"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
空白を埋めろ Chal.15 [オサムシ]
前回、”今シーズン最後”と書きましたが、「空白を埋めろシリーズ」をもう一編。
どうしても心残りが、というよりも悔しくて、また行ってきてしまったのです。
そしてうれしいことに空白が一つ埋まりました。

苦戦の様子は本編にて。
3月19日のターゲットエリアは幾度も空振りしている難関のサンム。
前日のチバは雨だったこともあり、朝ははまだ道路が濡れていました。
なので、午前中は事務処理や虫たちの世話をして過ごし、お昼にベニシジミ号で出発。
実はこの数日前にベニシジミ号の前後ホイールとタイヤを交換していたので試運転もかねて。
R51成田街道を北上し、坂戸からK22で八街を過ぎると山武市に入ります。
最初の目標地点に設定していた神社の周りは民家が多いので、例によって現場合わせで探索開始。
気になった森の中は崖がなく、開けた畑地に出てしまいました。

ここでもう一度GoogleMapを見て作戦会議。
谷津田ではないけれど、森の中に小道がありそうだったので、その入口を探索に。
工事現場の入口のようなところがあり、立ち入り禁止の表示もなかったので突入してみました。
どうやらそれが小道らしかったものの、工事車両が行き来するような赤土の地面が長く続きました。
とうとう終点と思われるところに出ると、その道の用途が判明しました。
産廃かどうか確かめませんでしたが、何かの集積場所か仮置き場のようでした。
(すぐそばに民家があるのに)

とてもがっかりしたのですが、右手の奥にはこんな景色が。

置き場を作るために土地を掘ったのだと思いますが、赤土の崖ができていました。
人工の崖とはいえ、年数が経っていそうなので試掘してみるしかない。
さっそく装備を整えて崖に取りついたけれど、南向きのためか見た目よりはるかに乾燥していました。
これは何も出ないかなと思ったら、こんなのがいくつか顔を出しました。

ハムシの翅は柔らかいのに、よくこんな固くて乾燥した土の中に潜れるものだといつも思います。
少しでも湿り気のあるところを叩いていきますが、出るのはゲジくらいでゴミムシは出ず。
でも親分はこんなきびしい環境でも平気のようです。

乾燥に強いのでしょうね。
期待できないのに未練がましくカニ歩きしていると、背後からバタバタと羽音が聞こえたかと思うと。
目の前に着地したのは越冬明けの人。

着地するところを見なかったら気が付かなかったかも。
長い崖だったので、さらにしばらく試掘しましたが、出たのは親分だけでした。

ここを撤収してから、南側に連なるエリアをローラー探索したものの崖は見つからず。

次に前回チャレンジ時にオオクビボソを掘ったエリアの近くを探索したけれど空振り。

その後、ここは再訪だと気が付かなかったのですが、この辺まで来たときに見覚えがあるなと。

長い長い谷津田の奥へと詰めていくと、はっきり見覚えのある電気柵があるところに。

そう、前回はここで心が折れて引き返したのですが、今回は歩いて突入してみることにしました。
GoogleMapで見るとそこはまだ谷津田の中流域で、南西に向けてまだまだ奥は深いよう。
ただ、電気柵が敷設されているように、休耕田ではなくて作付けされている田んぼが続きます。
用水路は護岸されていないし、これで無農薬なら言うことなしの谷津田なんだけど。

そんなことを考えながら畦道を歩いていきますが、こちら側の林縁に崖はなさそうでした。
しばらく進み、最奥部付近まで辿り着き、こちら側は畦道がなくなったので反対側へ横断。
すると、森の中へ続く細い林道があることが分かりました。
ということは、上流側にも谷津田へのアプローチがあるのかもしれないと、足を延ばそうとした時。
目の前の林縁に小崖というより、プチ崖がありました。

一応掘ってみるかと、期待せずにバチツルを振っていると、ぽろりと足元に落ちる小さな影。
それが扉の写真でした。
ついに難関サンムを突破。

残念ながらお友達はおらず。(親分は一人いました)

この後、林道を辿っていくと畑に出て、その先に県道が見えたので上流から入れることを確認できました。
林道を引き返し、さっきとは反対側のあぜ道をベニシジミ号へと歩いていると陽も傾いてきた。

