"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
ハゴロモの中のアリ [観察会]
8月21日、かなり久しぶりにカシワの池へ行ってきました。
3年くらい前にも紹介しましたが、この池の周辺は自然博物公園として保全・管理されています。
今回も徘徊性昆虫の生態調査をするということでおじゃましました。
寝坊したわけではありませんでしたが、何やかやしているうちに朝から巻きが入りました。
ナビに地点登録していなかったので、所在地を調べてセットし、いざベニシジミ号発進。
カシワへ向かう街道は平常通りに混雑。
それでも想定どおりの時刻に近くまで来たものの、想定外の交差点を左折しろとナビは言う。
しばらく走っていると見覚えのある建物が見えてきた・・違う、こっちじゃない。
路地に突っ込んで停車し、GoogleMapで確認すると、やはり変な方へ案内されている。
番地指定で来たのにどういうこと?と思いつつUターンし、野生の勘で走っていると見覚えのある道。
今度はすんなり到着したものの、約束の時間ギリギリになってしまいました。
ベニシジミ号を降りてへ歩いていると、ちょうどF会の仲間もトラップ回収から戻ってくるところでした。
トラップは定点定量で、前日に10か所10個ずつ、計100個を設置。
これを定期的に繰り返し調査することで、昆虫相や生態、ひいては園内の環境が分かるわけです。
予定時刻ぴったりに久保田先生も到着し、さっそくトラップの中身のチェック開始。
徘徊性甲虫をカウントし、シデムシ以外は先生が回収していきます。
今回はゴミムシ類が少なく、代わりにアオオサムシが計10頭ほど捕れました。
ほとんどメスですねと言うと、先生が「この時期に生き残っているのはメスが多いですからね」
それでもオスも2~3頭いたので、1♂2♀をいただきました。
それと幼虫も1頭。
これまであまり捕れなかったけれど、ハネカクシの仲間とスナゴミムシダマシの仲間が複数。
それとセンチコガネが2頭捕れて、1頭は生きていたのでいただきました。
ゴミムシ類はアオゴミムシとスジアオゴミムシが各1頭とコガシラアオゴミムシが数頭。
それとルイスオオゴミムシが1頭。
というところで確認終了。
久保田先生とお会いするのは1年ぶりくらいとなりましたが再会でき、少しお話もできてよかった。
先生と助手の方は午後から別の用事があるということで、急いで帰られましたがこちらは折角なので。
一人、園内を少し散策して帰ることにしました。
池を中心とした湿地に広がる森で、陽射しは梢で遮られているため、大変なモイスチャー。
風も通らないものの気温はそれほどでもないので、不快指数は高くない。
予め仲間にいるよと注意されていた子が何度も目の前を横切るのがちょっとウルサイ。
でも、その虫のこんな様子を観察することができました。
巣材を採集しているとみるのが普通ですが、スズメバチ(幼虫)はセルロースをエサにできるのかも。
という話を聞いたような・・また時間があるときに調べてみます。(追記 気のせいだったようです)
公園の名前の由来の池は変わった様子もなく、只々ひっそりとそこにありました。
斧を持っていたら投げ込みたくなりますね。
森を抜けたところの草地はワタラセツリフネソウの自生地なのですが、まだ花期ではありませんでした。
その代わりにとても目立っていたビタミンカラーの花。
草地の縁に沿った散策路を歩きながら探虫したのですが、誰にも会えず。
ああ、もう駐車場が見えてきたと肩を落としたとき、ふと見下ろした木の幹に涼し気な子が。
背景が透けてみえるようにアングルを調整していると、一匹のアリが近づいてきました。
通りがかっただけかと思いきや、ハゴロモちゃんにまとわりつき始めたので観察していると・・
ハゴロモはカメムシの仲間なので、草木の汁を吸い、甘い排泄物を出します。
その匂いを嗅ぎつけたのでしょう。
ハゴロモの方も嫌がることもなく、授乳する母虫のようにじっとしていました。
こんな様子を観察できたのも、シースルーだった故かと。
一周して元の場所に戻ってくると、ちょうど仲間も引き上げるところでした。
せっかくなのでトンボ池にも寄ってみるよと伝えつつ、一緒に車とバイクで公園を後にしました。
それでその後立ち寄ったのが、扉の写真のトンボ池でしたが、ザンネンながらトンボのトの字もなし。
