"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
霜のバラと氷のカワ [オサムシ]
引き続きオサホリシーズンの真っ只中です。
記事化していませんが、先日、南房総まで出かけて丸坊主。
”ボウズが怖くてオサホリができるか” がオサ屋の訓戒の一つですが、訳あってかなり凹みました。
そんな後遺症が残りながらも心を奮い立たせ、またボウソウしてきたのですが。
イケてない扉の写真ですが、成果もイケてませんでした。
1月22日、朝は寒いので少し気温が上がってから出発。
2年以上訪れていなかったボウソウのど真ん中辺りが目標エリア。
大福山の山頂へ向かう、市原市と君津市の市境の尾根道のような道路は、はじめて走る気がしました。
その途中、左に支線のゲートがあるのに気が付いた。しかも開いています。
これは要チェックと、ベニシジミ号で入ると、すぐに視界が開けました。
こんな見晴らし台のような場所があったとは、驚きでした。
ベニシジミ号の前輪の向こうに見える、少しハゲたような高原は、千葉県畜産総合研究センター。
しかもサッカー場くらいの広さの平らな場所で、車2台の先客があり、薪ストーブを焚いていました。
オサホリポイントはなさそうだったので早々に出発し、また尾根道を登っていきました。
山頂へ向かう分岐点まで来ると、過去に走った記憶が蘇りました。
以前ここに来たときは、逆方向に尾根道を走ったので、初めてのような気がしたのだと思います。
せっかくなので、山頂の展望台にも登りました。
5~6メートルの高さの鉄塔を螺旋階段で登るのですが、腐食がひどくて結構コワイ。
一番見通しのいい南側でもこんな様子で、ボウソウの何も無さがわかります。
観光は1分で終了して再出発。
第一目的地は、新規ポイントではなくて過去に採集実績のあるところ。
ただ、その時オサムシはたった一頭しか採れなかったので、追加を期待してやってきたというわけ。
また、その時はあまり時間がなかったのか、山道の入口でしか掘らなかったと記憶。
なので今回は少し奥まで入ってみました。
ハイキングコースをしばらく進むと、一見よさそうな風景が現れました。
しかし両側ともスギの根が密生していて、かつ土がふかふかサラサラ。
こういう所は春にトラップをかけるのがいいかもしれない。
探索エリアはここだけではないので、深入りはせずに引き返すことに。
結局また今回も入口付近にある小崖で試掘開始。(もしかしたら前回と同じことをしているのかも)
一日中日陰だと思われる壁面からは、バラの花のような霜が咲いていました。
土質は申し分ないものの、掘れども掘れども何も出てこない。
やっと小崖の最上部のアゴの部分から落ちてきたのが扉の写真のスジアオの親分。
すぐ近くの林の中も見てきましたが、掘れる崖はなく、また元の場所へ戻って掘りなおし。
土隗と一緒にぼろっと落ちてきたのは子供のハチュ。
ゴメンねと近くの穴へ埋め、さらに掘り続けることしばし。
落ちた土砂の中に何か小さな黒いものが。
体長約10mm。ぽいっと放りましたが、持って帰ればよかったと後悔。
続いて出たのも親分で。
もう掘れるところもなくなってきて、カラータイマーがピコピコ鳴り始めたときにやっと。
ぽろっと目の前に落ちてきました。
しかもオスでよかった。
これで元気を取り戻し、掘り残したわずかな隙間や、やや砂交じりの場所も試掘していきました。
しかし、指標虫も何も出ず。常連のこの子の顔を見たところで掘り止めとしました。
結局またもや一頭のみ。でも0と1では大違い。いることが確認できただけでも。
もう一か所、再訪したい場所があるのですが、その前に新規開拓も。
大福山を下っていく途中、これは一度も通ったことがない林道がありました。
その入口に着いてみると、通行止めの小さな看板があったのですが、行ける所までと思って突入。
多少路面に枝葉が落ちているものの、問題なく走行できて土砂崩れや倒木もない。
しばらく行くと路傍に軽トラが止まっていて、その先の道沿いに猟銃を持った人がいました。
どうやらイノシシかシカ狩りのための標識だったようですが、特に咎められることもなく。
その先にもトランシーバーを持った猟師さんがいたのでグループで狩りをしているようでした。
数キロ進むと往く手に大きな壁が。
林道はそこで分岐していて、こんな標識が。
GoogleMapでは行き止まりでしたが抜けられるのかも。
そちらへは行かず、さらに奥へと向かう道に入ってみることに。
分岐点には小崖もあったのですが、氷柱が邪魔で掘れませんでした。
所々ぬかるんでいたものの、難なく走っていると、ボウソウ名物が現れました。
素掘りのままなので、隧道の中の方がぬかるんでいます。
間もなく2本目が出現。
この隧道は反対側から見た方が内部の壁の模様がよく分かります。
林道脇に小崖がないか確認しながら進行しますが、隧道があるということは周囲は岩山。
掘れそうな場所はないまま、3本目に到着。
先の2本と代わり映えしないようですが、実はとても変な隧道なのです。
なぜかというと。
こうなっているから。
なぜ掘った?
