"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
トンパトでぶちかませ [トンボ]
毎年恒例となりつつあるトンボパトロールツーリングに行ってきました。
前記事はその前振りというか、時期による発生の違いもみるための下見でした。
キイロトラカミキリ号とのランデブーは3年連続となりますが、ベニボシ号では今回はじめて。
前記事で書いたとおり、心配事も多々ありましたが、その中の一つのオオイトには無事会えました。
同じ種、同じ場所でも発生時期が変わることがよくわかりました。
7月18日、キサラヅ某所でキイロトラカミキリ号と合流し、まずはクルリ方面へ。
最初は前記事と同じ、県道沿いにある、比較的大きな堰のトンボたちに会いに。
コシアキとチョウトンボのオスたちはこの日も大勢いました。
少ないものの目立っていたのはこのトンボ。
標本教室の題材にと、ギンヤンマにも勝負を挑みましたが、相手にしてもらえませんでした。
しばらくトンボ採りをした後、前回も寄ってみたキイトトンボのポイントにも行きました。
二人でそれなりにがんばって探しましたが、今回も見つけることはできず。
撤収すべく、バイクへと戻る途中、道案内をしてくれたのは。
ところで、この日も猛暑ではありましたが、幸い雲が出ていたので助かりました。
二か所目は一気にボウソウ横断。途中でお昼を食べ、一路外房エリアへ。
2時間ほど走ってたどり着いたのは田園地帯の一角にある湿原。
ハンノキ林もあり、時期に来ればゼフにも会えるのですが、今回の目的はトンボでもなく。
食草であるシロネが不可欠ですが、この虫が見られる県内のポイントは知っている限りここだけ。
ただ、この湿原の周辺もソーラー設備ができつつあり、将来がとても心配です。
ここでは観察したいトンボはいないので、とっとと撤収しようとバイクに戻ると。
バイクのすぐそばの地面をハチが歩いていました。
よく見ると、歩いていたのではなく、獲物を運んでいたのでした。
二人で這いつくばって撮影したあと、次のロケーションへレッツゴー。
この日最後の場所も湿地帯で、その中にある複数の池の一つ。
ここには過去、オオセスジもいたらしく、トンボのサンクチュアリだったのですが・・
今やヤンマの姿も少なくなっています。
このトンボも少ないながら観察できました。
つがる遠征記事でも紹介しましたが、別種かと思うメスもいました。
もうすでに三時を過ぎ、ヤンマたちはねぐらに帰る頃合いになりました。
池の畔をあっち行ったりこっち行ったりしながら、帰宅前ヤンマを待ち伏せ。
何頭もいたのに何度も振り逃がし、やっと捕獲できたのは。
そして夕暮れも近づく頃、運よく一撃で網に入れられたのは帰宅途中のヤンマ。
まだ明るかったけれど、これで打ち止めとして宿へと向かいました。
泊まったのはガレージ付きのコンドミニアム。
無人のためチェックインするのにかなり手間取りましたが、リビングが広くて室内は快適でした。
調理はしなかったけれど、買い出ししてきた食べ物をサカナに夜更けまで二人で飲み会。
翌朝、近くの堰へ寄ろうかと思っていましたがスルーしてオオイトの里へ直行。
バイクをとめて農道を歩いていきながら(前月は会えなかったので)不安でしたが杞憂に終わってくれた。
すぐそばに水辺があるのですが、農道まで上がってきて草の葉の上にとまってくれるので撮りやすい。
前回はまったく観察できなかったのに、今回はたくさんいました。
二人で撮影大会。すべて別の個体です。
単独のメスは見つけられませんでしたが、ペアは何組か発見。
クロイトはやはり観察できなかったので、近くの別ポイントへ移動しましたが発見できずじまい。
でもここでもオオイトを観察できました。
しかもこれがこの日のベストショットという一枚が撮れました。
このイトトンボはほんとに見飽きないです。
気を取り直して次は前記事でも紹介したボウソウの山中へ。
モートンの生息地なのですが、ここも近くで発電設備の基礎工事が始まっているのです。
今回は二人とも長靴をはいてきているので、沼の中へと突入して探虫開始。
なかなか見つけられなかったのですが、ここでもオオイトが観察できました。
葦をかきわけ泥濘を進みながら懸命に探し、やっと一頭だけ見つけました。
残念ながらとうとうオスは発見できませんでしたが、ちょっとレアな虫を発見。
長靴で入れるところは探虫し尽くしたけれど、結局オスの姿は確認できませんでした。
これ以上ねばってもしょうがないとあきらめて撤収することに。
沼から出て草地を横切るときに見つけたのは草原を好むトンボ。
実は沼の深みにはまって足をとられ、お尻をついてしまいました。(カメラは無事でした)
