"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
フユシャクと再会 [探虫行]
異様に暖かかった1月中旬のチバ。
それが理由ではありませんが、近場をパトロールすることにしました。
ただ、特にあてもなくということではなく、あの子たちとこの子たちに会えればと思って。
詳細は本編にて。
実は、この日は複数の場所を巡る予定で、もっとも遠い所から近場へと辿るつもりだったのです。
なので、出発するときにナビにセットしたのは、一番遠い成東方面でした。
ただし、いつもの一般道優先ではなく、おすすめルートに設定。
成東方面へのルートは2通り。やや北回りの東関道を使うか、やや南回りの東金道を使うか。
ナビは後者の南回りを選択したようでした。
最寄のICから高速に乗りましたが、途中でちょっと気が変わり、高速を降りました。
やっぱり東関道に乗ろうと、しばらく北へ進んで東へ。
ところが、もうすぐ東関道のICというところでナビは右折しろという。
近道でもあるのかと、従いましたが、間もなく見覚えのある国道に出ました。
どうやらナビは意地でも南回りの東金道を走らせたいようです。
まあ、それでもいいかと思ったのも束の間、もうすぐ先は最後に寄ろうとした場所ではないか。
ナビは一番近い目的地から廻れと言っているのか。
まあ、それでもいいかと、また素直に従って到着したのが、チバ市内のとある公園。
ここは毎冬、ウィンター・モスを観察に訪れる場所です。
園内のとあるポイントに行けばだいたいすぐに見つかるのですが、この日はなかなかいません。
いつもより慎重に、ゆっくり歩きながら探し、まずは一頭目を見つけてほっとしました。
散策路の手すりの上が定番の観察場所。というか彼らの活動場所。
メスはここでじっとオスを待っています。
実は同定に自信なしですが、このリボンのように退化した翅のタイプはそれほど多くないと思います。
手すりの上ではなく、側面にぶら下がっている子もいました。
飛べないので落ちたら大変と思うけどいらぬ心配か。
手すりに沿ってぽつぽつと3頭見つけました。大きさはこのくらい。
わずか1センチ程度だし、地味だし、じっとしているので、関心のない方は気が付かないと思います。
もう一つ、観察したかったのはテントウムシ。
この日も暖かかったので活動していてくれるのではと・・お出ましになりました。
チョコチョコと動き回る四つ紋型の子。 こちらはじっとしてくれないので撮りにくい。
ちょっとだけ止まってとの祈りが通じたか、突然静止したのでドアップを撮ってみました。
この子もナミテントウかと思いましたが、真っ黒け。足も翅も黒い。体長は5mmくらい。
ナミテントウかヒメアカホシテントウかダンダラテントウの黒化型か・・不明としておきます。
テントウムシたちは木の皮の下や何かの隙間などで集団越冬しているのが普通ですが、こうして活動している個体はエサを求めているのでしょうか・・
なんてことを考えていたら、反対側から歩いてきた女性が「何を観察されているのですか」と・・
顔を合わせるなり、二人同時に「あーー!」と叫びました。
「O先生!ご無沙汰しています!」
「何年ぶりですかね?フユシャクいましたか?」
「3頭ほど見つけましたが少ないですね」
「先週来たときは10頭以上観察しましたよ」
「そうですか、じゃあ今日はたまたま少ないんですね、よかった」
HFの観察指導員もされている方ですが、観察会もずっとないし、もう何年もご無沙汰してました。
「どこかへ行ってらっしゃいましたよね」
「はい、山形へ行ってましたが、もう3年前ですね」
「そんなになりますか」
などと立ち話をした後、とりあえず端まで行ってみますと一旦別れました。
しばらく進むと、手すりの上にこんな子が。(Oさんにいるよと教えてもらっていたのですが)
モデルポーズを決めてくれていたのでゆっくり撮影していると、Oさんが戻ってきました。
手には昆虫観察用のカプセルが。
「オスがいました」
「捕まえたんですか?」
「飛んでたんで」
さすがです。
せっかくなので同定できないかと写真を撮らせていただきました。
前翅の模様からすると、ヒメクロオビフユナミシャクか、ナミスジフユナミシャクのように見えます。
前出のメスとセットで考えると、ナミスジフユナミシャクの可能性が高い。
わざわざオスを見せに戻って来てくれたようで、また戻って行かれました。
また端に向けて歩いていると、やっともう一頭見つけました。
この種のメスは完全に翅がなくなっていて、一見クモにも見えます。(擬態説はないのかな?)
