"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
秋と冬のスキマ ~MUD SHAKES~ [探虫行]
11月23日、元気になったベニシジミ号でボウソウしてきました。
前記事ではついでの行動だったとはいえ、毎年この時期はオサホリポイント探しに勤しんでいるのですが。
今年はちょっと別のことに気が向いています。
この日も数日前から暖かかったので、センちゃん(糞虫)のトラップ採集に行くことにしました。
朝もはよから、リアボックスに馬のボロを積んで南に向かい、訪れたのはここ。
画像にフィルターをかけなくてもどこだかは分からないと思いますが(読者の方なら分かるかも)
そのままだとあまりに変哲もないので、扉の写真としてちょっと絵になるように加工しました。
小さな岩山と小川に挟まれた細長い原っぱがあるフィールドです。
まずはさっさとトラップを設置して。
放置している間の行動は前もって一応考えていました。
それは未踏でもあったエリア、この草っぱと岩山を挟んで反対側の探索。
GoogleMapで見ると、帯状につながるおそらく耕作放棄地と、その途中にやはり草原があるのです。
なので、ボロを少し余して、良さそうなポイントがあればそっちにも仕掛けようという魂胆。
岩山は徒歩でも超えることはできないので、ベニシジミ号で北側からぐるりと迂回して行きました。
Mapで確認しておいたアプローチはすぐに見つかり山道との林道とも言えない細い道へ侵入。
ほどなく分岐に差し掛かり、予定では右手の、まさしくさっきの原っぱの裏側へ行くつもりでしたが。
その方向からブィーンという草刈り機の音が聞こえてきたので、先に奥のエリアから攻めることに。
小川に沿って細い耕作放棄地が延々と続いていました。
少しずつ道が狭くなり、路面も荒れてきますが、ベニシジミ号なら問題ないレベル。
ただ何となく、この橋のところに止めて、ここからは歩いていくことにしました。
林に挟まれて陽の当たらない、林床が苔むすエリアを抜けると視界が開けました。
ここがMapで見た草原の一つでしたが、草丈が高くてトラップを仕掛けるのはむずかしい。
今度はボウソウ名物の素掘りの隧道が出現。
小さな岩塊なので、迂回路を作った方が楽なのではと思いますが、砂岩で掘りやすいのだと思います。
トンネルの壁には若者たちの楔文字が。
夏ならトンボたちが大勢飛び交っていそうな、浅くて穏やかな小流が続きます。
もう一つMapで見た草原と思しきポイントに着きましたが、そこは原っぱではなく湿地でした。
この沼の泥の中にはきっとヤゴたちがたくさんいることでしょう。
もうこの先に草原はなさそうなのですが、行けるところまで行ってみようと進みました。
するととうとう。
歩いて越えられるのでさらに奥へ入ってみましたがほどなく。
行き止まりは小さな広場のように開けてはいたのですが、コンチューターがここはダメだという。
踵を返してベニシジミ号まで戻り、最初に行きたかった方への分岐地点まで走りました。
分岐から山側へ歩いて進むと、まだ草刈りをしている方がいたので挨拶して、森の奥へ突入。
こちらもさっきのエリアと同様に、耕作放棄地は湿地と化しているようでした。
コンチューターは反応しないまましばらく進むと、行く手が杉林で阻まれるも、右手に怪しい藪が。
数秒間迷いましたが、久しぶりに藪漕ぎすることに。
昔は小さな狭い棚田だったと思われる、半湿地と化したような細い草原をしばらく進むとついに。
藪も深く、その先は杉林で行き止まりのようでした。
というわけで、このエリアの探索は終了。トラップを仕掛けることもできませんでした。
まだ設置したトラップを回収するには早過ぎるので、どこかでフィールドワークすることに。
実はこういう展開は想定していたので行先は仮決めしていました。
それは今期三度目の訪問となるクマソポイント。1時間かからないくらいなので丁度よいのです。
南へ走っていると、ラーメン屋さんの看板が視界をよぎり、ちょうどお昼ということもあり緊急停車。
よく通る峠道なので、店があるのは認識していたのですが・・看板が派手に新しくなっていました。
(とっくに新しくなっていたけど気が付かなかっただけかもしれません)
要するに食指が動かないお店だったということで、おっかなびっくり初入店。
メニューは少なくてシンプルなものばかり。メンマラーメンかチャーシューメンか迷いました。
結局、初めての店ではいつもそうするように、もっとも基本メニュー”支那そば(550円)”を注文。
選択は正解でした。
チャーシューもメンマもちょっと固くて、たくさん入っていると食べづらかったと思います。
生玉ねぎのみじん切りがポイントですが、何故それで支那そばなのかはナゾです。
