"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
オオサカ恋し [探虫行]
先月の記事で、オサゴミもトラップ採集の時期としてはピークを過ぎ、と書きましたが。
あっという間に閉幕してしまうので、あわててトラップ採集に行ってきました。
何処へ何を狙いに行くか、いくつか候補があった中で選んだのは、ちょっとご無沙汰していた北総方面。
これは本命ではありません。

前記事より前のことになります。
10月15日の朝、通院日だったのでトラップセットをベニシジミ号に積んで病院へ。
午前中で診察は終わり、北総方面へ向かう途中、偶然新しいラーメン屋を見つけたのでピットイン。
(レポートは省略)
チバは南北の幹線道路がほぼ無い為いつもとても混雑する道も、休日のお昼過ぎはそれほどでもなく。
午後2時に現地着。天気も上々。

トラップセットを下ろしてさっそく設置に向かいました。
この谷津の東側には大きな丘があり、農地との境は急な斜面になっています。
斜面の林縁に沿った狭いあぜ道と、湿地化した休耕田のあぜ道にせっせとカップを埋めていきました。
用水路の方へ移動しようとしたとき、林縁の枝に化けた子がいたので作業中断。

そろそろ冬越しの準備のために食い溜めする時期でしょうか。
眼がトンボモードになったせいか、続けてここではお馴染みのもう一種を発見。

でもここ数年減ってきているように思います。(数年前は枝に鈴なりになっていたのに)
用水路は一旦スルーして、と思ったのですが、その隣の小さな溜め池が気になりました。

夏に訪れた際にも気が付いていたのですが、さらに整備が進んでいるように見えました。

水生昆虫がいないかと、水際と水中を睨みながら歩きましたが、ヒメガムシかヒメゲンが一ついただけ。
(アメンボやザリガニはいました)

用水路エリアを過ぎ、上流の田んぼへ向かい、いつもとは違う場所にも仕掛けてみることに。
湿地化した休耕田の中に設置したかったのですが、思いのほか場所が限られ、数個だけになりました。

来た畔を引き返し、用水路沿いに10歩間隔で設置して終了。
夕日にきらめくオスも見つけられましたが、やっぱり少ないと感じました。

ペアもいたのですが、接写はお断りということでしたので、あきらめて撤収しました。

翌朝、あわてて回収する必要はないのでゆっくり出発。
9時半に現地着。天気はイマイチ。

さっそく回収に向います。
林縁ポイントではオサゴミの詰め合わせのようなカップもありました。

クロナガオサムシ、アオオサムシ、セアカヒラタゴミムシ、コキベリアオゴミムシ、アオゴミムシなど。
それと、オオゴモクムシやクビアカツヤゴモクムシなどのゴモクムシも何種かいましたが本命はゼロ。
用水路も大体似たような詰め合わせでした。
しゃがんで撮っていると、後ろからオジサン(おじいさん)が歩いてきました。
当然のごとく、何をしているのか尋ねられたので、ゴミムシを採っているのですと答えると。
(オサムシと言っても分からないので、こう答えることにしてます)
どんな虫ですか?と聞かれたので、オオゴモクムシを一頭入れたチューブを出してこれですと見せる。
虫には無反応だったものの、キケン人物ではないことは分かってもらえたようで。(怪しくはあるけど)
周辺の環境について説明をしてくれはじめました。
話を聞いていると、なんとこの谷津の地主さんということが分かりました。
さらに生き物たちのために、半年前から休耕田の一部をビオトープ(本人曰く池)にしているのだそう。
池と言われてすぐわかりました。そう、それはおそらく前日写真を撮ったあの小さな溜め池のこと。
アカガエルやドジョウやイシガメなど、昔はたくさんいた生き物たちの住処を作ってやりたいそう。
しばらく立ち話をし、では後でゆっくり見学させていただきますと伝えて別れました。

さて、湿地内設置のカップはどうだったかというと、扉の写真の種がたくさん。

リリースしつつ撮影もしました。

体長は15mm前後。種名のとおり、まさに湿地性のゴミムシですが、翅もあって飛ぶことができます。
この種だけではありませんが、前胸の真ん中にクッキリした線(正中溝)があるのが特徴です。
大きさと形が良く似たこれも湿地性のゴミムシですが、足が黒くて平べったいので区別できます。

上に見切れているのはキベリアオゴミムシ。

とぼとぼと引き返す途中、林縁の葉っぱをかじっていたイモムシがいました。

体色は鮮やかな緑で、足と背中のトゲが真っ黒いという、コントラストが高い風貌をしています。
(ハイコントラスト虫は好き)
種名のとおりウリ科の植物を食べるようですが、シソ科やアブラナ科など様々な植物につくようです。
最後に地主のオジサンのビオトープをあらためて見学。