そしてやっと会えた、もう一つのターゲットが扉の写真の子だったのです。
体長は5mm弱。
この子も動き回ってうまく撮らせてくれなかったのですが、観察していて面白いことに気付きました。
テントウムシは警戒すると、カメが頭と足を引っ込めるように、触覚と足を隠すのですが。
キイロテントウは、まさにカメのように頭も前胸の下に引っ込めるようです。(扉の写真でもわかる)
頭を下に向けるとそう見えるだけかもしれないし、キイロテントウだけではないかもしれませんが。
水路の端までたどり着くも他にフユシャクは見つからず。
引き返そうかと思ったところへ、Oさんが戻って来ました。
「ゴマダラチョウの幼虫がいますよ、見ますか?」
それは是非ということで、水路の端の広場にある一本のエノキへ案内していただきました。
ちょこちょこと根元あたりの落ち葉をひっくり返すと・・いました。
夏になったら成虫を観察に来たいけど、個体数は多くないだろうな。
広場の入口(公園の裏口)に停めてあった自転車に乗って帰っていくOさんを見送り踵を返しました。
水路に沿ってまた探虫しながら戻るも、フユシャクは他に見つけられませんでした。
でも、往路ではいなかったテントウムシが出てくれた。
この子はゆっくり歩いていたので比較的撮影しやすかった。
それともう一種。ちょっと面白いのを見つけました。
たぶん往路でもいたのでしょうけど見逃したのかと。
真冬でも活動する虫とは知りませんでした。(暖かかったからか?)
名前はその形から来ているのでしょう。頭を下にするとそう見えるかしら。
体長はたったの3mmくらいですが、陽光を受けて小さく小さく煌めいていました。
この後、HFと最初に向かう予定だったポイントを巡りましたが、長くなるので続きはまた次回。
O先生はいつも、自転車でパンを買いに来たついでにこの公園の散策(観察)をするのだそうです。
なので、いつも訪れるのはだいたい同じ時間とのことでした。
つまり、高速に乗っていて気が変わらなかったら遭遇しなかった。
かつ、ナビがしつこく元のルートへと導かなかったら遭遇しなかった。
ベニシジミ号とナビが先生に逢わせてくれたのか、あるいはこれも虫神様のお導きか・・
ところで、オマケの写真はうちのゲンちゃんズの一人の近影です。
室内飼育だし、陽射しのある日中の窓辺は春のように暖かいのか、近頃たまに甲羅干しをします。
それはともかく、こうして水上に出ている時、水面に浮かんでいる時、近寄っても逃げないのです。
実はもうかなり年寄りなので、目が見えにくくなったか・・指でつんつんしてもやっぱり逃げない。
完全に慣れたのか、あるいは本当に寿命間近か・・でも元気に泳いでいることもある。
今日の湯加減
それが理由ではありませんが、近場をパトロールすることにしました。
ただ、特にあてもなくということではなく、あの子たちとこの子たちに会えればと思って。
詳細は本編にて。
実は、この日は複数の場所を巡る予定で、もっとも遠い所から近場へと辿るつもりだったのです。
なので、出発するときにナビにセットしたのは、一番遠い成東方面でした。
ただし、いつもの一般道優先ではなく、おすすめルートに設定。
成東方面へのルートは2通り。やや北回りの東関道を使うか、やや南回りの東金道を使うか。
ナビは後者の南回りを選択したようでした。
最寄のICから高速に乗りましたが、途中でちょっと気が変わり、高速を降りました。
やっぱり東関道に乗ろうと、しばらく北へ進んで東へ。
ところが、もうすぐ東関道のICというところでナビは右折しろという。
近道でもあるのかと、従いましたが、間もなく見覚えのある国道に出ました。
どうやらナビは意地でも南回りの東金道を走らせたいようです。
まあ、それでもいいかと思ったのも束の間、もうすぐ先は最後に寄ろうとした場所ではないか。
ナビは一番近い目的地から廻れと言っているのか。
まあ、それでもいいかと、また素直に従って到着したのが、チバ市内のとある公園。
ここは毎冬、ウィンター・モスを観察に訪れる場所です。
園内のとあるポイントに行けばだいたいすぐに見つかるのですが、この日はなかなかいません。
いつもより慎重に、ゆっくり歩きながら探し、まずは一頭目を見つけてほっとしました。
ナミスジフユナミシャク ♀(シャクガ科)
散策路の手すりの上が定番の観察場所。というか彼らの活動場所。
メスはここでじっとオスを待っています。
実は同定に自信なしですが、このリボンのように退化した翅のタイプはそれほど多くないと思います。
同上
