"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ご近所偵察 [探虫行]
しばらくご近所パトロールをしようと前記事に書きました。
HF以外にもご無沙汰している地点があるので、それもこなしておきたいことではある。
でもあまり彼方此方へと慌ただしく動き回る気分ではなかったので、新規開拓でもしようかなと。
というか、既訪ポイントの周辺を探索してみることにしました。
そしたら幸運にも、ご近所ではお初の子に出会えました。
5月20日は朝からどん曇り。午前中は仕事をして、午後から出かけました。
起点としたポイントは、そろそろ出ているだろう、チバ市内にあるハラビロトンボのポイント。
小さな谷津田の上流の休耕田の一部が湿地化していたのですが、一年で草原化していました。
ここがハラビロトンボの観察ポイントだったのですが姿が見えない。
その代わり、路上に積もった杉の葉の上にこの子たちが屯していました。
吸水しているのはオスたちだと思いますが、別の場所へ移動してからペアも観察できました。
さて、ともかくここを起点にして周辺の探索を開始。
まずは最上流まで突き詰めてみました。
コンクリートでフタをされた用水路の上を歩いていくと小さな芦原があり、その縁の草地にいました。
まだ成熟しきっていないので青みがかっていますが、いい色だと思います。
下流に移動したところではメスの未成熟個体も見られました。
メスも未成熟の方が黄色が鮮やか。
最上流は資材置き場で、その先は道路のようだったので引き返すことにしました。
虫はシオカラやキタテハくらいしかいなくてザンネンでしたが、カラムシの葉の上にいたのは。
体長10mmほどの小さなカミキリですが、葉っぱの上にいてくれたので見つけられました。
スタート地点まで戻り、今度は下流の様子を見に。
田んぼに沿って歩いていると、ときどきハラビロやシオカラが現れますが、他のトンボの姿はなし。
田んぼの水の中にはヒキガエルらしき小さなオタマがうようよいました。
と、それらたくさんの黒いノイズ(影)の中で、一つだけ動きの違う影を見つけました。
水網は持っていなかったのですが、お散歩ネットで掬ったのが扉の写真の子。
体長は20mm弱でガムシの半分くらいの大きさですが、ガムシよりも黒くて艶があるように思います。
一度だけスタート地点が湿地だったときに見かけたことがあったのですが、ちゃんと観察できました。
オタマもたくさんいるし、農薬を使っていないのか少ないのだと思います。
他にも何か水生昆虫がいないかと、田んぼに留まっているうちに陽が傾いてきた。
コガムシを観察できたことに満足し、この日のプチ探索は終わりにしました。
でも中途半端だったので、一週間後に再訪。
ベニシジミ号を停めた道路脇の小藪で出迎えてくれた子がいました。
コガムシがいた田んぼに直行し、そこから下流へ向けて進行。
植苗した田んぼと湿地化あるいは草原化した休耕田が混ざっているのでこの子たちの好適環境。
たった一週間経っただけですが、この日は成熟した個体が多く見られた。
オスもメスも未成熟の方が色が鮮やかです。(前出の写真と比べてみてください)
クワの灌木が連なる暗渠の上をしばらく進むと、とうとう川岸に沿う遊歩道に出たので引き返しました。
戻っていく途中、水路が分岐した方へと行けそうな支線があったので突入。
クヌギやコナラやエノキなどもある、一見魅力的なミニジャングルでしたがちょっと暗すぎか。
アカボシゴマを一頭見かけただけで特に収獲はないまま、道は農家の畑に出てしまいました。
ベニシジミ号へと来た道を戻り、また田んぼの傍を通りがかったとき、水面でジタバタしている人が。
いや、一応泳いでいるのでしょうけど、岸にたどり着きたいようでした。
しかし、着いたところはトタンのバリケードがあって登れません。
ケラの恩返しがあることを祈りつつ、バリケードを登る手助けをしておきました。
すると早速、少し歩いた先の田んぼで、この子たちが複数観察できました。
やや遠くて写真は断念しましたが、この子たちの幼虫とおぼしき姿もたくさん見られました。
特に珍しい虫はいなかったものの、それなりに多様性のある谷津田だということが確認できたし。
ミニジャングルにはきっとカブトムシやクワガタもいるような気がするので、様子を見に再訪したい。
ハイイロゲンゴロウは数頭お連れして、昆虫館で展示しました。
5月30日の夕刻、訳あってご近所ポイントの一つでもある、チバの海浜の様子を見に行きました。
まずはいなげの浜、以前お伝えしましたが、例の桟橋の建設に伴って周辺が不自然に整備され。
ゴミは少なくなったものの、生き物や草花がほとんどなくなってしまいました。
