"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
持っているものの証し [オサムシ]
いきさつは省略しますが2月3日にオサ部(注)現役エースのS君と南房へ行くことになりました。
オサ部、南房となれば、ターゲットはただひとつ。
マイマイカブリの房総亜種、通称ボウマイです。
今回は二人なのでベニシジミ号ではなく車だし、出発時間が遅かったこともあり、高速でばびゅーん。
ドライブしながら、攻めるエリアをどこにするか訊ねると、館山方面はどうかとのこと。
S君はまだ中1ですが、学校では生物部に入っていて、部活で南房にも行ったことがあるのです。
どうやらその時は不発だったようで、彼もリベンジに燃えているのでした。
PAで休憩しつつS君と地図を見ながら相談し、とあるダム湖を目指すことに。

未踏の地はワクワクします。
まずは北側からアプローチしました。
ダム湖のすぐ手前に複雑な分岐があり、まずは野生の勘で峠道の方へ入っていくことに。
舗装はされているのですが、路面は小さな落石や枝が散乱していて往来はほとんどない様子。
まもなく右手に小崖が現れ、コンチューターがビリビリと反応。
路肩に車を止めていざ試掘開始です。
とすぐに、崖を少し登ったところの木の根の下にとりついていたS君が。
「アワカズサでました!」

生態写真も撮りたいなぁと思っていたら、こちらもすぐに。

あらためて解説すると、”アワカズサ”とは”安房””上総”。ルイスオサムシの南房総亜種をこう呼びます。
この崖はアワカズサマンションだったようで、続々と出てきました。

寝てるところを起こされて怒りを露わにする子も。

痛くはありません。
ゴミムシかと思ったのはよく見たら・・

でした。だまされた。
でもとにかく、本命ではないものの、いきなり収獲があって幸先はいい。


数頭とれたので崖の向こうの林内へ入ってみることに。
そこには倒木や立ち枯れが其処此処に。
花を訪れるチョウのように、立ち枯れから立ち枯れへと飛び移るS君。

カチカチのが多いのですが、中には芯の部分がふかふかになった優良物件も。

ところが、オサムシはおろかクワガタやゴミダマの幼虫すら出ません。
尾根伝いに少し奥まで入ってみましたが途中で行き止まりになったので引き返し。
新ポイントを探す場合、一か所に長い時間を割くのは得策ではないので移動することに。
と、最初の崖の近くでこんなものを発見。

持ち去られないようにワイヤーで木につながれていました。
トラップではないですね、地質調査あるいは地面の動きを調べているのではないかと。

お昼も過ぎていたので、さっきの分岐点まで一旦戻り、ちょうどベンチがあったのでお弁当タイム。
この日の館山地方は最高気温がなんと20度。
道理で汗をかくなぁと思いました。
さて、今度は川伝いに山道を歩いて辿ることにしました。
突入してすぐ、山側に適度な湿り気のある崖が。

掘れるところは少なかったのですが手ごたえはナシ。
こんな子が出ただけでした。

そっと埋め戻しておきました。
先へ進むと、眼下に見えていた川がすぐ側に。

未舗装の山道の脇に沢が続き、辺りには土の崖や立ち枯れもぽつぽつとある。
こんなすばらしいロケーションはなかなかない、いや房総でははじめて見たかもしれない。
俄然やる気が沸き上がり、猿山のサルになるS君。

沢まで降りて立ち枯れ(杉ですが)を崩したり、崖を掘ったりしましたが・・
とにかく何も出ない・・
かなり山中に入ってきましたが、かえって周辺の様子はよくなく、岩山が見えてきたので引き返し。

沢沿いにいないということは、山の中や林内にはもっと虫たちにとっていい場所があるのでしょう。
再度分岐点まで戻り、ダムへのアプローチを探しましたが車では侵入できない様子。
ならばと一旦山を下り、南側からアプローチしてみることにしました。


南側からは道路が続いていたものの、ガードレールもなく車幅ギリギリの細い道でした。
バックで戻るのはリスクが高すぎるので、転回できる場所を見つけて駐車。
そこからは徒歩で辿っていくと南房らしい光景が。

花には興味ないS君はどんどん先へ進みます。

掘れそうな場所が見つからないまましばらく行くとダム湖に辿り着きました。

扉の写真もこちら側から撮った写真です。
ここからはほんとに車での通行はムリ。

遠目にはトンネルに見えたのは山道の上に折れ重なった倒木でした。

トンネルモドキをくぐった先に分岐があり、そこが土の壁になっていました。
それを目にしたS君まっしぐら。
こちらがそこへたどり着く前に・・

普通種ですがたぶん1年ぶりにお会いしたのでうれしい気持ちになりました。
何か出るとやおらバチツルの回転数が上がります。
カニ歩きして掘っていくと・・

出た姿がとても良い子でした。
ところがこの後出てくるのもアワカズサばかり。
花を見つけてほっと一息。

気分転換したところで作戦タイム。
そろそろ陽も傾きはじめたのです。
山の中へ入る支線はあるので、このダム湖周辺で粘るか、それとも河岸を変えるか。
二人で協議した結果、S君が生物部で行ったというポイントへ行くことにしました。