手すりの上ではなく、側面にぶら下がっている子もいました。
同上
飛べないので落ちたら大変と思うけどいらぬ心配か。
手すりに沿ってぽつぽつと3頭見つけました。大きさはこのくらい。
クロバネフユシャク ♀ (シャクガ科)
わずか1センチ程度だし、地味だし、じっとしているので、関心のない方は気が付かないと思います。
もう一つ、観察したかったのはテントウムシ。
この日も暖かかったので活動していてくれるのではと・・お出ましになりました。
ナミテントウ (テントウムシ科)
チョコチョコと動き回る四つ紋型の子。 こちらはじっとしてくれないので撮りにくい。
同上
ちょっとだけ止まってとの祈りが通じたか、突然静止したのでドアップを撮ってみました。
同上
この子もナミテントウかと思いましたが、真っ黒け。足も翅も黒い。体長は5mmくらい。
ナミテントウかヒメアカホシテントウかダンダラテントウの黒化型か・・不明としておきます。
未同定 (テントウムシ科)
テントウムシたちは木の皮の下や何かの隙間などで集団越冬しているのが普通ですが、こうして活動している個体はエサを求めているのでしょうか・・
なんてことを考えていたら、反対側から歩いてきた女性が「何を観察されているのですか」と・・
顔を合わせるなり、二人同時に「あーー!」と叫びました。
「O先生!ご無沙汰しています!」
「何年ぶりですかね?フユシャクいましたか?」
「3頭ほど見つけましたが少ないですね」
「先週来たときは10頭以上観察しましたよ」
「そうですか、じゃあ今日はたまたま少ないんですね、よかった」
HFの観察指導員もされている方ですが、観察会もずっとないし、もう何年もご無沙汰してました。
「どこかへ行ってらっしゃいましたよね」
「はい、山形へ行ってましたが、もう3年前ですね」
「そんなになりますか」
などと立ち話をした後、とりあえず端まで行ってみますと一旦別れました。
しばらく進むと、手すりの上にこんな子が。(Oさんにいるよと教えてもらっていたのですが)
ミナミトゲヘリカメムシ (ヘリカメムシ科)
モデルポーズを決めてくれていたのでゆっくり撮影していると、Oさんが戻ってきました。
手には昆虫観察用のカプセルが。
「オスがいました」
「捕まえたんですか?」
「飛んでたんで」
さすがです。
せっかくなので同定できないかと写真を撮らせていただきました。
前翅の模様からすると、ヒメクロオビフユナミシャクか、ナミスジフユナミシャクのように見えます。
前出のメスとセットで考えると、ナミスジフユナミシャクの可能性が高い。
わざわざオスを見せに戻って来てくれたようで、また戻って行かれました。
また端に向けて歩いていると、やっともう一頭見つけました。
クロバネフユシャク ♀ (シャクガ科)
この種のメスは完全に翅がなくなっていて、一見クモにも見えます。(擬態説はないのかな?)
そしてやっと会えた、もう一つのターゲットが扉の写真の子だったのです。
キイロテントウ (テントウムシ科)
体長は5mm弱。
この子も動き回ってうまく撮らせてくれなかったのですが、観察していて面白いことに気付きました。
テントウムシは警戒すると、カメが頭と足を引っ込めるように、触覚と足を隠すのですが。
キイロテントウは、まさにカメのように頭も前胸の下に引っ込めるようです。(扉の写真でもわかる)
同上
頭を下に向けるとそう見えるだけかもしれないし、キイロテントウだけではないかもしれませんが。
水路の端までたどり着くも他にフユシャクは見つからず。
引き返そうかと思ったところへ、Oさんが戻って来ました。
「ゴマダラチョウの幼虫がいますよ、見ますか?」
それは是非ということで、水路の端の広場にある一本のエノキへ案内していただきました。
ちょこちょこと根元あたりの落ち葉をひっくり返すと・・いました。
ゴマダラチョウ 幼虫 (タテハチョウ科)
夏になったら成虫を観察に来たいけど、個体数は多くないだろうな。
広場の入口(公園の裏口)に停めてあった自転車に乗って帰っていくOさんを見送り踵を返しました。
水路に沿ってまた探虫しながら戻るも、フユシャクは他に見つけられませんでした。
でも、往路ではいなかったテントウムシが出てくれた。
ナミテントウ (テントウムシ科)
この子はゆっくり歩いていたので比較的撮影しやすかった。
同上
それともう一種。ちょっと面白いのを見つけました。
たぶん往路でもいたのでしょうけど見逃したのかと。
グンバイムシの仲間 (グンバイムシ科)
真冬でも活動する虫とは知りませんでした。(暖かかったからか?)
