"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ルイスリベンジ [オサムシ]
新年おめでとうございます。
週刊でアップしているムシブロですが、今年はちょうど元日が発行日になりました。
ムシブロを続けられていることは幸せなことですが、週刊で書くのが段々と辛くなってきました。
内容は大したことないのでネタの収集が大変だということが理由ではありません。
年々書く速度が低下しているのか、時間が足りなくなってきています。
なんてことをグダグダ書いているからですね。
今回は12月の初めにボウソウした、大変不満足なオサホリ行のリベンジに心を燃やした記事です。
まずそのときのターゲット2種のおさらいをしておくと。
エサキオサムシはクロオサムシの関東地方北西部亜種。
(北西部の亜種なのに、なぜかボウソウに飛び地的に分布する)
アワカズサオサムシはルイスオサムシの南房総亜種。
訪れたのは、エサキオサムシとアワカズサオサムシが同所的に分布しているという場所。
でもTさんの「同所分布はだいたい採るのきびしいんですよねー」という呪いの言葉が当たり、
エサキは何頭か採れたものの、アワカズサは一頭も採れなかったのです。
ただ、入った林道がとても長くて時間切れとなり、目的のエリアまで辿り着いていなかった可能性も。
そこで、まずはもう一度ロケハンをして場所をしっかり確認して、あらためて突入を試みたのです。
まずは再ロケハンの日のことから。
前回、東側からのアプローチが見つからなかったのですが、もう一度探してみることに。
GoogleMapで見ると、おそらくこの辺りだと思われたところへ再度突入。
この写真の分岐の右側は民家の庭へ。左側は車がとまっていて道が閉ざされているように見えます。
しかし、ベニシジミ号を降りて軽ワゴンの横をすり抜けてみると、道が続いていることが判明。
そうか、だまされていたのだと合点し、装備を整えていざ突撃。
すぐにバイクでも通行困難な荒れた小道になりましたが、用水路というか堰に沿って道は続きます。
水路の反対側には小さな湿地が広がっている所もあって、オサゴミがいそうな良い雰囲気。
藪で遮られているように見えますが入っていきます。
護岸された水路は延々と続きますが。
やがて分岐が現れました。
野生の勘で左に進路をとりましたが、しばらく進むと今度は突入しづらそうな藪が立ちはだかった。
しかもその奥からかすかに、ピコーンピコーンという信号音が聞こえてきました。
これはきっと猟犬の首輪から発せられるビーコンの音。
襲われることはないとは思うものの、出会いたくもないので踵を返し、先の分岐を右へ。
一旦見えなくなっていた水路も現れました。
途中で護岸が崩落している箇所もありました。
それでも難なく先へ進めたので、しばらく林の中を歩いていると・・冒険のアイテム発見。
「ポンポンポポ、ポロロロロ~ン♪」という効果音が聞こえてきそうでした。
ところが、アイテムを活用するチャンスも現れず、とうとう多数の倒木で行く手は閉ざされたのです。
水路の反対側へ廻れば林内を先に進めそうではあるけれど道はなさそう。
前回遭遇した理科の先生が、そんな道なき道を歩いてきたとは思えないので退却することに。
さあ困った。
ここはあえて西側から林道を詰めていき、出口を見つけるのが確実だと判断しました。
ところでお腹がすいたので、ここまで来たらちょっと距離はあるけどカモガワまでバビューン。
いつになくお昼時に到着したのですが運よくお客さんは一組しかいませんでした。
今日はシンプルに、とマスターが出してくれたのは何故かメニューにはない醤油ラーメン。
それとギョウザも注文。
醤油臭さもなく、菜花のほんのりした苦みと香りがアクセントのまさにシンプルな一杯でした。
ギョウザの皮も薄く改良されていてレベルアップしていました。
仕事はこれからなので早々に店を出て、西側のアプローチに向かいました。
前回、車はもう少し手前に停めましたが、バイクでもここが限界でした。
林道の全長が不明のため、装備はしているものの、土の固さを確かめる以外は試掘もせずにただ歩く。
結局、約4キロ歩き、やっと東側に出られました。
そこは冒頭の地点と、その後に突入して神社で行き止まりだった地点の中間。
何と民家の脇で、離れた場所から見たため、様子を見に行こうとは思わなかったのです。
とにかく東側のアプローチはしっかり分かったので今回の目的はほぼ達成。
