"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ボウソウ横断してぶちかませ ~後編+補習編~ [探虫行]
前々記事の後編をお送りします。
プチ遠征の記事でしたが、2日間の内容だったこともあり、前後編に分けたのですが。
もう約1か月前のことになってしまっていることに気が付いて愕然としています。
イトトンボはターゲットの一つでしたが、図らずも最初の写真は前記事と同じ種となりました。
その理由は本編にて。
前日、気温はそれほどではなかったものの、あちこち回っているうちにかなり消耗していたようで。
いつ就寝したか記憶になかったほど、ぐっすり寝てすっきり起きられました。
2日目は朝から快晴で、前日よりも風が収まっている様子。
部屋で軽食を摂り、さっさと支度してチェックアウト。
予定にはなかったのですが、せっかく外房まで来たので、海岸の様子を見に行くことに。
宿から10分もかからずに海辺に到着。
写真を撮り忘れましたが、流木などの漂着物が多数ある砂浜で、探虫してみることに。
流木をどけて、その下を熊手で掘ったり、漂着物をひっくり返したりしていきました。
二人でしばらく掘りまくりましたが、出てくるのはハサミムシばかり。
海藻の漂着物がなくて、砂が乾いているのでトビムシもいない。
そうなると、それを捕食する虫たちもいないということになる。
なので渚から離れ、植物群落近くの根回りを掘っていると、やっと海浜性昆虫が現れました。
あとはコガネムシの仲間の幼虫が出てきただけでしたが、砂の上にこんな模様を発見。
誰かの足跡だと思われますが、正体を確かめる時間はないので、宿題にして海岸を後にしました。
いざトラップ回収に。
と発進したのですが、まもなくこんな景色が現れて緊急停止。
一部しか護岸されていない川で、両岸には田んぼが広がっていて、護岸していない用水路も。
これは要チェックということで、バイクを降りて田んぼの縁を歩いてみました。
すると、アオモンらしき姿が見えたのですが、近づいているうちに見失ってしまった。
少し場所を変えて、違う田んぼの畔を歩いていると、扉のイトトンボのペアを見つけられたのでした。
黄色っぽい個体が、遠く田んぼの水面すれすれを飛んでいるのも見えたのですが、また見失ってばかり。
やっと水際の茎に静止している黄緑色の個体を撮影できました。
でも、これも大きさからしてアジアのメスかと。
実は後日、外房を再訪する機会があり、同じ場所で追加取材しました。
これはその時に撮ったオス。
扉の写真もこの日に撮ったもので、やはりここにはアジアとアオモンが棲息しているようでした。
これも追加取材の際に撮った個体。
さらにしばらく探してみたものの、他のイトトンボは観察できず。
なので、おそらく黄色いイトトンボはアオモンのメスだったのだと思われます。
さて、本来の二日目の一時限目。
現場到着後、二人それぞれ仕掛けたトラップの回収開始。
Hくんが仕掛けた一つ目には、アオゴミ、セアカヒラタ、ミイデラなど複数種が多数。
その他のカップもコキベリやホソクビゴミなどが多数入っていて、アオオサも一頭採れてました。
それと、プテロも多数採れました。
普通種ではありますが、どこにでもいるわけではないので、つばなれしないように採集。
アオオサも一頭追加できました。
この辺りから写真に支障がでているのですが、明るすぎるのと湿度が高すぎるからだと思っていました。
二時限目をどうするか、いくつかの案があって、どこにするか迷っていたのですが。
出発ギリギリまで考えて、せっかくボウソウ横断なので、ど真ん中の山の中へ案内することに。
中房まで一目散に走り、山道を駆け上がり、中腹からは石や木が路上に散らばる荒れた道を下り。
森の中へ向けて、泥濘んでいる箇所もあるガタゴト道をしばらく走り、やっとこ辿り着きました。
ここはほんとに山奥で、しかも山道の行き止まり。
なので、ここで人に出会ったことがなかったのですが、この時はなんとオフローダーの3人組の先客が。
練習場代わりにして走り回っていたので挨拶しましたが、気分はしぼみ気味に。
でも細流にはお目当ての子たちが走り回っていてくれました。