さて、三度目の訪問の目的はクマソの冬季型を見たかったからですが、前述のとおり気温は高い。
南房総も天気が良く、20度を越えていたと思います。
ポイントに着くと出迎えてくれたのはこの子。
これも元々は南方系のチョウですが、すでに関東地方には定着しています。
クマソたちもまだたくさんいましたが、翅の色と模様はどうだったかというと。
完全な冬季型とはいえないのかもしれませんが、ほぼモノトーンのシックな色合いでした。
まだ繁殖もしていました。
ただ、さすがに翅が傷んだ個体がほとんどで、ピカピカの翅を開いた子を見つけるのは大変でした。
粘ってメスも撮る気力が湧いてこず。クマソの撮影は早々に終了。
その代わり、前回も前々回も撮らせてくれなかった子がまたいたので記念撮影。
さすがにもうヒルはいなかったし、ソテツ畑の湿地の泥は乾いていたのでモードチェンジ。
泥地はイノシシのぬた場にもなっていますが、コオロギたちの繁殖場所にもなっているのです。
ということで、むぎのエサ用にコオロギの幼虫の採集に勤しみました。
ズボンを泥に汚しながらも地面に這いつくばって採っていると、同じものを狙っているライバルが。
泥と藁の色と迷彩になっているハンター。
コオロギの幼虫はたくさんいたので、彼はもうすでに満腹になっていたかもしれませんけど。
こちらは相手が小さすぎて採集は大変でした。
(幼虫でも1センチ以上に成長したのは、むぎが食べられないのです)
ジャンパーを着たまま立ったりしゃがんだりしている内に汗だくになったのでもう限界。
目の前をクマソたちが飛び交いますが、また逢う日までと撤収しました。
前々回訪れたときは、息切れして峠道を登るのが大変だったベニシジミ号ですが、今回は無問題。
グイグイと快調に走っていたのですが、途中から超ノロノロ運転の軽自動車に先導されてしまいました。
やっとトラップを設置した草原にたどり着き、回収をしたところ、成果は・・たったの一匹でした。
暖かいとはいえ、さすがに閉店モードなのでしょうけど、一頭だけでも採れてよかった。しかもメス。
冷凍保存していたボロだったので、吸引力が低下していたかもしれません。
まだ明るかったのですが、ボウズではなかったことに満足し、とっとと帰路につくことに。
案の定、陽が傾くと急激に気温が下がり、かいた汗が冷えて背中がぞわぞわするほど。
でも今年は暖かいので、まだまだボウソウするぞと自分を鼓舞するのでした。
実はもう一人ライバルがいました。こいつもコオロギ狙いに違いない。
毎日むぎを見ていると、緑色のアマガエルの方が変わった子に見えてくる・・
今日の湯加減
前記事ではついでの行動だったとはいえ、毎年この時期はオサホリポイント探しに勤しんでいるのですが。
今年はちょっと別のことに気が向いています。
この日も数日前から暖かかったので、センちゃん(糞虫)のトラップ採集に行くことにしました。
朝もはよから、リアボックスに馬のボロを積んで南に向かい、訪れたのはここ。
画像にフィルターをかけなくてもどこだかは分からないと思いますが(読者の方なら分かるかも)
そのままだとあまりに変哲もないので、扉の写真としてちょっと絵になるように加工しました。
小さな岩山と小川に挟まれた細長い原っぱがあるフィールドです。
まずはさっさとトラップを設置して。
放置している間の行動は前もって一応考えていました。
それは未踏でもあったエリア、この草っぱと岩山を挟んで反対側の探索。
GoogleMapで見ると、帯状につながるおそらく耕作放棄地と、その途中にやはり草原があるのです。
なので、ボロを少し余して、良さそうなポイントがあればそっちにも仕掛けようという魂胆。
岩山は徒歩でも超えることはできないので、ベニシジミ号で北側からぐるりと迂回して行きました。
Mapで確認しておいたアプローチはすぐに見つかり山道との林道とも言えない細い道へ侵入。
ほどなく分岐に差し掛かり、予定では右手の、まさしくさっきの原っぱの裏側へ行くつもりでしたが。
その方向からブィーンという草刈り機の音が聞こえてきたので、先に奥のエリアから攻めることに。
小川に沿って細い耕作放棄地が延々と続いていました。
少しずつ道が狭くなり、路面も荒れてきますが、ベニシジミ号なら問題ないレベル。
ただ何となく、この橋のところに止めて、ここからは歩いていくことにしました。
林に挟まれて陽の当たらない、林床が苔むすエリアを抜けると視界が開けました。
ここがMapで見た草原の一つでしたが、草丈が高くてトラップを仕掛けるのはむずかしい。
今度はボウソウ名物の素掘りの隧道が出現。
小さな岩塊なので、迂回路を作った方が楽なのではと思いますが、砂岩で掘りやすいのだと思います。
トンネルの壁には若者たちの楔文字が。
夏ならトンボたちが大勢飛び交っていそうな、浅くて穏やかな小流が続きます。
