"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ハードラックとグッドラック [探虫行]
オオセンチ敗戦記録の続々編です。
記事化することすら躊躇われたのですが、僥倖もあったのでログとして書き留めたい。
虫たちは休日だったので風景写真というかお馴染みの隧道の写真を。
いつもは異世界への入口なのですが・・
4月22日、チバの朝はひんやりしていましたが勇んで馬糞をもらいに乗馬クラブへ。
ボウソウも昼からは晴れて気温も上がるとのことなので問題ない。
日曜日でR16はちょっと混雑していましたが、いつものようにイチハラを過ぎたあたりからはスムース。
とはいえ寒い。
天気予報の気温は15℃でしたが、走行中の体感温度は10℃くらいだったかと・・風が冷たい。
11時前に現着して、さくさくと第一ポイントにトラップを設置。
第二ポイントへ向かうべくベニシジミ号で山道の奥の隧道まできたのが扉の写真。
そこから歩いて進み、トラップを設置して引き返し、第一ポイントの手前まで戻ってきました。
ベニシジミ号をとめたこの場所がその後、功を奏するとはこの時は想像もしていませんでした。
まずは、第一ポイントでコンビニ弁当を食べながらトラップへの飛来を待ちました。
しかし、天気予報とは違い、昼を過ぎても陽は射さず、気温も上がらない。
間違いなく異常低温。
第二ポイントへ行く途中も、ニワハンミョウやハンミョウがまったく見られません。
第一ポイントの草原にもまったく姿なし。
1時間以上待ちましたが、何も来ないので第二ポイントの様子を見に行くことに。
お昼を過ぎたというのに、気温が上がってこないせいか、やはりハンミョウたちは現れない。
トラップを設置した地点の手前まで来たとき、ふと林縁の藪が気になったので近づいてみると。
いつもは地面にいるはずが、こんなところに、こんな体勢で休んでいました。
カヤの葉をアゴで咥えてとまっているのです。
残念ながらトラップにはハエ以外何も来ていなかったので、時間をおくために周辺の散策をしに。
少し奥へ進むと、小さな川廻しがあります。
この辺からヤマビルの巣窟なので、しょっちゅう足元を確認しますが、寒いからか幸いいません。
ならばと、落石や倒木のバリケードの先、廃道へ突入してみることにしました。
川沿いに山道の痕跡があるので辿っていきます。
もう少しするとカワトンボが見られるはずの渓流も静かでうら寂しい。
一度渡渉して反対岸を歩いていきましたが、しばらくすると進めそうもない状況に。
右手を見上げると段丘の上に尾根道がありそうな気もしました。
渡渉したところまで戻ると、丘の上に上がれそうな獣道がありました。
ちょっと躊躇したものの、行ってみるかと、斜面林の中の急登に突入。
木につかまりながらしばらく登ると、ボウソウらしい細い尾根道が現れた。
幅は50センチもなく、どちらも断崖という・・高所恐怖症には辛いアスレチック。
へっぴり腰になりながらも通過しましたが、その先はトラバースするしかない森になりました。
傾斜もきついので、リスクを考え踵を返しました。(当然また尾根渡り)
第二ポイントまで戻り、再度トラップを確認しましたが、エンマムシすら来ていないという悲惨さ。
でも全く陽射しはないものの、少しだけ空が明るくなったので、しばらく留まって待つことに。
何か虫はいないかと周辺をうろうろしていたら、やっと虫らしい姿が枯れススキの上に。
寒さに耐えるように触角を垂れ、近寄っても微動だにしませんでした。
と、足元の山道の上に動くものが。
芝の中をもそもそと移動していましたが、そのうちにピタッと静止しました。
しばらく周辺を探索して戻ってきても、まだその場にいた。(寒くて動けなくなった?)