名前はその形から来ているのでしょう。頭を下にするとそう見えるかしら。
同上
体長はたったの3mmくらいですが、陽光を受けて小さく小さく煌めいていました。
この後、HFと最初に向かう予定だったポイントを巡りましたが、長くなるので続きはまた次回。
オマケ
O先生はいつも、自転車でパンを買いに来たついでにこの公園の散策(観察)をするのだそうです。
なので、いつも訪れるのはだいたい同じ時間とのことでした。
つまり、高速に乗っていて気が変わらなかったら遭遇しなかった。
かつ、ナビがしつこく元のルートへと導かなかったら遭遇しなかった。
ベニシジミ号とナビが先生に逢わせてくれたのか、あるいはこれも虫神様のお導きか・・
ところで、オマケの写真はうちのゲンちゃんズの一人の近影です。
ゲンゴロウ ♀
室内飼育だし、陽射しのある日中の窓辺は春のように暖かいのか、近頃たまに甲羅干しをします。
それはともかく、こうして水上に出ている時、水面に浮かんでいる時、近寄っても逃げないのです。
実はもうかなり年寄りなので、目が見えにくくなったか・・指でつんつんしてもやっぱり逃げない。
完全に慣れたのか、あるいは本当に寿命間近か・・でも元気に泳いでいることもある。
今日の湯加減
今日の新聞記事「ダイオキシンを含む除草剤が全国各地に埋められている」が気になりました。
半世紀以上前に42市町村の山中に埋設されたそうですが、中にはずさんなやり方の例もあるという。
全部で約26tにもなり、その内の約4tが屋久島に。しかも通達に従った捨て方ではないらしい。
オサホリで山へ入るとゴミの不法投棄を時々見かけますが、規模も影響も責任もケタ違いです。
汚染が広がるようなことがありませんように。
ところで、本編にも書きましたが、休日の交通量が多いと感じます。
ちなみにメディアによれば、都内繁華街各地の人出も前回の緊急事態宣言時の倍前後なのだそう。
(さらに昨日は一週間前と比べて1割前後増えたそうです)
それと、これも現時点のデータとしての記録。
千人当たりの病床数:日本13.7床、韓10.3床、独8.2床、英3.3床、米3.0床(世界平均3.6床)
千人当たりのPCR検査数:英8.1人、米3.9人、伊2.2人、日本0.5人
これらに対する捉え方・考え方は人それぞれでしょうけど、一応ログとして残しておきます。
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
頭部周辺が透明な黄色いこちゃん♪
かわゆい^^
頭も引っ込めることが出来て、生きたオモチャのようです。
山でも何十年も前の不毛投棄、よく見かけます。
山小屋跡などは特に酷くて…
なんでも周辺に捨てていた様子を未だ目の当たりにします…
by よしころん (2021-01-31 08:59)
キイロテントウさま、はじめまして?
昨秋我が家にお越しになったのは「グンバイムシ」さんでしたか。高和はお名前に見当すらつけられず、おかしなクサカゲロウだなあ、と思っておりました。
ゼフさん、今週再会されたのは「フユシャク」さん[?]?高和には「O」先生と読めましたよ。
by 高和です。 (2021-01-31 10:39)
へえ、てんとう虫って、そういう習性があるのでやすね。
キイロてんとう虫、可愛い色でやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2021-01-31 21:51)
キイロテントウは羽化したてのテントウムシかと思いました。
冬でもしっかり虫と出会えるものですね。
by 響 (2021-02-01 10:26)
>よしころんさん
そうでした、前胸が透けているのもチャームポイントでした♪
山小屋跡に捨てるというのも理解不能ですね・・
>高和です。さん
クサカゲロウも美しくもはかないですが、グンバイムシは小ささに魅力がありますね。アブラムシのようでもありますが^^;
はい。タイトルは「Winter moths "and" reunion」です。
>ぼんぼちぼちぼちさん
集団越冬する種類ですね。
キイロテントウは冬の季節に貴重なビタミンカラーです♪
>響さん
なるほど、そういう風にも見えますね、いずれにしてもフレッシュ♪
冬でも昆虫観察はできますね・・掘るだけではなく^^
by ぜふ (2021-02-01 22:08)
フユシャク、体の大きさに比べて足が長いなぁ、と見てて感じました。
確かにクモっぽい感じもします。昔、夜にテーブルの上にぽとりと
落ちてきたコトがあります、キイロテントウ^^;。かわいい色ですね。
by sakamono (2021-02-04 20:48)
>sakamonoさん
足が長いということは歩くのは得意なのだと思います。
キイロテントウがぽとりと? それは珍しいですね^^
by ぜふ (2021-02-04 21:57)