"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
空白を埋めろ Chal.7 [オサムシ]
先日「オサホリシーズンもそろそろ終盤なので、これで一旦終了かもしれません」と書きましたが・・
また出かけてしまいました。
空白を埋めろミッションだけではないのですが(今シーズンの)シリーズ最終号です。
本命ではありませんが、ちょっとうれしい収獲のゴミムシ。
解説はまた例によって本編(とオマケ)にて。
2月26日、寝坊したわけではないものの、朝起きてから作戦会議という体たらく。
まずは実績地の再訪と確認をしようと、超猫日に行きそびれたポイントへ向かいました。
茂原街道をひた走り、中房エリアへ。
最初に訪れたのはもうかなり前で、以来アオオサは一頭しか採れていないので追加がほしい。
アプローチは分かりやすくてこんな場所。
神社の境内ではなく、脇の細い林道を下って行きます。
林の奥に小さな畑があって、元々荒れてはいたとはいえ、こんな様子になっていました。
突入してみると、倒木が増えていたものの先へは進めましたが、崖は乾燥が進んでいていました。
元々掘れる部分は少なかったけれど、さらに少なくなっていました。
乾燥した土埃をかぶりながらもコツコツと叩いていきましたが、指標虫すら出ず。
以前はゴミムシやカエルなどがポツポツと顔を出したのに、ほんとに何もいません。
早々にあきらめて、とりあえず林道から撤収して神社の入口まで戻りました。
舗装道路に出たところで一旦停車し、次の目的地をナビにセットし、何気なく右手を見上げたら。
ちょっとグレートな崖が見下ろしていました。
舗装路の脇なので一瞬ためらいましたが、まあチャンジしてみようかと決意。
装備を整え直して気合を入れ、斜面をよじ登っていきました。
土は見た目よりも固く、日向に面していることもあるので乾燥している部分が多い。
大きく崩すと道路まで転がり、通行中の車にぶつかるかもしれないので慎重に試掘していきました。
指標虫がほとんど出ず、ゴミムシも全く出ないので、さすがに高さがあり過ぎるかと思ったとき。
ポロリと親分が出たので心が折れずに済んだというか、継続して掘る気になりました。
すると間もなく、意外な姿が現れました。
眼が白化しているように見えますが、ちゃんと生きていました。
体長11mm。ゴミムシとしては珍しい樹上性ということで、テントウムシに擬態しているのではと。
ともかく、チバのオサホリで掘り出したのは初だったので俄然気分が上がりました。
他にも何かゴミムシが出ないかなと期待しながら掘り続けることしばし。
時折り現れるのは親分だけでしたが、本命を掘り当てることに成功。
こうなったらメスもほしいと欲が出る。
しかし、そうはなかなか問屋が卸してくれず、ゴミムシすら追加なし。
ただ、(手が届かない箇所も含めて)掘れる場所はいくらでもあるので持久戦モードに突入。
たまに眼下の道路を通過する車を何台か見たあと、ついに出てくれました。
しかもメスだったのでゲーム終了。
崖をずり降りながら落穂拾いをしていたら見つけたのが扉の写真の子でした。
体長22.5mm。オオスナハラと違い、全体に光沢があって、陽射しを受けて煌めいていました。
ナビに設定した次の場所も再訪地。
中房にある、かなり大きな堰。
畔を奥へと歩きながら、林縁側の土が露出しているところを見つけてはチェックしていきました。
前回(数年前)よりも乾燥が進んでいて、掘れる場所は少なくっています。
しかし、夏は藪が深くなって進入困難になる、かなり奥まで進んでも指標虫すら出ません。
ここだけではなく、この日はこのような地区境界線の調査作業の痕跡があちこちで見られました。
結局、ゴミムシ一匹すら出ないまま引き返し、堰の反対側の様子も見ましたがそちらは倒木で封鎖。
がっかりしながらも次の場所へ移動。
次に訪れたのは隣町の堰で、すぐ南側にあるので10分もかからずに到着。
ところが堰へと続く道(作業路)の入口に立ち入り禁止の表示が。
仕方がないのでベニシジミ号をとめて、隣の谷津田から進入してみましたが。
行く手を藪にはばまれてしまった。
ただ、右手の奥に見覚えのある小崖が見えました。
前回も同じような行動をしてここにたどり着き、この場所で実績を得たと思い出した。
さっそく崖に取りつきましたが、オーバーハングがきつくて高さもあるので掘りづらい。
ここもやはり乾燥していて、指標虫も出ませんでしたが、アゴの部分の間隙から黒い物体が。
体長11.5mm。写真では分かりづらいですが、鞘翅が緑色に光る美麗なゴミムシです。