川沿いにもタイヤの跡がたくさんついていたので轢かれたのもいるでしょう。
地べたに這いつくばって観察・撮影していると、オフローダーの一人が近づいてきて声を掛けてきました。
「何をしているんですか?」
「虫を撮っているんです。小さいから分からないかもしれないけど」
「ただ山を走るんじゃなくて、目的があるっていいですね!」
「君たちに踏まれているのもいると思うけど、まあ仕方ないね、今日はたくさんいてよかった」
朗らかで礼儀正しい方たちだったので、あえて皮肉を言ってみましたが、分かってくれたようでした。
さて、川沿いを歩いて森の中へと、Hくんと二人で探索に出かけました。
サナエ類が現れてくれないかなと期待しましたが、観察したのはカワトンボとオオシオカラだけ。
しばらく進むと、水音が聞こえるので、周囲を探すと藪の向こうに小さな滝が現れた。
滝行にちょうどいい大きさだったので、頭と顔に水しぶきを受けて涼を取ることができました。
ここらで二時限目は終了ということにして、引き返していると、黒いハエのようなものが地面に着地。
コンチューターが確認しろというので、跪いて落ち葉をひっくり返すと。
サワガニの死骸に寄ってきたようで、何匹かいたので記念に採集しました。
バイクを停めたところまで戻るとオフローダーたちの姿はありませんでした。
三時限目は一日目の二時限目と同じ場所にするつもりだったので、違うルートで下山。
お昼はとっくに過ぎていたため、その場所へのアプローチを一旦行き過ぎて、気になっていたお店へGO。
「丘むらの里」という民家をリフォームしたレストランで、離れはギャラリーになっています。
前から気になっていたものの、一人だと入りづらかったので、初訪問となりました。
カレーもオススメのようでしたが、二人が注文したのは麦とろ定食。
生卵やマグロの刺身や凍らせたブドウも付いていて、たしか900円(税込み)だったと思います。
Hくんにも好評でしたが、お腹もいっぱいになり、気分がすっかり落ち着いてしまいました。
時間もおしてきたということもあり、方針変更して三時限目はパスすることに決定。
四時限目は一日目の最初に仕掛けたトラップの回収なのでパスはできません。
今度は中房から内房へ向けて、山の中をしばらく西進し、山を下ってから少し走ってポイントに到着。
さっそく、それぞれ仕掛けたトラップを回収開始。
ツヤキベが掛かっていることを願っていたのですが、どれも大きなコキベでした。
下方に見切れているのは、ベイトに誘引されたとは思えないエグリトラカミキリ。
他に目ぼしいものとしては、おけらの幼虫が何匹かと、このポイントではレギュラーのゴミムシたち。
ミイデラやキンナガなどはリリースして四時限目終了。
五時限目はヤンマ対決だったのですが。
夏至の季節とはいえ、山を越えてキサラヅのとある池へ急ぎましたが、着いたのは午後4時ちょうど。
水面をしばらく睨んでいましたが、ヤンマの姿はなし。
残念ながら、本日の営業は終了のよう。
コシアキと遊んでいるHくんをおいて、池の隣の水路の様子を見に行きました。
そこはアオイトの生息地でもありますが、こちらはまだ開店前のようでした。
池に戻って水辺を睨みながら周回していると、遠くの水面に怪しい影が。
テレコン付けてもこれが限界で、しかもカメラ(あるいはレンズ)の調子が悪くて画像が不鮮明。
間もなく飛び立ち、見失ってしまいました。
その後もしばらく粘り、やっと岸辺に静止している個体を発見。
ということは、先の個体はメスだったのだと思われます。
結局、五時限目は自習になってしまいましたが、下校時間となったので帰り支度をはじめました。
帰り道、ファミレスに寄って少しだけ反省会をして6時ちょうどに解散。
で本編終了。
とはならないのです。
実はこの2週間後、Hくんから「明日もう一度あそこ行かない?」との連絡があり。
午前中なら大丈夫だよということで、7月9日の同じ時間同じ場所で待ち合わせ。
”あそこ”というのは一時限目と二時限目の湿地。
バイクをとめた近くの細流を覗いてみると、今回はカワトンボがいてくれました。
湿地の手前の池の様子を見てみると、葦が刈られて水面が開けていました。
その周辺にはキイトたちが群れていました。
たくさんのオスたちに交じってメスもぽつぽつと。
