"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ゴミダマと御神木とウナギ [甲虫]
ゴミムシは以前、ゴミムシ科と分類されていましたが、現在はオサムシ科にマージされています。
一方、ゴミムシダマシの仲間は”ダマシ”なんて付いていますが、元々ゴミムシ科でもありませんでした。
今もオサムシ科とは独立したゴミムシダマシ科という分類のままです。
この子もそのゴミムシダマシの仲間。
ちなみに鳥や爬虫類のエサとしてペット屋で売っているミールワームはゴミムシダマシの幼虫です。
オサ部活の翌日の1月10日、行けるときに行っておこうと北総パトロールに出発。
利根川の土手まで一気にバビューン。
陽射しがなくてどんよりしていますが、気温は10℃くらいあるのでへいちゃら。
ちょうど一年ぶり。
その時に消失を確認した御神木がひょっとしたら別の場所へ移動しているかもと探すも見つからず。
寒々とした川面にも生き物の姿はありません。
ならばと、久しぶりに川沿いの繁みの物件探しをしてみることに。
増水時に堆積した枝葉はそのまま放置されていて、場所によってはその上を歩けるほどです。
歩きながら藪の中や堆積物の中を注意深く見ていると、時々倒木を見つけられました。
良い物件かそうでないかはバチツルで叩くと分かります。
大体はカチンコチンですが、いくつかあるいは部分的に優良な物件があります。
ところが良さそうな物件でもアリやカメムシやミールワームしか出てこない。
何本か叩いて、やっとこ中身が入っている物件に当たりました。
ゴミダマではなく、ゴミムシの幼虫と思われます。(種名は不明)
その親ではないと思いますが、やっと成虫も出ました。
そして(結果として今回のタイトルになった)ゴミムシダマシも。
体長約10mm。写真では分かりにくいですが、オスは前胸にコブ状の突起があります。
しばらく物件が見つからず、別の場所の物件から出たのもゴミダマでした。
体長8.5mm~9mm。どちらも前胸に凸凹がないのでメスだと思います。
ヨツコブのメスかもしれませんが、別物件からでしたし、一回り小さいのでエグリとしておきます。
ただし、ヨツコブのオスは前出の1頭だけ。エグリは都合5頭ほど観察しました。
どこからかお昼を告げるメロディーが聞こえてきたのを機に引き返すことにしました。
復路も物件探しはしたのですが、新規は見つからず、御神木のあった所まで戻ってきたとき。
反対方向からは見えなかったのですが、藪の中に埋もれた倒木らしきものが。
ノイバラを掻き分け、堆積物を踏み抜かないように気を付けて近づくと、半没した優良物件でした。
泥や枯れた枝葉をかぶり、半ば朽ちていました。
覆っている植物をはらってむき身にしてバチツルで解体すると間もなく、久しぶりのゴミムシ登場。
体長約20mm。中脚の頸節の内側に大きな突起があるのが特徴です。(これには写っていません)
朽木の中に入っていたというよりも、被さった土の中で越冬していたのでしょう。
木も腐植となり、ミミズも大漁でした。(家の子たちのオミヤゲにお持ち帰り)
実は元の御神木はマイマイカブリたちの住処でもあって、毎年団体さんを観察していたのでした。
それが消失して以来、マイマイの姿を見ていないのですが、この木が新御神木になるかもしれない。
と思うと解体作業も躊躇してしまいました。
でもマイマイが出るかもしれないから、もうちょっとだけと、少し掘り進めていると。
こんなのが出現してドキリ。コクワガタの幼虫にしてはでかいのです。
これはひょっとして平田さんかもと、お連れすることにしました。
続けて出たこちらはおそらくコクワです。
産みの親も出してしまいましたがそっと埋め戻しました。
ここで埋没している部分の掘り出しはやめて、空中に出ている枝部を掘ってみることに。
すると、香しい匂いとともに常連さんたちが顔を出しました。
彼らは埋め戻し、上に伸びている枝部を割ると出てきたのが扉の子でした。
しかもたったの一匹。
そういえば最近あまり朽木くずしをしていないとは言え、ナガニジは朽木の常連さんなのです。
それがとんとお目にかからないし、そもそもゴミダマも少なくなっているように思えてきました。
