"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
虫目力検査 [観察会]
ボウソウ一周記事を優先したので、ちょっと時計を巻き戻します。
先月、秦野で開催された観察会のお手伝いに行ってきたときに観察した虫を記録しておきたいのです。
まずは久しぶりに昆虫クイズ、というか虫目力検査。
何がいるでしょう。
答えは本編で。
Tさんちに前泊して7月23日の朝、ファミレスで朝食をとって秦野ビジターセンターへ向かいました。
この日は秦野戸川公園が主催するイベント「夏の生きもの観察会」が開催されました。
昨年に続き二度目。
観察会の様子はあまり撮れなかったし、参加者の撮影許可を得ていないので紹介できないのですが。
実は8月3日のNHK「おはよう日本」で取り上げられました。(聞いてなかった・・)
さて、合間に撮った一枚が扉の写真で、別個体ですが答えはこれ。
このセミは翅の色と柄に大きな個体差があり、止まった場所と色柄がぴったり一致すると迷彩になります。
なのでとても見つけにくいセミの一つ。
そろそろ少なくなる時期ですが、近くでチーーーーッという声が聞こえたら虫目検査してみてください。
観察会が終わってビジターセンターへ戻る途中も、ニイニイの声が聞こえたら視力検査していました。
すると、木の幹に見慣れないハチが産卵していました。
色柄はスズメバチと似ていますが腰が括れていません。
産卵管が短いように見えますが、これはそれを収納する鞘(さや)です。
産卵管(針)は体の真ん中辺りから出て木に刺さっています。
キバチは原始的なハチとのことですから、色柄を真似たのはむしろスズメバチなのかもしれません。
センターに戻ってからお弁当をいただき、採集した昆虫の同定のお手伝いをして公園を後にしました。
Tさんのアトリエに戻る前に、せっかくなのでどこかに寄り道しようと頼んで連れてってもらいました。
休耕田を利用した生き物の里のようでしたが少々荒れ気味。
ここを横切って、以前Tさんが営農していたという圃場まで連れて行ってもらいました。
しかしそこもすでに芦原化。
隣接する畑に出ていた方がいて、Tさんと立ち話がはじまったので一人で周辺を散策。
クリの木の根元にいたのは里山の象徴の印象があるチョウ。
滅多に見られなくなったので出会うとうれしい。
チョウではないけれど、この子も滅多に見られない。
クリの木の梢を見ていくと、樹液にクロカナブンが集まっていたり、ノコクワのペアもいたり。
しばらくして戻ってきたTさんは、いつの間に採ったのかタマムシを持っていました。
入口近くまで戻り、用水路を見ていくと、やっとトンボに出会えました。
至近距離まで近寄ったのですが、あまりの暑さに気を失っているのか微動だにしませんでした。
(もう一頭いた別のオスとメスは全然近寄らせてくれなくて写真なし)
そろそろ撤収の頃合い。
車の近くまで戻ったところで、道の反対側の田んぼの様子を見たくなりました。
田んぼの水嵩が高く、いかにもトンボがいる雰囲気が漂っていたのです。
すぐには見つからなかったのですが、膝をかがめ目線を低くしてカニ歩きしていると、稲穂の陰に。
これも視力検査。 目が慣れると、ホソミばかりですがぽつぽつと見つかりました。
そしてやっと別種も。
Tさんは、ここはホソミばかりだと思っていたようで、アオモンもいたんだと喜んでいました。
最後に見送りにでも来たかのように杭の上に舞い降りてきた子を二人で撮影して車に乗りました。
ところで、この日の観察会は秦野戸川公園の特別展示「『うんこ虫を追え』原画展」の関連企画でした。
秦野ビジターセンター展示室にて、9月18日(祝)まで開催中ですのでご興味のある方はぜひ。
先日の日曜日、昆虫館でセミ・トンボ標本教室が開催されました。
毎年、お盆の時期の恒例イベントですが、今年も二日連続の開催。
セミもチョウチョのように展翅するとイメージががらりと変わります。
トンボは全体としてのイメージは変わらないのですが、複眼の色が変わってしまいます。
トンボの目玉を青空色に保つ方法はいまだに分かっていません。
今日の湯加減
先月、秦野で開催された観察会のお手伝いに行ってきたときに観察した虫を記録しておきたいのです。
まずは久しぶりに昆虫クイズ、というか虫目力検査。
何がいるでしょう。
答えは本編で。
Tさんちに前泊して7月23日の朝、ファミレスで朝食をとって秦野ビジターセンターへ向かいました。
この日は秦野戸川公園が主催するイベント「夏の生きもの観察会」が開催されました。
昨年に続き二度目。
観察会の様子はあまり撮れなかったし、参加者の撮影許可を得ていないので紹介できないのですが。
実は8月3日のNHK「おはよう日本」で取り上げられました。(聞いてなかった・・)
さて、合間に撮った一枚が扉の写真で、別個体ですが答えはこれ。
ニイニイゼミ (セミ科)
このセミは翅の色と柄に大きな個体差があり、止まった場所と色柄がぴったり一致すると迷彩になります。
なのでとても見つけにくいセミの一つ。
同上
そろそろ少なくなる時期ですが、近くでチーーーーッという声が聞こえたら虫目検査してみてください。
観察会が終わってビジターセンターへ戻る途中も、ニイニイの声が聞こえたら視力検査していました。
すると、木の幹に見慣れないハチが産卵していました。
色柄はスズメバチと似ていますが腰が括れていません。
ナカネヒラアシキバチ ♀ (キバチ科)
産卵管が短いように見えますが、これはそれを収納する鞘(さや)です。