陽が傾いてきたので、林道を引き返す途中も試掘はしませんでしたが、道中の環境は分かりました。
1時間ほど歩いたところで、またアイテムを発見。
この道しるべは前回も見たけど、こんなものはなかったぞ。
一体だれが何のために置いたのか分かりませんが、とても懐かしいアイテム。
武器にはなりそうにないのでそのままにし、やっとこさベニシジミ号まで戻ってきました。
キメラの翼はないけれど、ベニシジミ号よ、家まで連れて帰ってくれ。
(フグを投げたら帰れたのかも)
さあ、リベンジの当日です。
もうロスタイムはないはずなので、今年一番の寒さだった(?)こともあり、ゆっくり出発。
いつものようにR16を南下して姉ヶ崎から久留里街道に入り、R410でクルリを過ぎた頃。
予定行動でしたが、一度寄ってみたかった道の駅(?)にピットイン。
ここの地場野菜を使ったラーメンを食べてみたかったのです。
野菜の天ぷらが入っていてスープがポタージュという、不味くはないけどとにかくしょっぱかった。
さて、ここが東側の入口です。
左奥の道は細くて荒れていて、歩くのは難ないのですが、まもなくバイクは通せんぼになります。
この手前にベニシジミ号を停め、装備を整えて作戦開始。
倒木をくぐるとトライアルコース。
このエリアは東西に抜ける道がないので、この道も昔は便利な生活道だったのでしょう。
しばらく山側は苔むした石垣が続きますが、それが途切れると斜面林が現れ、小崖がありました。
満を持しての試掘開始です。
片端からカニ歩きしつつ、掘っていきますが、ゴミムシも出ず、ミミズ以外は指標虫も出ない。
一つ目のポイントは何も成果なし。
例によって林縁の土はサラサラかふわふわでしたが、二つ目のポイントもだいたい掘りつくしたとき。
ぽろっと出ました。誰かが目の前の土の上にぽんと置いてくれたかのように。
いきなり本命でした。
アワカズサを採ってこんなに嬉しかったのは初採集のとき以来だと思いました。
でも意外とあっさり出たので楽観したのもつかの間でした。
まったく追加できません。
状態がよさそうな崖がないこともあり、また呪いの言葉が脳裏をかすめ、嫌な予感がふつふつと。
ゴミムシさえ出ないまましばらく探虫していると、一本目の隧道が現れました。
(このルートには三つの隧道があることはロケハンで確認済み)
ボウソウらしい素掘りの隧道はトンネリスト垂涎ですが、周辺が荒れすぎ。
トンネルではなく切通も現れます。
つまり、この辺りは両側が岩盤で、掘れるところがほとんどありません。
それでも岩盤に張り付いた土隗の裏や、木の根下の土溜まりはチェックしていきました。
が何も成果がないまま二本目が出現。
この隧道は反対側から見た方が美しい。
虫が出ないから隧道の写真を載せているとも言えますが、リベンジの炎が消えたわけではありません。
ミッション達成をイメージしてがんばりました。
するとやっと小さなゴミムシが顔をだした。
これが指標虫だったというわけではなく、周囲からは何も出ません。
でもめげることなく、狭くわずかでも土質のよさそうなところをコツコツ掘っていると。
糸状の木の根に足がひっかかってぶら下がる、久しぶりに見ると巨大に感じる姿が現れました。
ボウソウでは珍しい、アオオサムシらしい青いアオオサムシ。
もう何だか懐かしいという感慨もというと大げさかもしれませんが、息継ぎができた感じ。
でも本命は出ません。
岩盤の裏の間隙から出たのは。
土の中ではちゃんと土の色に同化するのですね。(そっと埋め戻しておきました)
この長い林道はずっと閉鎖的なのですが、2か所ほど視界が開ける場所があります。
見渡す南房方面は、まったく高い山がないのが分かります。
心折れることなく、掘り続けたのですが、とうとう三本目の隧道まで来てしまい、がっくり項垂れた。
この隧道の先はまったくといっていいほど掘れる場所がないことがロケハンで分かっていたから。
同所的分布エリアもこの辺りまでだろうということで、ここを西の端としていたのです。
というわけで、引き返します。
もちろん、引き返しながらも試掘はしていくのですが、ほんとにもう掘りつくしてしまった。
でも来るときには見えなかった、谷側に崩落したところに降りてみました。
そう、崖はないようで、実は今歩いている地面が崖の上部ということもあるのです。
振り仰ぐと、いい土質の土壁がありました。でも何も出ない。
木の根周りの小さな間隙を、ここにいるだろう!とサクッとバチツルを入れると。
本命ではないけど、前回もっとも多かった種がやっと出た。
