"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ナノハナ色の虫を探して [探虫行]
3月25日、この日はオサホリではなく、ゴミホリと決めていました。
狙うは菜の花色の美麗種。(去年の掲載記事はこちら)
去年とれた場所ではなく、新しい採集ポイントを見つけたいと欲を出しました。
例によってGoogleMapで一人作戦会議をし、数キロ上流の運河を目指すことに。
途中で撮った写真ですが、利根川の土手は長い長い菜の花の川となっていました。
探索開始地点をナビにセットして近くまでは来たのですが、そこはそもそも番地も付いてないところ。
工事をしていたり、宅地開発をしていたりで、ナビのとおりに進めません。
向かうべき方向は分かるのでナビを無視して走っていたら行き止まり。
右往左往して結局国道に出ました。(最初からこの国道をナビしてくれたらよかったのに・・)
運河にかかる橋を渡って河川敷の方へ降りました。
ちょっと気になる進入路を入ってみるとそこは(おそらく穫れ過ぎた)野菜の廃棄場所でした。
それらの下にもゴミムシはいるかもしれませんが、目的の子は見込めない。
少し先に進むと不自然に開けた場所にでました。
オートバイをとめて道具を出して歩き出そうとしたら、前方の藪の中からイタチが出てきました。
望遠レンズは持っていませんでしたが証拠写真だけでも撮ろうと思い近づいていきました。
こちらに気が付いている様子はなかったけれど、先へ先へと歩いていき、とうとうまた藪の中へ。
ということで証拠写真すら撮れませんでしたが、こんなとこにもいるんだと。
さて、本命を探すべくこちらも倒木や立ち枯れを探します。
ここには物件がほとんどありませんでしたが、一本だけ転がっていた枯木をバチツルで崩すと・・
4ミリくらいで米粒よりも小さいのですが、この色の輝きは見逃さない。
成虫で越冬するハムシ。前々記事のコガタルリハムシと色は似ていますが、全くの別種。
この子も美麗種だと思いますが、飼える自信がないのでそっとしておきました。
別のポイントを探して移動するも、河川敷の林の中へアプローチできるルートがなかなかない。
とうとう去年訪れたポイントの近くまできました。
そこでやっと水際まで行けるルートを発見。
物件は見当たりませんでしたが、一面にオオイヌノフグリとホトケノザの咲く陽だまりがありました。
まず目に付いたのは今年初見のベニシジミでしたが敏感な子で撮らせてくれず。
この子は一枚だけ撮らせてくれました。
冬眠から目覚めて日向ぼっこをしていたのでしょう。
ずっとじっとしてしゃがんでいたからか、この子はめずらしく近接して何枚も撮ることができました。
この時期しかお目にかかれない、春の訪れを象徴する虫。
いつ見てももふもふの毛がかわいらしい。
その後も物件を探し、というよりも林へのアプローチを探してトレースしていきました。
どうも去年入っていったアプローチが、藪が深くなったせいかルートとして見つけられないよう。
移動ばかりでバチツル陸奥守の出番がほとんどありませんでした。
でも逆に去年は見過ごしていたと思われるルートを見つけました。(見おぼえのない景色だった)
川に沿ってしばらく走りましたがその道の両側は藪ばかりで林がない。
侵入ルートがあってもすぐに行き止まり。
まあ、こんなことでくじけはしないのですが、この日も遅い出発でロスタイムもあり時間がない。
ゴミホリという意味ではボウズなので、さすがに焦ってきました。
と、またしても不自然に(人工的に)開けた区画が現れました。
その草原を見渡しているとビリビリとコンチューターの針が振れる景色がそこに。
昆虫電磁波がバリバリ発信されている物件です。
ひょっとしたら先客ありかなと近づいてみると手付かずの様子でした。
まずは木の表皮をはがそうと(これがラッキーでした)ツルハシの切っ先を引っ掛けてバリッと。
そこに現れた光景は。
思わず「おー!」と叫んでしまいました。
集団越冬のテントウムシたちはそれほどめずらしいものではありませんがこの子たちはめずらしい。
もしバチツルでザクッと崩していたら潰してしまうか少なくともバラバラにしてしまったでしょう。
散らないでと祈りつつカメラを近づけながら、さらにゆっくりと皮をめくりました。
カメノコテントウとナミテントウの集団越冬。
大きい子がカメノコテントウ、その他はぜんぶナミテントウ。
何枚か撮影していると皆もぞもぞと動きだしてしまいました。
お願いじっとしてと、しつこくカメラで追ってやっと接写成功。
成虫も幼虫もクルミハムシの幼虫が主食。
しかし見渡す限りクルミの木は見当たりません。
きっと土手の内側の畑地の周囲かさらに内陸の里山の中にはあるのでしょう。
そこから何百メートルも離れた、ぽつんと立つこの立ち枯れにどうして彼らはやってくるのでしょう。
たしかに冬眠にはとても適した状態と場所にあるのですが・・
集合フェロモンによって誘引されたのだと推察しますが、人智では計り知れない能力です。
このあともしばらく物件探しを続けましたが、まったくといっていいほど見つからず。
