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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

いやしむし [日記]

この時期、虫屋にとっては端境期というか、フィールドワークの対象がとても少なくなります。

なので、大体いつも、展示会や博物館や生物園の見学に出かけることが多いのですが。

うちの子紹介というテーマでもなく、11月のことをオムニバスでお送りします。

まずは、先日お迎えしたゲンちゃんズを紹介します。

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ゲンゴロウ (ゲンゴロウ科)


迎えたのは一匹ではなく、計10匹。

ここに来て、元々いた子たちが寿命に近づき、ぽつぽつと★になりつつあったので。

まだアクアリウム制作中なので全体の様子は載せられませんが、底に沈めた隠れ家によく集まります。

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ゲンゴロウ玉


ひっくり返っているように見えるのは、水槽の底にお腹が映っているからです。

ガラス越しだとなかなかクリアな写真が撮れませんが、ブロマイド的なのを一枚。

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ゲンゴロウ (ゲンゴロウ科)


くりくりの目がかわいいですが、実は目はよくありません。

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もう一種、インセクトフェアからお連れしたのはゾウムシで、こんなセットにしてみました。

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水槽の底に昆虫マットを詰めて、その上にドングリのカーペットを敷き詰めています。

葉っぱはサンゴジュとマテバシイ。

居心地はどうですかね?

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クロカタゾウムシ (ゾウムシ科)


南方系の虫なので、水槽の下にはパネルヒーターを敷いています。

というわけで、爾来彼らに癒される日々です。

scarabe.gif


ところで、11月のエピソードをもう一つ。

インセクトフェアの前の週に、大切な用事があって、いつもの神奈川某所のTさん家へ電車でGO!
(片道2時間半の旅です)

残念ながら結果は不発だったので、憂さ晴らしに午後からTさんと昆虫採集に出かけました。

向かったのは先日も訪れた山。

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ただ、今回のターゲットはコルリクワガタで、潜入している材を探し歩くというFW。

ところがこれが全く見つからない。

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ブナ林の斜面を2時間ほどローラーするも、見つけたのは出がらしの材のみ。

あきらめムードになりつつも、せっかくなので山頂まで登ろうということになりました。

その途中、トレッキングルート沿いにタヌキの糞を見つけたので掘ってみると・・いました。

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センチコガネ (センチコガネ科)


そして間もなく登頂。富士山の陰も見えました。

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あきらめの悪い二人は下山しながらも材探しをしたところ、Tさんが見本のような材を見つけました。

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【●】のマークがコルリクワガタの産卵痕です。

ただ、割ってみたところ、残念ながらこれも出がらしでした。(成虫羽脱済み)

さらに下りながら探していると、やっともう一本見つけました。

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湿り気もあって状態がいいように思えたので、これは割らずにこのまま持ち帰ることに。
(標本木として家で大事に保存してありますが、来春でてきたコルリに癒されたい)

車を停めた地点付近まで戻って、丹沢の景色を眺めながら帰路につきました。

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一旦Tさん宅まで戻ってから、また電車でチバまで帰ってきました。

この日、FW、ましてや山登りするつもりはなかったので、散歩用のシューズを履いていたのですが。

みごとにズタボロになり、オシャカに。




オマケ


例の悩めるカマキリの報告です。

ずいぶん長生きをしたと思うのですが、とうとう先日★になりました。

さすがにもう、近所でバッタも採れなくなったので、ヨーグルトをあげていたときの様子。

片方の前脚はもう動かなくて、目も見えなくなっているようでしたが、おいしそうに食べてました。

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オオカマキリ (カマキリ科)


★になってから解剖してみましたが、やはりハリガネムシはいませんでした。

脱出されたあと、命に別状はなかったものの、脳神経は侵されたままだったのでしょうね。

いずれにしても貴重な観察ができました。




今日の湯加減

今日は午前中、バイクショップへ行ってタイヤ交換など、ベニシジミ号のメンテナンスに。
午後はちょっとオフィシャルな用事があって、つくばまで行ってきました。
さて、師走ともなり、いよいよオサホリシーズンのはじまりです。
ということでさっそく明日、いつものメンツで遠征してきます。
いや、今回は遠征ではなく、マイフィールドのボウソウへ。
今年一番の寒さになるという予報ですが、それは望むところ。
ぶちかましてきます。