クルリまで降り、このお店の名物、あつあつのカレーうどんを食べました。
テイクアウトすると150円になるかき氷を店の軒下で食べて出発。
次はとっておきの穴場。今回のオプションとしては最大の見せ場のつもりだったのですが・・
堰の様子に変化はなし。
しかし、湿地にはパネルが設置されてしまっていました。
愕然としつつも一縷の望みをもってパネルの下に残った、水たまりの中を探してみました。
ハイゲンやヒメゲンの姿はありましたが、お目当てのシマゲンはとうとう見つけられず。
周辺を見て回ると、湿原の縁に導管が埋設され、水が堰へと抜かれていました。
ならばと、シマゲンのことは忘れて、堰の水上を飛び交うギンたちとゲーム開始。
Hくんが見事に初球をホームランしましたが、結局二人ともそれっきり。
かなり長い試合時間でしたが、二人で一点しかとれなかった。
せめてものお慰みではないですが、ここでもオオイトが観察できたのが救い。
撤収しようと、林の中を歩いていると、隣の堰へのアプローチが開けていたので突入してみることに。
ここにもギンがいたので、延長戦を挑むも返り討ち。
バッターボックスに網を置いて試合終了。
暑さでバットスイングにキレがなかったということにしておきました。
そして最後はキミツの小さなトンボサンクチュアリへ。
キイトはすぐ見つけられたのですが、看板トンボがなかなか見つかりませんでした。
メスもいましたがピンボケばかりで全部ボツ。
ともかく、やはりキイトの発生は遅れていたのでしょう、多数見られたので安心しました。
湿地の奥へと進み、林縁の茂みの中を覗いてみたら、身をひそめるようにしてとまっているのを発見。
モノサシは終盤のようで、オスが二頭のみ。キイトにバトンタッチなのでしょうね。
この日各地で観察できたオオイトがここでは見つけられなかったものの、レギュラーメンバーは確認。
まだ明るかったですが、二人ともビタミンTは満タンになったのでトンパト終了としました。
バイクへ戻ると頭上の梢で見送ってくれた子がいました。
前記事でも書きましたが、どこもかしこもソーラーの魔の手が小さな生き物たちの住処を奪っています。
開発にはアセスメントが伴いますが、事前のおざなりのアセスだけで、事後のアセスがないがしろ。
生物多様性がどう変化したのかを調べないのは何故なのでしょうか。
悪い結果は出ても、良い結果は出ないからでしょうけど・・
ほのぼの感がいっぱいのこの歌舞伎役者の顔がいつまでも見られますように。
とりあえずまた来年。
今日の湯加減
前記事はその前振りというか、時期による発生の違いもみるための下見でした。
キイロトラカミキリ号とのランデブーは3年連続となりますが、ベニボシ号では今回はじめて。
前記事で書いたとおり、心配事も多々ありましたが、その中の一つのオオイトには無事会えました。
オオイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
同じ種、同じ場所でも発生時期が変わることがよくわかりました。
7月18日、キサラヅ某所でキイロトラカミキリ号と合流し、まずはクルリ方面へ。
最初は前記事と同じ、県道沿いにある、比較的大きな堰のトンボたちに会いに。
コシアキとチョウトンボのオスたちはこの日も大勢いました。
チョウトンボ ♂(トンボ科)
少ないものの目立っていたのはこのトンボ。
ショウジョウトンボ ♂ (トンボ科)
標本教室の題材にと、ギンヤンマにも勝負を挑みましたが、相手にしてもらえませんでした。
しばらくトンボ採りをした後、前回も寄ってみたキイトトンボのポイントにも行きました。
二人でそれなりにがんばって探しましたが、今回も見つけることはできず。
撤収すべく、バイクへと戻る途中、道案内をしてくれたのは。
エリザハンミョウ(ヒメハンミョウ)♀(オサムシ科)
ところで、この日も猛暑ではありましたが、幸い雲が出ていたので助かりました。
二か所目は一気にボウソウ横断。途中でお昼を食べ、一路外房エリアへ。
2時間ほど走ってたどり着いたのは田園地帯の一角にある湿原。
ハンノキ林もあり、時期に来ればゼフにも会えるのですが、今回の目的はトンボでもなく。
オオルリハムシ ペア (ハムシ科)
食草であるシロネが不可欠ですが、この虫が見られる県内のポイントは知っている限りここだけ。
同上
ただ、この湿原の周辺もソーラー設備ができつつあり、将来がとても心配です。
ここでは観察したいトンボはいないので、とっとと撤収しようとバイクに戻ると。
バイクのすぐそばの地面をハチが歩いていました。
よく見ると、歩いていたのではなく、獲物を運んでいたのでした。
