"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
九月のコゲザワ図鑑 [探虫行]
9月5日、ふとした成り行きで裏高尾へ行ってきました。
採りたいターゲットも撮りたいターゲットもなく、何がいるかイメージすることもなく。
まあ、この時期に裏高尾へ行ったことがない気がしたというのは一つの理由。
この虫もイメージにはありませんでした。
この写真でわかる方はカ○○リ通。
実は、この日は採集会が予定されていたのですが、何とか宣言の延長で残念ながら中止にしたのです。
なので一日空いていたということ。
それでその日アテンド予定だったスタッフに連絡したら、何処かへ行こうということになり。
採集会の場所でもよかったのですが、裏高尾に行きたいという意見があり、そうなりました。
ただ、この日は雨模様で、天気予報の降水確率も上がったり下がったりして判断に困ったのですが。
晴れを呼ぶ力を結集させて。
現地は曇り。雨上がりで散策路の地面はやや湿り、道の両側の下草は水滴を乗せています。
虫は見込み薄とはいえ、陽射しもなく蒸し暑さもなく、散策するにはいいコンディションでした。
10分ほど歩いてやっと見かけたのは葉っぱの上の赤いハムシ。
名前がなぜか”黄色”なのは昆虫名あるある。
スタッフの家族の男子小学生も一人同行していて、虫じゃないものを撮っていると不思議がられる。
君も何十年後かにはきっと、こういう光景も撮りたくなるよ。
彼はチョウやトンボに出てきてほしいようでしたが、なかなか影すら見えません。
こちらは葉っぱの上の探索を続け、次にやっと見つけたのはバッタ。
成虫よりも幼虫の方が、体と足のバランスが好きだし、長い触角が上品さを付加しています。
カラムシの葉の上に見つけたのも触角の長い虫でしたが、ずいぶん時期はずれ。
手元の図鑑の出現時期は5月~7月とある。
こんなにスレた姿を見られてははずかしいと思ったのか、葉の裏に回ったところが扉の写真です。
以下、図鑑的に写真の羅列となります。
チョウがお目当てだと眼中にないかもしれませんが、その飛ぶ姿はチラチラとしてよく目立つ。
こちらは全くもって目立たない。幼虫ならなおさら。
ヤマかサトかは不明です。
これも幼虫ですが、バッタよりも同定がむずかしい種。
しかも両肩の突起があまりに特徴的なのでツノカメムシの仲間と思いがち。
これは成虫で小さいながら翅の模様がまた特徴的ではじめて観察したカメムシ。(本ブログ初登場)
もちろん足の色も特徴ですが、なぜ和名が”カメ”で終わるのかは聞かないでください。
1時間半ほど歩き、管理棟のある広場に着くと、草地にトンボが群れているのが見えました。
しかも、コンチューターがただのアカネではないと言っている。
はやる気持ちを抑えながら早忍び足で近づくと、それはお久しぶりのアカネちゃんでした。
名前の通り、平地ではなかなか見られないので、裏高尾まで来たかいがあったというもの。
10頭以上群れていて、アカネくんもいました。
もう一種、群れていたのはバッタたち。
雌雄かどうかは不明ですが、色違いがいました。
これも町では見かけないですが、コンチューターが反応したのは要注意人物。
子供の頃は近所でも牛を飼っている農家があったので身近だけどきらいな虫でした。(刺されたから)
裏高尾では珍しくないようですが何故なのでしょうか。鹿や猪にたかっているのかしら?
