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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

空白を埋めろ Chal.5&6 [オサムシ]

まだたまだ続く、シリーズ第五弾と六弾の合併号です。

タイトルを考えなくていいのは楽だと気が付きましたが、どちらも短編なのでマージすることに。

短編ということは成果が知れているということでもありますが。

自分の行動記録として書いておきたい。

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ともあれオサホリシーズンもそろそろ終盤なので、これで一旦終了かもしれません。

2月19日、数日前の天気予報ではこの週末のチバは雨だったのでFWはあきらめていました。

ところが前日になると、午前中はもちそうという予報に。

午前中勝負ということは、ご近所の空白がターゲット。

目標はフナバシラベルということにしました。

例によって目的地のアタリは付けたのですがその前に。

自宅からもっとも近くの里地、というか畑地も探索してみることにしました。

台地の上に広がる広大な畑地があるのですが、そこは却下して、昔あった川沿いのエリアへ。

河岸段丘の上を走る幹線道路から畑地へ降りようとしたものの、入口を見つけるのに意外に苦労。

まばらに建つ民家の脇から降りていこうとすると、いきなり土壁を発見してびっくり。

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並べてあるクヌギか何かの木は、家庭菜園ならぬ家庭茸園らしく、種菌の駒が打ち込まれていました。

ということは私有地かもしれませんが、ちょっとだけ試掘させてもらいました。

と、いきなり黒い影が現れました。

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オオズケゴモクムシ (オサムシ科)


ムカデやヤスデも出るので、これはひょっとしてと期待しましたが後がまったく続かず。

ただ、ちょっと変わったのが顔を出しました。

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未同定


イエバエの仲間だと思いますが、ハエの土中越冬ははじめて観察しました。(アブはよく見ます)

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早々に退散して畑地に向かおうとしたら、行く手の道がかなりぬかるんでいて突入を断念しました。

坂を戻ってぐるりと迂回し、何度か行き止まりにぶつかりながら、やっと畑地に出られた。

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何の畑かは分かりませんが、耕作放棄地ではないようで、農作業している人影もちらほら。

見渡す限りでは崖地はなさそうですが、せっかく来たので畑地トレースをします。

軽トラがやっとという農道をとにかく奥へ奥へと進むとまた行き止まり。

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この林の向こう側は高速道路ですが、なかなかの巨木が数本あるので、元は里地だったのでしょう。

高速道路に向けて斜面になっていますが、崖はなさそうなので引き返しました。

一旦住宅地まで戻って突入し直しましたが、またまた行き止まり。

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意外に広い草原や空き地もありましたが、崖地はとうとう見つからず。

地元エリアはあきらめて離脱しました。

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次はフナバシ市の東部を流れるツボイ川の流域へ。

周辺は住宅地だらけですが、Mapで見ると森林もあるのです。

現地に着くと、森林は低い丘の上に広がっていたので、林縁に沿ってトレースしました。

しかし崖地は見つからないまま、ウロウロしているうちに川沿いの畑地に出ました。

川に沿って畑地を突っ切ったところに怪しい入口があったので停止。

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車は入れないようにしていますが、私有地という感じではないので、歩いて入ってみることに。

竹林に囲まれた、荒れた空間でした。(夏は草が生い茂って入れないかも)

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しばらく進むと藪で行き止まりで、その向こうは民家の庭のようだったので退散。

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何とかまだ天気がもちそうだったので、北側のキド川の流域も攻めてみました。

こちらは河川敷が広く、川にそって両側に遊歩道が整備されていて、バイクも入れません。

南側は何もなさそうだったので、北側の段丘の森に沿ってトレースしました。

丘の高さがあるので、崖地があればと期待しましたが、ありそうでない。

結局また崖地は見つけられませんでしたが、上流はこんな様子で護岸されていないように見えました。

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でも何もいないんだろうな。

フナバシはキビシイか・・

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最後に攻め入ったのは、カマガヤとの市境方面で、20分ほどでナビに設定した地点に到着。

こちらは川の名前がないですが、元々は谷津田だったと思われるエリア。

緑地の入口にベニシジミ号を停めて探索開始。

坂を下ってビオトープを抜けると小さな谷地に出ました。

周辺の丘の上は住宅地が広がっていて、その斜面に崖地がないかと探していきました。

北側の斜面を見渡す限りではそれらしい場所はなさそうで、あまり上流の方には行かずにUターン。

南側を戻ってくるように歩いていると、見上げた先に土色の壁が見えました。

かなり急でしたが、よじ登って取りついてみました。

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バチツルを振った感触はいい。

指標虫も出てきて期待が高まったとき、珍しくお尻が見えました。

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でもこれは間違いなく本命。

なぜ頭から突っ込んでいたかは聞いても教えてくれませんでしたが。

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アオオサムシ ♂ (オサムシ科)


ずいぶん色が違って見えると思いますが、扉の写真の子です。

運よくミッションはクリアですが、後が続かない、というか掘れる箇所がもう残っていない。

仕方がない。崖をずり落ちそうになりながら、最後に落穂ひろいをしていると・・

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同上 ♀


幸運にもこれで1ペア獲得。フナバシミッションを完全クリアしました。

ベニシジミ号へ戻りながら何気なくビオトープの縁に転がっていた朽木の皮をめくってみたら。

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ナガニジゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)