ゴミダマすら見つからず、ようやく一つ観察したのはゴモクムシの仲間一匹だけ。
海水浴場としての集客を狙ったけれどコロナ禍で空振り。
今年から開設できるのかもしれませんが、白砂も黒ずんでしまい普通のビーチになっています。
暗澹たる気持ちで幕張の浜へ移動。
ここは遊泳禁止なのですが、やはり不自然に整備されてしまっていました。
生き物の住処だった流木などの漂着物はきれいさっぱり撤去され、石や岩もなくなってしまった。
ここはゴミダマたちのサンクチュアリだったのにもぬけの殻。
それでもどこかにはいるかもと、砂浜を小一時間ほど歩き回ると、ゴミダマの極小群はいくつか確認。
それと、辛うじてナガヒョウタンが一頭と(写真なし)、この子を見つけられました。
このままだとすっかり居なくなるのは時間の問題だけれど、何もできないのがもどかしい。
今日の湯加減
HF以外にもご無沙汰している地点があるので、それもこなしておきたいことではある。
でもあまり彼方此方へと慌ただしく動き回る気分ではなかったので、新規開拓でもしようかなと。
というか、既訪ポイントの周辺を探索してみることにしました。
そしたら幸運にも、ご近所ではお初の子に出会えました。
5月20日は朝からどん曇り。午前中は仕事をして、午後から出かけました。
起点としたポイントは、そろそろ出ているだろう、チバ市内にあるハラビロトンボのポイント。
小さな谷津田の上流の休耕田の一部が湿地化していたのですが、一年で草原化していました。
ここがハラビロトンボの観察ポイントだったのですが姿が見えない。
その代わり、路上に積もった杉の葉の上にこの子たちが屯していました。
ルリシジミ (シジミチョウ科)
吸水しているのはオスたちだと思いますが、別の場所へ移動してからペアも観察できました。
同上
さて、ともかくここを起点にして周辺の探索を開始。
まずは最上流まで突き詰めてみました。
コンクリートでフタをされた用水路の上を歩いていくと小さな芦原があり、その縁の草地にいました。
ハラビロトンボ ♂ (トンボ科)
まだ成熟しきっていないので青みがかっていますが、いい色だと思います。
下流に移動したところではメスの未成熟個体も見られました。
同上 ♀
メスも未成熟の方が黄色が鮮やか。
最上流は資材置き場で、その先は道路のようだったので引き返すことにしました。
虫はシオカラやキタテハくらいしかいなくてザンネンでしたが、カラムシの葉の上にいたのは。
アトジロサビカミキリ (カミキリムシ科)
体長10mmほどの小さなカミキリですが、葉っぱの上にいてくれたので見つけられました。
スタート地点まで戻り、今度は下流の様子を見に。
田んぼに沿って歩いていると、ときどきハラビロやシオカラが現れますが、他のトンボの姿はなし。
田んぼの水の中にはヒキガエルらしき小さなオタマがうようよいました。
と、それらたくさんの黒いノイズ(影)の中で、一つだけ動きの違う影を見つけました。
水網は持っていなかったのですが、お散歩ネットで掬ったのが扉の写真の子。
コガムシ (ガムシ科)
体長は20mm弱でガムシの半分くらいの大きさですが、ガムシよりも黒くて艶があるように思います。
一度だけスタート地点が湿地だったときに見かけたことがあったのですが、ちゃんと観察できました。
オタマもたくさんいるし、農薬を使っていないのか少ないのだと思います。
他にも何か水生昆虫がいないかと、田んぼに留まっているうちに陽が傾いてきた。
コガムシを観察できたことに満足し、この日のプチ探索は終わりにしました。
でも中途半端だったので、一週間後に再訪。
ベニシジミ号を停めた道路脇の小藪で出迎えてくれた子がいました。
ジュウサンホシテントウ (テントウムシ科)
コガムシがいた田んぼに直行し、そこから下流へ向けて進行。
植苗した田んぼと湿地化あるいは草原化した休耕田が混ざっているのでこの子たちの好適環境。
たった一週間経っただけですが、この日は成熟した個体が多く見られた。
ハラビロトンボ ♂ (トンボ科)
オスもメスも未成熟の方が色が鮮やかです。(前出の写真と比べてみてください)
同上 ♀
クワの灌木が連なる暗渠の上をしばらく進むと、とうとう川岸に沿う遊歩道に出たので引き返しました。
戻っていく途中、水路が分岐した方へと行けそうな支線があったので突入。
クヌギやコナラやエノキなどもある、一見魅力的なミニジャングルでしたがちょっと暗すぎか。
アカボシゴマを一頭見かけただけで特に収獲はないまま、道は農家の畑に出てしまいました。
ベニシジミ号へと来た道を戻り、また田んぼの傍を通りがかったとき、水面でジタバタしている人が。