掘りたかったからでしょうね。(違うか)
隧道の中はかなりぬかるんでいたので、脇の道を通行しました。
そしてとうとう、林道の終点に・・・と、またしてもこんな場所があったとは、驚きでした。
そこは明るい疎林の中を半ば凍った小川がゆるやかに蛇行していく、静かで小さなおとぎの世界。
バイクを降りて、少し上流へ入ってみましたが、やがて川は藪の中へと消えていく。
季節になればトンボがいるかもしれないので、また夏になったら来よう。
来た道を引き返す途中、猟師さんたちの軽トラとすれ違いました。
次の目的地はここ。(訪れたことがある方はこの写真でどこか分かるかも)
中房にはこのようなグレートな崖がいくつかありますが、こんなに近寄れる場所は少ないと思います。
2年あまり前に訪れたときは、台風の影響でここまでは入れませんでした。
ベニシジミ号を停めて、渓流に沿って散策路を歩きながら、小崖を探していきます。
掘れる場所が少ないことは分かっていたのですが、さらに減った気がしました。
とうとう一番奥まで辿り着き、渓流沿いの道はここまで、この先は森の中。
まあ、ここまで通行できることが確認できただけでもよしとしようと思い、撤退することに。
引き返しながらも根回りの土溜まりや岩壁に張り付いた土隗などを試掘していきました。
ここでもアワカズサの追加を期待していたのですが、出たのはまたしても親分一匹。
でも越冬部屋の形がよく分かる状態で写真が撮れたので、一つの観察記録にはなったと思います。
土隗を拾って左官を施しておきました。
帰りは一度通ったことのあるルートを辿りますが、まだ時間があるので支線を探しつつゆっくり走行。
1本目の支線はスギ林の中へ続く道。入口に小崖がありましたが全くの不発でした。
2本目の支線は半舗装されていたので、ベニシジミ号で突入してみることに。
一応散策路のようでしたが、段々路面が荒れてきて、ついには行き止まり。
に見えましたが、ボブスレーコースの続きがあったので歩いて下ってみました。
両側が一見よさそうな小崖ですが、木の根が蔓延っていて掘りづらく、しかも乾燥しています。
戻りの上りが大変になるので、程々のところで引き返しました。
この先は支線が見つからないまま山を下りきり、久しぶりに「もりらじお」駅によって休憩。
お昼ぬきだったので、ムーミンドーナツとコーヒーで帰路のエネルギー補給。
成果は満足できませんでしたが、季節を変えて訪れたいポイントがいくつか見つかった探虫行でした。
つい先日、北海道在住の若いオサ屋さんが、自作したオサムシの小冊子を入手しました。
職業がグラフィックデザイナーということで、初出版とは思えないクオリティの高さ。
記念すべき第一号は北海道特産のオオルリオサムシの特集ですが、幅広いコンテンツ。
自費出版なので、一般の書店やアマゾンでは売っていません。
今日の湯加減
記事化していませんが、先日、南房総まで出かけて丸坊主。
”ボウズが怖くてオサホリができるか” がオサ屋の訓戒の一つですが、訳あってかなり凹みました。
そんな後遺症が残りながらも心を奮い立たせ、またボウソウしてきたのですが。
親分
イケてない扉の写真ですが、成果もイケてませんでした。
1月22日、朝は寒いので少し気温が上がってから出発。
2年以上訪れていなかったボウソウのど真ん中辺りが目標エリア。
大福山の山頂へ向かう、市原市と君津市の市境の尾根道のような道路は、はじめて走る気がしました。
その途中、左に支線のゲートがあるのに気が付いた。しかも開いています。
これは要チェックと、ベニシジミ号で入ると、すぐに視界が開けました。
こんな見晴らし台のような場所があったとは、驚きでした。
ベニシジミ号の前輪の向こうに見える、少しハゲたような高原は、千葉県畜産総合研究センター。
しかもサッカー場くらいの広さの平らな場所で、車2台の先客があり、薪ストーブを焚いていました。
オサホリポイントはなさそうだったので早々に出発し、また尾根道を登っていきました。
山頂へ向かう分岐点まで来ると、過去に走った記憶が蘇りました。