今シーズンは朽木くずしをほとんどしていないので久しぶりに観察しました。

この後、雨に降られることなく帰宅し、予定外にドロドロになったベニシジミ号の洗車もできました。

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さて、ここからは第六弾。ボウズの回です。

2月23日の祝日、向かった課題エリアはフナバシの隣のカマガヤ。

間違いなくフナバシよりもさらに宅地化率が高く、緑地があるのは南西部のみ。

ただ、フナバシ同様、果樹園が点在するので期待はもてる。(何の果樹園かは分かりますよね)

目標エリアの南端にある某緑地を目的地に設定して出発。

到着してからは例によって現場合わせでパトロール開始。

緑地のコリドーをトレースしましたが、ピンとくるような場所は全くない。

しばらくウロウロして、元は谷地だったと思われるエリアの中程にぶつかったとき。

何となく左手の民家の中を抜ける細い道が気になって入ってみました。

並んだ民家を過ぎると左側が斜面林らしき風景になりましたが、ほぼ竹藪が続くばかり。

しばらく進むと建設会社の敷地を過ぎて上り坂となりました。

とても細い道を登り切ってみると、そこは果樹園でした。

なるほど、だとすればさっきの林縁に崖があればなぁとUターンすることに。

最徐行で逆戻りしていると、藪の中に木の根周りの土が見えたので停車して様子を確認。

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木の根周りの土はふわふわで何か出そうな状態ではありませんでした。

しかし、藪のさらに奥を覗くと・・グレートな崖が見えた。

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高さが4~5メートルあって、しかもほぼ垂直。

土壁に取りつくだけでも大変で、まさにフィールドアスレチック状態でした。

滑落に注意しながら何とか登り、叩いてみるとかなり乾燥していてムカデマンションかと思いきや。

指標虫すら出ませんでした。

カニ歩きもままならなかったですが、湿り気がある部分を探して試掘。

崖を回り込むと、まだ崖は続き、そのまた先も続き、そのまたそのまた先も続き。

崖を登ったり降りたりしながら延々と、というか意地になって頑張りましたが。

結局出たのはこんな子くらい。

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未同定(ゴモクムシの仲間)


地層に沿うようにして出た個体。

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同上


体長は約12mmと約13mm。前胸が後方へ狭まっていて粗いシワがあり、脛節と跗節は赤褐色。

オオクロツヤゴモクムシだとちょっとレアなんですが。

コガシラアオゴミムシも一頭だけ採れましたが写真なし。

とうとう一番端まで到達したところで崖を降り、藪漕ぎ(竹漕ぎ)して道路へ出ました。

ベニシジミ号ははるか50メートル先でした。

実はこの前日もボウソウしてかなり消耗していたので、HPがゼロになる前に帰路につきました。

その日のことはまた別途。




オマケ


今日は県博の生物多様性センター主催の「生命のにぎわいフォーラム」に参加してきました。

毎年やっていたのですが、3年ぶりの開催となりました。

IMG_20220305.jpg


外来種についての講演がメインでしたが、会員からの観察記録報告もいくつかありました。

やっぱりライブはいいですね。




今日の湯加減

今日は待ちに待った”啓蟄”。虫屋にとっては元日です。
虫屋のみなさん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
元日は前倒しにはなりませんが、普通は3月6日のところ、今年は一日前倒し。
それに加えて、明日はお江戸でインセクトフェスティバルが開催されます。
おまけにチバは春一番が吹いたと思います。(すごい強風でした)
色々な意味で、いよいよシーズン開幕ですね。

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コメント 7

リュカ

啓蟄ですね^^
そろそろカブトムシの幼虫ちゃんがいるケースの土も
交換しようかどうか悩んでます。
もうちょっとそのままにしておいたほうがいいかなー
でもコバエが飛んでるケースもあるからなあ(^^;
by リュカ (2022-03-06 11:35) 

ぜふ

マットをふるいにかけてフンの掃除はしましょう。
by ぜふ (2022-03-07 22:31) 

高和です。

ボウズでシーズン終了とは残念です。チバはステキなゲレンデがたくさんあってうらやましいです。来シーズンの健闘を祈ります。
by 高和です。 (2022-03-09 03:36) 

ぜふ

>高和です。さん
まだシーズンが終了したわけではありません。
空白を埋めろミッションは終了かなと思っていたのですが・・
それも実は・・
by ぜふ (2022-03-10 22:36) 

響

バイクの機動力を使いこなしてますね。
確実に本命が潜む斜面を見極めれるのが凄いです。
by (2022-03-11 17:44) 

sakamono

キノコ栽培をしているように見えませんが、こんなふうに奔放に
やっているところもあるんですね^^;。
土の中からイエバエというのもインパクトがありました。
なるほど、フナバシ、カマガヤには果樹園がたくさんあるのですね^^;。
by sakamono (2022-03-11 22:15) 

ぜふ

>響さん
ベニシジミ号は最高無二のモビリティです♪
斜面は空振りすることも滑り落ちることもあります^^;

>sakamonoさん
自家茸園だとわかったときは驚きました。
栽培しているのは例のあの果物です^^
by ぜふ (2022-03-11 23:14) 

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