"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
トンボシーズン到来(トライ) [探虫行]
6月になったので、そろそろトンボシーズンの到来です。
今年はいつごろ入梅するのか不明ですが、梅雨入り前に一度は観察しに行きたい。
そのフィールドノートをオムニバスで投稿します。
トライの結果はいかに。
6月4日は虫屋の祝日。
西風ちゃんの様子も見たいと思い、まずはともかくHFへ出かけました。
そうしたら何という静かさだったでしょうか。
前日のチバの天候は大荒れだったこともあり、いくら探しても西風ちゃんの姿が見つからない。
おそらく同じ目的と思われる、カメラと一脚を携えた男性の姿がハンノキ林の中にありました。
梢や頭上を長い間みつめていましたが、とうとうトボトボと引き上げていきました。
それはともかくも、トンボの姿も、シオカラトンボ以外は見当たらないのです。
やっと見つけたのは林縁の下草の上で休んでいたカワトンボ。
メスも一頭だけ見かけたのですが撮影拒否されました。
結局、他にはハグロトンボとオオシオカラトンボのメスを観察したくらい。
午前中の1時間あまりしか滞在できませんでしたが、がっくり項垂れながら帰りました。
6月8日はお江戸へ行く用事があったので、そのついでに公園巡りをしました。
ここでは期待していたレギュラーが一番バッター。
メスは見つけられませんでしたが、ここでの名物?の黒化型も確認。
池の上ではコシアキトンボのオスが乱舞していましたが、とまってくれる個体は期待できず。
飛翔撮影することも止まるまで待つこともやる気が湧かず。
コシアキたちとのバトルに疲れたこのトンボたちが撮影できたことで溜飲を下げました。
疲れても休んでいるわけではなく、岸とは反対の水面を睨んでいるので顔を写すことがむずかしい。
コシアキを追い払ったあと、自分の定位置に戻ってきて、方向を修正する前の瞬間を狙いました。
チバでは観察が困難なトンボに逢えず、この日もがっくりと項垂れて出口に向かいつつ。
気まぐれに(ハライセに)鳥撮り。
来園者が多い公園なので人馴れしているのでしょう、かなり近距離で撮ることができました。
6月10日は今年初のボウソウ・トンパト。
定番の外房溜池巡りコースを選び、一番気になる(早く見たい)イトトンボを探しに。
シーズン中はトンボの花道のようになる、池の畔のあぜ道を歩きますがトンボのトの字もない。
逢いたかったオオイトの出現はまだこれからかもしれませんが、シオカラさえぽつぽつとしかいない。
カワトンボもイトトンボもヤンマの姿もない。
遠く池の水面に突き出た葉の上にショウジョウトンボの赤い点が一つ見えただけ。
何かハライセになるのはいないかと林縁の葉の上を見つめながら歩いていると。
頭上の枝から青いものが落ちてきたと思うと、ふわりと重力に逆らって浮き上がりました。
網を持っていなかったので着地したところを手で逮捕。
カミキリムシに似ていますが肉食。チバではとっても久しぶりに観察しました。(溜飲が下がりました)
シャッターを押した瞬間に舞い上がったので、じゃあねと歩を進めました。
するとすぐ、ムラサキシキブの花が賑やかに咲いているな、と思った時、また何かがふわりと。
飛んでいる姿では不明でしたが、ロックオンして着地を待つと、今度はカミキリムシでした。
婚活中なのでしょう、何頭か集団でいて、婚活成功のカップルも。
見上げた梢にもカップルが。
ここに至ってはもはやトンパト(トンボ観察)ではなくなっているのは自覚していたものの。
というか、もうすでに諦めモードに移行していました。
その、気持ちの切り替えがよかったのか、もう一種、お久しぶりの虫がいて思わずオッと声が出ました。
突然ですが問題です。これは何の仲間でしょう?
