"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
不完全燃焼の水無月 前編 [ゼフィルス]
前記事にも書きましたが、梅雨はゼフィルスの季節。
何度かHFの谷津田に突撃するも不発ばかりでしたが、他の虫の記録のためにもアップすることにします。
しかも前後編になりますが・・。
6月18日、長靴をはいて(寝坊したので)7時にハンノキ林の縁に立ちました。
早朝、泥濘んだ林の中を歩くと、いつものこの時期なら下草にちらほらと羽化したての子が見つかるのですが・・
今年は一頭も見られません。
実はこの一週間前にも観察に来たときもゼロだったので、やはり今年は発生が早かったのだと思います。
梢を仰ぎ見れば、個体数が激減しているわけではないこともわかりました。
しかし、梢や目の高さ以上の葉の上にとまっている子は撮影できません。 翅表を見ることもできません。
降りてきてくれるのを待つしかありません。待つとしたら林の外に出ます。
少し離れた畦道から彼らのいる梢を見張ります。
散策路上に降りてくれるのをじっとじっと待ちます。
しかし降りてきてくれるといっても、このように吸水に降りてきた子(オス)は、まず翅を拡げません。
地面をうろうろと歩き回って、気に入った場所を見つけると吸水します。
その最中に運よく陽射しがそこへ注げば開張するのかもしれませんが、経験した限りではやがて飛び去ります。
さらに1時間ほど経ったころでしょうか、やっと低い枝に舞い降りた子が翅を拡げてくれたのですが・・
ミドリシジミの翅は構造色ゆえ、おしり側から見ると翅の色がほとんどわからないのです。
かといって、林側に頭を向けていると回り込むこともできません。
どうか向きを変えて。 くるりと回って。 こっちを向いて。
と念じますが、まだまだ修行が足りないようで、通じたことがありません。
元の位置に戻ってまた梢をにらむことしばし。
別の個体が舞い降りてきて、こちら向きにとまり、翅を拡げてくれました。
しかし。
まだ態勢不十分の状態でもシャッター押せただけよかったのてすが、これでは不完全燃焼なのです。
跪こうとしたら舞い上がってしまいました。
陽の高さに反比例して望みは低くなるのですが、これからさらに2時間ねばりましたが・・
・・・チャンスは訪れず帰途に着きました。
実は到着してすぐに女の子は撮れていました。
畦道を移動したり、じっと待っている間に他の昆虫も撮りました。
まずはトンボ。
用水路の水門板の上でナワバリ中。
これは羽化したて。複眼がまだ灰褐色です。
この子も羽化したて。
同じくアオイトトンボの仲間。
越冬したオスは美しいターコイズブルーにお色直しします。
ハンノキ林の中で撮影したこの子は成熟。 褐色翅の赤縁紋型。
この子も同種ですがタイプの違う子。 淡褐色翅の赤縁紋型。
この子は好かれました。 まとわりつくように近寄ってくるので、モノポッドを出したらそこに。
オニヤンマはオニヤンマ科ですが、コオニヤンマはサナエトンボ科とされています。
次はカミキリムシ。
久しぶりに観察しました。 HFでははじめてかも。
この子は間違いなくはじめまして。
約25ミリ。ヤハズカミキリの仲間ではないかと・・
手乗りしてくれるいい子でした。
次は狭い畔の上の稲わらの中にいたハムシたち。
5ミリ前後。大きさからするとクロウリハムシなのかなと思うのですが、この色柄のバリエーションは??
