"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
HTK64 オサ掘り遠征 ~前編~ [探虫行]
新年最初の記事なのですが、虫暦を少し巻き戻します。
チバへ遊びに来たHくんとTさんをKがお迎えし、ついでに三人でプチ遠征した記録です。
というわけで勝手にチーム名を"HTK64"としました。
オサ掘りが目的です。
12月23日、JR成田線の支線の某駅で待ち合わせだったのですが。
チバは前夜来の台風並みの暴風で電車のダイヤが朝から大混乱でした。
(西日本(とくに中国四国地方)は記録的な降雪が記録された日でもありました)
それでもちょっと早目の電車に乗ったおかげで待ち合わせ時刻ぴったりに駅に到着。
Hくんはすでに到着していて、間もなくTさんの車も現れ、さっそく現地に向けて出発。
ポイントの最寄り駅だったので当日の行程の説明もそこそこに着いてしまいました。
トネ川の河川敷です。
この日の本命はマイマイ。
河川敷の林や藪の中は典型的な生息地ですが、台風や洪水などの撹乱や開発で環境は年々変化します。
下見記事でも紹介しましたが、ここも整備や開発で物件(立ち枯れや倒木)が減少中。
それでも林の中や藪の中に埋もれた物件を探して掘るのですが。
まずは下見のときに見つけた、ちょっと珍しい場所へ二人を案内すべく、確かここだと芦原へ突入。
しばらく進むと水辺に出ることができ、さらに水際を辿ると現れるのが、いわばミニ河岸段丘。
さっそく、砂利でできた巨大なカステラに三人で食らいつきました。
石が多い所やコンクリートのように固い部分もありますが、全体的には適度な固さと湿り気がある。
しばらく掘っていると、Hくんが何か出したようです。
本命の幼虫でした。
子がいるというとは親もいるはず、と俄かに意気が上がります。
すると数分後に、ちょっと離れた場所で掘っていたTさんから「出た」との声が。
負けてはならずと掘り続けましたが、取り付いている場所は固いところが多くて苦戦。
やっと掘り当てたのはお馴染みのアオゴミマンションでした。
しかし5分ほどで掘り出せた本命が扉の写真の個体でした。
と、またHくんが何か出した。
これは何?というので見てみると。
一瞬、珍品のスナハラ様かと興奮しましたが、後で同定してみると違いました。
でもこれもなかなかお目にかかれなくなったゴミムシです。
ところで、アオオサと違って、マイマイは穴の中の向きがバラバラです。
こういう風にお尻から出土することもあります。
三人とも何頭か採集したあと、離れていたTさんが、少し先にも崖があるというのでそっちへ移動。
ノイバラをかいくぐりつつ、水際の石を伝って少し進むと現れた砂利のカステラ。
すぐに出ました。
これもアオオサと違って、マイマイは集団越冬していることが多く、その際も向きがバラバラ。
十分採れたので、引き返しつつ、途中でまたカステラを見つけたのでちょっと叩くと一発で。
つばなれしそうになったので、別の場所へ移動することにしました。
ミッションをクリアし、気持ちも時間も余裕ができたので、ちょっと遠いけど例の食堂へ二人をご案内。
さくっとみんなで天然うな重を食べて再出発。
予定していた次の場所へ行こうと上流方面へ移動し始めたのですが。
ちょっと別のを狙いませんかとTさんがウワキの提案をしたので、オプション行動をすることに。
少し内陸に入り、里山周辺をうろうろ。
野生の勘で突入した谷戸の行き止まりに車を停め、周辺の林の中を試掘しましたが見事に空振り。
トネ川沿いへと戻る途中、たまたま細い道を通っていたら、林縁の藪の中に小崖が見えた。
ちょっとやってみますかと緊急停車。
このエリアのラベルは持っているけど、アオオサが出ないかなと赤土が露出した根際を掘っていきます。
土質はなかなか良いので、これは期待できそうだと思っていた矢先、出たのは青ではなく黒いやつ。
これはオオスナハラかと思いきや。
体長約21mm、オオゴミのように上翅に艶があり、直線的なスタイル。
展足してから撮ったものですが、大あごの形が左右対称なのがわかるかと。(オオスナハラは非対称)
Tさんはアオオサをいくつか出したようでしたが、こちらは全く出ないまま。(後で強奪したけど)
その代わりにキベリ鉱脈を掘り当てた。
大体掘り尽くしてしまったので、この子を誤爆したところで掘り止めとしました。
土塊で蓋しておきました。
さて、まだ時間があるので、もう一か所、予定していた河川敷のポイントへ向かうことに。
ただし、本命を変更して、ヨツボシゴミ(あわよくばオオヨツボシ)をターゲットにしました。
車中、助手席でさっきHくんが採ったゴミムシの同定をしていたら、いつの間にか通り過ぎていた。
Uターンして少し戻り、再度土手へと上がりました。
今度は倒木や立ち枯れ物件を探すのですが、下見のときに目を付けておいた藪へまっしぐら。
途中、小さなクリークを飛び越えましたが、後に続いていた二人は気付かずにはまってしまったらしい。