アメザリやウシガエルが増えず、水生昆虫やトンボたちが増えますように。

オジサンの目的であるカエルやカメも増えますように。(クサガメとドジョウは目撃しました)
あと、実は今回の本命はオオサカアオゴミムシという虫で、ここ数年お目にかかってないので是非とも。
この子たちの数も回復しますようにと願いながら。

この日もペアを観察したものの、またもや撮影拒否されました。

まだ陽は高いので北総をうろうろしてみました。(予定行動です)
GoogleMapで別の谷津田の奥にある牧場を見つけていたので、そこを偵察に行きたいと。
牧場の所在地をナビにセットして東へ15分ほどで到着。

だだっ広くて何もいない。
廃業はしてないように見えましたが、やってますか?と訊ねるのも何なので、そそくさと再出発。

はじめて訪れましたが、牧場の南側につながる谷津はかなり広い。

護岸されていないように見えた用水路はまた季節を変えて確認に来る必要あり。

南北に長い耕作地の東縁の農道は狭くて荒れ放題で、作業車も通行していないことがわかります。
一方、西縁の農道は比較的広くてコンクリート舗装されていました。
右手の繁みに何かいないか注意しながら、限界低速でベニシジミ号を走らせていると。
道の上に何かいました。しかも2頭。

もう産卵し終わっているでしょうけど、ここにいるとカマキリせんべいになるので藪へご案内しました。
(直後に軽トラが通過)
さらに下っていると、殺風景な農地なのでとても目立つ植え込みが、遠くに見えました。
用水路の反対側だったので、ちょっとだけ逆戻りして橋を渡り、近づいてみるとそれは。
赤いカンナでした。

停車したついでに周辺を歩いて探索しましたが、まったく何も観察できず。
がっくりしつつベニシジミ号まで戻ってきて、カンナには何も来ないのかなぁ。
と独り言を呟いていたら。
来ました。

花から花へと長いこと滞留していたので、花期の長いカンナはこの時期貴重な吸蜜源なのでしょう。
最後に、まさにアゲハに花を添えていただき満足して帰路につきました。

その帰り道に行きつけのお店に寄り、ついついゲンちゃんを連れ帰ってしまったのですが。
そこへ向かって走っていたら、街道沿いに強烈に気になる町中華と思しき店を発見。
コンチューターに拡張機能(メンチューター)が備わったのか、久々の大正解でした。

タンメンじゃなくて野菜ラーメンというのがキモで、野菜の出汁がとてもよく効いていました。
久しぶりに美味しい”野菜ラーメン”を食べた。(ちなみに麺は少なめにしてライスも半分残しました)
採集してきたオサゴミたちは、一旦いつものツールボックスに入居してもらったのですが。
クロナガは腹ペコだったのでしょう、匂いを嗅ぐのを楽しみにしていたアオゴミくんを。

うまいのか? うまいんだろうね。
今日の湯加減
あっという間に閉幕してしまうので、あわててトラップ採集に行ってきました。
何処へ何を狙いに行くか、いくつか候補があった中で選んだのは、ちょっとご無沙汰していた北総方面。
これは本命ではありません。

前記事より前のことになります。
10月15日の朝、通院日だったのでトラップセットをベニシジミ号に積んで病院へ。
午前中で診察は終わり、北総方面へ向かう途中、偶然新しいラーメン屋を見つけたのでピットイン。
(レポートは省略)
チバは南北の幹線道路がほぼ無い為いつもとても混雑する道も、休日のお昼過ぎはそれほどでもなく。
午後2時に現地着。天気も上々。

トラップセットを下ろしてさっそく設置に向かいました。
この谷津の東側には大きな丘があり、農地との境は急な斜面になっています。
斜面の林縁に沿った狭いあぜ道と、湿地化した休耕田のあぜ道にせっせとカップを埋めていきました。
用水路の方へ移動しようとしたとき、林縁の枝に化けた子がいたので作業中断。

ホソミオツネントンボ ♀ (アオイトトンボ科)
そろそろ冬越しの準備のために食い溜めする時期でしょうか。
眼がトンボモードになったせいか、続けてここではお馴染みのもう一種を発見。

オオアオイトトンボ ♀ (アオイトトンボ科)
でもここ数年減ってきているように思います。(数年前は枝に鈴なりになっていたのに)
用水路は一旦スルーして、と思ったのですが、その隣の小さな溜め池が気になりました。

夏に訪れた際にも気が付いていたのですが、さらに整備が進んでいるように見えました。

水生昆虫がいないかと、水際と水中を睨みながら歩きましたが、ヒメガムシかヒメゲンが一ついただけ。
(アメンボやザリガニはいました)