こたえは後ほど。
結局イトトンボが観察できなかったのはまだしも、もう出ていていいはずのハラビロがいなくて傷心。
またまたしても項垂れつつ撤収することに・・と、さっきサヨナラした子に再会。
ホシベニ号まで戻って帰り支度をしていると、足元でお見送りしてくれた方が。
鮮やかな裏翅の銀色の眩しさに少し心が慰められました。
さすがに消化不良なので、別のポイントへ移動中、道沿いにスイレンの咲く池を見つけて緊急停止。
池へと近づくとウシガエルの声が聞こえ、せっかく膨らんだ期待感はしぼむばかりでしたが。
畔を静かにゆっくり歩きながら、スイレンの葉の上に目を凝らしていると。
やっとイトトンボに逢えました。
繁殖も確認。
アオモンもいたようですが証拠は残せず。他のトンボは観察できないまま再出発しました。
次はハラビロの好む、草原化した耕作放棄地。
しかしここもシオカラの姿すら見られないほどの状況。
さすがに打ちひしがれましたが、ホシベニ号へと戻る途中、またもやお久しぶりのヒゲジイが。
こうして葉の上から虎視眈々と獲物をねらっているのですが、目が合っても緊張感が湧いてこない。
スズメバチ級の大きさで迫力があるにもかからわず。
カナブンを突き刺してしまうくらいなんですが・・
帰路の途中、チバ市郊外の里山らしい地域の(イトトンボのいる)休耕田の様子を見に行くと。
休耕が終わったようで、普通の田んぼに戻ってしまっていました。
ついでに近くの(タマムシのいる)材木置き場の様子を見に行くと。
タマムシどころか、なぁんにもいませんでした。
ヒゲジイに再会するためではなく、訳あって二日後に再訪。
やはりトンボの姿は見えないお寒い状況でしたが、この子たちは最盛期なのでしょう、多数観察。
カニ歩きしながら林縁を歩いていると、藪の中からひょっこりはん。
大きさからしてまだ若い個体だったためか警戒心が弱くて接写することができました。
(一応毒蛇なのでよいこは近づかないように)
と、すぐ近くの葉っぱが小さく揺れました。
誰ですかと目を凝らすと、ビジュアル系のコメツキムシが葉の裏から顔を出した。
ひょっこりともう一種、こちらは赤青ツートーンが鮮やかなハムシ。
ヤマカガシくんありがとう、と心の中でつぶやきながらホシベニ号へと戻りました。
がっくりパトロールになったのですが、否、なったからこそ、ここからの状況変化を確認しに行かねば。
ビロードハマキという蛾でした。
しかも交尾中のペア。両側に頭と触覚が見えますね。
オレンジ色の部分が翅の先端で、おそらく上にかぶさっているのがメスではないかと。
実は扉の写真は5月30日に都内某公園を訪れたときのもの。
ここでも黒いアオモンを観察できたのが成果でした。
池の畔のベンチで休憩していると、小さな白いものがカメラバッグの上に落ちました。
糸くずのようでしたが、歩き始めたのでゴミではありません。
なかなか止まってくれませんが、やっと顔が少し見えました。
この公園の去り際も、溜飲下げ虫がいてくれました。
チバでは観察経験がなく、10年ぶりくらいの再会だったかと。
やっぱりハムシもいいなぁ。
前記事でちょっとだけ触れましたが、この日、一旦帰宅後、北総のサクラへトラップ回収に行きました。
我ながらよくやるなぁと思いつつ、現地に到着する直前、民家の前を通りがかったとき。
路上に緊張した空気が漂っていました。
それは蛇に睨まれた蛙ならぬ、ネコに睨まれたヘビでした。
シマヘビは襲われないように体をジクザグにしたまま硬直して微動だにしません。
ネコはまだ子猫で、好奇心と恐怖心が拮抗して手を出せない。
膠着状態が続いたのでホシベニ号のエンジンをかけて場面をブレイクさせました。
今日の湯加減
今年はいつごろ入梅するのか不明ですが、梅雨入り前に一度は観察しに行きたい。
そのフィールドノートをオムニバスで投稿します。
トライの結果はいかに。
6月4日は虫屋の祝日。
西風ちゃんの様子も見たいと思い、まずはともかくHFへ出かけました。
そうしたら何という静かさだったでしょうか。
前日のチバの天候は大荒れだったこともあり、いくら探しても西風ちゃんの姿が見つからない。
おそらく同じ目的と思われる、カメラと一脚を携えた男性の姿がハンノキ林の中にありました。
梢や頭上を長い間みつめていましたが、とうとうトボトボと引き上げていきました。
それはともかくも、トンボの姿も、シオカラトンボ以外は見当たらないのです。
やっと見つけたのは林縁の下草の上で休んでいたカワトンボ。
ニホンカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
メスも一頭だけ見かけたのですが撮影拒否されました。
結局、他にはハグロトンボとオオシオカラトンボのメスを観察したくらい。
午前中の1時間あまりしか滞在できませんでしたが、がっくり項垂れながら帰りました。
6月8日はお江戸へ行く用事があったので、そのついでに公園巡りをしました。