こちらは反対に、前回よりも数が減っているように思いました。
どうやらHくんは追加の採集をしたかったようで、一種1ペアづつ三角紙に収めていました。
そういえばメス型のオスもいました。
上の個体と明らかに体色が違うことが分かると思いますが、ひょっとしたら未成熟の色なのかも。
(いくつかの図鑑をあたりましたが記載は見当たらず)
これも尾端を見るとオスにしか見えないのですが、脚の色はメスなのでアングルのせいかもしれません。
今回は採集して確認しようとしたら、三角紙を忘れてきたことに気付き、Hくんにもらいました。
(二人で来てよかった)
湿地の中にも突入してみたところ、クロイトやオオイトは営業日じゃないようで見当たらず。
前回撮影しなかったトンボたちを少し撮影して湿地を離脱。
いたことの記録として。
オオシオカラはスルーして、この子たちを再掲。
やっぱりメスは見つけるのがむずかしい。
一段下の休耕田も探索しましたが、水深がないせいかヤンマは現れず。
時間もないのでバイクに戻り、撤収の準備をしていると、ふと見上げた葉の上にハムシがぽつぽつ。
なぜかクワの葉に乗っていましたが、何頭もいたので記念に二人で採集しました。
次は二時限目に行った中房の山の中。
前回バイクを停めた場所に軽トラが2台あったので、奥側のアプローチへ進み、この湿地から探索。
ここはモートンの未成熟個体が複数いたので、今回はたくさん見られるかと思いきや。
なかなか見つからず、ちょっと焦ってきたほどでしたが、しばらく目を皿にした末に無事発見。
もっとうれしかったのは、前回観察できなかったキイトをここで見られたこと。
しかも産卵シーンでした。
もうこれで個人的には大満足でしたが、まだ少しだけ時間があったのでメイン会場の湿地にも。
農道を歩いていると葉陰に見慣れないイモムシが。
常におしりを上げているのが特徴ですが、どっちがおしりか分からないですね。
湿地に着いてみると軽トラがいなくなっていました。
この貯水タンクの設置が終わったところだったのかも。
近くで作業をしていたせいか、こちらでもモートンはなかなか発見できず。
時間がないなと焦りながらも目を皿にして探すことしばし。
やっとメスを見つけられました。
さあ、これにて補習も終了。
ボウソウ横断の旅を振り返りながら、ベニシジミ号とキイロトラカミキリ号へと歩いていきました。
最後にお見送りしてくれたのは夏型のナンシーたち。
また来るね。
外房の魅力的な田んぼ。
追加取材の日(7/18)はこんなトンボが現れていました。
これから各地で増えていくでしょう。
今日(この日)の湯加減
プチ遠征の記事でしたが、2日間の内容だったこともあり、前後編に分けたのですが。
もう約1か月前のことになってしまっていることに気が付いて愕然としています。
イトトンボはターゲットの一つでしたが、図らずも最初の写真は前記事と同じ種となりました。
アジアイトトンボ ペア (イトトンボ科)
その理由は本編にて。
前日、気温はそれほどではなかったものの、あちこち回っているうちにかなり消耗していたようで。
いつ就寝したか記憶になかったほど、ぐっすり寝てすっきり起きられました。
2日目は朝から快晴で、前日よりも風が収まっている様子。
部屋で軽食を摂り、さっさと支度してチェックアウト。
予定にはなかったのですが、せっかく外房まで来たので、海岸の様子を見に行くことに。
宿から10分もかからずに海辺に到着。
写真を撮り忘れましたが、流木などの漂着物が多数ある砂浜で、探虫してみることに。
流木をどけて、その下を熊手で掘ったり、漂着物をひっくり返したりしていきました。
二人でしばらく掘りまくりましたが、出てくるのはハサミムシばかり。
海藻の漂着物がなくて、砂が乾いているのでトビムシもいない。
そうなると、それを捕食する虫たちもいないということになる。
なので渚から離れ、植物群落近くの根回りを掘っていると、やっと海浜性昆虫が現れました。
カクスナゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
あとはコガネムシの仲間の幼虫が出てきただけでしたが、砂の上にこんな模様を発見。