両側から草が覆いかぶさっていたので分からなかったみたいだけど、言ってあげればよかった。
(後で、わざと教えなかったんだろーと突っ込まれた)
それはともかく、物件はすぐ見つかり、マイマイもいっぱい出た。
これはちょっと面白い個体でした。
スジアオの親分のように、きれいに朽木の中に個室を作っていました。しかも縦。
コクワの幼虫やアオゴミたちもぽつぽつと出ましたが、河川敷ではあまり見かけたことのないのも。
と思ったらカブトの子たちも。
そして本命のヨツボシゴミも出たのですが、Tさんが”あわよくば”も出してしまった。
ヨツボシゴミの影が薄くなってしまいますが、半ヤラセでツーショットも。
ヨツボシは思ったほど出ませんでしたが、マイマイはまたもや、つばなれしそうになりました。
最後にアオゴミの大部屋の扉を開けたところで一日目は終了ということにしました。
二日目は後編で。
マイマイはたくさん採れましたが、実は密かに一つ願いがありました。
それは緑色型のマイマイを出すこと。
それが、つばなれギリギリ、最後の一頭がそれでした。
北総のマイマイは普通、前胸の色が青~青紫色なのですが、稀に緑色型がいるのです。
明らかに違うでしょ。
(帰宅後に確認したら最初のポイントでも一頭出していました)
今日の湯加減
チバへ遊びに来たHくんとTさんをKがお迎えし、ついでに三人でプチ遠征した記録です。
というわけで勝手にチーム名を"HTK64"としました。
オサ掘りが目的です。
12月23日、JR成田線の支線の某駅で待ち合わせだったのですが。
チバは前夜来の台風並みの暴風で電車のダイヤが朝から大混乱でした。
(西日本(とくに中国四国地方)は記録的な降雪が記録された日でもありました)
それでもちょっと早目の電車に乗ったおかげで待ち合わせ時刻ぴったりに駅に到着。
Hくんはすでに到着していて、間もなくTさんの車も現れ、さっそく現地に向けて出発。
ポイントの最寄り駅だったので当日の行程の説明もそこそこに着いてしまいました。
トネ川の河川敷です。
この日の本命はマイマイ。
河川敷の林や藪の中は典型的な生息地ですが、台風や洪水などの撹乱や開発で環境は年々変化します。
下見記事でも紹介しましたが、ここも整備や開発で物件(立ち枯れや倒木)が減少中。
それでも林の中や藪の中に埋もれた物件を探して掘るのですが。
まずは下見のときに見つけた、ちょっと珍しい場所へ二人を案内すべく、確かここだと芦原へ突入。
しばらく進むと水辺に出ることができ、さらに水際を辿ると現れるのが、いわばミニ河岸段丘。
さっそく、砂利でできた巨大なカステラに三人で食らいつきました。
石が多い所やコンクリートのように固い部分もありますが、全体的には適度な固さと湿り気がある。
しばらく掘っていると、Hくんが何か出したようです。
本命の幼虫でした。
マイマイカブリ 幼虫 (オサムシ科)
子がいるというとは親もいるはず、と俄かに意気が上がります。
すると数分後に、ちょっと離れた場所で掘っていたTさんから「出た」との声が。
負けてはならずと掘り続けましたが、取り付いている場所は固いところが多くて苦戦。
やっと掘り当てたのはお馴染みのアオゴミマンションでした。
しかし5分ほどで掘り出せた本命が扉の写真の個体でした。
と、またHくんが何か出した。
これは何?というので見てみると。
一瞬、珍品のスナハラ様かと興奮しましたが、後で同定してみると違いました。
オオマルガタゴミムシ (オサムシ科)
でもこれもなかなかお目にかかれなくなったゴミムシです。
ところで、アオオサと違って、マイマイは穴の中の向きがバラバラです。
こういう風にお尻から出土することもあります。
マイマイカブリ(ヒメマイマイカブリ) (オサムシ科)
三人とも何頭か採集したあと、離れていたTさんが、少し先にも崖があるというのでそっちへ移動。
ノイバラをかいくぐりつつ、水際の石を伝って少し進むと現れた砂利のカステラ。
すぐに出ました。
これもアオオサと違って、マイマイは集団越冬していることが多く、その際も向きがバラバラ。
同上
十分採れたので、引き返しつつ、途中でまたカステラを見つけたのでちょっと叩くと一発で。
同上
つばなれしそうになったので、別の場所へ移動することにしました。
ミッションをクリアし、気持ちも時間も余裕ができたので、ちょっと遠いけど例の食堂へ二人をご案内。
さくっとみんなで天然うな重を食べて再出発。
予定していた次の場所へ行こうと上流方面へ移動し始めたのですが。
ちょっと別のを狙いませんかとTさんがウワキの提案をしたので、オプション行動をすることに。
少し内陸に入り、里山周辺をうろうろ。
野生の勘で突入した谷戸の行き止まりに車を停め、周辺の林の中を試掘しましたが見事に空振り。
トネ川沿いへと戻る途中、たまたま細い道を通っていたら、林縁の藪の中に小崖が見えた。
ちょっとやってみますかと緊急停車。
このエリアのラベルは持っているけど、アオオサが出ないかなと赤土が露出した根際を掘っていきます。