用水路の向こうに咲くスミレが難関突破を祝ってくれているかのように見えました。

コスミレだと思いますが・・

いかがでしょうか、お花の先生・・

ちょっと時間を巻き戻して、この前週にプチ遠征したときのことを。
温泉に入ることが主目的でしたが、この時期に山に行くならオサホリをしないという選択肢はないので。
訪れたのは群馬の山の中。あわよくば奥利根亜種を掘り当てたいと。
とある林道をトレースしようと企んでいたのですが、冬期間は通行止めでした。
なので入口に車を停めて歩いていくことに。
入ってすぐ、こんな沢があったので周辺の環境の様子を見るためにも登ってみました。

膨大な落ち葉が堆積していて、地面が見えないし、布団の上を歩いているよう。
見上げた岩の周囲には土が露出している箇所があったのでよじ登ってみたけれど手応えなし。

根返りや少しガレた箇所もありましたが何も出ずだったので、林道に戻って奥へと歩いて行きました。
周囲は岩山のようで、支線もなく、崖どころか土が露出している箇所さえほとんどありません。
木の根周りの間隙などを覗いていると、逆さ氷柱を見つけました。 氷筍というのかな?

崖はないけれど、斜面は崩落し放題で、落石フェスティバルが開催されていました。
これでは車両の通行はムリです。

徒歩でも頭上を注意しながら進まないとキケンです。

かなり歩き続け、やっと支線があったので迷うことなく進入。

沢沿いに進んでいきましたが、崖はありそうにないし、この先は渡渉しなくてはならない。

林道へ引き返してさらに先へ進み、また支線があったので入ってみたけれど川岸に出てしまった。

近くに転がっていた倒木を崩してみましたが出たのはハサミムシくらい。
ゴミムシはおろか土崖も見つからないまま、この滝を見下ろすところまで行ったあたりで力尽きた。

ガックリしつつも、温泉とビールを想像して気持ちを保ちながら、長い林道を戻っていきました。

でも、もちろん翌日もトライしました。
今度は別の、前日の林道より低いところへ。
この日も曇っていたものの、時折り陽が射し、越冬態のチョウたちがちらちらと現れます。
一頭だけ近寄ることを許してくれました。

この林道は側面に土が露出している箇所がぽつぽつとありましたが、どれもふかふかで手応えなし。
支線もいくつかあって、その中には小崖もありましたが、乾燥していて出るのはハチとクモくらい。
ここもダメかと項垂れつつもえっちらおっちら登って行くと、こんな入口の支線が現れました。

土の固さもまずまずで湿り気もあるので、これは何か出るだろうと期待が高まります。
しかし、しばらく掘っても指標虫すら出ない。
それでも同じ場所で粘っていたら、ぽろっと小さな物体が落ちました。
本命の奥利根亜種ではありませんが・・

体長約13mm。写真では分かりづらいですが、鞘翅に光沢があって、前胸が褐色に縁取りされています。
お連れしてからの写真がこちら。

これで俄然やる気が湧き、しかもこの支線の先は延々とこんな崖が続いているのでした。

これは夢のようなポイントだと思いながら、延々とカニ歩きしていきました。
1時間以上掘り続けました。
しかし見事な肩透かしに会いました。
出たのはセミの幼虫とハナムグリの幼虫くらいで、ゴミムシの追加すらナシ。
ついにタイムアップとなって、止む無く帰路につきました。
川沿いの宿に泊まりました。
露天風呂からの景色。

貸し切り状態だったので撮影できました。
今日の湯加減
どうしても心残りが、というよりも悔しくて、また行ってきてしまったのです。
そしてうれしいことに空白が一つ埋まりました。

アオオサムシ (オサムシ科)
苦戦の様子は本編にて。
3月19日のターゲットエリアは幾度も空振りしている難関のサンム。
前日のチバは雨だったこともあり、朝ははまだ道路が濡れていました。
なので、午前中は事務処理や虫たちの世話をして過ごし、お昼にベニシジミ号で出発。
実はこの数日前にベニシジミ号の前後ホイールとタイヤを交換していたので試運転もかねて。
R51成田街道を北上し、坂戸からK22で八街を過ぎると山武市に入ります。
最初の目標地点に設定していた神社の周りは民家が多いので、例によって現場合わせで探索開始。
気になった森の中は崖がなく、開けた畑地に出てしまいました。