産卵管(針)は体の真ん中辺りから出て木に刺さっています。
同上
キバチは原始的なハチとのことですから、色柄を真似たのはむしろスズメバチなのかもしれません。
センターに戻ってからお弁当をいただき、採集した昆虫の同定のお手伝いをして公園を後にしました。
Tさんのアトリエに戻る前に、せっかくなのでどこかに寄り道しようと頼んで連れてってもらいました。
休耕田を利用した生き物の里のようでしたが少々荒れ気味。
ここを横切って、以前Tさんが営農していたという圃場まで連れて行ってもらいました。
しかしそこもすでに芦原化。
隣接する畑に出ていた方がいて、Tさんと立ち話がはじまったので一人で周辺を散策。
クリの木の根元にいたのは里山の象徴の印象があるチョウ。
ゴマダラチョウ (タテハチョウ科)
滅多に見られなくなったので出会うとうれしい。
チョウではないけれど、この子も滅多に見られない。
アゲハモドキ (アゲハモドキ科)
クリの木の梢を見ていくと、樹液にクロカナブンが集まっていたり、ノコクワのペアもいたり。
しばらくして戻ってきたTさんは、いつの間に採ったのかタマムシを持っていました。
入口近くまで戻り、用水路を見ていくと、やっとトンボに出会えました。
ハグロトンボ ♂ (カワトンボ科)
至近距離まで近寄ったのですが、あまりの暑さに気を失っているのか微動だにしませんでした。
(もう一頭いた別のオスとメスは全然近寄らせてくれなくて写真なし)
そろそろ撤収の頃合い。
車の近くまで戻ったところで、道の反対側の田んぼの様子を見たくなりました。
田んぼの水嵩が高く、いかにもトンボがいる雰囲気が漂っていたのです。
すぐには見つからなかったのですが、膝をかがめ目線を低くしてカニ歩きしていると、稲穂の陰に。
ホソミイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
これも視力検査。 目が慣れると、ホソミばかりですがぽつぽつと見つかりました。
そしてやっと別種も。
アオモンイトトンボ ♀ 未成熟 (イトトンボ科)
Tさんは、ここはホソミばかりだと思っていたようで、アオモンもいたんだと喜んでいました。
最後に見送りにでも来たかのように杭の上に舞い降りてきた子を二人で撮影して車に乗りました。
ショウジョウトンボ ♂ (トンボ科)
ところで、この日の観察会は秦野戸川公園の特別展示「『うんこ虫を追え』原画展」の関連企画でした。
秦野ビジターセンター展示室にて、9月18日(祝)まで開催中ですのでご興味のある方はぜひ。
オマケ
先日の日曜日、昆虫館でセミ・トンボ標本教室が開催されました。
毎年、お盆の時期の恒例イベントですが、今年も二日連続の開催。
セミもチョウチョのように展翅するとイメージががらりと変わります。
トンボは全体としてのイメージは変わらないのですが、複眼の色が変わってしまいます。
トンボの目玉を青空色に保つ方法はいまだに分かっていません。
今日の湯加減
今日は県内のとある自然公園での定期昆虫調査日でした。
過去に記事化したこともありますが、T大のK先生がいらっしゃるので何度かお邪魔しています。
K先生は甲虫類とくにクワガタムシやオサムシの研究者でもあるので、お会いできる貴重な機会。
さらに今回はそれにかこつけて昨夜から独自に(別の場所で)トラップ採集をしてきました。
目を付けていた場所へ行く道すがら、コンチューターがビビッと反応したので急きょ場所変更。
それが思わぬ大当たりというか、望外の成果がありました。
そのことについてはまた別途。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
虫目力検査(笑)
居る場所は分かったのですが
蛾???って思っちゃったww
ニイニイゼミだったのか〜〜
by リュカ (2023-08-20 10:26)
日本人のゴマダラチョウ、よいですね。
高和も大好きです。キパチ、初めてお会いしました。ところで、今日、武蔵野市境二丁目の路上(普通の往復二車線の舗装道路)でギンのタンデムに遭遇しました。HFヤンマ池から直線で1000m位ですが、およそ、ギンには似つかわしくないシーン。おどろきました。
by たかわです。 (2023-08-20 16:28)
>リュカさん
たしかに、キノカワガにも見えますね^^
>たかわです。さん
ギンヤンマは適応性が高いようで、都市部で増えているように思います。
ゴマダラチョウも見習ってほしいところです。
by kon(昆) (2023-08-20 22:19)
この顔と黄色と黒で、ハチだと思うのですが、腰がくびれてないと、
あまりハチっぽい感じがしませんね。セミを見るのはたいてい木に
とまっているところばかりで、翅を広げると確かに印象が変わりますね。
by sakamono (2023-08-23 18:09)
>sakamonoさん
原始的な種ですから、これが原形なのでしょうね。
セミの標本は簡単にできるし見栄えもするので教室では好材料です^^
by kon(昆) (2023-08-23 18:43)
ゴマダラチョウのストローはこんなに鮮やかなイエローなのですね。
ニイニイゼミはこうしてみると見事な擬態だ。
by 響 (2023-08-26 08:57)
>響さん
黒っぽいのが多いですので、そういえば真っ黄色はめずらしいですね。
ニイニイゼミは見つけるとうれしい(視力に自信がつくので^^)
by kon(昆) (2023-08-26 15:05)