誰かの足跡だと思われますが、正体を確かめる時間はないので、宿題にして海岸を後にしました。
いざトラップ回収に。
と発進したのですが、まもなくこんな景色が現れて緊急停止。
一部しか護岸されていない川で、両岸には田んぼが広がっていて、護岸していない用水路も。
これは要チェックということで、バイクを降りて田んぼの縁を歩いてみました。
すると、アオモンらしき姿が見えたのですが、近づいているうちに見失ってしまった。
少し場所を変えて、違う田んぼの畔を歩いていると、扉のイトトンボのペアを見つけられたのでした。
アジアイトトンボ ペア (イトトンボ科)
黄色っぽい個体が、遠く田んぼの水面すれすれを飛んでいるのも見えたのですが、また見失ってばかり。
やっと水際の茎に静止している黄緑色の個体を撮影できました。
でも、これも大きさからしてアジアのメスかと。
アジアイトトンボ ♀ (イトトンボ科)
実は後日、外房を再訪する機会があり、同じ場所で追加取材しました。
これはその時に撮ったオス。
同上 ♂
扉の写真もこの日に撮ったもので、やはりここにはアジアとアオモンが棲息しているようでした。
これも追加取材の際に撮った個体。
アオモンイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
さらにしばらく探してみたものの、他のイトトンボは観察できず。
なので、おそらく黄色いイトトンボはアオモンのメスだったのだと思われます。
さて、本来の二日目の一時限目。
現場到着後、二人それぞれ仕掛けたトラップの回収開始。
Hくんが仕掛けた一つ目には、アオゴミ、セアカヒラタ、ミイデラなど複数種が多数。
その他のカップもコキベリやホソクビゴミなどが多数入っていて、アオオサも一頭採れてました。
それと、プテロも多数採れました。
ノグチナガゴミムシ (オサムシ科)
普通種ではありますが、どこにでもいるわけではないので、つばなれしないように採集。
アオオサも一頭追加できました。
アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
この辺りから写真に支障がでているのですが、明るすぎるのと湿度が高すぎるからだと思っていました。
二時限目をどうするか、いくつかの案があって、どこにするか迷っていたのですが。
出発ギリギリまで考えて、せっかくボウソウ横断なので、ど真ん中の山の中へ案内することに。
中房まで一目散に走り、山道を駆け上がり、中腹からは石や木が路上に散らばる荒れた道を下り。
森の中へ向けて、泥濘んでいる箇所もあるガタゴト道をしばらく走り、やっとこ辿り着きました。
(写真を撮り忘れたので4月の様子)
ここはほんとに山奥で、しかも山道の行き止まり。
なので、ここで人に出会ったことがなかったのですが、この時はなんとオフローダーの3人組の先客が。
練習場代わりにして走り回っていたので挨拶しましたが、気分はしぼみ気味に。
でも細流にはお目当ての子たちが走り回っていてくれました。
エリザハンミョウ (オサムシ科)
川沿いにもタイヤの跡がたくさんついていたので轢かれたのもいるでしょう。
地べたに這いつくばって観察・撮影していると、オフローダーの一人が近づいてきて声を掛けてきました。
「何をしているんですか?」
「虫を撮っているんです。小さいから分からないかもしれないけど」
「ただ山を走るんじゃなくて、目的があるっていいですね!」
「君たちに踏まれているのもいると思うけど、まあ仕方ないね、今日はたくさんいてよかった」
朗らかで礼儀正しい方たちだったので、あえて皮肉を言ってみましたが、分かってくれたようでした。
さて、川沿いを歩いて森の中へと、Hくんと二人で探索に出かけました。
サナエ類が現れてくれないかなと期待しましたが、観察したのはカワトンボとオオシオカラだけ。
アサヒナカワトンボ ♂ (カワトンボ科)
しばらく進むと、水音が聞こえるので、周囲を探すと藪の向こうに小さな滝が現れた。
滝行にちょうどいい大きさだったので、頭と顔に水しぶきを受けて涼を取ることができました。
ここらで二時限目は終了ということにして、引き返していると、黒いハエのようなものが地面に着地。
