"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
空白を埋めろ Chal.3 [オサムシ]
前記事に書いた通り、二日連投になりましたので、シリーズ第三弾をお送りします。
これも先に書いた通り、埋めたい空白は数限りなくあるわけですが。
市街地や商工業地域などは採集不可能ですし、シャレじゃないけれど埋め立て地は埋められない。
埋めたいのはこんな場所。
偶然見つけたビオトープです。
前回はチバ市内のHF方面にチャレンジし、またしても幸運に恵まれました。
3回目も同じ方向ですが、お隣のサクラ市。
Chal.1で訪れた印旛郡の印旛沼の南岸はサクラ市なのですが、今回はもっと南部を目標にしました。
何故なら、Chal.2のチバ市北部で採集したゴミムシを還しに行きたいこともあるから。
この日もゆっくり出発して、まずはHFへの通勤ルートを辿りました。
前日とは違い、R126の渋滞もなく、すんなりと谷津田の入口に着きました。
アプローチも分かっているので、ナビ設定しなくても迷うことなく、前日発見したポイントに到着。
同じ場所へ還したことの証明のための証拠写真。
倒木の下を少し掘って仮設住宅を作り、オオスナハラたちを放しました。
みるみるうちに土の中へ潜っていきました。
さて、ここからがChal.3の本番。
例によって予めGoogleMapで目星を付けた谷津田を目指します。
ただ、今回もMapには道が表示されない場所で、アプローチが分かりません。
少し走ってはMapで現在地を確認して進行方向を決めながら走ることしばし。
(里山のくねくね農道を走っていると方向が分からなくなるという谷津田トレースあるある)
本来行きたい方向ではないのですが、行く手の田んぼと林の景色が気になったので突入することに。
ところが少し進むと、あぜ道が途絶えてコンクリート舗装路になってがっかり。
でもそのまま丘の上へと向かう道をちょっと登ってカーブを曲がると左の林縁に小崖が現れました。
まさに道路脇ですが、見た目は良さそうだったのでベニシジミ号を停めて、オサホリモード突入。
土質も固さも湿り気も申し分なく、これはいい感じと思いながら掘っているとすぐに見慣れた方が。
ただ、道路脇という状況が悪いのか、指標虫が出なくて後が続かない。
5分ほど試掘していて二人目の親分が出た後、崖の中央あたりに達したとき、ぽろりと落ちました。
しかもオスで、なんと幸先がいいのだろうと喜び、今日の仕事もほぼ終わりと余裕が出ました。
さあメスも出そうと、掘り続けましたが、全く甘くはありませんでした。
レギュラーゴミムシの連続。
珍しく頭から出た黒いやつ。
もう一頭出ましたが、やはりちょっと深い所から出ます。
誰かの部屋を間借りしていたのか。
この親分の部屋はテンプレートを使ったかのような職人的仕上がり。
この子はちょっと珍しいのでお連れしました。
体長約13mm。写真では分かりづらいですが、頭部と前胸が紫に光ります。
範囲は広くないものの、土の状態がいいのでしばらく粘りましたが、とうとう追加はできず。
もっとも端っこの根際をちょっと深く掘ると出たこの子の顔を見てあきらめがつきました。
もちろん埋め戻し。
坂道を登りきると台地に広がる畑でした。
別のルートで坂を下り、本来行こうとしていた谷津田の方へ向かいました。
とても幅の狭い二本の谷津の合流地点にベニシジミ号を停め、林縁に沿って歩いて進入。
ちょっと進むと見えてきたのが扉の写真のビオトープでした。
撮影者が立っているところにテーブルとベンチが設置されていて、ビオトープを眺めながら寛げます。
まるで庭園のようにきれいに整備されていて、暖かくなってからの様子も見に来たい。
さて、林縁に崖はないかと奥へと歩いていきました。
細いけれど深い谷津で、1キロ以上は歩いたでしょうか、おいしそうな小崖が現れました。
自然の土砂崩れでできた崖じゃないかと思いますが、叩いてみると思ったよりも固かった。