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コメント 11

アヨアン・イゴカー

オオカマキリは、ハリガネムシに寄生され、行動がおかしくなっていたのですか?
by アヨアン・イゴカー (2021-12-05 10:27) 

いろは

こんにちは^^
ゲンゴロウはもう少なくなってしまったと聞きました。
大きな目が可愛いですね。
オオカマキリがヨーグルトを食べるとは...
やはりハリガネムシに寄生されていたのでしょうか。
何だか切ない気持ちになりました^^
by いろは (2021-12-05 15:06) 

高和です。

武蔵野台地は勤労感謝の日を境にヤマトシジミの姿を見なくなりました。ここは平年並みみたいです。
カマキリ翁のご冥福を祈ります。脳を冒された末路、身につまされます。寄生虫が脱出って、ハリガネムシの寄生はハチのそれとはあり方が違うんですね。
さて、冬至まであと2週間とちょっと。そろそろギフの季節がお待ちです。












by 高和です。 (2021-12-05 19:17) 

ぜふ

>アヨアン・イゴカーさん
解剖しても出てはこなかったのですが、その可能性が高いです。
なお、カマキリがハリガネムシに寄生されることは珍しくありません。

>いろはさん
ゲンゴロウも東京や神奈川など、地域によっては絶滅しています。
カマキリはまだ絶滅していないというより、たくさんいますね^^

>高和です。さん
カマキリなどが水に飛び込むことによって魚たちのエサになり・・
ぐるぐると食物連鎖するわけですね。
つまり肉食のカマキリもピラミッドの頂点ではないということかと。
by ぜふ (2021-12-07 19:11) 

sakamono

一瞬、ものスゴイ数のゲンゴロウ玉、と思いましたが、水槽の底に
腹が映っているだけだったんですね。こんなふうに集まるのは寒いから?
クロカタゾウムシも立派な体をしていますね。
何となく南国って形の感じがします^^;。
by sakamono (2021-12-09 21:17) 

山健父

癒やしの水槽、憧れます。
なぜかいつもぐちゃぐちゃ水槽にしかなりません(汗)
いつぞやは管理の悪いショップからアオミドロが混入して酷い目に会いました。
アオミドロは大変なのでお気をつけくださいませ。
by 山健父 (2021-12-09 21:59) 

ぜふ

>sakamonoさん
必ず何かに寄り添って休むので、適当なものがないと仲間と寄り添うということになります。温めあっているわけではないですね^^
クロカタゾウムシは体の固さが日本昆虫界トップクラスかと。

>山健父さん
別の容器などで検疫してからがいいですね。特に水草はキケンなので。
できれば更にその容器にパイロットフィッシュを入れるといいです。
メダカやヌマエビなど。
by ぜふ (2021-12-10 20:34) 

響

ゲンゴロウが元気の泳ぐアクアリウム楽しみです。
わたしも自分で捕まえた魚100%で水槽を作っていましたが
その中で元気に泳いでくれてるのを見ると癒されますよね。
コクワガタは無事に卵から孵化するといいですね。
by (2021-12-11 08:38) 

ぜふ

>響さん
ほぼ完成しましたので次記事ででも紹介します^^
ほんとに毎日癒してもらっています♪
コルリは・・そもそも入っていますように^^;
by ぜふ (2021-12-11 09:25) 

ぼんぼちぼちぼち

へえ、カマキリって、ヨーグルト食べるのでやすね。
まあ、病人食というか老人食というか、そういう食事なのでやしょうけれど。
ともあれ、ちょっと驚き、同時に勉強になりやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-12-11 14:22) 

ぜふ

>ぼんぼちぼちぼちさん
そうですね、流動食というか代替食のような感じでしょうか。
ただ、基本的にカマキリは動くものしか捕食対象にしません。
by ぜふ (2021-12-11 19:13) 

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