以前ここに来たときは、逆方向に尾根道を走ったので、初めてのような気がしたのだと思います。
せっかくなので、山頂の展望台にも登りました。
5~6メートルの高さの鉄塔を螺旋階段で登るのですが、腐食がひどくて結構コワイ。
一番見通しのいい南側でもこんな様子で、ボウソウの何も無さがわかります。
観光は1分で終了して再出発。
第一目的地は、新規ポイントではなくて過去に採集実績のあるところ。
ただ、その時オサムシはたった一頭しか採れなかったので、追加を期待してやってきたというわけ。
また、その時はあまり時間がなかったのか、山道の入口でしか掘らなかったと記憶。
なので今回は少し奥まで入ってみました。
ハイキングコースをしばらく進むと、一見よさそうな風景が現れました。
しかし両側ともスギの根が密生していて、かつ土がふかふかサラサラ。
こういう所は春にトラップをかけるのがいいかもしれない。
探索エリアはここだけではないので、深入りはせずに引き返すことに。
結局また今回も入口付近にある小崖で試掘開始。(もしかしたら前回と同じことをしているのかも)
一日中日陰だと思われる壁面からは、バラの花のような霜が咲いていました。
土質は申し分ないものの、掘れども掘れども何も出てこない。
やっと小崖の最上部のアゴの部分から落ちてきたのが扉の写真のスジアオの親分。
すぐ近くの林の中も見てきましたが、掘れる崖はなく、また元の場所へ戻って掘りなおし。
土隗と一緒にぼろっと落ちてきたのは子供のハチュ。
ニホントカゲ
ゴメンねと近くの穴へ埋め、さらに掘り続けることしばし。
落ちた土砂の中に何か小さな黒いものが。
ハスオビオオキバハネカクシ (ハネカクシ科)
体長約10mm。ぽいっと放りましたが、持って帰ればよかったと後悔。
続いて出たのも親分で。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
もう掘れるところもなくなってきて、カラータイマーがピコピコ鳴り始めたときにやっと。
ぽろっと目の前に落ちてきました。
アワカズサオサムシ ♂(オサムシ科)
しかもオスでよかった。
これで元気を取り戻し、掘り残したわずかな隙間や、やや砂交じりの場所も試掘していきました。
しかし、指標虫も何も出ず。常連のこの子の顔を見たところで掘り止めとしました。
ルイスオオゴミムシ (オサムシ科)
結局またもや一頭のみ。でも0と1では大違い。いることが確認できただけでも。
もう一か所、再訪したい場所があるのですが、その前に新規開拓も。
大福山を下っていく途中、これは一度も通ったことがない林道がありました。
その入口に着いてみると、通行止めの小さな看板があったのですが、行ける所までと思って突入。
多少路面に枝葉が落ちているものの、問題なく走行できて土砂崩れや倒木もない。
しばらく行くと路傍に軽トラが止まっていて、その先の道沿いに猟銃を持った人がいました。
どうやらイノシシかシカ狩りのための標識だったようですが、特に咎められることもなく。
その先にもトランシーバーを持った猟師さんがいたのでグループで狩りをしているようでした。
数キロ進むと往く手に大きな壁が。
林道はそこで分岐していて、こんな標識が。
GoogleMapでは行き止まりでしたが抜けられるのかも。
そちらへは行かず、さらに奥へと向かう道に入ってみることに。
分岐点には小崖もあったのですが、氷柱が邪魔で掘れませんでした。
所々ぬかるんでいたものの、難なく走っていると、ボウソウ名物が現れました。
素掘りのままなので、隧道の中の方がぬかるんでいます。
間もなく2本目が出現。
この隧道は反対側から見た方が内部の壁の模様がよく分かります。
林道脇に小崖がないか確認しながら進行しますが、隧道があるということは周囲は岩山。
掘れそうな場所はないまま、3本目に到着。
先の2本と代わり映えしないようですが、実はとても変な隧道なのです。
なぜかというと。
こうなっているから。
なぜ掘った?