唯一写真に撮れたのは、そろそろ声が優勢になってきたセミ。
いよいよ虫の夏も終盤に突入です。
トンボ池に向かっていると、前を走っていた仲間の車が止まりました。
何だろうとベニシジミ号を路肩に停めると、車から降りてきて別のトンボ池を教えてくれました。
そっちの池はコシアキトンボやギンヤンマなど、レギュラーメンバーが揃っていました。
みんなテリトリー守備に忙しいオスばかりだったので、なかなか写真は撮れませんでしたが唯一。
この子の後ろ姿だけ証拠写真が撮れました。
ここは日陰のない池で、暑さにやられて長居はできませんでした。
そのせいもあり、翌日もトンボ探しになったのですが、それはまた次回。
今日の湯加減
3年くらい前にも紹介しましたが、この池の周辺は自然博物公園として保全・管理されています。
今回も徘徊性昆虫の生態調査をするということでおじゃましました。
寝坊したわけではありませんでしたが、何やかやしているうちに朝から巻きが入りました。
ナビに地点登録していなかったので、所在地を調べてセットし、いざベニシジミ号発進。
カシワへ向かう街道は平常通りに混雑。
それでも想定どおりの時刻に近くまで来たものの、想定外の交差点を左折しろとナビは言う。
しばらく走っていると見覚えのある建物が見えてきた・・違う、こっちじゃない。
路地に突っ込んで停車し、GoogleMapで確認すると、やはり変な方へ案内されている。
番地指定で来たのにどういうこと?と思いつつUターンし、野生の勘で走っていると見覚えのある道。
今度はすんなり到着したものの、約束の時間ギリギリになってしまいました。
ベニシジミ号を降りてへ歩いていると、ちょうどF会の仲間もトラップ回収から戻ってくるところでした。
トラップは定点定量で、前日に10か所10個ずつ、計100個を設置。
これを定期的に繰り返し調査することで、昆虫相や生態、ひいては園内の環境が分かるわけです。
予定時刻ぴったりに久保田先生も到着し、さっそくトラップの中身のチェック開始。
徘徊性甲虫をカウントし、シデムシ以外は先生が回収していきます。
今回はゴミムシ類が少なく、代わりにアオオサムシが計10頭ほど捕れました。
アオオサムシ ♀ (オサムシ科)
ほとんどメスですねと言うと、先生が「この時期に生き残っているのはメスが多いですからね」
それでもオスも2~3頭いたので、1♂2♀をいただきました。
それと幼虫も1頭。
アオオサムシ 幼虫 (オサムシ科)
これまであまり捕れなかったけれど、ハネカクシの仲間とスナゴミムシダマシの仲間が複数。
それとセンチコガネが2頭捕れて、1頭は生きていたのでいただきました。
ゴミムシ類はアオゴミムシとスジアオゴミムシが各1頭とコガシラアオゴミムシが数頭。
それとルイスオオゴミムシが1頭。
というところで確認終了。
久保田先生とお会いするのは1年ぶりくらいとなりましたが再会でき、少しお話もできてよかった。
先生と助手の方は午後から別の用事があるということで、急いで帰られましたがこちらは折角なので。
一人、園内を少し散策して帰ることにしました。
池を中心とした湿地に広がる森で、陽射しは梢で遮られているため、大変なモイスチャー。
風も通らないものの気温はそれほどでもないので、不快指数は高くない。
予め仲間にいるよと注意されていた子が何度も目の前を横切るのがちょっとウルサイ。
でも、その虫のこんな様子を観察することができました。
キイロスズメバチ (スズメバチ科)
巣材を採集しているとみるのが普通ですが、スズメバチ(幼虫)はセルロースをエサにできるのかも。
という話を聞いたような・・また時間があるときに調べてみます。(追記 気のせいだったようです)
公園の名前の由来の池は変わった様子もなく、只々ひっそりとそこにありました。
斧を持っていたら投げ込みたくなりますね。
森を抜けたところの草地はワタラセツリフネソウの自生地なのですが、まだ花期ではありませんでした。
その代わりにとても目立っていたビタミンカラーの花。
キクイモ
草地の縁に沿った散策路を歩きながら探虫したのですが、誰にも会えず。
ああ、もう駐車場が見えてきたと肩を落としたとき、ふと見下ろした木の幹に涼し気な子が。
スケバハゴロモ (ハゴロモ科)
背景が透けてみえるようにアングルを調整していると、一匹のアリが近づいてきました。