コンチューターが確認しろというので、跪いて落ち葉をひっくり返すと。
クロマルエンマコガネ (コガネムシ科)
サワガニの死骸に寄ってきたようで、何匹かいたので記念に採集しました。
バイクを停めたところまで戻るとオフローダーたちの姿はありませんでした。
三時限目は一日目の二時限目と同じ場所にするつもりだったので、違うルートで下山。
お昼はとっくに過ぎていたため、その場所へのアプローチを一旦行き過ぎて、気になっていたお店へGO。
「丘むらの里」という民家をリフォームしたレストランで、離れはギャラリーになっています。
前から気になっていたものの、一人だと入りづらかったので、初訪問となりました。
カレーもオススメのようでしたが、二人が注文したのは麦とろ定食。
生卵やマグロの刺身や凍らせたブドウも付いていて、たしか900円(税込み)だったと思います。
Hくんにも好評でしたが、お腹もいっぱいになり、気分がすっかり落ち着いてしまいました。
時間もおしてきたということもあり、方針変更して三時限目はパスすることに決定。
四時限目は一日目の最初に仕掛けたトラップの回収なのでパスはできません。
今度は中房から内房へ向けて、山の中をしばらく西進し、山を下ってから少し走ってポイントに到着。
さっそく、それぞれ仕掛けたトラップを回収開始。
ツヤキベが掛かっていることを願っていたのですが、どれも大きなコキベでした。
コキベリアオゴミムシ (オサムシ科)
下方に見切れているのは、ベイトに誘引されたとは思えないエグリトラカミキリ。
他に目ぼしいものとしては、おけらの幼虫が何匹かと、このポイントではレギュラーのゴミムシたち。
ナガヒョウタンゴミムシ と コキベリアオゴミムシ (オサムシ科)
ミイデラやキンナガなどはリリースして四時限目終了。
五時限目はヤンマ対決だったのですが。
夏至の季節とはいえ、山を越えてキサラヅのとある池へ急ぎましたが、着いたのは午後4時ちょうど。
水面をしばらく睨んでいましたが、ヤンマの姿はなし。
残念ながら、本日の営業は終了のよう。
コシアキと遊んでいるHくんをおいて、池の隣の水路の様子を見に行きました。
そこはアオイトの生息地でもありますが、こちらはまだ開店前のようでした。
池に戻って水辺を睨みながら周回していると、遠くの水面に怪しい影が。
テレコン付けてもこれが限界で、しかもカメラ(あるいはレンズ)の調子が悪くて画像が不鮮明。
間もなく飛び立ち、見失ってしまいました。
その後もしばらく粘り、やっと岸辺に静止している個体を発見。
アオモンイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
ということは、先の個体はメスだったのだと思われます。
結局、五時限目は自習になってしまいましたが、下校時間となったので帰り支度をはじめました。
帰り道、ファミレスに寄って少しだけ反省会をして6時ちょうどに解散。
で本編終了。
とはならないのです。
実はこの2週間後、Hくんから「明日もう一度あそこ行かない?」との連絡があり。
午前中なら大丈夫だよということで、7月9日の同じ時間同じ場所で待ち合わせ。
”あそこ”というのは一時限目と二時限目の湿地。
バイクをとめた近くの細流を覗いてみると、今回はカワトンボがいてくれました。
アサヒナカワトンボ ♂ 未成熟 (カワトンボ科)
湿地の手前の池の様子を見てみると、葦が刈られて水面が開けていました。
その周辺にはキイトたちが群れていました。
キイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
たくさんのオスたちに交じってメスもぽつぽつと。
同上 ♀
こちらは反対に、前回よりも数が減っているように思いました。
モノサシトンボ ♂ (モノサシトンボ科)
どうやらHくんは追加の採集をしたかったようで、一種1ペアづつ三角紙に収めていました。
そういえばメス型のオスもいました。
同上
上の個体と明らかに体色が違うことが分かると思いますが、ひょっとしたら未成熟の色なのかも。
(いくつかの図鑑をあたりましたが記載は見当たらず)
これも尾端を見るとオスにしか見えないのですが、脚の色はメスなのでアングルのせいかもしれません。
同上 ♀?