そこはダム湖から15分ほどの場所。
過去に近くをさんざん通過したことのあるとても見覚えのあるところでした。
アプローチの入口に車を止めて徒歩でポイントへ向かい、最後の60分一本勝負。
と気合は十分でしたが、いきなり出てきたのは気が抜ける子。

でもこういう生き物がいるところに虫たちもいるわけで・・やはり多様性が高い。
ゴミムシたちがぞろぞろと。

スジアオくんのマンションもありました。

アオゴミ臭を嗅ぎたいために何頭かお連れしました。

顔見知りでない子もでました。

刻々と迫る日没に急かされていたので、ゆっくり生態写真を撮ることはできません。
これはお連れしての宅内撮影。

体長は約13ミリ。
そしてついに日没間近。
西向きでない崖は暗くて手元が見えません。
スマホのライトで照らしながら掘っていると・・

最後の最後、試合終了直前にS君が出しました。
やっぱり持ってるね。
実は約3年前、彼をはじめてのオサホリに連れて行ったのも房総でした。そのときの記事はこちら。
このときも彼は持っていましたが、それはただの偶然ではなかったことが証明されました。
とうとう本命は出ませんでしたが、やり切った感に満たされて館山を後にしました。
二人でリベンジは誓いましたが・・・
本命のボウマイ(マイマイカブリの房総亜種)は出ませんでしたが、代わりにウチの子たちを。

仲良くお食事中。
右の子が一番美人。
今日の湯加減
オサ部、南房となれば、ターゲットはただひとつ。
マイマイカブリの房総亜種、通称ボウマイです。
今回は二人なのでベニシジミ号ではなく車だし、出発時間が遅かったこともあり、高速でばびゅーん。
ドライブしながら、攻めるエリアをどこにするか訊ねると、館山方面はどうかとのこと。
S君はまだ中1ですが、学校では生物部に入っていて、部活で南房にも行ったことがあるのです。
どうやらその時は不発だったようで、彼もリベンジに燃えているのでした。
PAで休憩しつつS君と地図を見ながら相談し、とあるダム湖を目指すことに。

未踏の地はワクワクします。
まずは北側からアプローチしました。
ダム湖のすぐ手前に複雑な分岐があり、まずは野生の勘で峠道の方へ入っていくことに。
舗装はされているのですが、路面は小さな落石や枝が散乱していて往来はほとんどない様子。
まもなく右手に小崖が現れ、コンチューターがビリビリと反応。
路肩に車を止めていざ試掘開始です。
とすぐに、崖を少し登ったところの木の根の下にとりついていたS君が。
「アワカズサでました!」

生態写真も撮りたいなぁと思っていたら、こちらもすぐに。

アワカズサオサムシ(オサムシ科)
あらためて解説すると、”アワカズサ”とは”安房””上総”。ルイスオサムシの南房総亜種をこう呼びます。
この崖はアワカズサマンションだったようで、続々と出てきました。

同上
寝てるところを起こされて怒りを露わにする子も。

ギューーーー(噛まれています)
痛くはありません。
ゴミムシかと思ったのはよく見たら・・

ゴミムシダマシの仲間
でした。だまされた。
でもとにかく、本命ではないものの、いきなり収獲があって幸先はいい。


数頭とれたので崖の向こうの林内へ入ってみることに。
そこには倒木や立ち枯れが其処此処に。
花を訪れるチョウのように、立ち枯れから立ち枯れへと飛び移るS君。

カチカチのが多いのですが、中には芯の部分がふかふかになった優良物件も。

ところが、オサムシはおろかクワガタやゴミダマの幼虫すら出ません。
尾根伝いに少し奥まで入ってみましたが途中で行き止まりになったので引き返し。
新ポイントを探す場合、一か所に長い時間を割くのは得策ではないので移動することに。
と、最初の崖の近くでこんなものを発見。

持ち去られないようにワイヤーで木につながれていました。
トラップではないですね、地質調査あるいは地面の動きを調べているのではないかと。

お昼も過ぎていたので、さっきの分岐点まで一旦戻り、ちょうどベンチがあったのでお弁当タイム。
この日の館山地方は最高気温がなんと20度。
道理で汗をかくなぁと思いました。
さて、今度は川伝いに山道を歩いて辿ることにしました。
突入してすぐ、山側に適度な湿り気のある崖が。

掘れるところは少なかったのですが手ごたえはナシ。
こんな子が出ただけでした。

マルハナバチ (マルハナバチ科)
そっと埋め戻しておきました。
先へ進むと、眼下に見えていた川がすぐ側に。

未舗装の山道の脇に沢が続き、辺りには土の崖や立ち枯れもぽつぽつとある。
こんなすばらしいロケーションはなかなかない、いや房総でははじめて見たかもしれない。
俄然やる気が沸き上がり、猿山のサルになるS君。