ちょうどお昼になったので、ベンチに集まってランチタイムとしました。
チョウやガを目当てのスタッフの一人がテーブルの上に広げたのはお弁当ではなくイモムシ。
タイガースカラーなのでトンボエダシャクの幼虫かと思いましたが、白線入りが特徴ですね。
自分たちからテーブルに飛び乗ってきた方たちもいました。
フキバッタの同定はむずかしいですが、里地ではないので・・
お昼の前から何度か視界を横切っていく茶色い影が気になっていました。
一度、管理棟の向こうに消えて見失ったものの、また現れたので再追跡。
今度も管理棟の裏に飛んで行ったのですが、下草に着地したのを見逃しませんでした。
そっと近づいて、何とか証拠写真を撮影。
二本の白線が特徴のヨトウガの仲間。
お昼をすませた後、もう一度めいめい草地の探索。
林縁を辿っていると、やはり山地性のガがいました。
ガにしては派手なのはオスだけです。
カワトンボかミヤマカワトンボがいないかと沢の方へも行ってみました。
おそらくいるのでしょうけど、陽射しがなくてやや気温も低いので林の中に隠れているのでしょう。
この子は珍しく、隠れずに目の前にとまっていました。
ヒグラシが鳴き始める時間ではありませんが、いつ降り出すかわからないので早めに下山開始。
広場を後にするときに見つけたのは平地でも見かけるものの、なかなか写真が撮れないハチ。
巣を作っているところに遭遇したいものです。
足早に下っていきますが、スタッフの一人は探虫をやめて渓流釣りをしに先に降りていきました。
葉っぱの上は見るとはなしに見ていきましたが、ほとんど虫は見つからず。
代わりに秋らしい花を少し。
虫が飛んでこないのがさみしいところ。
ほぼ下りきったところで、マダム・イモムシが見つけてくれました。
この時期、成虫もよく見かけるようになります。
と思ったら、やっとチョウが現れた。
この日は同定がむずかしい種ばかりでした。
これも。
ハタケかもですが・・
マクロレンズ付きのカメラを持った女性がフェンス沿いの花を見ていたので「虫ですか?」と質問。
違うとのことでしたが、正解は教えてくれませんでした。
頭上の葉にとまるオトシブミを見つけたので、男の子と二人で撮影しようと苦戦していると。
「何がいるのですか?」と近づいてきました。
オトシブミがいるんです、と指さして教えてあげましたが、風で葉っぱが揺れて写真はブレブレ。
男の子にネットインしてもらい、網の上で撮ろうとしたら飛んで逃げられました。
ただこの時期に見るのはめずらしい気がします。(手元の図鑑の出現時期は4月~8月)
先に降りていたスタッフとも合流し、バスの時間を確認して、カメラや道具をしまい撤収開始。
と、お見送りの方がいらっしゃったので、あわててまたカメラを取り出しました。
結局雨には降られなかったし、君たちに会えただけで満足できたよと。
飼育しているダイコクたちはまだ元気に暮らしています。
あわよくば産卵してくれないかと期待。
先日、水生昆虫採集に遠征したスタッフから託されたゲンゴロウの子。
3日後にエサを食べなくなったので、蛹化モードに移行と判断し、強制上陸させました。
翌日になると土の中へ潜っていました。
今日の湯加減
採りたいターゲットも撮りたいターゲットもなく、何がいるかイメージすることもなく。
まあ、この時期に裏高尾へ行ったことがない気がしたというのは一つの理由。
この虫もイメージにはありませんでした。
この写真でわかる方はカ○○リ通。
実は、この日は採集会が予定されていたのですが、何とか宣言の延長で残念ながら中止にしたのです。
なので一日空いていたということ。
それでその日アテンド予定だったスタッフに連絡したら、何処かへ行こうということになり。
採集会の場所でもよかったのですが、裏高尾に行きたいという意見があり、そうなりました。
ただ、この日は雨模様で、天気予報の降水確率も上がったり下がったりして判断に困ったのですが。
晴れを呼ぶ力を結集させて。
現地は曇り。雨上がりで散策路の地面はやや湿り、道の両側の下草は水滴を乗せています。
虫は見込み薄とはいえ、陽射しもなく蒸し暑さもなく、散策するにはいいコンディションでした。
10分ほど歩いてやっと見かけたのは葉っぱの上の赤いハムシ。
オオキイロノミハムシ (ハムシ科)
名前がなぜか”黄色”なのは昆虫名あるある。
スタッフの家族の男子小学生も一人同行していて、虫じゃないものを撮っていると不思議がられる。
君も何十年後かにはきっと、こういう光景も撮りたくなるよ。
彼はチョウやトンボに出てきてほしいようでしたが、なかなか影すら見えません。
こちらは葉っぱの上の探索を続け、次にやっと見つけたのはバッタ。
アシグロツユムシ (ツユムシ科)
