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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

キボシカミキリの長い秋 [探虫行]

この秋は近年まれにみる長さのように思います。 (ここ数年の秋が短すぎたともいえますが)

今月はじめ頃にはチバでも木枯らしが吹き、その過ごしやすく長い秋もいよいよ終盤・・
かと思ったら、しばらくは暖かい日が続いていました。

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この記事は半月ほど前のことになりますが、この日も天気が良くて、暖かく・・いや、虫を探して歩き回っているうちに汗をかくほど暑かったことを思い出しました。

場所はチバ市内のS川沿い。

そう、ほんとは赤トンボを探しに行ったのでした。





川が見えるところまできてはっと気が付いたのは、いつもの田んぼ脇の径の入り口が封鎖されていること。

工事をしているのです。

橋の架け替えをしているようでしたが、川幅は狭いので、その橋は鉄骨を渡してその上に鉄板を敷いた簡易なもの。

両岸ともに土手は遊歩道ですのでそういう橋で何も問題ないのに・・架け替える理由は思い当たりませんでした。

とにかくその土手に出るためには迂回しなくてはなりませんでした。

川沿いにトンボが飛んでいることを期待していたのですが、ほんの一瞬、一匹だけ飛んでいるのを見ただけでした。

ただ、迂回したおかげで、いつもは気にかけていなかった、湿地化した耕作放棄地の端の藪が気になり、入っていくことに。

そこのクワの木の下で見つけたのが、扉の虫です。

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キボシカミキリ (カミキリムシ科)


イチジクなどのクワ科にいます。 このカミキリは比較的寒さに強いようで、平地ならもっと寒くなっても観察できます。
(写真は扉のも含めてすべて地面に近い下草に降りてきたところです)

越冬はできませんが、今年の長い秋のおかげでおのずと長生きできるでしょう。

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この子を撮っていると頭上の梢に何かいる。

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白っぽいシジミチョウだというのはわかりますが、ウラギンシジミにしては小さい。

ズームレンズで覗いても遠すぎて判別できませんでした。

そこでここは賭けにでることに。

木をゆすってわざと飛び立たせました。

そしたらまた同じような高さの葉の上に移動しただけでしたが、もう一度ゆすると・・・

やや低いところの葉っぱの上にとまってくれました。

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ゴイシシジミ (シジミチョウ科)


この子の翅の紋は茶褐色ですが、真っ黒い紋の個体はまさに黒碁石のように見えます。

この幼虫は肉食で、ササやタケに発生するアブラムシを食べるそうですが、まだ幼虫を観察したことはないかも。

それから、このポイントでこの子を観察したのははじめてかもしれません。

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オオアオイトトンボ (アオイトトンボ科)


このトンボは日陰にいることが多いですが、この子は日光浴をしているかのようで気持ちよさそうでした。
アオイトトンボかもしれませんので今度会ったら捕まえてみます。

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キタテハのよくいるポイントへ寄ってみましたが、なぜか一頭も観察できなかったので、少し足を延ばしてビオトープまで行ってみました。

水路にかかるムラサキシキブ(コムラサキ?)に思わず足を止めてしまいましたが、赤トンボは皆無。
昆虫もモンシロチョウがちらほら見られたくらいでした。

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やっと見つけたのはテントウ虫たち。

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ナミテントウ (テントウムシ科)


これも同じ種類。

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ナミテントウ (テントウムシ科)


単に”テントウムシ”というと、このナミテントウのことになるのですが(図鑑的には)、
ナミテントウの色柄は無数にあるので、ある意味見分けが難しい昆虫かもしれません。

色々な柄がまじりあって、テントウ虫たちはもっと越冬に適した場所(樹皮の内側など)へこれから引っ越しをはじめるでしょう。




オマケ


先週のことになりますが、ソネブつながりで知り合いになった方の写真展におじゃましてきました。

お江戸は六本木にあるお寺が会場ということでしたが、ヒルズの目の前とのこと。

そんなところにお寺があることすらイメージできなかったのですが・・ありました。ほんとに。

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敷地に足を踏み入れた瞬間、そこは異空間でした。

しかも展示場所は本堂でした。

意表を突かれすぎてなんだか夢うつつでしたが、写真はどれもすばらしかった。

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墨田水族館の公式カメラマンになられた、masugiさんのブログ 「鉱石ラジオ」はこちら




今日の湯加減

長かった秋もそろそろ将軍に渡すバトンをカバンの中から出しつつあるかもしれません。
それは仕方ないとしても虫屋としては、せめてバトンは投げ捨てず、ゆっくりと手渡してほしいと願うところです。
いや、テントウ虫など、越冬する虫たちにもそれぞれ準備があるでしょうから、その願いは同じだと想像します。
もうすでに春が待ち遠しいという思いもあります。
ビオトープで季節を間違えて咲いた花を見つけて、そんな心持ちになりました。

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ホトケノザ





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SaraTriennale

一個前の日記のコメントのお返事。*
もっと上手く撮ってなんて全然思わないです!*
ぜふさんの好きだー!って気持ちや
虫達の生き生きした命のきらめき、本当に素敵に写っています。

虫にも色々な表情があるんだ!と、ここに来て知りました。*
小さな命の姿を見ていると、
またあたしも頑張ろうって思えます。*
いつもありがとうです。

by SaraTriennale (2014-11-29 20:39) 