続けて出たのは親分。
そういえば親分もこの日お初でした。
こんなに人気のない、荒れた環境の廃道なのに、これほど土中の虫影が薄い理由は何でしょう。
そんな自問をしながら、掘り残したところはないかと歩く帰り道。
二本目の隧道のすぐ手前の、固い土を叩くと、現れた空隙に見慣れないのがちょこんといました。
幼虫がたった一匹でこんな土の中で越冬しているのは初めて見ました。
二本目の隧道をくぐり。
とうとう一本目の隧道まで戻ってきてしまいました。
もう間もなく出発点というところで、斜面林を登ってみることにしました。
バチツルをピッケル代わりにして登り詰めたところはボウソウらしい小さな尾根でその向こうは断崖。
尾根を伝いながら降りていくと東側の入口エリアが一望できました。
結局、本命は最初に出た一頭だけ。
もう一つの本命は終に出せず。
しかし、前回エサキが出た神社の参道の入口と、今回アワカズサが出た地点の座標を確認すると。
経度は数秒違うだけでほぼ同じ。緯度は約30秒の違い。
つまりアワカズサが出たポイントは参道の真南で距離も近いということ。
すなわち2種は同所的に分布しているといえることが確認できました。
最後に2種の比較をしておきます。
どちらも大きさも形も色もよく似ていますが。
エサキは頭部側から光を当てると青く見え、アワカズサは青くは見えません。
また、エサキの足は全体的に黒い一方、アワカズサはフ節と頸節が赤いことで判別できます。
とにかく厳しい試合会場でした。
ここはオサホリではなく、夏にトラップを仕掛けに、再度リベンジしようと思います。
この林道の途中、岩盤を穿って作られた人工物がいくつかありました。
どれも違う高さの二つの穴でできていて、低い方は比較的大きな穴で、高い方は小さい。
何のためのものかは不明です。
今日の湯加減
週刊でアップしているムシブロですが、今年はちょうど元日が発行日になりました。
ムシブロを続けられていることは幸せなことですが、週刊で書くのが段々と辛くなってきました。
内容は大したことないのでネタの収集が大変だということが理由ではありません。
年々書く速度が低下しているのか、時間が足りなくなってきています。
なんてことをグダグダ書いているからですね。
今回は12月の初めにボウソウした、大変不満足なオサホリ行のリベンジに心を燃やした記事です。
まずそのときのターゲット2種のおさらいをしておくと。
エサキオサムシはクロオサムシの関東地方北西部亜種。
(北西部の亜種なのに、なぜかボウソウに飛び地的に分布する)
アワカズサオサムシはルイスオサムシの南房総亜種。
訪れたのは、エサキオサムシとアワカズサオサムシが同所的に分布しているという場所。
でもTさんの「同所分布はだいたい採るのきびしいんですよねー」という呪いの言葉が当たり、
エサキは何頭か採れたものの、アワカズサは一頭も採れなかったのです。
ただ、入った林道がとても長くて時間切れとなり、目的のエリアまで辿り着いていなかった可能性も。
そこで、まずはもう一度ロケハンをして場所をしっかり確認して、あらためて突入を試みたのです。
まずは再ロケハンの日のことから。
前回、東側からのアプローチが見つからなかったのですが、もう一度探してみることに。
GoogleMapで見ると、おそらくこの辺りだと思われたところへ再度突入。
この写真の分岐の右側は民家の庭へ。左側は車がとまっていて道が閉ざされているように見えます。
しかし、ベニシジミ号を降りて軽ワゴンの横をすり抜けてみると、道が続いていることが判明。
そうか、だまされていたのだと合点し、装備を整えていざ突撃。
すぐにバイクでも通行困難な荒れた小道になりましたが、用水路というか堰に沿って道は続きます。
水路の反対側には小さな湿地が広がっている所もあって、オサゴミがいそうな良い雰囲気。
藪で遮られているように見えますが入っていきます。
護岸された水路は延々と続きますが。
やがて分岐が現れました。
野生の勘で左に進路をとりましたが、しばらく進むと今度は突入しづらそうな藪が立ちはだかった。
しかもその奥からかすかに、ピコーンピコーンという信号音が聞こえてきました。
これはきっと猟犬の首輪から発せられるビーコンの音。
襲われることはないとは思うものの、出会いたくもないので踵を返し、先の分岐を右へ。
一旦見えなくなっていた水路も現れました。
途中で護岸が崩落している箇所もありました。