キオビクモバチ ♀ (クモバチ科)
二人で這いつくばって撮影したあと、次のロケーションへレッツゴー。
この日最後の場所も湿地帯で、その中にある複数の池の一つ。
ここには過去、オオセスジもいたらしく、トンボのサンクチュアリだったのですが・・
今やヤンマの姿も少なくなっています。
このトンボも少ないながら観察できました。
コフキトンボ ♂ (トンボ科)
つがる遠征記事でも紹介しましたが、別種かと思うメスもいました。
同上 メス(帯紋型)
もうすでに三時を過ぎ、ヤンマたちはねぐらに帰る頃合いになりました。
池の畔をあっち行ったりこっち行ったりしながら、帰宅前ヤンマを待ち伏せ。
何頭もいたのに何度も振り逃がし、やっと捕獲できたのは。
ウチワヤンマ ♂ (サナエトンボ科)
そして夕暮れも近づく頃、運よく一撃で網に入れられたのは帰宅途中のヤンマ。
オオヤマトンボ ♂ (ヤマトンボ科)
まだ明るかったけれど、これで打ち止めとして宿へと向かいました。
泊まったのはガレージ付きのコンドミニアム。
無人のためチェックインするのにかなり手間取りましたが、リビングが広くて室内は快適でした。
調理はしなかったけれど、買い出ししてきた食べ物をサカナに夜更けまで二人で飲み会。
翌朝、近くの堰へ寄ろうかと思っていましたがスルーしてオオイトの里へ直行。
バイクをとめて農道を歩いていきながら(前月は会えなかったので)不安でしたが杞憂に終わってくれた。
オオイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
すぐそばに水辺があるのですが、農道まで上がってきて草の葉の上にとまってくれるので撮りやすい。
同上
前回はまったく観察できなかったのに、今回はたくさんいました。
同上
二人で撮影大会。すべて別の個体です。
同上
単独のメスは見つけられませんでしたが、ペアは何組か発見。
同上 ペア
クロイトはやはり観察できなかったので、近くの別ポイントへ移動しましたが発見できずじまい。
でもここでもオオイトを観察できました。
しかもこれがこの日のベストショットという一枚が撮れました。
同上
このイトトンボはほんとに見飽きないです。
気を取り直して次は前記事でも紹介したボウソウの山中へ。
モートンの生息地なのですが、ここも近くで発電設備の基礎工事が始まっているのです。
今回は二人とも長靴をはいてきているので、沼の中へと突入して探虫開始。
なかなか見つけられなかったのですが、ここでもオオイトが観察できました。
オオイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
葦をかきわけ泥濘を進みながら懸命に探し、やっと一頭だけ見つけました。
モートンイトトンボ ♀ (イトトンボ科)
残念ながらとうとうオスは発見できませんでしたが、ちょっとレアな虫を発見。
ツノトンボ (ツノトンボ科)
長靴で入れるところは探虫し尽くしたけれど、結局オスの姿は確認できませんでした。
これ以上ねばってもしょうがないとあきらめて撤収することに。
沼から出て草地を横切るときに見つけたのは草原を好むトンボ。
ハラビロトンボ ♂ (トンボ科)
実は沼の深みにはまって足をとられ、お尻をついてしまいました。(カメラは無事でした)
クルリまで降り、このお店の名物、あつあつのカレーうどんを食べました。
テイクアウトすると150円になるかき氷を店の軒下で食べて出発。
次はとっておきの穴場。今回のオプションとしては最大の見せ場のつもりだったのですが・・
堰の様子に変化はなし。
しかし、湿地にはパネルが設置されてしまっていました。
愕然としつつも一縷の望みをもってパネルの下に残った、水たまりの中を探してみました。
ハイゲンやヒメゲンの姿はありましたが、お目当てのシマゲンはとうとう見つけられず。
周辺を見て回ると、湿原の縁に導管が埋設され、水が堰へと抜かれていました。
ならばと、シマゲンのことは忘れて、堰の水上を飛び交うギンたちとゲーム開始。
Hくんが見事に初球をホームランしましたが、結局二人ともそれっきり。
かなり長い試合時間でしたが、二人で一点しかとれなかった。
せめてものお慰みではないですが、ここでもオオイトが観察できたのが救い。
オオイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
撤収しようと、林の中を歩いていると、隣の堰へのアプローチが開けていたので突入してみることに。
ここにもギンがいたので、延長戦を挑むも返り討ち。
バッターボックスに網を置いて試合終了。
暑さでバットスイングにキレがなかったということにしておきました。