ぜふ

>さらさん
ありがとうございます。
御礼にファーブルの言葉を。

”無駄な命はない、すべて役割を持っている。”
by ぜふ (2014-11-29 22:52) 

Silvermac

今年はテントウ虫を見かけませんでした。
by Silvermac (2014-11-30 06:17) 

mimimomo

おはようございます^^
今年は確かに秋が永い? のか冬が暖かいのか知りませんが、
うちの庭でもシジミチョウを見かけました。
by mimimomo (2014-11-30 06:54) 

アサギいろ

今日は暖かくなりそうなので、昆虫探しにこれから出かけます。このところ、すぐに眠たくなるのは、冬が近づいているからかなあ。ホントに眠たいです。
by アサギいろ (2014-11-30 07:02) 

ぜふ

>Silvermacさん
それは残念です。

>mimimomoさん
本来の長さかもしれませんね^^
何シジミだったか気になります・・

>アサギいろさん
そうかもしれませんが、風邪をひく前兆かもしれませんので気を付けて。
ところで何の虫を探しにですか?^^
今日は虫採りではなく柿採りに行ってきます♪
by ぜふ (2014-11-30 07:10) 

yakko

お早うございます。
この夏 庭でカミキリムシを2回見つけました。夏ミカンの木があるので殺虫剤をかけました(;_;) ゴイシシジミ ナミテントウ 見てみたい !!
by yakko (2014-11-30 08:30) 

shino*

カミキリ虫の長い触覚?
青い空に映えて印象的です。
我が家もそろそろ冬支度しないとなぁ。
確かに秋が長かったですね。
by shino* (2014-11-30 09:55) 

アヨアン・イゴカー

>イチジクなどのクワ科
今更ながら、昆虫にも主食があるわけで、今後はどこにいるのかを意識して見るようにします。漫然と「あっ!ムシだ」などと見ていては申訳ございませんね。
by アヨアン・イゴカー (2014-11-30 10:57) 

リュカ

そろそろ冬の到来ですかね。
昨日友達と会って、その子の子供が夏休みの自由研究で
セミがさなぎから出てくる写真を撮ったというので見せてもらいました。
すごい神秘的!
セミって出てきたばかりのときってすごい綺麗な色してるんですね!
画像何枚かもらっちゃいました(笑)
by リュカ (2014-11-30 14:23) 

ぜふ

>yakkoさん
カミキリムシは・・・しょうがないですね。
でも材の中の幼虫に殺虫剤はきかないかも・・^^;

>shino*さん
はい、触角です。 その全体を撮るのにいつも苦労します^^;
長かった秋もそろそろ終わりそうですね。。

>アヨアン・イゴカーさん
そうなんです。雑食の虫は少ないんですよね。
それが故に、食草を探せば見つけられるとも言えます。

>リュカさん
セミは不完全変態なのでサナギではなく、幼虫から羽化します。
それはともかく、羽化したてのセミはうつくしいですね♪
このブログにはアップしたことないかな・・^^;
by ぜふ (2014-11-30 23:13) 

ねこじたん

一枚目 かっこいいですね!
シャキーンって♪
お寺 お昼に行かれたのですね
会えなくて残念です
by ねこじたん (2014-12-02 07:22) 

engrid

無駄な生命はない、その言葉に感動しています
聞かせてあげたい世の中の人全てに
そう思います、思いませんか、、、
by engrid (2014-12-02 18:45) 

ぜふ

>ねこじたんさん
ありがとうございます。この記事の主人公にしたかいがありました^^
なんとクチアケでした^^; こんどまたぜひ近いうちに♪

>engridさん
種を超えて、類を超えて、生き物はみなつながっていると思います。
ひとつピースがなくなると、あっという間にバラバラに・・
聞かせてあげてください。


by ぜふ (2014-12-03 00:20) 

響

今年の秋はちゃんと紅葉も見れて良かったです。
でも、もう寒波でブルブル震えてますケロ。キボシ君はむかし近所のイチジクの木でたくさん見たけど最近はレアな虫になりました。
by (2014-12-04 12:50) 

miya_gon

ゴイシシジミもキボシカミキリも どちらも見たことのない子です。
凄いなぁ~
テントウムシの引っ越し先を見てみたいとひそかに思っています(笑)
masugiさん!
しばらく見に行っていませんでした。
水族館のカメラマンにー!凄いですね♪

by miya_gon (2014-12-04 18:05) 

ぜふ

>響さん
チバも去年とは雲泥の差でしたね。もう寒波ですか・・ってチバにも来ました^^;
キボシくんがレアというのはかなり寂しいですねー イチジクの木自体が減っているのですかね。。

>miya_gonさん
おや、それは意外ですね。山の中にはあまりいないからですかね^^;
テントウムシの団体さんは、今から適当な木にムシロを巻いておけばひと月後くらいにきっと会えますよ♪
by ぜふ (2014-12-04 21:20) 

sakamono

黒地に白い斑紋のあるカミキリは、みんな「ゴマダラカミキリ」と、子供の
頃から呼んでいました^^;。このカミキリの斑紋は、ちょっと黄味がかっている
ようにも見えます。
by sakamono (2014-12-05 22:36) 

ぜふ

>sakamonoさん
そうですね、紋が黄色いので”キボシ”なんですが、ゴマダラカミキリは紋が白いのにシロホシではないんですね^^
”シラホシカミキリ”という種類が先に命名されていたからかな・・?
by ぜふ (2014-12-06 07:39) 

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