もう一つMapで見た草原と思しきポイントに着きましたが、そこは原っぱではなく湿地でした。
この沼の泥の中にはきっとヤゴたちがたくさんいることでしょう。
もうこの先に草原はなさそうなのですが、行けるところまで行ってみようと進みました。
するととうとう。
歩いて越えられるのでさらに奥へ入ってみましたがほどなく。
行き止まりは小さな広場のように開けてはいたのですが、コンチューターがここはダメだという。
踵を返してベニシジミ号まで戻り、最初に行きたかった方への分岐地点まで走りました。
分岐から山側へ歩いて進むと、まだ草刈りをしている方がいたので挨拶して、森の奥へ突入。
こちらもさっきのエリアと同様に、耕作放棄地は湿地と化しているようでした。
コンチューターは反応しないまましばらく進むと、行く手が杉林で阻まれるも、右手に怪しい藪が。
数秒間迷いましたが、久しぶりに藪漕ぎすることに。
昔は小さな狭い棚田だったと思われる、半湿地と化したような細い草原をしばらく進むとついに。
藪も深く、その先は杉林で行き止まりのようでした。
というわけで、このエリアの探索は終了。トラップを仕掛けることもできませんでした。
まだ設置したトラップを回収するには早過ぎるので、どこかでフィールドワークすることに。
実はこういう展開は想定していたので行先は仮決めしていました。
それは今期三度目の訪問となるクマソポイント。1時間かからないくらいなので丁度よいのです。
南へ走っていると、ラーメン屋さんの看板が視界をよぎり、ちょうどお昼ということもあり緊急停車。
よく通る峠道なので、店があるのは認識していたのですが・・看板が派手に新しくなっていました。
(とっくに新しくなっていたけど気が付かなかっただけかもしれません)
要するに食指が動かないお店だったということで、おっかなびっくり初入店。
メニューは少なくてシンプルなものばかり。メンマラーメンかチャーシューメンか迷いました。
結局、初めての店ではいつもそうするように、もっとも基本メニュー”支那そば(550円)”を注文。
選択は正解でした。
チャーシューもメンマもちょっと固くて、たくさん入っていると食べづらかったと思います。
生玉ねぎのみじん切りがポイントですが、何故それで支那そばなのかはナゾです。
さて、三度目の訪問の目的はクマソの冬季型を見たかったからですが、前述のとおり気温は高い。
南房総も天気が良く、20度を越えていたと思います。
ポイントに着くと出迎えてくれたのはこの子。
ツマグロヒョウモン ♀ (タテハチョウ科)
これも元々は南方系のチョウですが、すでに関東地方には定着しています。
クマソたちもまだたくさんいましたが、翅の色と模様はどうだったかというと。
完全な冬季型とはいえないのかもしれませんが、ほぼモノトーンのシックな色合いでした。
クロマダラソテツシジミ (シジミチョウ科)
まだ繁殖もしていました。
同上
ただ、さすがに翅が傷んだ個体がほとんどで、ピカピカの翅を開いた子を見つけるのは大変でした。
同上 ♂
粘ってメスも撮る気力が湧いてこず。クマソの撮影は早々に終了。
その代わり、前回も前々回も撮らせてくれなかった子がまたいたので記念撮影。
オオアオイトトンボ ♂ (アオイトトンボ科)
さすがにもうヒルはいなかったし、ソテツ畑の湿地の泥は乾いていたのでモードチェンジ。
泥地はイノシシのぬた場にもなっていますが、コオロギたちの繁殖場所にもなっているのです。
ということで、むぎのエサ用にコオロギの幼虫の採集に勤しみました。
ズボンを泥に汚しながらも地面に這いつくばって採っていると、同じものを狙っているライバルが。
泥と藁の色と迷彩になっているハンター。
コカマキリ (カマキリ科)
コオロギの幼虫はたくさんいたので、彼はもうすでに満腹になっていたかもしれませんけど。
こちらは相手が小さすぎて採集は大変でした。
(幼虫でも1センチ以上に成長したのは、むぎが食べられないのです)
ジャンパーを着たまま立ったりしゃがんだりしている内に汗だくになったのでもう限界。
目の前をクマソたちが飛び交いますが、また逢う日までと撤収しました。
前々回訪れたときは、息切れして峠道を登るのが大変だったベニシジミ号ですが、今回は無問題。
グイグイと快調に走っていたのですが、途中から超ノロノロ運転の軽自動車に先導されてしまいました。
やっとトラップを設置した草原にたどり着き、回収をしたところ、成果は・・たったの一匹でした。
オオセンチコガネ (センチコガネ科)
暖かいとはいえ、さすがに閉店モードなのでしょうけど、一頭だけでも採れてよかった。しかもメス。
冷凍保存していたボロだったので、吸引力が低下していたかもしれません。