こちらもハムシ。
寸詰まりのケムシのように見えるし、身体が二階建てのようになっているようにも見えますが・・
自分の脱皮殻を背中に乗せているのです。
色んな種類の昆虫に会うことができて満足といえばそうなのですが、やはり本命をばっちり撮りたかった。
ということで、また翌日もチャレンジするのですが・・
2月の探虫行で掘り出したクワガタの幼虫たちが羽化しました。
中に一匹、50ミリオーバーの大きな子がいたので、ひょっとしたらヒラタクワガタかと期待していましたが・・
大きなコクワガタのオスでした。
このように土の繭(蛹室といいます)の中でサナギになって羽化します。
この子も含めて3ペア、昆虫標本教室に参加してくれた子たちにプレゼントしました。
(コクワガタは人気がないかと思ったら意外にそうではなくてジャンケンでの争奪戦になりました)
今日の湯加減
何度かHFの谷津田に突撃するも不発ばかりでしたが、他の虫の記録のためにもアップすることにします。
しかも前後編になりますが・・。
6月18日、長靴をはいて(寝坊したので)7時にハンノキ林の縁に立ちました。
早朝、泥濘んだ林の中を歩くと、いつものこの時期なら下草にちらほらと羽化したての子が見つかるのですが・・
今年は一頭も見られません。
実はこの一週間前にも観察に来たときもゼロだったので、やはり今年は発生が早かったのだと思います。
梢を仰ぎ見れば、個体数が激減しているわけではないこともわかりました。
しかし、梢や目の高さ以上の葉の上にとまっている子は撮影できません。 翅表を見ることもできません。
降りてきてくれるのを待つしかありません。待つとしたら林の外に出ます。
少し離れた畦道から彼らのいる梢を見張ります。
散策路上に降りてくれるのをじっとじっと待ちます。
しかし降りてきてくれるといっても、このように吸水に降りてきた子(オス)は、まず翅を拡げません。
ミドリシジミ ♂ (シジミチョウ科)
地面をうろうろと歩き回って、気に入った場所を見つけると吸水します。
その最中に運よく陽射しがそこへ注げば開張するのかもしれませんが、経験した限りではやがて飛び去ります。
さらに1時間ほど経ったころでしょうか、やっと低い枝に舞い降りた子が翅を拡げてくれたのですが・・
ミドリシジミの翅は構造色ゆえ、おしり側から見ると翅の色がほとんどわからないのです。
かといって、林側に頭を向けていると回り込むこともできません。
どうか向きを変えて。 くるりと回って。 こっちを向いて。
と念じますが、まだまだ修行が足りないようで、通じたことがありません。
元の位置に戻ってまた梢をにらむことしばし。
別の個体が舞い降りてきて、こちら向きにとまり、翅を拡げてくれました。
しかし。
まだ態勢不十分の状態でもシャッター押せただけよかったのてすが、これでは不完全燃焼なのです。
跪こうとしたら舞い上がってしまいました。
陽の高さに反比例して望みは低くなるのですが、これからさらに2時間ねばりましたが・・
・・・チャンスは訪れず帰途に着きました。
実は到着してすぐに女の子は撮れていました。
ミドリシジミ ♀ AB型 (シジミチョウ科)
畦道を移動したり、じっと待っている間に他の昆虫も撮りました。
まずはトンボ。
用水路の水門板の上でナワバリ中。
オオシオカラトンボ ♂ (トンボ科)
これは羽化したて。複眼がまだ灰褐色です。
シオカラトンボ (トンボ科)
この子も羽化したて。
オオアオイトトンボ (アオイトトンボ科)
同じくアオイトトンボの仲間。
ホソミオツネントンボ ♂ (アオイトトンボ科)
越冬したオスは美しいターコイズブルーにお色直しします。
ハンノキ林の中で撮影したこの子は成熟。 褐色翅の赤縁紋型。
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
この子も同種ですがタイプの違う子。 淡褐色翅の赤縁紋型。
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
この子は好かれました。 まとわりつくように近寄ってくるので、モノポッドを出したらそこに。
コオニヤンマ (サナエトンボ科)
オニヤンマはオニヤンマ科ですが、コオニヤンマはサナエトンボ科とされています。
次はカミキリムシ。
久しぶりに観察しました。 HFでははじめてかも。
シラホシカミキリ (カミキリムシ科)
この子は間違いなくはじめまして。
約25ミリ。ヤハズカミキリの仲間ではないかと・・
手乗りしてくれるいい子でした。
次は狭い畔の上の稲わらの中にいたハムシたち。
未同定
5ミリ前後。大きさからするとクロウリハムシなのかなと思うのですが、この色柄のバリエーションは??