でも部分的にはやや柔らかくて湿気もあるので期待が高まりました。
出てくれ、いや、出ろと祈りながら掘りましたが、なんと指標虫すら出ない。
やっと出てくれたのは親分で、ほんとに小さい崖なので間もなく掘れる場所もなくなりました。
この子の美しさになぐさめられて先に進む決心をしました。
しかし、他に崖は見つからないまま、とうとう道は行き止まりに。
反対側の林縁には歩ける道はなかったので、やむなく引き返すことにしました。
ベニシジミ号まで戻って、もう一つの谷津の入口まで行ってみたら藪に阻まれ、進入は不能でした。
さて、お昼もとうに過ぎ、お腹もすいたのでGoogleMapでラーメン屋探し。
里地の奥にいるので半径数キロには飲食店がなく、隣町の市街地まで行くことにしました。
適当に選んだ店の所在地をナビに設定して出発。
里地をぐるっと迂回するようなルートで数キロ走り、街道沿いにラーメン屋を見つけてしまいました。
一旦通り過ぎたものの、店はもっと先だったので方針変更。Uターンしてピットイン。
とっても酸っぱくて熱々あんかけの台湾風チャンポンを食べ、目的地をナビに設定して再スタート。
脳内地図では目的地は北の方向のはずなのに、ここまで来た道を戻る方の西へ行けという。
ちょっと進めば右折指示が出るのだろうと思いつつ走り続け・・あれれさっきの谷津田の近くまで。
たまにおバカになるナビにそのまま従い、走ること10キロ余り。
やっとこさランドマークも何もない広い谷津田の真ん中に到着。
特に根拠もなく、一本の谷津田沿いの林縁に沿ってトレース開始。
とても長い谷津で、しばらく走っても小崖すら見つからず。
今回は連投ということもあり、疲れたから帰ろうかなと思ったとき、いきなりグレートな崖が。
幅は10メートル以上ありますが残念なことに土がとても固く、かつ表面は砂交じりでした。
高いところは4メートルくらいあり、切り立っているので上半分には手が届きません。
それでも下の方の少しでも湿気がありそうな部分を掘っていきましたが手応えなし。
サラサラと落ちて足元に溜まる土に靴を埋めつつ、しばらく粘りましたが結局何も出ませんでした。
ここまで来たので行けるところまで行こうと奥へと進むとついに行き止まり。
しかしそこには小崖があったのです。
黒土も交じっている部分もあり、湿度もありそうなので、ここにいなければこの谷津田にはいない。
と自分を鼓舞して片っ端から掘っていきました。
・・・
いませんでした。
握力も終わったので、他にも谷津田は何本もありましたが撤収することに。
ボウズではなかったものの、収獲は最初の一頭だけという結果でした。
かなり疲れましたが、陽はまだまだ高かったので、帰り道にとある公園に寄り道。
だいたい毎シーズン、フユシャクを観察しに来る場所なのですが・・
もう時機を逸してしまったようで、こちらは完全にボウズでした。
ただ一種、この子を観察したのみ。
カメムシはあまり撮影しないけど、ちょっと見覚えがない。
初めての観察だとしたら寄り道した甲斐があったかも。
今日の湯加減
これも先に書いた通り、埋めたい空白は数限りなくあるわけですが。
市街地や商工業地域などは採集不可能ですし、シャレじゃないけれど埋め立て地は埋められない。
埋めたいのはこんな場所。
偶然見つけたビオトープです。
前回はチバ市内のHF方面にチャレンジし、またしても幸運に恵まれました。
3回目も同じ方向ですが、お隣のサクラ市。
Chal.1で訪れた印旛郡の印旛沼の南岸はサクラ市なのですが、今回はもっと南部を目標にしました。
何故なら、Chal.2のチバ市北部で採集したゴミムシを還しに行きたいこともあるから。
この日もゆっくり出発して、まずはHFへの通勤ルートを辿りました。
前日とは違い、R126の渋滞もなく、すんなりと谷津田の入口に着きました。
アプローチも分かっているので、ナビ設定しなくても迷うことなく、前日発見したポイントに到着。
同じ場所へ還したことの証明のための証拠写真。
倒木の下を少し掘って仮設住宅を作り、オオスナハラたちを放しました。