天気予報はハズレたまま午後2時を過ぎ、営業時間になったのか、やっと来てくれたのはこの子。
本命ではありませんが、試料としてお連れしました。
逆に本命の営業時間は終了時刻なので、トラップを片付け、山道をとぼとぼと引き返しました。
その途中、ウツギに似ていますが、なんとなく花容が違う花が林縁にありました。
後で調べてみるとこれではないかと。
これは来る途中に目を惹かれていた、ヤマボウシかなと思った花。
真上を向いて咲いているので花容がわかりづらいけど草木に詳しい方は一目瞭然なのでしょうね。
第一ポイントまで戻り、最後のトラップチェックをしましたが、やはりエンマ様すら来ていない。
期待の余地がないので、かえって撤収の決断はしやすいですが。
トラップを片付け、肩を落としながらベニシジミ号へと戻りました。
そして近くまで辿り着いたとき、もう一人、ベニシジミ号へと向かって歩いているのに気付きました。
コンチューターの針がピクッとしたと同時に、思わず「おーーっ」と声が漏れてしまった。
まっすぐにベニシジミ号へ向かっていました。
とうとうタイヤの下へ入りとまったところを逮捕。
体長40mmオーバーの大きさ。北総のマイマイと違い、マットブラックの胸。
いわゆる”ボウマイ”といっていいと思いますが、マイマイカブリが日中歩いているのはとても珍しい。
まさにハードラックのあとのグッドラック。
ベニシジミ号に乗りたいのだと判断しお連れしました。
ミツバウツギの同定を裏付ける子がその枝にとまっていました。
体長約4mm。小さくて風で揺れていたためピンボケ写真しかないのでオマケとして。
今日の湯加減
記事化することすら躊躇われたのですが、僥倖もあったのでログとして書き留めたい。
虫たちは休日だったので風景写真というかお馴染みの隧道の写真を。
いつもは異世界への入口なのですが・・
4月22日、チバの朝はひんやりしていましたが勇んで馬糞をもらいに乗馬クラブへ。
ボウソウも昼からは晴れて気温も上がるとのことなので問題ない。
日曜日でR16はちょっと混雑していましたが、いつものようにイチハラを過ぎたあたりからはスムース。
とはいえ寒い。
天気予報の気温は15℃でしたが、走行中の体感温度は10℃くらいだったかと・・風が冷たい。
11時前に現着して、さくさくと第一ポイントにトラップを設置。
第二ポイントへ向かうべくベニシジミ号で山道の奥の隧道まできたのが扉の写真。
そこから歩いて進み、トラップを設置して引き返し、第一ポイントの手前まで戻ってきました。
どん曇り空
ベニシジミ号をとめたこの場所がその後、功を奏するとはこの時は想像もしていませんでした。
まずは、第一ポイントでコンビニ弁当を食べながらトラップへの飛来を待ちました。
しかし、天気予報とは違い、昼を過ぎても陽は射さず、気温も上がらない。
間違いなく異常低温。
第二ポイントへ行く途中も、ニワハンミョウやハンミョウがまったく見られません。
第一ポイントの草原にもまったく姿なし。
1時間以上待ちましたが、何も来ないので第二ポイントの様子を見に行くことに。
お昼を過ぎたというのに、気温が上がってこないせいか、やはりハンミョウたちは現れない。
トラップを設置した地点の手前まで来たとき、ふと林縁の藪が気になったので近づいてみると。
いつもは地面にいるはずが、こんなところに、こんな体勢で休んでいました。
ハンミョウ ♀(オサムシ科)
カヤの葉をアゴで咥えてとまっているのです。
残念ながらトラップにはハエ以外何も来ていなかったので、時間をおくために周辺の散策をしに。
少し奥へ進むと、小さな川廻しがあります。
この辺からヤマビルの巣窟なので、しょっちゅう足元を確認しますが、寒いからか幸いいません。
ならばと、落石や倒木のバリケードの先、廃道へ突入してみることにしました。
川沿いに山道の痕跡があるので辿っていきます。
もう少しするとカワトンボが見られるはずの渓流も静かでうら寂しい。
一度渡渉して反対岸を歩いていきましたが、しばらくすると進めそうもない状況に。
右手を見上げると段丘の上に尾根道がありそうな気もしました。
渡渉したところまで戻ると、丘の上に上がれそうな獣道がありました。
ちょっと躊躇したものの、行ってみるかと、斜面林の中の急登に突入。
木につかまりながらしばらく登ると、ボウソウらしい細い尾根道が現れた。
幅は50センチもなく、どちらも断崖という・・高所恐怖症には辛いアスレチック。
へっぴり腰になりながらも通過しましたが、その先はトラバースするしかない森になりました。
傾斜もきついので、リスクを考え踵を返しました。(当然また尾根渡り)
第二ポイントまで戻り、再度トラップを確認しましたが、エンマムシすら来ていないという悲惨さ。
でも全く陽射しはないものの、少しだけ空が明るくなったので、しばらく留まって待つことに。
何か虫はいないかと周辺をうろうろしていたら、やっと虫らしい姿が枯れススキの上に。
ヤマトシジミ (シジミチョウ科)
寒さに耐えるように触角を垂れ、近寄っても微動だにしませんでした。
と、足元の山道の上に動くものが。
タケカレハ 幼虫 (カレハガ科)
芝の中をもそもそと移動していましたが、そのうちにピタッと静止しました。
しばらく周辺を探索して戻ってきても、まだその場にいた。(寒くて動けなくなった?)