用水路エリアを過ぎ、上流の田んぼへ向かい、いつもとは違う場所にも仕掛けてみることに。
湿地化した休耕田の中に設置したかったのですが、思いのほか場所が限られ、数個だけになりました。

来た畔を引き返し、用水路沿いに10歩間隔で設置して終了。
夕日にきらめくオスも見つけられましたが、やっぱり少ないと感じました。

オオアオイトトンボ ♂ (アオイトトンボ科)
ペアもいたのですが、接写はお断りということでしたので、あきらめて撤収しました。

翌朝、あわてて回収する必要はないのでゆっくり出発。
9時半に現地着。天気はイマイチ。

さっそく回収に向います。
林縁ポイントではオサゴミの詰め合わせのようなカップもありました。

クロナガオサムシ、アオオサムシ、セアカヒラタゴミムシ、コキベリアオゴミムシ、アオゴミムシなど。
それと、オオゴモクムシやクビアカツヤゴモクムシなどのゴモクムシも何種かいましたが本命はゼロ。
用水路も大体似たような詰め合わせでした。
しゃがんで撮っていると、後ろからオジサン(おじいさん)が歩いてきました。
当然のごとく、何をしているのか尋ねられたので、ゴミムシを採っているのですと答えると。
(オサムシと言っても分からないので、こう答えることにしてます)
どんな虫ですか?と聞かれたので、オオゴモクムシを一頭入れたチューブを出してこれですと見せる。
虫には無反応だったものの、キケン人物ではないことは分かってもらえたようで。(怪しくはあるけど)
周辺の環境について説明をしてくれはじめました。
話を聞いていると、なんとこの谷津の地主さんということが分かりました。
さらに生き物たちのために、半年前から休耕田の一部をビオトープ(本人曰く池)にしているのだそう。
池と言われてすぐわかりました。そう、それはおそらく前日写真を撮ったあの小さな溜め池のこと。
アカガエルやドジョウやイシガメなど、昔はたくさんいた生き物たちの住処を作ってやりたいそう。
しばらく立ち話をし、では後でゆっくり見学させていただきますと伝えて別れました。

さて、湿地内設置のカップはどうだったかというと、扉の写真の種がたくさん。

リリースしつつ撮影もしました。

キアシヌレチゴミムシ (オサムシ科)
体長は15mm前後。種名のとおり、まさに湿地性のゴミムシですが、翅もあって飛ぶことができます。
この種だけではありませんが、前胸の真ん中にクッキリした線(正中溝)があるのが特徴です。
大きさと形が良く似たこれも湿地性のゴミムシですが、足が黒くて平べったいので区別できます。

オオヒラタゴミムシ (オサムシ科)
上に見切れているのはキベリアオゴミムシ。

とぼとぼと引き返す途中、林縁の葉っぱをかじっていたイモムシがいました。

ウリキンウワバ 幼虫(ヤガ科)
体色は鮮やかな緑で、足と背中のトゲが真っ黒いという、コントラストが高い風貌をしています。
(ハイコントラスト虫は好き)
種名のとおりウリ科の植物を食べるようですが、シソ科やアブラナ科など様々な植物につくようです。
最後に地主のオジサンのビオトープをあらためて見学。

アメザリやウシガエルが増えず、水生昆虫やトンボたちが増えますように。

オジサンの目的であるカエルやカメも増えますように。(クサガメとドジョウは目撃しました)
あと、実は今回の本命はオオサカアオゴミムシという虫で、ここ数年お目にかかってないので是非とも。
この子たちの数も回復しますようにと願いながら。

オオアオイトトンボ ♂ (アオイトトンボ科)
この日もペアを観察したものの、またもや撮影拒否されました。

まだ陽は高いので北総をうろうろしてみました。(予定行動です)
GoogleMapで別の谷津田の奥にある牧場を見つけていたので、そこを偵察に行きたいと。
牧場の所在地をナビにセットして東へ15分ほどで到着。

だだっ広くて何もいない。
廃業はしてないように見えましたが、やってますか?と訊ねるのも何なので、そそくさと再出発。

はじめて訪れましたが、牧場の南側につながる谷津はかなり広い。

護岸されていないように見えた用水路はまた季節を変えて確認に来る必要あり。

南北に長い耕作地の東縁の農道は狭くて荒れ放題で、作業車も通行していないことがわかります。
一方、西縁の農道は比較的広くてコンクリート舗装されていました。
右手の繁みに何かいないか注意しながら、限界低速でベニシジミ号を走らせていると。
道の上に何かいました。しかも2頭。

オオカマキリ ♀ (カマキリ科)
もう産卵し終わっているでしょうけど、ここにいるとカマキリせんべいになるので藪へご案内しました。
(直後に軽トラが通過)
さらに下っていると、殺風景な農地なのでとても目立つ植え込みが、遠くに見えました。
用水路の反対側だったので、ちょっとだけ逆戻りして橋を渡り、近づいてみるとそれは。
赤いカンナでした。