いや、一応泳いでいるのでしょうけど、岸にたどり着きたいようでした。
しかし、着いたところはトタンのバリケードがあって登れません。
ケラ (ケラ科)
ケラの恩返しがあることを祈りつつ、バリケードを登る手助けをしておきました。
すると早速、少し歩いた先の田んぼで、この子たちが複数観察できました。
ハイイロゲンゴロウ (ゲンゴロウ科)
やや遠くて写真は断念しましたが、この子たちの幼虫とおぼしき姿もたくさん見られました。
特に珍しい虫はいなかったものの、それなりに多様性のある谷津田だということが確認できたし。
ミニジャングルにはきっとカブトムシやクワガタもいるような気がするので、様子を見に再訪したい。
ハイイロゲンゴロウは数頭お連れして、昆虫館で展示しました。
オマケ
5月30日の夕刻、訳あってご近所ポイントの一つでもある、チバの海浜の様子を見に行きました。
まずはいなげの浜、以前お伝えしましたが、例の桟橋の建設に伴って周辺が不自然に整備され。
ゴミは少なくなったものの、生き物や草花がほとんどなくなってしまいました。
ゴミダマすら見つからず、ようやく一つ観察したのはゴモクムシの仲間一匹だけ。
未同定
海水浴場としての集客を狙ったけれどコロナ禍で空振り。
今年から開設できるのかもしれませんが、白砂も黒ずんでしまい普通のビーチになっています。
暗澹たる気持ちで幕張の浜へ移動。
ここは遊泳禁止なのですが、やはり不自然に整備されてしまっていました。
生き物の住処だった流木などの漂着物はきれいさっぱり撤去され、石や岩もなくなってしまった。
ここはゴミダマたちのサンクチュアリだったのにもぬけの殻。
それでもどこかにはいるかもと、砂浜を小一時間ほど歩き回ると、ゴミダマの極小群はいくつか確認。
それと、辛うじてナガヒョウタンが一頭と(写真なし)、この子を見つけられました。
オオハサミムシ
このままだとすっかり居なくなるのは時間の問題だけれど、何もできないのがもどかしい。
今日の湯加減
今日は久しぶりにお江戸へ研究員レクチャーを聴講しに行ってきました。
大坂の高槻市にある、JT生命誌研究館系統進化研究室の主任研究員の方の講演でした。
2コマあって一つ目は「歩く宝石 オサムシはなぜ、どうやって飛ぶことをやめたのか」という演目。
こんな話はなかなか聴けないので早めに参加登録して勇んで出かけたのですが。
台風2号の影響で新幹線をはじめ、交通機関が大混乱になったのでオンライン講演となりました。
二つ目は「イチジクとイチジクコバチの持ちつ持たれつの関係」。
リモート講演だったけど質問もできたし、とても面白い講演でした。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんにちは^^
ルリシジミ、ペアになると蝶ネクタイみたいですね^^
トンボのオスメスはあまりにも違い過ぎて、私には見分けがつかないです。
コガムシ、初めて見ますが艶々ですね。
近場でも色々な虫に会えて、楽しそうです。
あまり開発されても自然が壊されてしましますね。
by いろは (2023-06-05 15:42)
いつも野趣タップリの光景をありがとうございます。ホントにうらやましい。さて、ジュウサンホシテントウさま、おなまえもおすがたもお初にお目にかかりました。虫は左右対称のはず、不思議ですね!
by 高和です。 (2023-06-07 11:35)
追伸 エクスプローラで見つけました。鞘羽が分かれる位置にホシが付いてる!久しぶりに「目からウロコ」でしたよ。
by 高和です。 (2023-06-07 11:44)
ハラビロトンボ ♂ は成熟すると真っ黒になってしまうのですね。
♀の方は、まだ元の色が分かるけれども。コガムシの色は漆黒と
いうのか、艶々でとても美しいです^^;。
by sakamono (2023-06-07 21:50)
>いろはさん
まさにシジミ蝶ネクタイですね^^
近年、開発はアセスとセットですが、それがもう形骸化してますね・・
>高和です。さん
チバは都会で田舎ですが荒れつつあります。
たまにうれしい虫にも会えますが、いつまでもつかは・・
>sakamonoさん
オスの方が地味なトンボという意味ではめずらしいですね♪
コガムシは違いがないですがどちらも黒光りですね^^
by kon(昆) (2023-06-07 22:37)
ハラビロトンボの雄はまっくろでカッコいい。
ハサミムシってお尻が見えてるのですよね?
顔に見えちゃう。
by 響 (2023-06-08 19:19)
>響さん
たしかにクワガタにも見えますね^^
by kon(昆) (2023-06-11 08:52)