みるみるうちに土の中へ潜っていきました。
さて、ここからがChal.3の本番。
例によって予めGoogleMapで目星を付けた谷津田を目指します。
ただ、今回もMapには道が表示されない場所で、アプローチが分かりません。
少し走ってはMapで現在地を確認して進行方向を決めながら走ることしばし。
(里山のくねくね農道を走っていると方向が分からなくなるという谷津田トレースあるある)
本来行きたい方向ではないのですが、行く手の田んぼと林の景色が気になったので突入することに。
ところが少し進むと、あぜ道が途絶えてコンクリート舗装路になってがっかり。
でもそのまま丘の上へと向かう道をちょっと登ってカーブを曲がると左の林縁に小崖が現れました。
まさに道路脇ですが、見た目は良さそうだったのでベニシジミ号を停めて、オサホリモード突入。
土質も固さも湿り気も申し分なく、これはいい感じと思いながら掘っているとすぐに見慣れた方が。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
ただ、道路脇という状況が悪いのか、指標虫が出なくて後が続かない。
5分ほど試掘していて二人目の親分が出た後、崖の中央あたりに達したとき、ぽろりと落ちました。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
しかもオスで、なんと幸先がいいのだろうと喜び、今日の仕事もほぼ終わりと余裕が出ました。
さあメスも出そうと、掘り続けましたが、全く甘くはありませんでした。
レギュラーゴミムシの連続。
珍しく頭から出た黒いやつ。
オオスナハラゴミムシ (オサムシ科)
もう一頭出ましたが、やはりちょっと深い所から出ます。
同上
誰かの部屋を間借りしていたのか。
コガシラアオゴミムシ (オサムシ科)
この親分の部屋はテンプレートを使ったかのような職人的仕上がり。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
この子はちょっと珍しいのでお連れしました。
キボシアオゴミムシ (オサムシ科)
体長約13mm。写真では分かりづらいですが、頭部と前胸が紫に光ります。
範囲は広くないものの、土の状態がいいのでしばらく粘りましたが、とうとう追加はできず。
もっとも端っこの根際をちょっと深く掘ると出たこの子の顔を見てあきらめがつきました。
シュレーゲルアオガエル
もちろん埋め戻し。
坂道を登りきると台地に広がる畑でした。
別のルートで坂を下り、本来行こうとしていた谷津田の方へ向かいました。
とても幅の狭い二本の谷津の合流地点にベニシジミ号を停め、林縁に沿って歩いて進入。
ちょっと進むと見えてきたのが扉の写真のビオトープでした。
撮影者が立っているところにテーブルとベンチが設置されていて、ビオトープを眺めながら寛げます。
まるで庭園のようにきれいに整備されていて、暖かくなってからの様子も見に来たい。
さて、林縁に崖はないかと奥へと歩いていきました。
細いけれど深い谷津で、1キロ以上は歩いたでしょうか、おいしそうな小崖が現れました。
自然の土砂崩れでできた崖じゃないかと思いますが、叩いてみると思ったよりも固かった。
でも部分的にはやや柔らかくて湿気もあるので期待が高まりました。
出てくれ、いや、出ろと祈りながら掘りましたが、なんと指標虫すら出ない。
やっと出てくれたのは親分で、ほんとに小さい崖なので間もなく掘れる場所もなくなりました。
この子の美しさになぐさめられて先に進む決心をしました。
ルイスオオゴミムシ (オサムシ科)
しかし、他に崖は見つからないまま、とうとう道は行き止まりに。
反対側の林縁には歩ける道はなかったので、やむなく引き返すことにしました。
ベニシジミ号まで戻って、もう一つの谷津の入口まで行ってみたら藪に阻まれ、進入は不能でした。
さて、お昼もとうに過ぎ、お腹もすいたのでGoogleMapでラーメン屋探し。