土質はなかなか良いので、これは期待できそうだと思っていた矢先、出たのは青ではなく黒いやつ。
これはオオスナハラかと思いきや。
スナハラゴミムシ (オサムシ科)
体長約21mm、オオゴミのように上翅に艶があり、直線的なスタイル。
展足してから撮ったものですが、大あごの形が左右対称なのがわかるかと。(オオスナハラは非対称)
同上
Tさんはアオオサをいくつか出したようでしたが、こちらは全く出ないまま。(後で強奪したけど)
その代わりにキベリ鉱脈を掘り当てた。
オオキベリアオゴミムシ (オサムシ科)
大体掘り尽くしてしまったので、この子を誤爆したところで掘り止めとしました。
ニホントカゲ
土塊で蓋しておきました。
さて、まだ時間があるので、もう一か所、予定していた河川敷のポイントへ向かうことに。
ただし、本命を変更して、ヨツボシゴミ(あわよくばオオヨツボシ)をターゲットにしました。
車中、助手席でさっきHくんが採ったゴミムシの同定をしていたら、いつの間にか通り過ぎていた。
Uターンして少し戻り、再度土手へと上がりました。
今度は倒木や立ち枯れ物件を探すのですが、下見のときに目を付けておいた藪へまっしぐら。
途中、小さなクリークを飛び越えましたが、後に続いていた二人は気付かずにはまってしまったらしい。
両側から草が覆いかぶさっていたので分からなかったみたいだけど、言ってあげればよかった。
(後で、わざと教えなかったんだろーと突っ込まれた)
それはともかく、物件はすぐ見つかり、マイマイもいっぱい出た。
マイマイカブリ(ヒメマイマイカブリ) (オサムシ科)
これはちょっと面白い個体でした。
スジアオの親分のように、きれいに朽木の中に個室を作っていました。しかも縦。
同上
コクワの幼虫やアオゴミたちもぽつぽつと出ましたが、河川敷ではあまり見かけたことのないのも。
コカブト ♂ (コガネムシ科)
と思ったらカブトの子たちも。
カブトムシ 幼虫 (コガネムシ科)
そして本命のヨツボシゴミも出たのですが、Tさんが”あわよくば”も出してしまった。
オオヨツボシゴミムシ (オサムシ科)
ヨツボシゴミの影が薄くなってしまいますが、半ヤラセでツーショットも。
ヨツボシゴミムシ と オオヨツボシゴミムシ (オサムシ科)
ヨツボシは思ったほど出ませんでしたが、マイマイはまたもや、つばなれしそうになりました。
最後にアオゴミの大部屋の扉を開けたところで一日目は終了ということにしました。
アオゴミムシ (オサムシ科)
二日目は後編で。
オマケ
マイマイはたくさん採れましたが、実は密かに一つ願いがありました。
それは緑色型のマイマイを出すこと。
それが、つばなれギリギリ、最後の一頭がそれでした。
北総のマイマイは普通、前胸の色が青~青紫色なのですが、稀に緑色型がいるのです。
明らかに違うでしょ。
(帰宅後に確認したら最初のポイントでも一頭出していました)
今日の湯加減
色々訳あって、今年は心機一転、第二の人生のスタートだと捉えています。
様々なことをリニューアルしたいなということで、ブログのニックネームを変えました。
ブログのタイトルはそのままですが、これからもよろしくお願いします。
ところで明日は一年ぶりにオサ部活でオサ掘り実習会をしてきます。
子供たちに冬のフィールドワークの楽しさとオサ掘りの面白さを体験してもらうべく。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
あら、ニホントカゲ、可愛い!
冬眠中だったのでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2023-01-08 15:25)
ことしも勉強させていただきます。よろしくお願いいたします。今日の成果が出ますように。
by 高和です。 (2023-01-08 16:47)
マイマイカブリの幼虫、なんかカッコいいですね。黒光りしてて、
体の横にぎざぎざがあって、尻尾にハサミ? 木を食いちぎって
中でこんな個室まで作ってしまうんですね。
by sakamono (2023-01-09 16:55)
>ぼんぼちぼちぼちさん
誤爆ですが近年トカゲたちも減ってきている気がします・・
かわいらしいですが迷惑そうな表情ですよね^^
>高和です。さん
今年からはもう少し気楽に行こうと思いますのでご期待に沿えるか・・
成果はまた別のチャンネルで。
>sakamonoさん
尾端に突起はありますがハサミ状ではないですね。
成虫の顎はカタツムリの殻を食い破るくらい強いからこそできるワザですね。
by kon(昆) (2023-01-10 22:35)
本命をしっかり掘り当てるとは
さすがHTK64ですね。
本命の幼虫もかっこいい。
by 響 (2023-01-11 19:09)
>響さん
一日目は実績ポイントだったこともあり大漁ウハウハでした♪
オサムシは幼虫もカッコイイですね。
by kon(昆) (2023-01-14 11:31)