなどの指標虫が出てきたので期待して掘っていると・・
まだシッポの青い子供でしたが、まだ固まっています。
と、続けてエサキオサらしいのも出たのでツーショットを。
ほかにぽろぽろ出たのはこの子。
13ミリくらい。
ルイスオサとエサキオサ(仮)が出たのでこれにて下見は終了としました。
さあ、本番というか週末、虫好きではありませんが友人二人を強引に誘って谷津田を再訪しました。
いや、谷津田へ行く途中の崖にまっしぐら。
やはりいい崖。すぐに出ました。
やはり優良な崖でした。掘れば掘るほど出る。
友人たちは不慣れなためなかなか出せない様子でしたが、しばらくして一人が何かを掘り当てました。
ゴミムシはこうしてお尻を向けて穴に入っていることもしばしば。
この子もそうでした。
そしてついに一人が。
虫には興味がないけど、この子が本命だということは予め伝えておいたので一応満足そうでした。
もう一人にもぜひ掘りあててもらいたくて、こちらは手を止めてしばらく見守っていました。
すると「おー?」という声が。
やっと出たかと近寄ってみると、なんとそれは。
30~40センチでシッポの先に少し赤みがあるので幼蛇だと思います。
さすがにお連れすることはできないので、穴の中に潜っていくまで三人でじっと観察していました。
めずらしい(房総でも個体数は減っているかと)生き物を掘り当てましたが、本命はとうとう出せず。
この子が出たところでオサホリ体験会は終了としました。
この金属光沢の胸の色は二人にも評判がよかった。
友人宅へ着いてからあらためて撮影。
美しい個体。 エサキオサムシはトウキョウオサムシとも呼ばれていたそうです。
虫をサカナに?宴会のはじまりです。
予め買い出してきていた肉を庭でスモーク。
それを炭火で焼くと、ほんのちょっとの塩とコショウだけで、箸が止まらないおいしさに。
畑の中の一軒家、好きな音楽を聴き、たわいもない話で大笑いし、ビールをたくさん飲んで、
気の置けない親友たちとの思い出深い一日はゆっくりと暮れていきました。
翌日は昆虫塾の総会とパーティーでした。
Uさんが沖縄採集行で見つけてきた超美麗虫がビンゴの景品のひとつとして供されました。
ビンゴで当てたかった・・。
蝶の標本や美麗なカメムシと比べると人気のないオサムシやゴミムシですが、
エサキオサムシたちも3匹セットにして景品に出してみたら、選んでくれた子がいました。
しかも女の子。
うれしかったので景品用ではなかったゴミムシもあげました。
今日の湯加減
週末にこの地の友人宅を訪れる予定だったのですが、GoogleMapで周辺を調べたらすぐ近くに。
こんなところが。
房総のとある谷津田
下見に来てしまいました。
天気も良かったし。
はじめて訪れる土地はワクワクするものです。
南北に2キロほどもある大きな谷津田の北端から東側を辿っていきました。
ところが、林縁の斜面は竹林ばかり。
ばかりというか、竹以外の木がない。(あっても竹林の向こう側)
※解説:崖地があっても竹林の根元はオサホリに向きません(まずいないし掘れない)
とうとう南端まできてしまい、その付近で撮ったのが扉の写真です。
さて今度は谷津田の西側を北に向けて辿っていきます。
探索再開してすぐ、杉林ですが竹ではない崖地が少しありました。土も露出しています。
さっそく取りついてみましたが、その崖は土がふかふか過ぎて今ひとつでした。
※解説2:土がある程度固くないと虫たちは潜りません(藁の家に住むようなものですから)
もう少し進んだところに今度は何本もの木の根が露出してオーバーハングしている崖がありました。
しかしそこは土がカラカラ過ぎで不適でした。
※解説3:土はある程度湿り気がある必要があります(ムカデやトカゲは乾いていても平気です)
そこは南東向きということもあって陽当たりがよく、スミレも咲いていました。
タチツボスミレ
あとはやはり竹林ばかり。
もう少しで一周してしまうかというとき、林の中へ斜めに入っていく細い道がありました。
(あとで分かりましたがその道は谷津田への入口のひとつでした)