(朽木や立ち枯れ自体が少ないとも言えますが)
という訳で、いつもはそっとしておくナガニジくんをお連れしてブロマイド撮影したわけです。
利根川河川敷からは離脱するも、下流に向かって走る帰り道。
お昼ご飯を食べに予定していたお店へ向かいました。
(祝日でも営業しているかどうかを確認してなくて心配でしたがやってました、ほっ)
それから、去年見つけた北総のとあるフィールドの様子を見に行こうと思ったのですが。
覚えている自信があったアプローチ地点が分からず、しばらく行ったり来たり。(自信は木っ端微塵)
やっとたどり着いた茶色い世界。
物件は皆無でした。
なので、物件があることが分かっている第二HF近くの谷津田へ移動。
ここの斜面林の中に倒木がいくつもあるのです。
が、叩いてみるとどれもカチンコチンか、カラカラに乾いている不良物件だらけ。
少しだけ良物件もあったのですが、何も出ない。指標虫すら出ない。
恐ろしさすら感じ始めたとき、ぽつんと一頭だけ。
その後もちょっとだけ探索し、やっとオサムシが一頭だけ。
後半戦ではまったくゴミダマは出ませんでしたが、これで気持ちが収まったので帰路につきました。
この日の前から無性にウナギを食べたくなり、どこのお店にしようかと悩んでいました。
そんなところへ当日の朝、FBの過去ログのお知らせメッセージがスマホに表示。
それによると、なんとちょうど1年前の同じ日にウナギを食べに行っていたのです。
ならば同じお店に行こうということで、利根川方面のとあるお店を訪れました。
そこで注文したのがこれ。
ウナギの天ぷらです。
尻ヒレの大きさからして、おそらく体長30cmくらいの若いウナギかと。(なので二本ついている)
食べ終わってお勘定を頼むと、女将さんが「どこからいらしたの?」と話しかけてくれました。
「チバ県民ですけど湾岸方面から来ました」と応えると、「それなら初めてでしょ?」と。
「いえ、実はちょうど一年前の今日、来たんです」
「あらそう、でもその時、天ぷらありましたか?」
「注文したけどなくて、今日やっと食べられてよかったです」
「うちは天然のを使っているんですけど、天ぷら用のはなかなか入らないんですよ」
「そうなんですね、若いウナギですよね?」
「そうなの、どうでしたか?味は」
「普通のウナギと違って脂が少なくてさっぱりしてました」
「それはよかった、大きいのだと脂っこくて天ぷらだとちょっとね」
そう、ウナギの天ぷらがあるというので一年前に訪れたのでした。
ごはんと肝吸いとデザートがついて税込み2600円。
また来年も来よう。(事前に電話で入荷を確認してね)
今日の湯加減
一方、ゴミムシダマシの仲間は”ダマシ”なんて付いていますが、元々ゴミムシ科でもありませんでした。
今もオサムシ科とは独立したゴミムシダマシ科という分類のままです。
この子もそのゴミムシダマシの仲間。
ちなみに鳥や爬虫類のエサとしてペット屋で売っているミールワームはゴミムシダマシの幼虫です。
オサ部活の翌日の1月10日、行けるときに行っておこうと北総パトロールに出発。
利根川の土手まで一気にバビューン。
陽射しがなくてどんよりしていますが、気温は10℃くらいあるのでへいちゃら。
ちょうど一年ぶり。
その時に消失を確認した御神木がひょっとしたら別の場所へ移動しているかもと探すも見つからず。
寒々とした川面にも生き物の姿はありません。
ならばと、久しぶりに川沿いの繁みの物件探しをしてみることに。
増水時に堆積した枝葉はそのまま放置されていて、場所によってはその上を歩けるほどです。
歩きながら藪の中や堆積物の中を注意深く見ていると、時々倒木を見つけられました。
良い物件かそうでないかはバチツルで叩くと分かります。
大体はカチンコチンですが、いくつかあるいは部分的に優良な物件があります。
ところが良さそうな物件でもアリやカメムシやミールワームしか出てこない。
何本か叩いて、やっとこ中身が入っている物件に当たりました。
ゴミダマではなく、ゴミムシの幼虫と思われます。(種名は不明)
その親ではないと思いますが、やっと成虫も出ました。
アオゴミムシ (オサムシ科)
そして(結果として今回のタイトルになった)ゴミムシダマシも。
ヨツコブゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
体長約10mm。写真では分かりにくいですが、オスは前胸にコブ状の突起があります。
しばらく物件が見つからず、別の場所の物件から出たのもゴミダマでした。
エグリゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
体長8.5mm~9mm。どちらも前胸に凸凹がないのでメスだと思います。
ヨツコブのメスかもしれませんが、別物件からでしたし、一回り小さいのでエグリとしておきます。
ただし、ヨツコブのオスは前出の1頭だけ。エグリは都合5頭ほど観察しました。
どこからかお昼を告げるメロディーが聞こえてきたのを機に引き返すことにしました。
復路も物件探しはしたのですが、新規は見つからず、御神木のあった所まで戻ってきたとき。
反対方向からは見えなかったのですが、藪の中に埋もれた倒木らしきものが。
ノイバラを掻き分け、堆積物を踏み抜かないように気を付けて近づくと、半没した優良物件でした。
泥や枯れた枝葉をかぶり、半ば朽ちていました。
覆っている植物をはらってむき身にしてバチツルで解体すると間もなく、久しぶりのゴミムシ登場。
オオマルガタゴミムシ (オサムシ科)
体長約20mm。中脚の頸節の内側に大きな突起があるのが特徴です。(これには写っていません)
朽木の中に入っていたというよりも、被さった土の中で越冬していたのでしょう。
木も腐植となり、ミミズも大漁でした。(家の子たちのオミヤゲにお持ち帰り)
実は元の御神木はマイマイカブリたちの住処でもあって、毎年団体さんを観察していたのでした。
それが消失して以来、マイマイの姿を見ていないのですが、この木が新御神木になるかもしれない。
と思うと解体作業も躊躇してしまいました。
でもマイマイが出るかもしれないから、もうちょっとだけと、少し掘り進めていると。
こんなのが出現してドキリ。コクワガタの幼虫にしてはでかいのです。
これはひょっとして平田さんかもと、お連れすることにしました。
続けて出たこちらはおそらくコクワです。
産みの親も出してしまいましたがそっと埋め戻しました。
コクワガタ ♀ (クワガタムシ科)
ここで埋没している部分の掘り出しはやめて、空中に出ている枝部を掘ってみることに。
すると、香しい匂いとともに常連さんたちが顔を出しました。
アオゴミムシ (オサムシ科)
彼らは埋め戻し、上に伸びている枝部を割ると出てきたのが扉の子でした。
ナガニジゴミムシダマシ (ゴミムシダマシ科)
しかもたったの一匹。
そういえば最近あまり朽木くずしをしていないとは言え、ナガニジは朽木の常連さんなのです。
それがとんとお目にかからないし、そもそもゴミダマも少なくなっているように思えてきました。
(朽木や立ち枯れ自体が少ないとも言えますが)
という訳で、いつもはそっとしておくナガニジくんをお連れしてブロマイド撮影したわけです。
利根川河川敷からは離脱するも、下流に向かって走る帰り道。
お昼ご飯を食べに予定していたお店へ向かいました。
(祝日でも営業しているかどうかを確認してなくて心配でしたがやってました、ほっ)
それから、去年見つけた北総のとあるフィールドの様子を見に行こうと思ったのですが。
覚えている自信があったアプローチ地点が分からず、しばらく行ったり来たり。(自信は木っ端微塵)
やっとたどり着いた茶色い世界。
物件は皆無でした。
なので、物件があることが分かっている第二HF近くの谷津田へ移動。
ここの斜面林の中に倒木がいくつもあるのです。
が、叩いてみるとどれもカチンコチンか、カラカラに乾いている不良物件だらけ。
少しだけ良物件もあったのですが、何も出ない。指標虫すら出ない。
恐ろしさすら感じ始めたとき、ぽつんと一頭だけ。
アオゴミムシ (オサムシ科)
その後もちょっとだけ探索し、やっとオサムシが一頭だけ。
クロナガオサムシ ♀ (オサムシ科)
後半戦ではまったくゴミダマは出ませんでしたが、これで気持ちが収まったので帰路につきました。
長編のオマケ
この日の前から無性にウナギを食べたくなり、どこのお店にしようかと悩んでいました。