成虫よりも幼虫の方が、体と足のバランスが好きだし、長い触角が上品さを付加しています。
カラムシの葉の上に見つけたのも触角の長い虫でしたが、ずいぶん時期はずれ。
ラミーカミキリ (カミキリムシ科)
手元の図鑑の出現時期は5月~7月とある。
こんなにスレた姿を見られてははずかしいと思ったのか、葉の裏に回ったところが扉の写真です。
以下、図鑑的に写真の羅列となります。
チョウがお目当てだと眼中にないかもしれませんが、その飛ぶ姿はチラチラとしてよく目立つ。
シロオビクロナミシャク (シャクガ科)
こちらは全くもって目立たない。幼虫ならなおさら。
クダマキモドキの幼虫 (ツユムシ科)
ヤマかサトかは不明です。
これも幼虫ですが、バッタよりも同定がむずかしい種。
しかも両肩の突起があまりに特徴的なのでツノカメムシの仲間と思いがち。
トホシカメムシ (カメムシ科)
これは成虫で小さいながら翅の模様がまた特徴的ではじめて観察したカメムシ。(本ブログ初登場)
アカアシカスミカメ (カスミカメムシ科)
もちろん足の色も特徴ですが、なぜ和名が”カメ”で終わるのかは聞かないでください。
1時間半ほど歩き、管理棟のある広場に着くと、草地にトンボが群れているのが見えました。
しかも、コンチューターがただのアカネではないと言っている。
はやる気持ちを抑えながら早忍び足で近づくと、それはお久しぶりのアカネちゃんでした。
ミヤマアカネ ♀ (トンボ科)
名前の通り、平地ではなかなか見られないので、裏高尾まで来たかいがあったというもの。
10頭以上群れていて、アカネくんもいました。
同上 ♂
もう一種、群れていたのはバッタたち。
クルマバッタモドキ (バッタ科)
雌雄かどうかは不明ですが、色違いがいました。
同上
これも町では見かけないですが、コンチューターが反応したのは要注意人物。
ウシアブ (アブ科)
子供の頃は近所でも牛を飼っている農家があったので身近だけどきらいな虫でした。(刺されたから)
裏高尾では珍しくないようですが何故なのでしょうか。鹿や猪にたかっているのかしら?
ちょうどお昼になったので、ベンチに集まってランチタイムとしました。
チョウやガを目当てのスタッフの一人がテーブルの上に広げたのはお弁当ではなくイモムシ。
トビネオオエダシャク (シャクガ科)
タイガースカラーなのでトンボエダシャクの幼虫かと思いましたが、白線入りが特徴ですね。
自分たちからテーブルに飛び乗ってきた方たちもいました。
ミヤマフキバッタ (バッタ科)
フキバッタの同定はむずかしいですが、里地ではないので・・
お昼の前から何度か視界を横切っていく茶色い影が気になっていました。
一度、管理棟の向こうに消えて見失ったものの、また現れたので再追跡。
今度も管理棟の裏に飛んで行ったのですが、下草に着地したのを見逃しませんでした。
そっと近づいて、何とか証拠写真を撮影。
シロスジカラスヨトウ (ヤガ科)
二本の白線が特徴のヨトウガの仲間。
お昼をすませた後、もう一度めいめい草地の探索。
林縁を辿っていると、やはり山地性のガがいました。
イカリモンガ ♂(イカリモンガ科)
ガにしては派手なのはオスだけです。
カワトンボかミヤマカワトンボがいないかと沢の方へも行ってみました。
おそらくいるのでしょうけど、陽射しがなくてやや気温も低いので林の中に隠れているのでしょう。
この子は珍しく、隠れずに目の前にとまっていました。
ヒグラシ ♀ (セミ科)
ヒグラシが鳴き始める時間ではありませんが、いつ降り出すかわからないので早めに下山開始。
広場を後にするときに見つけたのは平地でも見かけるものの、なかなか写真が撮れないハチ。
ミカドトックリバチ (ドロバチ科)
巣を作っているところに遭遇したいものです。
足早に下っていきますが、スタッフの一人は探虫をやめて渓流釣りをしに先に降りていきました。
葉っぱの上は見るとはなしに見ていきましたが、ほとんど虫は見つからず。
ツユムシ (ツユムシ科)
代わりに秋らしい花を少し。
ホトトギス
虫が飛んでこないのがさみしいところ。
キバナアキギリ
ほぼ下りきったところで、マダム・イモムシが見つけてくれました。
ナガサキアゲハの幼虫 (アゲハチョウ科)
この時期、成虫もよく見かけるようになります。
と思ったら、やっとチョウが現れた。
コキマダラセセリ (セセリチョウ科)
この日は同定がむずかしい種ばかりでした。
これも。
ハヤシノウマオイ (キリギリス科)
ハタケかもですが・・
マクロレンズ付きのカメラを持った女性がフェンス沿いの花を見ていたので「虫ですか?」と質問。
センニンソウ
違うとのことでしたが、正解は教えてくれませんでした。
頭上の葉にとまるオトシブミを見つけたので、男の子と二人で撮影しようと苦戦していると。