その道の両側も竹林でしたが、県道へ出る100メートルばかり手前に極狭ながらもよさそうな崖が。
そこをしばらく掘っていると、半ば空中に飛び出した木の根の廻りについた土塊の中から・・
やっと出ました。
体長22~23ミリ
ルイスオサムシの房総半島南部亜種、アワカズサオサムシと思いましたが、この地(袖ヶ浦市)は分布域からかなりはずれている。
このタイプ(外見)のオサムシで房総に分布する種が他にいるのかと調べてみると、
東日本に広く分布するクロオサムシの関東北西部亜種(エサキオサムシと以前呼ばれていた種)が飛び地的に房総半島中西部にも分布することがわかりました。
しかしその局地的分布域からもこの地は少しはずれていました。
ルイスオサムシとクロオサムシの外見は酷似していて、簡単には判別することができません。
希望的観測をあわせて後者としておきたいところですが。
(師匠、すみません)
ルイスオサムシ(オサムシ科)
あまり深堀はせず、来た道を引き返し谷津田へ戻りました。
とうとう一周してスタート地点に立ち一人作戦会議。
実は県道からスタート地点(谷津田の北端)へ降りてくる途中、真っ先に目を付けた崖がありました。
しかし、そこは週末にとっておくことにして、別の場所を探すことに。
ちょうど軽トラが、北端から東に続く道へ走って行ったので、そちらへ行ってみることにしました。
そしたらいきなり、ゴルフ場との境界の小崖がありました。見た目もよさそうでした。
「陸奥守 吉行」
村雨丸に倣ってマイ・バチツルにも名を付けることにしました。
ムカデやカマドウマなどの指標虫が出てきたので期待して掘っていると・・
ニホントカゲ(幼体)
まだシッポの青い子供でしたが、まだ固まっています。
と、続けてエサキオサらしいのも出たのでツーショットを。
エサキオサムシ(仮)(オサムシ科)
ほかにぽろぽろ出たのはこの子。
ヒラタゴミムシの仲間 (オサムシ科)
13ミリくらい。
ルイスオサとエサキオサ(仮)が出たのでこれにて下見は終了としました。
さあ、本番というか週末、虫好きではありませんが友人二人を強引に誘って谷津田を再訪しました。
いや、谷津田へ行く途中の崖にまっしぐら。
やはりいい崖。すぐに出ました。
ルイスオサムシ (オサムシ科)
やはり優良な崖でした。掘れば掘るほど出る。
同上
友人たちは不慣れなためなかなか出せない様子でしたが、しばらくして一人が何かを掘り当てました。
オオアトボシアオゴミムシ (オサムシ科)
ゴミムシはこうしてお尻を向けて穴に入っていることもしばしば。
この子もそうでした。
コガシラアオゴミムシ (オサムシ科)
そしてついに一人が。
ルイスオサムシ (オサムシ科)
虫には興味がないけど、この子が本命だということは予め伝えておいたので一応満足そうでした。
もう一人にもぜひ掘りあててもらいたくて、こちらは手を止めてしばらく見守っていました。
すると「おー?」という声が。
やっと出たかと近寄ってみると、なんとそれは。
マムシ
30~40センチでシッポの先に少し赤みがあるので幼蛇だと思います。
さすがにお連れすることはできないので、穴の中に潜っていくまで三人でじっと観察していました。
めずらしい(房総でも個体数は減っているかと)生き物を掘り当てましたが、本命はとうとう出せず。
この子が出たところでオサホリ体験会は終了としました。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
この金属光沢の胸の色は二人にも評判がよかった。
友人宅へ着いてからあらためて撮影。
エサキオサムシ(仮) ♂(オサムシ科)
美しい個体。 エサキオサムシはトウキョウオサムシとも呼ばれていたそうです。
虫をサカナに?宴会のはじまりです。
予め買い出してきていた肉を庭でスモーク。
それを炭火で焼くと、ほんのちょっとの塩とコショウだけで、箸が止まらないおいしさに。
畑の中の一軒家、好きな音楽を聴き、たわいもない話で大笑いし、ビールをたくさん飲んで、