そんなところへ当日の朝、FBの過去ログのお知らせメッセージがスマホに表示。
それによると、なんとちょうど1年前の同じ日にウナギを食べに行っていたのです。
ならば同じお店に行こうということで、利根川方面のとあるお店を訪れました。
そこで注文したのがこれ。
ウナギの天ぷらです。
尻ヒレの大きさからして、おそらく体長30cmくらいの若いウナギかと。(なので二本ついている)
食べ終わってお勘定を頼むと、女将さんが「どこからいらしたの?」と話しかけてくれました。
「チバ県民ですけど湾岸方面から来ました」と応えると、「それなら初めてでしょ?」と。
「いえ、実はちょうど一年前の今日、来たんです」
「あらそう、でもその時、天ぷらありましたか?」
「注文したけどなくて、今日やっと食べられてよかったです」
「うちは天然のを使っているんですけど、天ぷら用のはなかなか入らないんですよ」
「そうなんですね、若いウナギですよね?」
「そうなの、どうでしたか?味は」
「普通のウナギと違って脂が少なくてさっぱりしてました」
「それはよかった、大きいのだと脂っこくて天ぷらだとちょっとね」
そう、ウナギの天ぷらがあるというので一年前に訪れたのでした。
ごはんと肝吸いとデザートがついて税込み2600円。
また来年も来よう。(事前に電話で入荷を確認してね)
今日の湯加減
大寒は過ぎましたが、立春まではまだ寒の内。
毎年、この頃になると寒いのに飽きてきて、冬眠したくなります。
でも去年も今年もチバは、暖冬とまで言えないものの、厳しい寒さは感じません。
なぜなら外出するときに手袋なしでも平気だし、昼間は息も白くならないし。(マスク関係なく)
ところが今朝はかなり寒かった。ベニシジミ号が一発始動できなかったほど。
それでも昼間は日向なら、走っていてもお日様の暖かさを感じました。
さりとて陽が沈んでしまうと・・・・ああ、寒かった。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ウナ天、高和もお相伴しとうございました。長女がシラスの頃から育てているウナ公がちょうどお手頃サイズかと。
で、公共交通機関だとどのあたりでしょうか?
ニジゴミ、嵌まりそうです。
by 高和です。 (2022-01-23 09:40)
鰻の天ぷら、珍しいでやすね。
なるほど、やはり脂が多い鰻は不向きで、天ぷら用になれる鰻というのがあるのでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-01-26 14:40)
楽しそうな虫探しですね。それにしてもよく見つけますね。虫の気持ちになって越冬場所を探し当てるんですか?
by モリガメ (2022-01-26 23:09)
なにかと餌になっちゃうミルワームは
育つのレインボーになるのですね。
ウナギの天ぷらはなかなか見ないので食べてみたいです。
ハモみたいな感じかな?
by 響 (2022-01-27 17:28)
>高和です。さん
いくらお手頃でもペットの子に触手は伸びないですよね^^
駅は成田線の木下です。もしも通ることがあればぜひ。
>ぼんぼちぼちぼちさん
はじめて食べましたが、素材は同じでも蒲焼とは別の食べ物でした。
脂が多いと美味しくないのでしょうね。
>モリガメさん
越冬している環境は、慣れれば分かるようになります。
さらに増して、虫の気持ちになれるよう精進します^^
>響さん
売ってるミールワームは地味な成虫になります >.<
ウナギの天ぷらは、ハモともちょっと違って・・もっと淡白です。
by ぜふ (2022-01-27 18:08)
扉の子、ため息が出るほど美しいですね。
ナガニジゴミムシダマシというのですか。「ニジ」は「虹」なのかな。
ゴミダマがゴミムシダマシのことだと途中で気がつきました。
そして御神木というのも、神社などに祀られている木のことではなく、
優良物件のこと? と思い至りました^^;。
by sakamono (2022-01-27 21:19)
>sakamonoさん
もろもろご賢察のとおりです。
ナガニジは集団でいるのが普通なのですけど・・それがまた美しいです。
by ぜふ (2022-01-28 21:40)