ここでもう一度GoogleMapを見て作戦会議。
谷津田ではないけれど、森の中に小道がありそうだったので、その入口を探索に。
工事現場の入口のようなところがあり、立ち入り禁止の表示もなかったので突入してみました。
どうやらそれが小道らしかったものの、工事車両が行き来するような赤土の地面が長く続きました。
とうとう終点と思われるところに出ると、その道の用途が判明しました。
産廃かどうか確かめませんでしたが、何かの集積場所か仮置き場のようでした。
(すぐそばに民家があるのに)

とてもがっかりしたのですが、右手の奥にはこんな景色が。

置き場を作るために土地を掘ったのだと思いますが、赤土の崖ができていました。
人工の崖とはいえ、年数が経っていそうなので試掘してみるしかない。
さっそく装備を整えて崖に取りついたけれど、南向きのためか見た目よりはるかに乾燥していました。
これは何も出ないかなと思ったら、こんなのがいくつか顔を出しました。

ウリハムシ (ハムシ科)
ハムシの翅は柔らかいのに、よくこんな固くて乾燥した土の中に潜れるものだといつも思います。
少しでも湿り気のあるところを叩いていきますが、出るのはゲジくらいでゴミムシは出ず。
でも親分はこんなきびしい環境でも平気のようです。

スジアオゴミムシ (オサムシ科)
乾燥に強いのでしょうね。
期待できないのに未練がましくカニ歩きしていると、背後からバタバタと羽音が聞こえたかと思うと。
目の前に着地したのは越冬明けの人。

ツチイナゴ (バッタ科)
着地するところを見なかったら気が付かなかったかも。
長い崖だったので、さらにしばらく試掘しましたが、出たのは親分だけでした。

スジアオゴミムシ (オサムシ科)
ここを撤収してから、南側に連なるエリアをローラー探索したものの崖は見つからず。

次に前回チャレンジ時にオオクビボソを掘ったエリアの近くを探索したけれど空振り。

その後、ここは再訪だと気が付かなかったのですが、この辺まで来たときに見覚えがあるなと。

長い長い谷津田の奥へと詰めていくと、はっきり見覚えのある電気柵があるところに。

そう、前回はここで心が折れて引き返したのですが、今回は歩いて突入してみることにしました。
GoogleMapで見るとそこはまだ谷津田の中流域で、南西に向けてまだまだ奥は深いよう。
ただ、電気柵が敷設されているように、休耕田ではなくて作付けされている田んぼが続きます。
用水路は護岸されていないし、これで無農薬なら言うことなしの谷津田なんだけど。

そんなことを考えながら畦道を歩いていきますが、こちら側の林縁に崖はなさそうでした。
しばらく進み、最奥部付近まで辿り着き、こちら側は畦道がなくなったので反対側へ横断。
すると、森の中へ続く細い林道があることが分かりました。
ということは、上流側にも谷津田へのアプローチがあるのかもしれないと、足を延ばそうとした時。
目の前の林縁に小崖というより、プチ崖がありました。

一応掘ってみるかと、期待せずにバチツルを振っていると、ぽろりと足元に落ちる小さな影。
それが扉の写真でした。
ついに難関サンムを突破。

アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
残念ながらお友達はおらず。(親分は一人いました)

この後、林道を辿っていくと畑に出て、その先に県道が見えたので上流から入れることを確認できました。
林道を引き返し、さっきとは反対側のあぜ道をベニシジミ号へと歩いていると陽も傾いてきた。

用水路の向こうに咲くスミレが難関突破を祝ってくれているかのように見えました。

コスミレだと思いますが・・

いかがでしょうか、お花の先生・・

ちょっと時間を巻き戻して、この前週にプチ遠征したときのことを。
温泉に入ることが主目的でしたが、この時期に山に行くならオサホリをしないという選択肢はないので。
訪れたのは群馬の山の中。あわよくば奥利根亜種を掘り当てたいと。
とある林道をトレースしようと企んでいたのですが、冬期間は通行止めでした。
なので入口に車を停めて歩いていくことに。
入ってすぐ、こんな沢があったので周辺の環境の様子を見るためにも登ってみました。

膨大な落ち葉が堆積していて、地面が見えないし、布団の上を歩いているよう。
見上げた岩の周囲には土が露出している箇所があったのでよじ登ってみたけれど手応えなし。

根返りや少しガレた箇所もありましたが何も出ずだったので、林道に戻って奥へと歩いて行きました。
周囲は岩山のようで、支線もなく、崖どころか土が露出している箇所さえほとんどありません。
木の根周りの間隙などを覗いていると、逆さ氷柱を見つけました。 氷筍というのかな?