それでも難なく先へ進めたので、しばらく林の中を歩いていると・・冒険のアイテム発見。
「ポンポンポポ、ポロロロロ~ン♪」という効果音が聞こえてきそうでした。
ところが、アイテムを活用するチャンスも現れず、とうとう多数の倒木で行く手は閉ざされたのです。
水路の反対側へ廻れば林内を先に進めそうではあるけれど道はなさそう。
前回遭遇した理科の先生が、そんな道なき道を歩いてきたとは思えないので退却することに。
さあ困った。
ここはあえて西側から林道を詰めていき、出口を見つけるのが確実だと判断しました。
ところでお腹がすいたので、ここまで来たらちょっと距離はあるけどカモガワまでバビューン。
いつになくお昼時に到着したのですが運よくお客さんは一組しかいませんでした。
今日はシンプルに、とマスターが出してくれたのは何故かメニューにはない醤油ラーメン。
それとギョウザも注文。
醤油臭さもなく、菜花のほんのりした苦みと香りがアクセントのまさにシンプルな一杯でした。
ギョウザの皮も薄く改良されていてレベルアップしていました。
仕事はこれからなので早々に店を出て、西側のアプローチに向かいました。
前回、車はもう少し手前に停めましたが、バイクでもここが限界でした。
林道の全長が不明のため、装備はしているものの、土の固さを確かめる以外は試掘もせずにただ歩く。
結局、約4キロ歩き、やっと東側に出られました。
そこは冒頭の地点と、その後に突入して神社で行き止まりだった地点の中間。
何と民家の脇で、離れた場所から見たため、様子を見に行こうとは思わなかったのです。
とにかく東側のアプローチはしっかり分かったので今回の目的はほぼ達成。
陽が傾いてきたので、林道を引き返す途中も試掘はしませんでしたが、道中の環境は分かりました。
1時間ほど歩いたところで、またアイテムを発見。
この道しるべは前回も見たけど、こんなものはなかったぞ。
一体だれが何のために置いたのか分かりませんが、とても懐かしいアイテム。
武器にはなりそうにないのでそのままにし、やっとこさベニシジミ号まで戻ってきました。
キメラの翼はないけれど、ベニシジミ号よ、家まで連れて帰ってくれ。
(フグを投げたら帰れたのかも)
さあ、リベンジの当日です。
もうロスタイムはないはずなので、今年一番の寒さだった(?)こともあり、ゆっくり出発。
いつものようにR16を南下して姉ヶ崎から久留里街道に入り、R410でクルリを過ぎた頃。
予定行動でしたが、一度寄ってみたかった道の駅(?)にピットイン。
ここの地場野菜を使ったラーメンを食べてみたかったのです。
ベジ白湯ラーメン
野菜の天ぷらが入っていてスープがポタージュという、不味くはないけどとにかくしょっぱかった。
さて、ここが東側の入口です。
左奥の道は細くて荒れていて、歩くのは難ないのですが、まもなくバイクは通せんぼになります。
この手前にベニシジミ号を停め、装備を整えて作戦開始。
倒木をくぐるとトライアルコース。
このエリアは東西に抜ける道がないので、この道も昔は便利な生活道だったのでしょう。
しばらく山側は苔むした石垣が続きますが、それが途切れると斜面林が現れ、小崖がありました。
満を持しての試掘開始です。
片端からカニ歩きしつつ、掘っていきますが、ゴミムシも出ず、ミミズ以外は指標虫も出ない。
一つ目のポイントは何も成果なし。
例によって林縁の土はサラサラかふわふわでしたが、二つ目のポイントもだいたい掘りつくしたとき。
ぽろっと出ました。誰かが目の前の土の上にぽんと置いてくれたかのように。
いきなり本命でした。
アワカズサオサムシ ♂ (オサムシ科)
アワカズサを採ってこんなに嬉しかったのは初採集のとき以来だと思いました。
でも意外とあっさり出たので楽観したのもつかの間でした。
まったく追加できません。
状態がよさそうな崖がないこともあり、また呪いの言葉が脳裏をかすめ、嫌な予感がふつふつと。
ゴミムシさえ出ないまましばらく探虫していると、一本目の隧道が現れました。
(このルートには三つの隧道があることはロケハンで確認済み)
ボウソウらしい素掘りの隧道はトンネリスト垂涎ですが、周辺が荒れすぎ。
トンネルではなく切通も現れます。
つまり、この辺りは両側が岩盤で、掘れるところがほとんどありません。
それでも岩盤に張り付いた土隗の裏や、木の根下の土溜まりはチェックしていきました。
が何も成果がないまま二本目が出現。
この隧道は反対側から見た方が美しい。
虫が出ないから隧道の写真を載せているとも言えますが、リベンジの炎が消えたわけではありません。