同上
天気予報はハズレたまま午後2時を過ぎ、営業時間になったのか、やっと来てくれたのはこの子。
センチコガネ ♀(センチコガネ科)
本命ではありませんが、試料としてお連れしました。
逆に本命の営業時間は終了時刻なので、トラップを片付け、山道をとぼとぼと引き返しました。
その途中、ウツギに似ていますが、なんとなく花容が違う花が林縁にありました。
後で調べてみるとこれではないかと。
ミツバウツギ
これは来る途中に目を惹かれていた、ヤマボウシかなと思った花。
ヤブデマリ
真上を向いて咲いているので花容がわかりづらいけど草木に詳しい方は一目瞭然なのでしょうね。
第一ポイントまで戻り、最後のトラップチェックをしましたが、やはりエンマ様すら来ていない。
期待の余地がないので、かえって撤収の決断はしやすいですが。
トラップを片付け、肩を落としながらベニシジミ号へと戻りました。
そして近くまで辿り着いたとき、もう一人、ベニシジミ号へと向かって歩いているのに気付きました。
コンチューターの針がピクッとしたと同時に、思わず「おーーっ」と声が漏れてしまった。
まっすぐにベニシジミ号へ向かっていました。
とうとうタイヤの下へ入りとまったところを逮捕。
マイマイカブリ ♀ (オサムシ科)
体長40mmオーバーの大きさ。北総のマイマイと違い、マットブラックの胸。
いわゆる”ボウマイ”といっていいと思いますが、マイマイカブリが日中歩いているのはとても珍しい。
まさにハードラックのあとのグッドラック。
ベニシジミ号に乗りたいのだと判断しお連れしました。
オマケ
ミツバウツギの同定を裏付ける子がその枝にとまっていました。
ミツバウツギフクレアブラムシ 有翅型(アブラムシ科)
体長約4mm。小さくて風で揺れていたためピンボケ写真しかないのでオマケとして。
今日の湯加減
今日から北海道遠征しています。(公開時刻には現着している予定)
まさに念願のエゾオサツアーでして、HTK64+Jチームで行ってきます。
ちょっと天気が心配なのですが、本編のような完封負けはしたくない。
どうにか本命を採って記事化したい。
ちょっと時期が早いのでそれこそ気温が心配ですが・・グッドラックが訪れますように・・
2023-04-29 20:00
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コメント(5)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
昆虫に関係ありませんが、水の流れる美しい景色ですね。
「川廻し」、今日も一つ新しい言葉覚えちゃいました、嬉しい^^
エゾオサツアー、HTK64+J、なんだかわくわくしますね^。^
by アヨアン・イゴカー (2023-04-30 10:06)
遠征、吉報をお待ちしています。
by 高和です。 (2023-05-02 03:58)
ハンミョウが草にとまってるのは初めてみました。
アブラムシをよくこんなに拡大して撮れるものですね。
by 響 (2023-05-02 21:34)
私も「川廻し」が気になって検索してしまいました。なるほど。
ミツバウツギフクレアブラムシ、すごいお名前ですね^^;。
これもなるほど。ミツバウツギにつくのですね。
by sakamono (2023-05-05 12:39)
>アヨアン・イゴカーさん
チバ名物の川廻しと素掘り隧道は共通点がありますね♪
(ツアーから帰ってきました)
>高和です。さん
想定していたことは何も起きませんでした。
つまり全てが想定外でした^^;
>響さん
おそらく夜もこのようにしているかと。防御体勢ですね。
比較的大きなアブラムシですが、風で揺れると・・^^;
>sakamonoさん
細かな植物種名がついている虫は多くないですね。
ウツギにはつかないからかもしれません^^
by kon(昆) (2023-05-05 23:39)