「何がいるのですか?」と近づいてきました。
オトシブミがいるんです、と指さして教えてあげましたが、風で葉っぱが揺れて写真はブレブレ。
ヒゲナガオトシブミ ♂ (オトシブミ科)
男の子にネットインしてもらい、網の上で撮ろうとしたら飛んで逃げられました。
ただこの時期に見るのはめずらしい気がします。(手元の図鑑の出現時期は4月~8月)
先に降りていたスタッフとも合流し、バスの時間を確認して、カメラや道具をしまい撤収開始。
と、お見送りの方がいらっしゃったので、あわててまたカメラを取り出しました。
ミヤマアカネ (トンボ科)
結局雨には降られなかったし、君たちに会えただけで満足できたよと。
オマケ
飼育しているダイコクたちはまだ元気に暮らしています。
ダイコクコガネ (コガネムシ科)
あわよくば産卵してくれないかと期待。
オマケ その2
先日、水生昆虫採集に遠征したスタッフから託されたゲンゴロウの子。
3日後にエサを食べなくなったので、蛹化モードに移行と判断し、強制上陸させました。
ゲンゴロウ 幼虫 (ゲンゴロウ科)
翌日になると土の中へ潜っていました。
今日の湯加減
実は今週、夏休みをとって、また遠征してきました。
昨日帰ってきたところで、まだ遠征の興奮が冷めやりません。
はじめて訪れた場所、偶然見つけた場所、連れて行ってもらった場所。
見つけたかった虫、撮りたかった虫、そしてはじめて採った虫。
きっと記事にしたいと思いますが、その前に溜まった宿題ややらなければならない事が山積。
今日から昆虫館も再開し。イベントも明日の標本教室からやっと開催なのです。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ミヤマアカネさん、フィールドでのお姿はひさしぶりです。
ナガサキアゲハさん、栽培柑橘類が専門とお聞きしてますが、止まっているのはコクサギみたい。代用食なんでしょうか?
ダイコクさまのご飯はどう調達されてますか?
第二次遠征のレポート、楽しみです?
by 高和です。 (2021-09-26 05:14)
こんにちは^^
アシグロツユムシは見たことがありませんが、足や体に
黒い斑点があるようですね?
ラミーカミキリはよく他の方のブログで拝見しますが、
いつも明るいブルーが多いです。
カメムシも種類が多いのですね。
イカリモンガ、模様が綺麗で、会って見たい蛾です。
ミカドトックリバチ、何という姿!
特徴があり過ぎですね^^
ヤマホトトギスも咲き始めましたね。
by いろは (2021-09-26 15:52)
>高和です。さん
韮崎まで行けば国道の上を飛んでいますよね。
最初カラスアゲハだと思いましたが・・どうなんでしょうね。
糞虫のエサは独自の闇ルート経由です^^
>いろはさん
ラミーは本文に書いたとおり、もうさすがにスレていました。
カメムシもガも種類が膨大ですので、同定が大変です^^;
秋の花が(里地でも)次々と咲きだしましたね♪
by ぜふ (2021-09-27 20:28)
>君も何十年後かにはきっと、こういう光景も撮りたくなるよ。
そうか!子供たちにはこの景色の良さがまだ分からないのですね!
面白いなあ^^
バッタは地面に居られると、ほんっと分からないですねww
by リュカ (2021-09-28 07:51)
ラミーさんはたしかに6月くらいに見るので
かなり時期はずれですね。
トックリバチの細いウエストが羨ましい。
by 響 (2021-09-28 16:43)
>リュカさん
この風景のよさが分かるということはリュカさんオトナですね♪
バッタは舞い降りたところの草の根を分けました^^
>響さん
今シーズンはラミーさんに縁があるようですがまさか9月に再開するとは・・
ウエストのくびれはハチもメスがより細いですね♪
by ぜふ (2021-09-28 20:27)
アカアシカスミカメ、背中の模様がおもしろいですね。
まるでデザイン画のような構成の色づかい^^;。
アカアシというだけあって、足にも模様が。なかなか派手です。
ゲンゴロウの子は、アップで見ると迫力があります。
ちょっとコワイ^^;。
by sakamono (2021-09-30 21:23)
トックリバチ、ものすごーくウエストが細いでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-10-01 21:50)
>sakamonoさん
カメムシも多種多様ですが、これは美麗種といっていいでしょうね♪
ゲンゴロウの子はまさに狂暴です! 噛まれたら大変なんです^^;
>ぼんぼちぼちぼちさん
細すぎて固形物は通らないんですね^^;
by ぜふ (2021-10-01 22:25)