里地の奥にいるので半径数キロには飲食店がなく、隣町の市街地まで行くことにしました。
適当に選んだ店の所在地をナビに設定して出発。
里地をぐるっと迂回するようなルートで数キロ走り、街道沿いにラーメン屋を見つけてしまいました。
一旦通り過ぎたものの、店はもっと先だったので方針変更。Uターンしてピットイン。
とっても酸っぱくて熱々あんかけの台湾風チャンポンを食べ、目的地をナビに設定して再スタート。
脳内地図では目的地は北の方向のはずなのに、ここまで来た道を戻る方の西へ行けという。
ちょっと進めば右折指示が出るのだろうと思いつつ走り続け・・あれれさっきの谷津田の近くまで。
たまにおバカになるナビにそのまま従い、走ること10キロ余り。
やっとこさランドマークも何もない広い谷津田の真ん中に到着。
特に根拠もなく、一本の谷津田沿いの林縁に沿ってトレース開始。
とても長い谷津で、しばらく走っても小崖すら見つからず。
今回は連投ということもあり、疲れたから帰ろうかなと思ったとき、いきなりグレートな崖が。
幅は10メートル以上ありますが残念なことに土がとても固く、かつ表面は砂交じりでした。
高いところは4メートルくらいあり、切り立っているので上半分には手が届きません。
それでも下の方の少しでも湿気がありそうな部分を掘っていきましたが手応えなし。
サラサラと落ちて足元に溜まる土に靴を埋めつつ、しばらく粘りましたが結局何も出ませんでした。
ここまで来たので行けるところまで行こうと奥へと進むとついに行き止まり。
しかしそこには小崖があったのです。
黒土も交じっている部分もあり、湿度もありそうなので、ここにいなければこの谷津田にはいない。
と自分を鼓舞して片っ端から掘っていきました。
・・・
いませんでした。
握力も終わったので、他にも谷津田は何本もありましたが撤収することに。
ボウズではなかったものの、収獲は最初の一頭だけという結果でした。
オマケ
かなり疲れましたが、陽はまだまだ高かったので、帰り道にとある公園に寄り道。
だいたい毎シーズン、フユシャクを観察しに来る場所なのですが・・
もう時機を逸してしまったようで、こちらは完全にボウズでした。
ただ一種、この子を観察したのみ。
アオモンツノカメムシ (ツノカメムシ科)
カメムシはあまり撮影しないけど、ちょっと見覚えがない。
初めての観察だとしたら寄り道した甲斐があったかも。
今日の湯加減
「開発との競争なんていうのは悠長な話」と思い始め、俄かに焦りが出てきました。
つまり、シリーズはもう少し続きそうです。
さて、今日は二十四節気の「雨水」。まさにチバも久しぶりの雨が降りました。
アカガエルたちも待ちわびていたことでしょう。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
里山のくねくねした農道を進んでいくと・・・ゼフさんの駒子姐さんは何処に。
by 高和です。 (2022-02-21 11:17)
あら、カエルさん、まだ冬眠中だったのでやすね。
とても眠たそうな目をしてやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-02-21 13:40)
>高和です。さん
雪国にいるとしたらベニシジミ号で会いに行くのは難しいですね・・
>ぼんぼちぼちぼちさん
まだ啓蟄前ですからね・・でももうちょっとですね。
目を覚ます前に埋め戻しました。
by ぜふ (2022-02-21 23:05)
解放されたオオスナハラたちが、どんなふうに土に潜るのか、
見てみたいと思いました。フユシャクの時期を逸してしまった
というのは、もう春も近い、ということなのかな^^;。
by sakamono (2022-02-24 21:24)
>sakamonoさん
干潟でカニが砂に潜るような感じです^^
春も近いと思いますが、何故かまだ春一番が吹かないですね・・・
by ぜふ (2022-02-25 22:57)