そして最後はキミツの小さなトンボサンクチュアリへ。
キイトはすぐ見つけられたのですが、看板トンボがなかなか見つかりませんでした。
キイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
メスもいましたがピンボケばかりで全部ボツ。
ともかく、やはりキイトの発生は遅れていたのでしょう、多数見られたので安心しました。
湿地の奥へと進み、林縁の茂みの中を覗いてみたら、身をひそめるようにしてとまっているのを発見。
モノサシトンボ ♂ (モノサシトンボ科)
モノサシは終盤のようで、オスが二頭のみ。キイトにバトンタッチなのでしょうね。
この日各地で観察できたオオイトがここでは見つけられなかったものの、レギュラーメンバーは確認。
まだ明るかったですが、二人ともビタミンTは満タンになったのでトンパト終了としました。
バイクへ戻ると頭上の梢で見送ってくれた子がいました。
ヤブキリ ♀ (キリギリス科)
前記事でも書きましたが、どこもかしこもソーラーの魔の手が小さな生き物たちの住処を奪っています。
開発にはアセスメントが伴いますが、事前のおざなりのアセスだけで、事後のアセスがないがしろ。
生物多様性がどう変化したのかを調べないのは何故なのでしょうか。
悪い結果は出ても、良い結果は出ないからでしょうけど・・
オマケ
ほのぼの感がいっぱいのこの歌舞伎役者の顔がいつまでも見られますように。
モノサシトンボ ♂ (モノサシトンボ科)
とりあえずまた来年。
今日の湯加減
台風7号がボウソウめがけてやってきましたが幸い上陸はせず被害も少なかったと思います。
むしろ昨日は台風接近で仕事が休みになって、久しぶりに家に引きこもることができました。
ということで8月はまったく探虫に行けていません。。
ザンネンでもあり、酷暑続きだったのでアンシンでもあり。
来週も忙しい(予定)ですが月末は待ちに待った遠征(予定)です。
とにかく探虫できるのも仕事できるのも元気だからこそ。
まだまだ暑い夏は続きそうなので、体調管理に気を付けましょう。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
>ツノトンボ
初めて見ました。角というか、長い触角が可愛いトンボだなど思い、ちょっとネットで見てみたら、カゲロウの仲間なのですね。トンボに似ているとなにか得をすることがあるのでしょうか?^^;
by アヨアン・イゴカー (2024-08-18 10:55)
>アヨアン・イゴカーさん
ツノトンボの仲間は国内に3種しかいないので特異的ですね。
名前はニンゲンが勝手につけただけなので・・^^;
by kon(昆) (2024-08-18 18:23)
こんばんは^^
チョウトンボ♂ 翅が美しいですね。
トンボはオス、メスがあまりにも違うので、覚えられません^^
オオイトトンボ♂ とても 綺麗ですね♪
このブルーの色が素晴らしいですね。
ブルーが大好きなので、沢山拝見できて嬉しいです。
by いろは (2024-08-18 21:48)
いょっ!ものさしやあ!
by 高和です。 (2024-08-20 01:58)
お泊りでトンボたちに触れ合える良い休日ですね。
バイクで泊まる時はビジホくらいしか思いつきませんが
コンドミニアムはバイクをガレージに入れれて最高ですね。
by 響 (2024-08-20 20:12)
>いろはさん
チョウトンボの翅の色は角度や光によって多様です。
今回オオイトトンボが各地で観察できたことは意味ある収獲でした♪
>高和です。さん
大見得という迫力がないところが魅力の役者ですね♪
>響さん
バイカー向けのコンドミニアムはなかなかないと思います。
逆に一般的でないので改善点が多いと思います^^;
基地みたいなところが最大の魅力です♪
by kon(昆) (2024-08-21 22:10)
この記事でも冒頭から美しいチョウトンボの写真が見られましたが、
その後のツノトンボのインパクトがすごかった。このトンボも、お腹の
感じとか顔とか触覚とか、チョウみたいですね。トンボ? って感じの
不思議な形をしています。泊まったお宿、おもしろいですね。こんな
宿泊施設もあるのですね。
by sakamono (2024-08-22 21:52)
>sakamonoさん
やっぱりツノトンボは特異的なインパクトがありますよね^^
ホシベニ号での初ランデブーということでちょっと洒落た宿にしてみました♪
チェックインの仕方もわかったのでまた利用したいと思ってます
by kon(昆) (2024-08-24 18:37)