ミッション達成をイメージしてがんばりました。
するとやっと小さなゴミムシが顔をだした。
未同定
これが指標虫だったというわけではなく、周囲からは何も出ません。
でもめげることなく、狭くわずかでも土質のよさそうなところをコツコツ掘っていると。
糸状の木の根に足がひっかかってぶら下がる、久しぶりに見ると巨大に感じる姿が現れました。
ボウソウでは珍しい、アオオサムシらしい青いアオオサムシ。
アオオサムシ ♂ (オサムシ科)
もう何だか懐かしいという感慨もというと大げさかもしれませんが、息継ぎができた感じ。
でも本命は出ません。
岩盤の裏の間隙から出たのは。
アマガエル
土の中ではちゃんと土の色に同化するのですね。(そっと埋め戻しておきました)
この長い林道はずっと閉鎖的なのですが、2か所ほど視界が開ける場所があります。
見渡す南房方面は、まったく高い山がないのが分かります。
心折れることなく、掘り続けたのですが、とうとう三本目の隧道まで来てしまい、がっくり項垂れた。
この隧道の先はまったくといっていいほど掘れる場所がないことがロケハンで分かっていたから。
同所的分布エリアもこの辺りまでだろうということで、ここを西の端としていたのです。
というわけで、引き返します。
もちろん、引き返しながらも試掘はしていくのですが、ほんとにもう掘りつくしてしまった。
でも来るときには見えなかった、谷側に崩落したところに降りてみました。
そう、崖はないようで、実は今歩いている地面が崖の上部ということもあるのです。
振り仰ぐと、いい土質の土壁がありました。でも何も出ない。
木の根周りの小さな間隙を、ここにいるだろう!とサクッとバチツルを入れると。
クロナガオサムシ (オサムシ科)
本命ではないけど、前回もっとも多かった種がやっと出た。
続けて出たのは親分。
スジアオゴミムシ (オサムシ科)
そういえば親分もこの日お初でした。
こんなに人気のない、荒れた環境の廃道なのに、これほど土中の虫影が薄い理由は何でしょう。
そんな自問をしながら、掘り残したところはないかと歩く帰り道。
二本目の隧道のすぐ手前の、固い土を叩くと、現れた空隙に見慣れないのがちょこんといました。
ハゴロモの仲間
幼虫がたった一匹でこんな土の中で越冬しているのは初めて見ました。
二本目の隧道をくぐり。
とうとう一本目の隧道まで戻ってきてしまいました。
もう間もなく出発点というところで、斜面林を登ってみることにしました。
バチツルをピッケル代わりにして登り詰めたところはボウソウらしい小さな尾根でその向こうは断崖。
尾根を伝いながら降りていくと東側の入口エリアが一望できました。
結局、本命は最初に出た一頭だけ。
もう一つの本命は終に出せず。
しかし、前回エサキが出た神社の参道の入口と、今回アワカズサが出た地点の座標を確認すると。
経度は数秒違うだけでほぼ同じ。緯度は約30秒の違い。
つまりアワカズサが出たポイントは参道の真南で距離も近いということ。
すなわち2種は同所的に分布しているといえることが確認できました。
最後に2種の比較をしておきます。
どちらも大きさも形も色もよく似ていますが。
エサキは頭部側から光を当てると青く見え、アワカズサは青くは見えません。
また、エサキの足は全体的に黒い一方、アワカズサはフ節と頸節が赤いことで判別できます。
左:エサキオサムシ、右:アワカズサオサムシ
とにかく厳しい試合会場でした。
ここはオサホリではなく、夏にトラップを仕掛けに、再度リベンジしようと思います。
オマケ
この林道の途中、岩盤を穿って作られた人工物がいくつかありました。
どれも違う高さの二つの穴でできていて、低い方は比較的大きな穴で、高い方は小さい。
何のためのものかは不明です。
今日の湯加減
”一年の計は元旦にあり”と云いますが。
そうそう一年間の計画を簡単には立てられないし、立てても計画通りにいくとは限らない。
目標やゴールは設定していいかも知れませんが、そんな大層なものもありません。
ただ、虫の研究は続け、今年も報文を出したいと思っています。
あ、それと、今年もムシブロを続けられますように。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
明けましておめでとうございます。
あまりに寒すぎて冬眠中です(笑)
by ごろすけ (2022-01-02 08:52)
明けましておめでとうございやす!