停車したついでに周辺を歩いて探索しましたが、まったく何も観察できず。
がっくりしつつベニシジミ号まで戻ってきて、カンナには何も来ないのかなぁ。
と独り言を呟いていたら。
来ました。

ナガサキアゲハ (アゲハチョウ科)
花から花へと長いこと滞留していたので、花期の長いカンナはこの時期貴重な吸蜜源なのでしょう。
最後に、まさにアゲハに花を添えていただき満足して帰路につきました。

その帰り道に行きつけのお店に寄り、ついついゲンちゃんを連れ帰ってしまったのですが。
そこへ向かって走っていたら、街道沿いに強烈に気になる町中華と思しき店を発見。
コンチューターに拡張機能(メンチューター)が備わったのか、久々の大正解でした。

野菜ラーメンと牛スジ煮込み(小)と小ライスのセット
タンメンじゃなくて野菜ラーメンというのがキモで、野菜の出汁がとてもよく効いていました。
久しぶりに美味しい”野菜ラーメン”を食べた。(ちなみに麺は少なめにしてライスも半分残しました)
オマケ
採集してきたオサゴミたちは、一旦いつものツールボックスに入居してもらったのですが。
クロナガは腹ペコだったのでしょう、匂いを嗅ぐのを楽しみにしていたアオゴミくんを。

うまいのか? うまいんだろうね。
今日の湯加減
ふと気が付けば明後日は立冬。
急に冷え込んできた頃はまだ寒さになれていなかったのでストーブを出そうと本気で思いました。
段々体が寒さに慣れてきたので今日までなんとかこらえてきましたが。
そろそろ痩せ我慢もおわりにしないと。
そして本格的な寒気の到来の前に、もうひと踏ん張り。やらなくては。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
メンチューター良いですね。ああああ!そばと日本酒が頭に浮かんでしもた。町中華も大好きです!
by うん娘隊長 (2022-11-08 13:15)
アメザリ、どこでもいますね(汗)
生き物に関心のある地主さん、いいですね!
素敵な環境がずっと残りますように。
by 山健父 (2022-11-09 03:29)
>うん娘隊長さん
前記事ではお世話になりました!
なぜ日本酒とそばが・・??あ、こちらも浮かんでしもた^^
それはともかく、このセットはたしか880円だったと思います。
>山健父さん
アメザリは見つけるとつまんでサギのエサにすると言ってました^^
ともかく、ここの環境も見ていきたいと思うので通わなくては。
by ぜふ (2022-11-09 21:50)
この色でこの細さだと、枝と見まがってしまいそうですね。
枝に鈴なりのトンボというのも見てみたいものです。
この小さな溜め池に、水生昆虫やトンボが増えるとよいですね。
野菜ラーメンのセットが、とてもうまそうです!
by sakamono (2022-11-10 17:28)
ペアに接写拒否、、、「プライベートの侵害だわ!」って思われちゃったのかな?
by ぼんぼちぼちぼち (2022-11-11 12:32)
いま、北杜夫さんの作品を読み返してます。奥本大三郎さんが虫の宇宙誌でデビューされるまで、文壇では唯一の虫屋でした。その北さん、学校への道を意識的に間違えて王ケ鼻(だったと思います)を目指します。と、むこうから鍬を担いだオジサンがやってきて『魚釣りか』と尋ねます。北さんは虫のネットを肩にしているのだから『察してくれよ』と言いたいところなのですが、「違うよ」とでも言おうものなら後の説明が面倒だ・・・
ベニシジミ号のゼフさんを松高生の北さんと重ねてしまう高和でした。
by 高和です。 (2022-11-11 15:32)
>sakamonoさん
枯枝トンボのためにも地主さんにはがんばってほしいです♪
トンボのなる木は過去記事↓をご覧ください
https://floralmoon.blog.ss-blog.jp/2013-07-06
>ぼんぼちぼちぼちさん
とにかくオジャマだったようです。(あるいは不審者か)
>高和です。さん
昔の釣り人は、漁師でなければネットではなくビクを持ってたでしょうね。
今は漁師でもビクは持ってないのに、オサビクを持つ身としてはやはり・・
by ぜふ (2022-11-11 20:22)
※情報訂正
野菜ラーメン880円は単品(税別)の値段でした。
セットでは1180円(税別)だったと思います。それでも安いかと^^
by ぜふ (2022-11-13 10:01)
ウリキンウワバ 幼虫、ポップな姿、トゲトゲに黒点とオシャレさんです
by engrid (2022-11-15 17:22)