沢まで降りて立ち枯れ(杉ですが)を崩したり、崖を掘ったりしましたが・・
とにかく何も出ない・・
かなり山中に入ってきましたが、かえって周辺の様子はよくなく、岩山が見えてきたので引き返し。

沢沿いにいないということは、山の中や林内にはもっと虫たちにとっていい場所があるのでしょう。
再度分岐点まで戻り、ダムへのアプローチを探しましたが車では侵入できない様子。
ならばと一旦山を下り、南側からアプローチしてみることにしました。


南側からは道路が続いていたものの、ガードレールもなく車幅ギリギリの細い道でした。
バックで戻るのはリスクが高すぎるので、転回できる場所を見つけて駐車。
そこからは徒歩で辿っていくと南房らしい光景が。

花には興味ないS君はどんどん先へ進みます。

掘れそうな場所が見つからないまましばらく行くとダム湖に辿り着きました。

扉の写真もこちら側から撮った写真です。
ここからはほんとに車での通行はムリ。

遠目にはトンネルに見えたのは山道の上に折れ重なった倒木でした。

トンネルモドキをくぐった先に分岐があり、そこが土の壁になっていました。
それを目にしたS君まっしぐら。
こちらがそこへたどり着く前に・・

スジアオゴミムシ (オサムシ科)
普通種ですがたぶん1年ぶりにお会いしたのでうれしい気持ちになりました。
何か出るとやおらバチツルの回転数が上がります。
カニ歩きして掘っていくと・・

アワカズサオサムシ (オサムシ科)
出た姿がとても良い子でした。
ところがこの後出てくるのもアワカズサばかり。
花を見つけてほっと一息。

タチツボスミレ
気分転換したところで作戦タイム。
そろそろ陽も傾きはじめたのです。
山の中へ入る支線はあるので、このダム湖周辺で粘るか、それとも河岸を変えるか。
二人で協議した結果、S君が生物部で行ったというポイントへ行くことにしました。

そこはダム湖から15分ほどの場所。
過去に近くをさんざん通過したことのあるとても見覚えのあるところでした。
アプローチの入口に車を止めて徒歩でポイントへ向かい、最後の60分一本勝負。
と気合は十分でしたが、いきなり出てきたのは気が抜ける子。

シュレーゲルアオガエル
でもこういう生き物がいるところに虫たちもいるわけで・・やはり多様性が高い。
ゴミムシたちがぞろぞろと。

オオスナハラゴミムシ (オサムシ科)
スジアオくんのマンションもありました。

スジアオゴミムシ (オサムシ科)
アオゴミ臭を嗅ぎたいために何頭かお連れしました。

同上
顔見知りでない子もでました。

フタホシスジバネゴミムシ (オサムシ科)
刻々と迫る日没に急かされていたので、ゆっくり生態写真を撮ることはできません。
これはお連れしての宅内撮影。

同上
体長は約13ミリ。
そしてついに日没間近。
西向きでない崖は暗くて手元が見えません。
スマホのライトで照らしながら掘っていると・・

アオオサムシの房総亜種 (オサムシ科)
最後の最後、試合終了直前にS君が出しました。
やっぱり持ってるね。
実は約3年前、彼をはじめてのオサホリに連れて行ったのも房総でした。そのときの記事はこちら。
このときも彼は持っていましたが、それはただの偶然ではなかったことが証明されました。
とうとう本命は出ませんでしたが、やり切った感に満たされて館山を後にしました。
二人でリベンジは誓いましたが・・・
オマケ
本命のボウマイ(マイマイカブリの房総亜種)は出ませんでしたが、代わりにウチの子たちを。

ヒメマイマイカブリ (オサムシ科)
仲良くお食事中。
右の子が一番美人。
今日の湯加減
暖冬のはずなのに予報どおりの大寒波が日本列島にやってきました。
特に北海道は異常低温や降雪でたいへんなようですが、チバも雪が積もりました。
なんと、この日20℃だった南房も降ったようです。
寒暖差アレルギーの疑いがあるので気を付けたいですが、どう気を付ければいいのか分かりません。
どなたかご存知でしたら教えてください。
そういえば”寒暖差インフル”なんていうのもあるのだそうです。
とにかく免疫力が落ちがちなこの季節、なんとか乗り切りたいものです。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
さすがエース級が揃うとザクザクですね。
カエルってこんな風に冬眠するなんて
勉強になります。
by 響 (2019-02-11 11:35)
攻めるエリアを訊ねて、きっちり答えが返ってくるところが、
中1にして、しっかりしてますね^^;。
フタホシスジバネゴミムシの、おぼろ月のような、ぼんやりした
模様も美しいです。わび・さびがあるような美しさ^^;?
by sakamono (2019-02-14 22:12)
>響さん
本命がザクザクだとよかったんですけどね・・
シュレちゃんはよく出ます。だいたい寝ぼけています^^
>sakamonoさん
色んな意味で優秀な子です!将来が楽しみ^^
フタホシくんのイメージ同感です。上品ですよね。
by ぜふ (2019-02-15 23:21)