掘りたかったからでしょうね。(違うか)
隧道の中はかなりぬかるんでいたので、脇の道を通行しました。
そしてとうとう、林道の終点に・・・と、またしてもこんな場所があったとは、驚きでした。
そこは明るい疎林の中を半ば凍った小川がゆるやかに蛇行していく、静かで小さなおとぎの世界。
バイクを降りて、少し上流へ入ってみましたが、やがて川は藪の中へと消えていく。
季節になればトンボがいるかもしれないので、また夏になったら来よう。
来た道を引き返す途中、猟師さんたちの軽トラとすれ違いました。
次の目的地はここ。(訪れたことがある方はこの写真でどこか分かるかも)
中房にはこのようなグレートな崖がいくつかありますが、こんなに近寄れる場所は少ないと思います。
2年あまり前に訪れたときは、台風の影響でここまでは入れませんでした。
ベニシジミ号を停めて、渓流に沿って散策路を歩きながら、小崖を探していきます。
掘れる場所が少ないことは分かっていたのですが、さらに減った気がしました。
とうとう一番奥まで辿り着き、渓流沿いの道はここまで、この先は森の中。
まあ、ここまで通行できることが確認できただけでもよしとしようと思い、撤退することに。
引き返しながらも根回りの土溜まりや岩壁に張り付いた土隗などを試掘していきました。
ここでもアワカズサの追加を期待していたのですが、出たのはまたしても親分一匹。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
でも越冬部屋の形がよく分かる状態で写真が撮れたので、一つの観察記録にはなったと思います。
土隗を拾って左官を施しておきました。
帰りは一度通ったことのあるルートを辿りますが、まだ時間があるので支線を探しつつゆっくり走行。
1本目の支線はスギ林の中へ続く道。入口に小崖がありましたが全くの不発でした。
2本目の支線は半舗装されていたので、ベニシジミ号で突入してみることに。
一応散策路のようでしたが、段々路面が荒れてきて、ついには行き止まり。
に見えましたが、ボブスレーコースの続きがあったので歩いて下ってみました。
両側が一見よさそうな小崖ですが、木の根が蔓延っていて掘りづらく、しかも乾燥しています。
戻りの上りが大変になるので、程々のところで引き返しました。
この先は支線が見つからないまま山を下りきり、久しぶりに「もりらじお」駅によって休憩。
お昼ぬきだったので、ムーミンドーナツとコーヒーで帰路のエネルギー補給。
成果は満足できませんでしたが、季節を変えて訪れたいポイントがいくつか見つかった探虫行でした。
オマケ
つい先日、北海道在住の若いオサ屋さんが、自作したオサムシの小冊子を入手しました。
職業がグラフィックデザイナーということで、初出版とは思えないクオリティの高さ。
記念すべき第一号は北海道特産のオオルリオサムシの特集ですが、幅広いコンテンツ。
自費出版なので、一般の書店やアマゾンでは売っていません。
今日の湯加減
もうすぐ立春。
春になるとオサホリはシーズンオフとなるので「春よ来い」とは手放しでは思いません。
でも寒いのは苦手というか、長く続くと飽きてくるので少し暖かくはなってほしい。
ところで、今日も今日とて、オサホリに行ってきました。
しかも新規ポイント探し、というか、空白エリアつぶし。
結果と詳細はまたいずれ記事化して書こうと思っています。
ちなみに、明日は明日とて、楽しみにしていたゴミホリに行きます。ボウズ覚悟で。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
cicada に敏感に反応してくださり
ありがとうございます。
なんか、びみょーですよね。"(-""-)"
by らしゅえいむ (2022-01-29 22:39)
虫ギョーカイではメジャーな雑誌の今月のトップ記事はヤマトオサムシダマシ?ゴミダマならぬオサダマ。ダマシにニセ、モドキ。でも「ウソ」や「サギ」がないだけまだ救われます。変差値一杯のボーソーの隧道、中がぬかるんで巻き道を通したのでしょうか?自費出版、高和も買えるでしょうか?
by 高和です。 (2022-01-30 09:14)
>らしゅえいむさん
ちょっと考えますね・・^^;
>高和です。さん
ゴミムシがオサムシに統合された際に、ゴミダマがオサダマとされなかったので、将来さらにおかしなことになるかもしれませんね。
冊子はTwitterで紹介されています。検索してみてください。
by ぜふ (2022-01-31 21:05)
オサムシ自費出版本、注文してみました!
届くのが楽しみです。
by 山健父 (2022-02-02 21:56)
霜は霜柱の形でしか見たことがありませんが、崖からだとこんなふうな
形になるんですね。崖から下がるツララもおもしろい。
ボウソウ名物の隧道、私もずい分と見慣れました^^;。
最後の自費出版の本、キレイですね。自分の好きなもので、こういう本を
作るのって楽しいだろうなぁ。
by sakamono (2022-02-03 21:14)
>山健父さん
間違いなく北海道へ行きたくなると思います^^
>sakamonoさん
霜も氷も、自然の造形は楽しいですね♪
隧道、まだまだありますが、また追々^^
グラフィックデザイナーもいわゆる職人ですね・・
by ぜふ (2022-02-04 21:51)
今日届きました。
ホントに今すぐ北海道に行きたくなりました(笑)
by 山健父 (2022-02-06 13:12)