気の置けない親友たちとの思い出深い一日はゆっくりと暮れていきました。
オマケ
翌日は昆虫塾の総会とパーティーでした。
Uさんが沖縄採集行で見つけてきた超美麗虫がビンゴの景品のひとつとして供されました。
ナナホシキンカメムシ (カメムシ科)
ビンゴで当てたかった・・。
蝶の標本や美麗なカメムシと比べると人気のないオサムシやゴミムシですが、
エサキオサムシたちも3匹セットにして景品に出してみたら、選んでくれた子がいました。
しかも女の子。
うれしかったので景品用ではなかったゴミムシもあげました。
今日の湯加減
さて今日は久しぶりに(数か月おきなので)昆虫塾写真部の寄り合い。
みんな各自の作品(写真)を持ち寄って、館内の展示写真の入れ替えをするのですが。
展示できるような写真がない。
それこそ沖縄方面へでも遠征すれば美麗種の撮影もできるかもしれませんがそれは叶わぬ夢。
(蝶の写真を撮る方がほとんどなのです)
このブログのとおり、冬はオサホリばかりなので、撮影するのは土まみれの虫たち。
でも、そういう生態写真でもいいかな。
せっかく採れた美しいエサキオサムシ(仮)の写真を持って行こうと思います。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
すみません。
スモークのお肉に目が釘付け~~^^;
by よしころん (2017-03-25 21:41)
私も、、、
スモークしてから、おいしそう、一手間が秘訣ですね
マムシにも目が点に、
エサキオサムシ 美しいですね、
ナナホシキンカメムシ 玉虫んのような輝き、超美麗、まさにですね
by engrid (2017-03-26 01:10)
おはようございます^^
良い崖を見つけられたのですね^^v
お友達との宴会も楽しそうです。
by mimimomo (2017-03-26 06:18)
お早うございます。
マムシを初めて見ました。うちは小山なので会いたくないです(-。-;)
ナナホシキンカメムシが綺麗ですね〜〜〜
by yakko (2017-03-26 09:26)
トカゲのブルー美しいですね
お肉、虫のエサかと勘違いしてしまいましたww
田舎のお家は解放感があって良いですよね(冬以外は)
by shino* (2017-03-26 12:07)
オサホリにむくのは、ある程度の固さと湿り気がある崖で、竹林の根元で
ないところ、と。だんだん知識がついていきます^^;。
このお肉のスモークはビールにあうでしょうねぇ~。
趣味のあう仲間と飲むのは、楽しですよね^^。
by sakamono (2017-03-26 15:21)
オサムシ等の肴でスモークしたバーベキュー
私には一寸肴にしたくない・・・(^.^)ご(-.-)め(__)ん(-。-)ね(^.^) でも美味しそう・・・
by g_g (2017-03-26 20:24)
>よしころんさん
ここ数年間で食べたもの、ベスト3に入ります!^^
>engridさん
そう、一手間の大事さというものを教わりました。
そう、エサキオサの色合いも好評でした。
そう、キンカメくんはタマムシに勝るとも劣らず、です♪
>mimimomoさん
コンチューターが働きました^^
宴会は楽しかったです♪
>yakkoさん
なかなか会えないので貴重ではありますが、やっぱりね・・^^;
>shino*さん
やはりハチュフリークですね^^
そうなんです、夜はとっても冷えました・・>_<
あ、さすがに虫のエサにはもったいなかったです^^;
>sakamonoさん
いい調子ですね^^
このお肉、千円しないんですが、ビールとの相性は最高でした♪
>g_gさん
オサムシは食べたりしないので大丈夫です^^
by ぜふ (2017-03-26 21:50)
龍馬の刀は色んな物を掘り当てますね。
マムシは勘弁(笑)
by 響 (2017-03-31 11:28)
>響さん
よくご存知で。
でもマムシを掘り出したのは陸奥守ではありません^^
by ぜふ (2017-04-02 09:25)