本命は出そうにないので投げやりに掘っていたので、危うく見落とすところだったのがこの子。
写真だと大きく見えるかもしれませんが、体長は6.5mmしかなくて、黒い米粒というところ。
でも、これもよく観察すると、べっ甲色の背中にある薄茶色の模様が美しい。
小さすぎてピンボケですがあしからず。
この崖は二階建てで、上部にも少しだけ掘れる部分がありました。
よじ登って掘ってみましたが、とても掘りづらかったのですぐにあきらめました。
さて、ここから本題の”空白を埋めろミッション”に移行。
埋めるターゲットエリアはモハラ市。
海には面していませんが、田園地帯のため谷津田や林があるのは内陸側の一部のみ。
ただ、一部とはいえ面積としては広いので、どこを狙うかはすでに予習済みでした。
目星を付けてあった、とある谷津田の最下流からトレース開始。
しかし谷津田の支線の奥はことごとく民家が建っていて入りづらいし崖もなさそうでした。
それならばと、丘の上にあるゴルフ場の外周の境界をぐるっと辿ってみることに。
コンビニでサンドイッチを買って、トコトコと走っていると。
谷津田というほどではないけれど、奥に民家のない小さな田んぼがありました。
畔に腰を下ろして休憩していると、陽射しがきつくて汗をかいてきたのでポンプ小屋の日陰に移動。
何気なく水の中を覗くと、アカガエルの卵塊が。
写真では分かりませんが、コマツモムシもたくさん泳いでいました。
ポンプ小屋の先にコースに沿った細い道があり、木の根周りに土が露出している箇所がありました。
日陰ではあるものの土はふわふわで手ごたえなし。
全く何も出ないまま行き止まりになってしまったのでベニシジミ号へ引き返しました。
それからさらに別の谷津田にも突入しましたが、ポイントは見つからないまま最奥部の堰の入口に。
畔を歩きながらチェックしていくと、赤土の崖が一か所ありましたが何も出ず。
モハラはきびしいなぁと溜息をつきながら引き返し、最後のもう一本と、また別の谷津田に突入。
支線の入口にわずかに土が出ている箇所がある度に停車して試掘してみたものの手ごたえなし。
最奥部は道路工事現場でしたが、その手前の林縁に何か所か崖がありました。
さらふわの土が多かったものの、やや状態のいい場所もあったのに、やはり何も出ず。
あまりに生き物の気配がなさすぎて怖くなったほど。
モハラはきびしい、とまた心の中で呟きながら、ナビに自宅を設定しました。
扉の子の体の各部をよく観察すると、前脚の跗節の付け根に特徴的な毛束があることが分かります。
それは2年前の記事に体長20mm前後のゴミムシの同定ポイントについて書いたとおりです。
しかし、そこに登場するオオマルガタゴミムシにもとても良く似た毛束があることに気付きました。
あれ?ひょっとしてオオゴミムシじゃなくてオオマルガタゴミムシなのか?
そう疑ったものの、手元のどの図鑑の写真にもこの毛束が映っていません。(下向きに生えている為)
とにかくこの毛束の有無だけでは同定できないということを書き留めておきます。
オオゴミムシは他の種と比較してネットに載っている写真が少ないということも分かった。
今日の湯加減
また出かけてしまいました。
空白を埋めろミッションだけではないのですが(今シーズンの)シリーズ最終号です。
本命ではありませんが、ちょっとうれしい収獲のゴミムシ。
解説はまた例によって本編(とオマケ)にて。
2月26日、寝坊したわけではないものの、朝起きてから作戦会議という体たらく。
まずは実績地の再訪と確認をしようと、超猫日に行きそびれたポイントへ向かいました。
茂原街道をひた走り、中房エリアへ。
最初に訪れたのはもうかなり前で、以来アオオサは一頭しか採れていないので追加がほしい。
アプローチは分かりやすくてこんな場所。
神社の境内ではなく、脇の細い林道を下って行きます。
林の奥に小さな畑があって、元々荒れてはいたとはいえ、こんな様子になっていました。
突入してみると、倒木が増えていたものの先へは進めましたが、崖は乾燥が進んでいていました。
元々掘れる部分は少なかったけれど、さらに少なくなっていました。
乾燥した土埃をかぶりながらもコツコツと叩いていきましたが、指標虫すら出ず。
以前はゴミムシやカエルなどがポツポツと顔を出したのに、ほんとに何もいません。
早々にあきらめて、とりあえず林道から撤収して神社の入口まで戻りました。
舗装道路に出たところで一旦停車し、次の目的地をナビにセットし、何気なく右手を見上げたら。
ちょっとグレートな崖が見下ろしていました。