こちらもハムシ。
寸詰まりのケムシのように見えるし、身体が二階建てのようになっているようにも見えますが・・
自分の脱皮殻を背中に乗せているのです。
ジンガサハムシの仲間の幼虫 (ハムシ科)
色んな種類の昆虫に会うことができて満足といえばそうなのですが、やはり本命をばっちり撮りたかった。
ということで、また翌日もチャレンジするのですが・・
オマケ
2月の探虫行で掘り出したクワガタの幼虫たちが羽化しました。
中に一匹、50ミリオーバーの大きな子がいたので、ひょっとしたらヒラタクワガタかと期待していましたが・・
コクワガタ ♂ (クワガタムシ科)
大きなコクワガタのオスでした。
このように土の繭(蛹室といいます)の中でサナギになって羽化します。
この子も含めて3ペア、昆虫標本教室に参加してくれた子たちにプレゼントしました。
(コクワガタは人気がないかと思ったら意外にそうではなくてジャンケンでの争奪戦になりました)
今日の湯加減
7月は昆虫のトップシーズンです。
今日も撮影に行こうかとも思ったのですが、記事化しないとまた遅れるので早起きして朝から書いています。
午後は会議。そのあとスタッフでささやかなパーティーがあります。
あるお祝いの会なのですが、これからの目白押しイベント催行に向けての決起集会になるかもしれません。
7月16日からは東京スカイツリーで「大昆虫展」も開催されます。
この本を書いた方もトークショウなどに出演する・・かも。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんばんは^^
植物相手と違って生き物は思うようにはいかないですね。
でも上から6枚目かしら、わたくしの目にはとても綺麗に写っていると思いますよ^^
by mimimomo (2016-07-02 20:00)
64撮り、やはり忍耐なのですねぇ。
職質注意~^^ (もちろん人のことは言えませんw)
by よしころん (2016-07-02 21:26)
待の心で出会いですね
イトトンボの肢体の輝き
カワトンボの繊細な美しさ、見るものを魅了します
カミキリ虫もおひげ、あんなに長かったのね
by engrid (2016-07-03 08:45)
今年のカワトンボ見ていないような気がします。
ここで参考になることが多いので助かっております。
でも直ぐに忘れます(-.-)
by g_g (2016-07-03 08:50)
お早うございます。
ミドリシジミの雄の羽を広げたところを見てみたいです。
ムラサキシジミは何回か見ましたが〜うちに来る蝶も少なくなり
ました。アオイトトンボも好きです !
by yakko (2016-07-03 09:52)
>mimimomoさん
花は花で撮影にはいろんなコツがあると思いますが・・
6枚目は撮れただけラッキーでした。次の瞬間には視界から消えました^^;
>よしころんさん
忍耐力は人一倍あると思いますが、怪しさも人一倍です^^;
職質も注意ですが、他の観察者の迷惑にならないようにも注意ですね^^
>engridさん
トンボも大好きな昆虫なので、見つけると撮ってしまいます。
とてもいい被写体なのです^^
カミキリムシはヒゲが長いのと長くないのがいます。
>g_gさん
渓流沿いに行かれていないからですかね?
こちらは植物の名前が・・^^;
>yakkoさん
ハンノキ林に行ってみてください!^^
ムラサキシジミはもう少したってからですかね・・
by ぜふ (2016-07-03 21:48)
木のクズが付いているのかと思ったら
脱皮した殻だったとは。
面白いなあ(笑)
by リュカ (2016-07-04 09:48)
動くモノを写真で捉えるのは、やっぱりタイヘンなんですね。
子供の頃は、私も何よりクワガタが大好きでした^^;。
by sakamono (2016-07-06 22:45)
>リュカさん
しかもズレることなくちゃんとかぶっているでしょ・・ズラじゃないけど^^;
>sakamonoさん
おまけに小さいのでタイヘンですが、いつか言葉が通じるようになれればと^^
クワガタは今も昔も人気ですね♪
by ぜふ (2016-07-07 06:38)
蝶の羽はもどかしいですね。
わたしも粘りますが広げてくれません。
しかし深い緑が美しいです。
閉じてるときには想像できない。
by 響 (2016-07-08 13:27)
ぜふさんのHNの由来は
この子たちだったのですか?
ミドリシジミの紫色の美しいこと!
by shino* (2016-07-08 21:24)
>響さん
はやく言葉が通じるようになりたいです。
ウラオモテのある子たちと^^
>shino*さん
はい。そうです^^
虫屋は彼らのことをそう呼ぶのです。
ミドリシジミの紫色とは新鮮な表現♪
by ぜふ (2016-07-08 23:52)
房総半島と三浦半島は大昔、陸続きだったので、孤島化した特異なアサヒナカワトンボがいるらしいのですが、物の本には絶滅したとの噂があります。ぜひ千葉県に行って確認したいです。
また、そろそろ未だ出会ったことの無いマイコさんを探す旅を計画しようかと思っています。マイコさんはもう絶滅してしまったのでしょうか。
ゼフ後編での成功を御祈りします。
by アサギいろ (2016-07-09 22:30)
>アサギいろさん
アサヒナはやはりチバにもいるんですね。
HFにいるのもそうだとここ数年観察し続けています。
採集はできないのですが、捕獲&確認はしたいと思っています。
マイコさんはチバにいますよ♪ 一昨年記事にしました^^
by ぜふ (2016-07-09 22:46)