崖はないけれど、斜面は崩落し放題で、落石フェスティバルが開催されていました。
これでは車両の通行はムリです。

徒歩でも頭上を注意しながら進まないとキケンです。

かなり歩き続け、やっと支線があったので迷うことなく進入。

沢沿いに進んでいきましたが、崖はありそうにないし、この先は渡渉しなくてはならない。

林道へ引き返してさらに先へ進み、また支線があったので入ってみたけれど川岸に出てしまった。

近くに転がっていた倒木を崩してみましたが出たのはハサミムシくらい。
ゴミムシはおろか土崖も見つからないまま、この滝を見下ろすところまで行ったあたりで力尽きた。

ガックリしつつも、温泉とビールを想像して気持ちを保ちながら、長い林道を戻っていきました。

でも、もちろん翌日もトライしました。
今度は別の、前日の林道より低いところへ。
この日も曇っていたものの、時折り陽が射し、越冬態のチョウたちがちらちらと現れます。
一頭だけ近寄ることを許してくれました。

テングチョウ (テングチョウ科)
この林道は側面に土が露出している箇所がぽつぽつとありましたが、どれもふかふかで手応えなし。
支線もいくつかあって、その中には小崖もありましたが、乾燥していて出るのはハチとクモくらい。
ここもダメかと項垂れつつもえっちらおっちら登って行くと、こんな入口の支線が現れました。

土の固さもまずまずで湿り気もあるので、これは何か出るだろうと期待が高まります。
しかし、しばらく掘っても指標虫すら出ない。
それでも同じ場所で粘っていたら、ぽろっと小さな物体が落ちました。
本命の奥利根亜種ではありませんが・・

ホソツヤヒラタゴミムシ (オサムシ科)
体長約13mm。写真では分かりづらいですが、鞘翅に光沢があって、前胸が褐色に縁取りされています。
お連れしてからの写真がこちら。

同上
これで俄然やる気が湧き、しかもこの支線の先は延々とこんな崖が続いているのでした。

これは夢のようなポイントだと思いながら、延々とカニ歩きしていきました。
1時間以上掘り続けました。
しかし見事な肩透かしに会いました。
出たのはセミの幼虫とハナムグリの幼虫くらいで、ゴミムシの追加すらナシ。
ついにタイムアップとなって、止む無く帰路につきました。
オマケ
川沿いの宿に泊まりました。
露天風呂からの景色。

貸し切り状態だったので撮影できました。
今日の湯加減
昨日から今日にかけて、一つの大きな岐路でした。
ブルーマーチの最終末からエイプリルフールというつながりというのも心配でした。
さて、道がどうなったかはもう少し時間が経ってから分かると思います。
それが明日なのか、それとも明くる年なのか・・・。
前を向いて新しい道を歩いてみるしかありません。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
こんにちは^^
スミレは種類が多くて同定するのは難しいですね。
本を見ても分かりません^^
by いろは (2023-04-02 17:48)
最後に残った1ピースがまた、長いんですよね。そこが明日なのか、あるいはあくるとしなのか、と。
by お名前(必須) (2023-04-02 19:56)
ウリハムシも土に潜って冬を越すのですね。確かにやわらかそうで、
土の中には不向きなように見えます。
落ち葉が堆積して布団の上を歩いているよう。
そんな感覚の山歩きをしてみたいです。
by sakamono (2023-04-03 17:08)
>いろはさん
スミレ図鑑があるくらい多種多様ですね。
でも咲いているとつい観察してしまいます^^
>お名前(必須)さん
まだピースがたくさんあって・・・^^;
でも努力は続けます。
>sakamonoさん
ハエや小さなハチなども同様ですね・・想像がつきにくい^^
沢であったこともあり、ものすごい積もり方でした。
by kon(昆) (2023-04-03 23:16)
氷筍凄い。
冬山とかを登っててもなかなか目にしません。
テングチョウにも出会ってみたいなー。
by 響 (2023-04-07 18:55)