舗装路の脇なので一瞬ためらいましたが、まあチャンジしてみようかと決意。
装備を整え直して気合を入れ、斜面をよじ登っていきました。
土は見た目よりも固く、日向に面していることもあるので乾燥している部分が多い。
大きく崩すと道路まで転がり、通行中の車にぶつかるかもしれないので慎重に試掘していきました。
指標虫がほとんど出ず、ゴミムシも全く出ないので、さすがに高さがあり過ぎるかと思ったとき。
ポロリと親分が出たので心が折れずに済んだというか、継続して掘る気になりました。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
すると間もなく、意外な姿が現れました。
眼が白化しているように見えますが、ちゃんと生きていました。
ヤホシゴミムシ (オサムシ科)
体長11mm。ゴミムシとしては珍しい樹上性ということで、テントウムシに擬態しているのではと。
ともかく、チバのオサホリで掘り出したのは初だったので俄然気分が上がりました。
他にも何かゴミムシが出ないかなと期待しながら掘り続けることしばし。
時折り現れるのは親分だけでしたが、本命を掘り当てることに成功。
アオオサムシ ♂(オサムシ科)
こうなったらメスもほしいと欲が出る。
しかし、そうはなかなか問屋が卸してくれず、ゴミムシすら追加なし。
ただ、(手が届かない箇所も含めて)掘れる場所はいくらでもあるので持久戦モードに突入。
たまに眼下の道路を通過する車を何台か見たあと、ついに出てくれました。
同上 ♀
しかもメスだったのでゲーム終了。
崖をずり降りながら落穂拾いをしていたら見つけたのが扉の写真の子でした。
オオゴミムシ (オサムシ科)
体長22.5mm。オオスナハラと違い、全体に光沢があって、陽射しを受けて煌めいていました。
ナビに設定した次の場所も再訪地。
中房にある、かなり大きな堰。
畔を奥へと歩きながら、林縁側の土が露出しているところを見つけてはチェックしていきました。
前回(数年前)よりも乾燥が進んでいて、掘れる場所は少なくっています。
しかし、夏は藪が深くなって進入困難になる、かなり奥まで進んでも指標虫すら出ません。
ここだけではなく、この日はこのような地区境界線の調査作業の痕跡があちこちで見られました。
結局、ゴミムシ一匹すら出ないまま引き返し、堰の反対側の様子も見ましたがそちらは倒木で封鎖。
がっかりしながらも次の場所へ移動。
次に訪れたのは隣町の堰で、すぐ南側にあるので10分もかからずに到着。
ところが堰へと続く道(作業路)の入口に立ち入り禁止の表示が。
仕方がないのでベニシジミ号をとめて、隣の谷津田から進入してみましたが。
行く手を藪にはばまれてしまった。
ただ、右手の奥に見覚えのある小崖が見えました。
前回も同じような行動をしてここにたどり着き、この場所で実績を得たと思い出した。
さっそく崖に取りつきましたが、オーバーハングがきつくて高さもあるので掘りづらい。
ここもやはり乾燥していて、指標虫も出ませんでしたが、アゴの部分の間隙から黒い物体が。
オオアオモリヒラタゴミムシ (オサムシ科)
体長11.5mm。写真では分かりづらいですが、鞘翅が緑色に光る美麗なゴミムシです。
本命は出そうにないので投げやりに掘っていたので、危うく見落とすところだったのがこの子。
ニジツヤゴモクムシ (オサムシ科)
写真だと大きく見えるかもしれませんが、体長は6.5mmしかなくて、黒い米粒というところ。
でも、これもよく観察すると、べっ甲色の背中にある薄茶色の模様が美しい。
小さすぎてピンボケですがあしからず。
同上
この崖は二階建てで、上部にも少しだけ掘れる部分がありました。
よじ登って掘ってみましたが、とても掘りづらかったのですぐにあきらめました。
さて、ここから本題の”空白を埋めろミッション”に移行。
埋めるターゲットエリアはモハラ市。
海には面していませんが、田園地帯のため谷津田や林があるのは内陸側の一部のみ。
ただ、一部とはいえ面積としては広いので、どこを狙うかはすでに予習済みでした。
目星を付けてあった、とある谷津田の最下流からトレース開始。
しかし谷津田の支線の奥はことごとく民家が建っていて入りづらいし崖もなさそうでした。
それならばと、丘の上にあるゴルフ場の外周の境界をぐるっと辿ってみることに。
コンビニでサンドイッチを買って、トコトコと走っていると。
谷津田というほどではないけれど、奥に民家のない小さな田んぼがありました。
畔に腰を下ろして休憩していると、陽射しがきつくて汗をかいてきたのでポンプ小屋の日陰に移動。