マイマイカブリたちの棲む優良物件の様子だけ確認して河川敷を後にしました。
帰り道、せっかくなので去年はじめて訪れた沼の周囲のポイントに立ち寄ることにしました。
そのフィールドで一番の優良物件の様子を確認しに。
しかし残念ながらオオクチキムシやナガニジゴミムシダマシのマンションだった倒木は朽ちすぎて終わっていました。
諦めが悪く、他の物件もあたっているとこんな虫がでてしまいました。
何カミキリかわかりませんが、魔がさしてお持ち帰りしてしまいました。
この木のフレークを瓶に詰めてその中に入ってもらっています。
今日の湯加減
狙うは菜の花色の美麗種。(去年の掲載記事はこちら)
去年とれた場所ではなく、新しい採集ポイントを見つけたいと欲を出しました。
例によってGoogleMapで一人作戦会議をし、数キロ上流の運河を目指すことに。
途中で撮った写真ですが、利根川の土手は長い長い菜の花の川となっていました。
探索開始地点をナビにセットして近くまでは来たのですが、そこはそもそも番地も付いてないところ。
工事をしていたり、宅地開発をしていたりで、ナビのとおりに進めません。
向かうべき方向は分かるのでナビを無視して走っていたら行き止まり。
右往左往して結局国道に出ました。(最初からこの国道をナビしてくれたらよかったのに・・)
運河にかかる橋を渡って河川敷の方へ降りました。
ちょっと気になる進入路を入ってみるとそこは(おそらく穫れ過ぎた)野菜の廃棄場所でした。
それらの下にもゴミムシはいるかもしれませんが、目的の子は見込めない。
少し先に進むと不自然に開けた場所にでました。
オートバイをとめて道具を出して歩き出そうとしたら、前方の藪の中からイタチが出てきました。
望遠レンズは持っていませんでしたが証拠写真だけでも撮ろうと思い近づいていきました。
こちらに気が付いている様子はなかったけれど、先へ先へと歩いていき、とうとうまた藪の中へ。
ということで証拠写真すら撮れませんでしたが、こんなとこにもいるんだと。
さて、本命を探すべくこちらも倒木や立ち枯れを探します。
ここには物件がほとんどありませんでしたが、一本だけ転がっていた枯木をバチツルで崩すと・・
4ミリくらいで米粒よりも小さいのですが、この色の輝きは見逃さない。
ヤナギルリハムシ (ハムシ科)
成虫で越冬するハムシ。前々記事のコガタルリハムシと色は似ていますが、全くの別種。
この子も美麗種だと思いますが、飼える自信がないのでそっとしておきました。
別のポイントを探して移動するも、河川敷の林の中へアプローチできるルートがなかなかない。
とうとう去年訪れたポイントの近くまできました。
そこでやっと水際まで行けるルートを発見。
物件は見当たりませんでしたが、一面にオオイヌノフグリとホトケノザの咲く陽だまりがありました。
まず目に付いたのは今年初見のベニシジミでしたが敏感な子で撮らせてくれず。
この子は一枚だけ撮らせてくれました。
ナガメ (カメムシ科)
冬眠から目覚めて日向ぼっこをしていたのでしょう。
ずっとじっとしてしゃがんでいたからか、この子はめずらしく近接して何枚も撮ることができました。
この時期しかお目にかかれない、春の訪れを象徴する虫。
ビロードツリアブ (ツリアブ科)
いつ見てももふもふの毛がかわいらしい。
その後も物件を探し、というよりも林へのアプローチを探してトレースしていきました。
どうも去年入っていったアプローチが、藪が深くなったせいかルートとして見つけられないよう。
移動ばかりでバチツル陸奥守の出番がほとんどありませんでした。
でも逆に去年は見過ごしていたと思われるルートを見つけました。(見おぼえのない景色だった)
川に沿ってしばらく走りましたがその道の両側は藪ばかりで林がない。
侵入ルートがあってもすぐに行き止まり。
まあ、こんなことでくじけはしないのですが、この日も遅い出発でロスタイムもあり時間がない。
ゴミホリという意味ではボウズなので、さすがに焦ってきました。
と、またしても不自然に(人工的に)開けた区画が現れました。
その草原を見渡しているとビリビリとコンチューターの針が振れる景色がそこに。
昆虫電磁波がバリバリ発信されている物件です。
ひょっとしたら先客ありかなと近づいてみると手付かずの様子でした。
まずは木の表皮をはがそうと(これがラッキーでした)ツルハシの切っ先を引っ掛けてバリッと。
そこに現れた光景は。
思わず「おー!」と叫んでしまいました。
集団越冬のテントウムシたちはそれほどめずらしいものではありませんがこの子たちはめずらしい。
もしバチツルでザクッと崩していたら潰してしまうか少なくともバラバラにしてしまったでしょう。
散らないでと祈りつつカメラを近づけながら、さらにゆっくりと皮をめくりました。
カメノコテントウとナミテントウの集団越冬。
大きい子がカメノコテントウ、その他はぜんぶナミテントウ。
何枚か撮影していると皆もぞもぞと動きだしてしまいました。
お願いじっとしてと、しつこくカメラで追ってやっと接写成功。