アマガエルが土の中だと土色になるの、知りやせんでやした。
びっくりと同時に感心しやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-01-02 14:16)
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
未知の世界を覗かせて頂くようで、楽しいです^^
アオオサムシ♂ 綺麗ですね♪
by いろは (2022-01-02 15:53)
今年もムシブロを楽しませていただきます。よろしくお願いいたします。
さてゼフさん、何とかリベンジが成って宜しゅうございました。お喜び申し上げます。
高和のリベンジは島々谷です。今年行きそびれると・・・
by 高和です。 (2022-01-02 16:43)
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願い致します
by (。・_・。)2k (2022-01-02 22:33)
明けましておめでとうございます。
昨年は、色々とお世話になりました。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
by ネオ・アッキー (2022-01-03 06:26)
あけましておめでとうございます^^
今年もいろいろお世話になると思います(笑)
元日は香川照之の昆虫すごいぜ!を見て、やっぱり昆虫って凄い!と感動しておりました。
今年はマンションの大規模修繕があって
ベランダが使えない日が増えそうです。
カブトムシのお世話をどこでやるか、頭を悩ましております。
部屋の中でフタをあけたら、コバエ出てきちゃうし・・・
6匹の幼虫が無事に成虫になっても、今年はこの6匹で頑張って次の世代に繋いでもらうしかないかな。増やすとお世話が出来なそうで;;
by リュカ (2022-01-03 11:54)
皆さま 新年おめでとうございます
今年もムシブロをよろしくお願いいたします
>ごろすけさん
グリップヒーターもなしでボウソウしてます^^
>ぼんぼちぼちぼちさん
ニホンアマガエルの特技ですね♪
>いろはさん
おめでたい色ですね^^
>高和です。さん
まだ満足はしていません、夏に再戦を挑みます!
> (。・_・。)2kさん
ソネブロも続きますように
>ネオ・アッキーさん
生き物系ブログが増えますように・・
>リュカさん
玄関はどうでしょうか?
コバエは一旦根絶させましょう。やり方わからなければ別途^^
by ぜふ (2022-01-03 12:18)
コバエ!根絶のさせかた教えて下さい!!!!
by リュカ (2022-01-05 08:42)
わたしも年々記事を書く間隔が長くなっています(笑)
しかしさすが房総らしくステキな隧道が多いですね。
アマガエルって冬眠してるときってそんな色だったことにビックリ。
by 響 (2022-01-05 17:05)
メニューにない醤油ラーメンが、菜の花がのっていてとてもうまそう。
こんなラーメンが食べたい。ナゾのフクは何でしょうね。お酒を入れて
お燗にするとか。口の部分が注ぎ口で^^;。あと、トンネルの内壁が
なめらかでとても美しいと思いました。タイトルバナーが変わりましたね。
この虫、見たことがあるように思いますが...思い出せない^^;。
by sakamono (2022-01-06 22:53)
>リュカさん
またシーズンになったら^^/
>響さん
倒木やがけ崩れが放置されていて通れない隧道もあるのが辛いです。
シュレーゲルなどのアオガエルにはできないワザですね^^
>sakamonoさん
これがメニューにないのがほんと不思議です。
酒燗器ですね、昔実家にもありました^^
タイトルバナーは干支にちなんでオオトラフコガネです。
by ぜふ (2022-01-07 22:26)