まだ明るかったのですが、ボウズではなかったことに満足し、とっとと帰路につくことに。
案の定、陽が傾くと急激に気温が下がり、かいた汗が冷えて背中がぞわぞわするほど。
でも今年は暖かいので、まだまだボウソウするぞと自分を鼓舞するのでした。
オマケ
実はもう一人ライバルがいました。こいつもコオロギ狙いに違いない。
ニホンアマガエル
毎日むぎを見ていると、緑色のアマガエルの方が変わった子に見えてくる・・
今日の湯加減
本編に書いたとおり、この日の日中はとても暖かかった。
でもそれから数日経つと急に冬らしくなりましたね。
今日はオサホリポイント探しに行こうと、昨日から準備(というほどのこともない)してました。
しかし、今朝起きたら雨。天気予報は悪い方にはずれました。
午後から回復する予報だったので、様子をみていましたがお昼を過ぎても雨。
どこか街に出かけるにも出遅すぎるので、引きこもって音楽を聴きながら虫たちの世話ざんまい。
そう、ザ・クロマニヨンズの新譜が出たのです♪ 思わず体がリズムに乗ってしまう曲ばかり♪
それともう一つ、初の試みとして、イープラスでストリーミング配信されます!(12/11~14)
"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。
クロマニヨンズ、新譜出たのでやすね。
ブルハ以降、ほとんど聴いてないから、ちょつと聴いてみたい気がしやす。
ちなみなあっしは、マーシー派でやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-12-05 20:48)
11月も半ば過ぎまでツマグロやカマキリが見られるとは、やはり房州は暖かいんですね。
クマソは裏展がよいですね。模様の変化が楽しめそう。
クロマニヨンズは高和には縁遠い存在でしたが、図らずも長女がヒロトさんのファンであることが判明、活動に関心が向くようになりました。
by 高和です。 (2020-12-06 06:10)
おはようございます^^
まだチョウやトンボ、カエルが見られるなんて…
やはりチバは暖かいのですねぇ。
むぎちゃんも元気そうでなにより♪
by よしころん (2020-12-06 08:22)
名物の隧道が良い!
誰もいなくてゆっくり探せそうな場所があっていいですね。
今日のアマガエルはこれぞアマガエルって色だ。
by 響 (2020-12-07 11:27)
そうそう、霧氷も一定の条件が揃わないとなかなか見られないのですよ…
経験値から推測するに、①氷点下の気温 ②無風 ③100%越える湿度
当地は①②は該当することが多いのですが、たいてい③が足りないようで、冬でも数えるくらいしか拝めない貴重な自然現象ですー
by よしころん (2020-12-07 15:48)
>よしころんさん
この日は暖かかったというか、日中は暑いくらいだったので色んな生き物もでてきてくれました。
霧氷は条件が必要な貴重な現象ですね、樹氷じゃないですものね^^;
>響さん
ボウソウは素掘り隧道だらけで、コンプリートは不可能かと。
それくらい、人気のない秘境がたくさんあります^^;
アマガエルの色はこの色ですよね・・感覚が変になりつつあります。
by ぜふ (2020-12-07 22:44)
ゼフさん、追伸です。
クマソの交尾写真を拝見して気が付いたんですが、写真のカップルは頭が同じ方向を向いてますね。チョウの交尾というとお尻でくっついて、頭は反対側を向いている姿勢が一般的(高和にとっては)な印象でしたので、このスタイルは新鮮(笑)です!
by 高和です (2020-12-10 16:55)
ゼフさん、追伸です(同じ内容のコメントが重なったら失礼)。
クマソさんの交尾写真を拝見していて気が付きました。
チョウの交尾スタイルは頭が反対側を向いているのが高和には一般的でした。ところが、クマソさんの場合は頭が同じ方向を向いているんですね。意外というか、あらぬことを想像してしまいました(笑)。
by 高和です (2020-12-10 17:04)
クマソ、表と裏とがほぼ同じの、シックな色合いなんですね。
表の方が、やや青みがかっていて美しいです。
カエルは、コオロギの幼虫も食べるんですね。
ハエを取って食べるイメージがあって^^;。
by sakamono (2020-12-10 21:42)
>高和です。さん
そういわれればそうですね。
ソテツの葉を挟んだからか、たまたまか・・
前々回の記事で紹介したペアは正常位ですが^^
>sakamonoさん
ほんとに南方系のチョウのわりにとてもシックですね。いい色です。
コオロギは大好物です♪ むぎも^^
ハエとかクモとか小さなガとか、雑食ですけど^^;
by ぜふ (2020-12-11 19:25)