今回は採集して確認しようとしたら、三角紙を忘れてきたことに気付き、Hくんにもらいました。
(二人で来てよかった)
湿地の中にも突入してみたところ、クロイトやオオイトは営業日じゃないようで見当たらず。
前回撮影しなかったトンボたちを少し撮影して湿地を離脱。
ノシメトンボ (トンボ科)
いたことの記録として。
ショウジョウトンボ ♂ (トンボ科)
オオシオカラはスルーして、この子たちを再掲。
キイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
やっぱりメスは見つけるのがむずかしい。
同上 ♀
一段下の休耕田も探索しましたが、水深がないせいかヤンマは現れず。
時間もないのでバイクに戻り、撤収の準備をしていると、ふと見上げた葉の上にハムシがぽつぽつ。
ハンノキハムシ (ハムシ科)
なぜかクワの葉に乗っていましたが、何頭もいたので記念に二人で採集しました。
次は二時限目に行った中房の山の中。
前回バイクを停めた場所に軽トラが2台あったので、奥側のアプローチへ進み、この湿地から探索。
ここはモートンの未成熟個体が複数いたので、今回はたくさん見られるかと思いきや。
なかなか見つからず、ちょっと焦ってきたほどでしたが、しばらく目を皿にした末に無事発見。
モートンイトトンボ ♂ (イトトンボ科)
もっとうれしかったのは、前回観察できなかったキイトをここで見られたこと。
しかも産卵シーンでした。
キイトトンボ ペア (イトトンボ科)
もうこれで個人的には大満足でしたが、まだ少しだけ時間があったのでメイン会場の湿地にも。
農道を歩いていると葉陰に見慣れないイモムシが。
ギンシャチホコ 幼虫 (シャチホコガ科)
常におしりを上げているのが特徴ですが、どっちがおしりか分からないですね。
湿地に着いてみると軽トラがいなくなっていました。
この貯水タンクの設置が終わったところだったのかも。
近くで作業をしていたせいか、こちらでもモートンはなかなか発見できず。
時間がないなと焦りながらも目を皿にして探すことしばし。
やっとメスを見つけられました。
モートンイトトンボ ♀ (イトトンボ科)
さあ、これにて補習も終了。
ボウソウ横断の旅を振り返りながら、ベニシジミ号とキイロトラカミキリ号へと歩いていきました。
最後にお見送りしてくれたのは夏型のナンシーたち。
ベニシジミ (シジミチョウ科)
また来るね。
オマケ
外房の魅力的な田んぼ。
追加取材の日(7/18)はこんなトンボが現れていました。
ウスバキトンボ ♂ (トンボ科)
これから各地で増えていくでしょう。
今日(この日)の湯加減
補習終了後、高速を使って一旦帰宅し、汗を流して着替えをして駅まで自転車で猛ダッシュ。
コンサート開演時間までは余裕があったのですが、その前に景気づけをする約束なのでした。
その待合せ時間にもピッタリ間に合って、わざわざライブのために上京してきた仲間たちと合流。
演奏は最高だったし、途中休憩を入れて前後半で3時間という、針は振り切れっぱなしで大満足。
これまでの人生で一二を争うのではないかと思うくらい、濃密で幸せな一日となりました。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
もうトンボは、子孫を残す時期なのでやすね。
来年また、綺麗なイトトンボがたくさん見られるといいでやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2022-07-25 09:35)
海岸のゴミの下を探すと
こんなのがいるかもしれないのですね。
シャチホコの幼虫はまさにシャチホコですね。
by 響 (2022-07-25 20:58)
今回の絶滅危惧種は「護岸がない用水路」で決まり?トンボの記事は高和が好きなモネの様々なバージョンを想像できて、楽しいです。
by 高和です。 (2022-07-26 19:51)
>ぼんぼちぼちぼちさん
トンボの種類によりますね。
でもヤゴたちはこれから夏の間に増えていくでしょう。と願います。
>響さん
ゾウムシやカミキリムシもいることがあります。
ギンシャチは180度回転させようかと思いましたが自然のままに^^
>高和です。さん
小さな用水路は水害にもなりにくいでしょうからそのままに。
トンボの記事はまだまだ続きます。
by ぜふ (2022-07-26 22:22)
山の中の小さな滝で、頭や顔を濡らすのって、気持ちよさそうだぁ。
今の季節ならなおさら。小さくて、丸っこいハンノキハムシ、美しくて
かわいいです。
by sakamono (2022-07-27 16:13)
アサヒナカワトンボ、翅がすかし模様にみえます。モノサシイトトンボ、瑠璃色も鮮やかに美しい
by engrid (2022-07-27 23:43)
>sakamonoさん
まさに様々な意味で理想郷のような場所です。
ハンノキハムシは小さいですが、ハムシの中ではかなり大きい方です^^
>engridさん
アサヒナカワトンボもモノサシトンボも清涼感があってお気に入りです。
イトトンボも好きですが・・^^
by ぜふ (2022-07-28 21:03)