通りがかっただけかと思いきや、ハゴロモちゃんにまとわりつき始めたので観察していると・・
スケバハゴロモ と アリ
ハゴロモはカメムシの仲間なので、草木の汁を吸い、甘い排泄物を出します。
その匂いを嗅ぎつけたのでしょう。
同上
ハゴロモの方も嫌がることもなく、授乳する母虫のようにじっとしていました。
同上
こんな様子を観察できたのも、シースルーだった故かと。
一周して元の場所に戻ってくると、ちょうど仲間も引き上げるところでした。
せっかくなのでトンボ池にも寄ってみるよと伝えつつ、一緒に車とバイクで公園を後にしました。
それでその後立ち寄ったのが、扉の写真のトンボ池でしたが、ザンネンながらトンボのトの字もなし。
唯一写真に撮れたのは、そろそろ声が優勢になってきたセミ。
ツクツクボウシ ♂ (セミ科)
いよいよ虫の夏も終盤に突入です。
オマケ
トンボ池に向かっていると、前を走っていた仲間の車が止まりました。
何だろうとベニシジミ号を路肩に停めると、車から降りてきて別のトンボ池を教えてくれました。
そっちの池はコシアキトンボやギンヤンマなど、レギュラーメンバーが揃っていました。
みんなテリトリー守備に忙しいオスばかりだったので、なかなか写真は撮れませんでしたが唯一。
この子の後ろ姿だけ証拠写真が撮れました。
オニヤンマ (オニヤンマ科)
ここは日陰のない池で、暑さにやられて長居はできませんでした。
そのせいもあり、翌日もトンボ探しになったのですが、それはまた次回。
今日の湯加減
明日から遠征に出かけます。
人流は抑制するべしとの御達しが繰り返し発せられていますが、虫屋はヒトには会いません。
虫の夏が終わってしまうというか、虫には出現時期があるので時機を逸すると会えない。
というのはイイワケですが、とにかく行って参ります。
ドライブ GO! なのだ。
ザ・クロマニヨンズ「ドライブ GO!」
2021-08-28 20:00
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コメント(8)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
スケバハゴロモと言うのですね、このセミのような昆虫は。しかも、カメムシの仲間で、甘い汁まで分泌するとは。一度見つけたことがあり、何という虫なのか、気になっておりました^^
by アヨアン・イゴカー (2021-08-29 07:49)
オニヤンマさま、後ろ姿もかっこいい!
アオオサムシさま、ご幼少のころから美しい。
スケバハゴロモさま、虫にもエッチな奴がいるんですね。
by 高和です。 (2021-08-29 17:48)
こんにちは^^
スケバハゴロモとアリ、こんな虫もいるのですね^^
新しい事を知るのって、とても楽しいです。
by いろは (2021-08-29 18:46)
>アヨアン・イゴカーさん
スケバハゴロモはセミ科なのでご親戚です。
そしてセミはカメムシの仲間です^^
>高和です。さん
オサムシの幼虫は美しいですが、どうしてみんな黒いのでしょう?
シースルーの意味(役割)は不明ですね^^
>いろはさん
新しいことを知るのに植物や虫は格好の対象ですね♪
動物に比べると圧倒的に多様性があるという意味で。
by ぜふ (2021-08-31 22:29)
斧を投げ込みたくなる池、何となく薄暗いところもいい雰囲気です。
スケバハゴロモとアリの関係、おもしろいですね。この写真が、また
分かりやすい^^;。そういえば、最近ツクツクボウシの声を聞く
ようになりました。そういう時期だったんですね。
by sakamono (2021-09-02 22:18)
>sakamonoさん
ハゴロモとアリの関係はめずらしくないですが、ハゴロモにとってはメリットのない偏利共生だと思います。
ツクツクボウシは前からいるのでしょうけど黙っているのかと^^
by ぜふ (2021-09-03 18:03)
ハゴロモとアリは共生みたいな関係なのかな?
沼に斧もいいけど
ベニシジミ号を入れると金のバイクをくれるかもしれません。
by 響 (2021-09-04 07:41)
>響さん
ウラキンシジミ号になって帰ってくるなら投げます!^^
ハゴロモとアリは偏利共生だと思います。
by ぜふ (2021-09-04 08:35)