ここでは期待していたレギュラーが一番バッター。
アオモンイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
メスは見つけられませんでしたが、ここでの名物?の黒化型も確認。
同上 黒化型
池の上ではコシアキトンボのオスが乱舞していましたが、とまってくれる個体は期待できず。
飛翔撮影することも止まるまで待つこともやる気が湧かず。
コシアキたちとのバトルに疲れたこのトンボたちが撮影できたことで溜飲を下げました。
疲れても休んでいるわけではなく、岸とは反対の水面を睨んでいるので顔を写すことがむずかしい。
コシアキを追い払ったあと、自分の定位置に戻ってきて、方向を修正する前の瞬間を狙いました。
ウチワヤンマ ♂ (サナエトンボ科)
チバでは観察が困難なトンボに逢えず、この日もがっくりと項垂れて出口に向かいつつ。
気まぐれに(ハライセに)鳥撮り。
アオサギ
ゴイサギ(幼鳥)
カワセミ
来園者が多い公園なので人馴れしているのでしょう、かなり近距離で撮ることができました。
6月10日は今年初のボウソウ・トンパト。
定番の外房溜池巡りコースを選び、一番気になる(早く見たい)イトトンボを探しに。
シーズン中はトンボの花道のようになる、池の畔のあぜ道を歩きますがトンボのトの字もない。
逢いたかったオオイトの出現はまだこれからかもしれませんが、シオカラさえぽつぽつとしかいない。
カワトンボもイトトンボもヤンマの姿もない。
遠く池の水面に突き出た葉の上にショウジョウトンボの赤い点が一つ見えただけ。
何かハライセになるのはいないかと林縁の葉の上を見つめながら歩いていると。
頭上の枝から青いものが落ちてきたと思うと、ふわりと重力に逆らって浮き上がりました。
網を持っていなかったので着地したところを手で逮捕。
アオジョウカイ (ジョウカイボン科)
カミキリムシに似ていますが肉食。チバではとっても久しぶりに観察しました。(溜飲が下がりました)
シャッターを押した瞬間に舞い上がったので、じゃあねと歩を進めました。
するとすぐ、ムラサキシキブの花が賑やかに咲いているな、と思った時、また何かがふわりと。
飛んでいる姿では不明でしたが、ロックオンして着地を待つと、今度はカミキリムシでした。
シラホシカミキリ ♂(カミキリムシ科)
婚活中なのでしょう、何頭か集団でいて、婚活成功のカップルも。
同上 ペア
見上げた梢にもカップルが。
ベニボタル ペア (ベニボタル科)
ここに至ってはもはやトンパト(トンボ観察)ではなくなっているのは自覚していたものの。
というか、もうすでに諦めモードに移行していました。
その、気持ちの切り替えがよかったのか、もう一種、お久しぶりの虫がいて思わずオッと声が出ました。
突然ですが問題です。これは何の仲間でしょう?
こたえは後ほど。
結局イトトンボが観察できなかったのはまだしも、もう出ていていいはずのハラビロがいなくて傷心。
またまたしても項垂れつつ撤収することに・・と、さっきサヨナラした子に再会。
アオジョウカイ (ジョウカイボン科)
ホシベニ号まで戻って帰り支度をしていると、足元でお見送りしてくれた方が。
ベニシジミ 夏型(シジミチョウ科)
鮮やかな裏翅の銀色の眩しさに少し心が慰められました。
さすがに消化不良なので、別のポイントへ移動中、道沿いにスイレンの咲く池を見つけて緊急停止。
池へと近づくとウシガエルの声が聞こえ、せっかく膨らんだ期待感はしぼむばかりでしたが。
畔を静かにゆっくり歩きながら、スイレンの葉の上に目を凝らしていると。
やっとイトトンボに逢えました。
クロイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
繁殖も確認。
同上 ペア
アオモンもいたようですが証拠は残せず。他のトンボは観察できないまま再出発しました。
次はハラビロの好む、草原化した耕作放棄地。
しかしここもシオカラの姿すら見られないほどの状況。
さすがに打ちひしがれましたが、ホシベニ号へと戻る途中、またもやお久しぶりのヒゲジイが。
こうして葉の上から虎視眈々と獲物をねらっているのですが、目が合っても緊張感が湧いてこない。
スズメバチ級の大きさで迫力があるにもかからわず。
オオイシアブ (ムシヒキアブ科)
カナブンを突き刺してしまうくらいなんですが・・
帰路の途中、チバ市郊外の里山らしい地域の(イトトンボのいる)休耕田の様子を見に行くと。
休耕が終わったようで、普通の田んぼに戻ってしまっていました。
ついでに近くの(タマムシのいる)材木置き場の様子を見に行くと。
タマムシどころか、なぁんにもいませんでした。
ヒゲジイに再会するためではなく、訳あって二日後に再訪。
やはりトンボの姿は見えないお寒い状況でしたが、この子たちは最盛期なのでしょう、多数観察。