カメノコテントウ (テントウムシ科)
成虫も幼虫もクルミハムシの幼虫が主食。
しかし見渡す限りクルミの木は見当たりません。
きっと土手の内側の畑地の周囲かさらに内陸の里山の中にはあるのでしょう。
そこから何百メートルも離れた、ぽつんと立つこの立ち枯れにどうして彼らはやってくるのでしょう。
たしかに冬眠にはとても適した状態と場所にあるのですが・・
集合フェロモンによって誘引されたのだと推察しますが、人智では計り知れない能力です。
このあともしばらく物件探しを続けましたが、まったくといっていいほど見つからず。
マイマイカブリたちの棲む優良物件の様子だけ確認して河川敷を後にしました。
オマケ
帰り道、せっかくなので去年はじめて訪れた沼の周囲のポイントに立ち寄ることにしました。
そのフィールドで一番の優良物件の様子を確認しに。
しかし残念ながらオオクチキムシやナガニジゴミムシダマシのマンションだった倒木は朽ちすぎて終わっていました。
諦めが悪く、他の物件もあたっているとこんな虫がでてしまいました。
カミキリムシの幼虫
何カミキリかわかりませんが、魔がさしてお持ち帰りしてしまいました。
この木のフレークを瓶に詰めてその中に入ってもらっています。
今日の湯加減
年初になんとなく、今年は色んな節目の年になりそうだなと思っていたら。
今月から仕事の内容がガラリと変わることに。
まったく未知と言っていい新しい分野へチャレンジします。
不安と期待が入り混じるこの感覚は何年振りでしょう。
アプローチは見つかるのか・・。
見つからなくても藪の中へ突入していくしかないかもしれません。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
そういえば今年菜の花まだ見てません。
フグリの蜜吸う図は感動ものですね。
by shino* (2017-04-02 01:00)
集団越冬、
ぽつんと立ち枯れの木に、集まってくる、、不思議ですね
生き技なのでしょうね、自然の叡智には限りがないですね
by engrid (2017-04-02 01:12)
おはようございます^^
最初の菜の花の群落(まるで並木道^^) 素敵ですね~
オオイヌノフグリをレストランにしている子はとても小さいのですよね~お花の大きさからすると1センチ弱かしら。綺麗に写されましたね。
目的のものは見つけられなかったようですが、それでもなんだか楽しげに遊ばれたような?^^
by mimimomo (2017-04-02 06:42)
>shino*さん
チバはいたるところに咲いてるので見ないでいられませんね^^;
ビロツリちゃんはとてもいいモデルさんでした♪
今年は会えないかもと思っていたので嬉しさ倍増でした^^
>engridさん
今回あらためて自然・・虫たちの能力を再認識させられました。
むしろ感動しました♪
>mimimomoさん
写真がいまいちで、実際はもっとすてきな光景がひろがってます^^
ビロツリちゃんはちびっこです。撮るのたいへんでした^^;
by ぜふ (2017-04-02 09:43)
ヤナギルリハムシの小ささと光輝く色がなんとも良いですね。
テントウムシの集団越冬の姿を見ただけで背筋がゾクッとして
しまいます。カミキリムシの幼虫初めて見たかも・・・
長い経験による探究心流石ですね。
by g_g (2017-04-02 09:58)
こんにちは。
ヤナギルリハムシ、4ミリですか〜 よく見つけましたね。集団越冬のテントウムシたち〜ちょっと苦手。カミキリムシの幼虫も苦手です !
by yakko (2017-04-02 17:02)
おぉぉ~~ みなで肩寄せあって冬を越したのですね♪
そうそう、オニシバリとナニワズ似てますよね~
ナニワズは春の山のなかでひときわ目立つ鮮やかな黄色い花で、日本海側にしか分布しておらないのですよ。
by よしころん (2017-04-02 20:31)
>g_gさん、yakkoさん
ヤナギルリハムシは見逃すことが多いと思います^^;
お二人とも集団越冬の姿がニガテというのは面白いですね。
理由はなんとなくわかりますが^^;
>よしころんさん
おしくらまんじゅうをしていましたね^^;
似ていますが、別名がどちらもナツボウズというのも^^
by ぜふ (2017-04-03 21:44)
まだ越冬中の虫もいるのですね。
ビロードさんのホバリング写真いいなぁ~。
by 響 (2017-04-04 21:33)
菜の花の川もキレイですねー。
そして米粒よりも小さいのに、この青い輝きはスゴイです。
ビロードツリアブ?不思議な形をしてますねー。
ファンタジーの世界に登場しそう^^;。
by sakamono (2017-04-07 00:41)
>響さん
なかなか近接撮影させてくれない虫ですが、この子はいい子でした♪
イチガンで撮りたかったですね^^;
>sakamonoさん
肉眼での観察ではわからないと思います、この色合い。
ビロツリくんは春の妖精ですね♪
by ぜふ (2017-04-07 20:31)