何気なく水の中を覗くと、アカガエルの卵塊が。
写真では分かりませんが、コマツモムシもたくさん泳いでいました。
ポンプ小屋の先にコースに沿った細い道があり、木の根周りに土が露出している箇所がありました。
日陰ではあるものの土はふわふわで手ごたえなし。
全く何も出ないまま行き止まりになってしまったのでベニシジミ号へ引き返しました。
それからさらに別の谷津田にも突入しましたが、ポイントは見つからないまま最奥部の堰の入口に。
畔を歩きながらチェックしていくと、赤土の崖が一か所ありましたが何も出ず。
モハラはきびしいなぁと溜息をつきながら引き返し、最後のもう一本と、また別の谷津田に突入。
支線の入口にわずかに土が出ている箇所がある度に停車して試掘してみたものの手ごたえなし。
最奥部は道路工事現場でしたが、その手前の林縁に何か所か崖がありました。
さらふわの土が多かったものの、やや状態のいい場所もあったのに、やはり何も出ず。
あまりに生き物の気配がなさすぎて怖くなったほど。
モハラはきびしい、とまた心の中で呟きながら、ナビに自宅を設定しました。
オマケ
扉の子の体の各部をよく観察すると、前脚の跗節の付け根に特徴的な毛束があることが分かります。
オオゴミムシ (オサムシ科)
それは2年前の記事に体長20mm前後のゴミムシの同定ポイントについて書いたとおりです。
しかし、そこに登場するオオマルガタゴミムシにもとても良く似た毛束があることに気付きました。
あれ?ひょっとしてオオゴミムシじゃなくてオオマルガタゴミムシなのか?
そう疑ったものの、手元のどの図鑑の写真にもこの毛束が映っていません。(下向きに生えている為)
とにかくこの毛束の有無だけでは同定できないということを書き留めておきます。
オオゴミムシは他の種と比較してネットに載っている写真が少ないということも分かった。
今日の湯加減
昨日のことになりますが、昨日のチバは(関東地方は)寒かった。
最高気温5℃というのは、寒の戻りというレベルではないと思いました。
一夜明けて今朝も吐く息が白くはありましたが、ぐんぐん気温が上がり、最高気温17℃。
一昨日ワクチンを打ったばかりでもあり、フィジカル的にもダメダメでした。
そろそろ虫たちも動き始めていたでしょうけど、さすが彼らも調子狂ったかも。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
初めまして。
昆虫のことは全然知らないのですが、
「ハンミョウ」とか、とても綺麗な色と模様を持っていて素敵だなーと。
見つけるの大変そうですが、楽しみですよね。
また、素敵な昆虫に会えるの楽しみに来させて頂きます♪。
by mirro (2022-03-21 01:24)
いいスポットを探すのも大変ですね。
もう田んぼに水が入ってる!
九州は麦の収穫を終える初夏まで見れないです。
by 響 (2022-03-22 09:42)
ゼフさん、
高和はポイントの盛衰を実感した世代です。去年の環境が根こそぎはがされた悔しさ、情けなさを酒の肴にしたくないですね。F会の採集会でも発生木が伐採されたり、林がバイパスで途切れ、そこから風通しや日当たり等、環境に悪影響をもたらすこともあったりします。かと思うと木々が高齢化して昔はいなかった虫たちが進出してくることもあります。20年も同じ場所に通っていると、思わぬ経験をしたりします。今や高齢者になってしまった高和の楽しみの一つです。
by 高和です。 (2022-03-23 19:12)
>mirroさん
ハンミョウは熱帯の生き物の色合いのようだと思います♪
こんな見栄えの虫は(少ないので)なかなか登場しませんが御贔屓に。
>響さん
ここはいわゆる”冬みず田んぼ”なのだと思います。
でも一般の田んぼもそろそろ代掻きがはじまりますね。
>高和です。さん
ポイントの盛衰は世代格差なく体験することでしょう。
今後の開発がすべて止まらない限り・・
でももう止まってもいいかもしれませんね。
by ぜふ (2022-03-23 20:37)
ニジツヤゴモクムシの背中を目を凝らして見てみました。
べっ甲っぽい感じ、なんとか分かりました^^;。
うちの近くにも広々とした田んぼがあるのですが、そういえば
昔に比べるとカエルの鳴き声が減ったかなぁ、と先日妹と話しました。
by sakamono (2022-03-26 12:45)
>sakamonoさん
分かりにくくてすみません、、
カエルが少なくなるとサギ類の鳥も少なくなりますね・・
by ぜふ (2022-03-26 22:58)