シラホシカミキリ ♂(カミキリムシ科)
カニ歩きしながら林縁を歩いていると、藪の中からひょっこりはん。
ヤマカガシ
大きさからしてまだ若い個体だったためか警戒心が弱くて接写することができました。
(一応毒蛇なのでよいこは近づかないように)
と、すぐ近くの葉っぱが小さく揺れました。
誰ですかと目を凝らすと、ビジュアル系のコメツキムシが葉の裏から顔を出した。
ヒゲコメツキ ♂ (コメツキムシ科)
ひょっこりともう一種、こちらは赤青ツートーンが鮮やかなハムシ。
ヤマイモハムシ (ハムシ科)
ヤマカガシくんありがとう、と心の中でつぶやきながらホシベニ号へと戻りました。
がっくりパトロールになったのですが、否、なったからこそ、ここからの状況変化を確認しに行かねば。
クイズの答え
ビロードハマキという蛾でした。
しかも交尾中のペア。両側に頭と触覚が見えますね。
ビロードハマキ ペア (ハマキガ科)
オレンジ色の部分が翅の先端で、おそらく上にかぶさっているのがメスではないかと。
オマケ
実は扉の写真は5月30日に都内某公園を訪れたときのもの。
ここでも黒いアオモンを観察できたのが成果でした。
アオモンイトトンボ ♂ 黒化型 (イトトンボ科)
池の畔のベンチで休憩していると、小さな白いものがカメラバッグの上に落ちました。
糸くずのようでしたが、歩き始めたのでゴミではありません。
なかなか止まってくれませんが、やっと顔が少し見えました。
アミガサハゴロモ ? 幼虫 (ハゴロモ科)
この公園の去り際も、溜飲下げ虫がいてくれました。
チバでは観察経験がなく、10年ぶりくらいの再会だったかと。
イチモンジハムシ (ハムシ科)
やっぱりハムシもいいなぁ。
オマケ その2
前記事でちょっとだけ触れましたが、この日、一旦帰宅後、北総のサクラへトラップ回収に行きました。
我ながらよくやるなぁと思いつつ、現地に到着する直前、民家の前を通りがかったとき。
路上に緊張した空気が漂っていました。
それは蛇に睨まれた蛙ならぬ、ネコに睨まれたヘビでした。
シマヘビは襲われないように体をジクザグにしたまま硬直して微動だにしません。
ネコはまだ子猫で、好奇心と恐怖心が拮抗して手を出せない。
膠着状態が続いたのでホシベニ号のエンジンをかけて場面をブレイクさせました。
今日の湯加減
トンボだけでなく、近年とにかく虫が減っています。
特に水棲昆虫は水質に敏感なので、トンボやゲンゴロウの仲間などは典型的な環境指標生物。
ゲンゴロウの仲間の姿も見ることができませんでした。
オサムシについても近頃思うところがあるのですが、長くなるのでまたいずれ。
では遠征に行ってまいります!
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
団地のヤンマ池も今年はトンボの気配を感じません。ビロードハマキさん、蛾が苦手な高和は遠巻きに恐る恐る眺めるだけです。この週末は早くも夏至。ユウウツな気分のスタートです。
by 高和です。 (2024-06-16 19:57)
ビロードハマキが柄が派手過ぎて2匹いるって
気付きませんでした。
ヒゲジイはまんまヒゲジイで笑いました。
by 響 (2024-06-18 19:14)
アミガサハゴロモ、優美な姿ですね、イトトンボ、わたしもビオトープで見かけますが、見分けはつきません、繊細な姿に見惚れるばかり、八丁トンボをみに湿地まで出かけて、トンボの飛び交う姿を、カメラにとらえるのは難しいです
by engrid (2024-06-20 19:53)
ビロードハマキというのでしたか。私はパッと見た時、ウミウシを
連想してしまいました^^;。ヒゲジイの写真もインパクトがありました。
正面からの写真は、クモかと思いました。
by sakamono (2024-06-20 22:00)
みなさま、遠征から無事かえってきました。
>高和です。さん
ビロードハマキは蛾どころか虫にも見えないような・・^^
夏至を過ぎるより梅雨は活性が下がりますね。
>響さん
見つけた瞬間は一匹に見えましたよ。
ヒゲジイさんはメスかもしれません^^
>engridさん
アミガサハゴロモは動かないとチリにしか見えませんね。
ハッチョウトンボは分布を拡大しているようですがチバではまだ・・
>sakamonoさん
そういえばウミウシもカラフルなのがいますね。
ヒゲジイはクモ類と同じくキャラが濃いですね・・^^
by kon(昆) (2024-06-23 08:29)
今年はまだトンボは見かけてないのですが
うちの周りはやけにチョウチョが多いな〜っていう印象です。
でも全体的には虫も減っているのですね。
by リュカ (2024-06-27 14:55)
>リュカさん
チバでは今年はシオカラトンボも少ないように感じます。
逆にアゲハは昨年よりも多いと思いますね♪
by kon(昆) (2024-06-27 23:12)